ラブライブ! ジードサンシャイン!!   作:ベンジャー

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第1話 『決めるぜ、覚悟!』

かつて「ウルトラマンゼロ」とその仲間達によって倒された光の国で唯一悪の道へと墜ちた戦士、「ウルトラマンベリアル」がとある出来事から復活し、同じく復活した「ギガバトルナイザー」を手にした彼はとある宇宙で悪逆の限りを尽くしていた。

 

そんなベリアルを止めるため、光の国からウルトラ兄弟や宿敵であるゼロを始めとしたウルトラマン達がベリアルの悪行を止めようとその宇宙へと現れた。

 

そして光の国の戦士達とベリアルとの戦いに終止符を打つため、科学者でもある「ウルトラマンヒカリ」は「ウルトラカプセル」と呼ばれるアイテムを開発し、そのカプセルにはウルトラマン達の強大な力が宿っており、それらは手の平に収まるほどの大きさでしか無かったがたった1つで戦局を覆すほどの可能性を秘めていたのだ……。

 

しかし……ウルトラカプセルが完成したほぼ直後のことであった……。

 

『ウアアアアア!!!!』

 

同じ頃、地球では宇宙警備隊隊長「ゾフィー」とその「ウルトラマンベリアル」の力を合わせた「ウルトラマンオーブ サンダーブレスター」と「ウルトラマンノア」によって授けられた鎧「ウルティメイトイージス」を装着した「ウルティメイトゼロ」がベリアルと激戦を繰り広げていた。

 

『シュアアア!!!!』

 

オーブは強烈なパンチをベリアルへと繰り出すのだが、ベリアルはそれをギガバトルナイザーで受け流し、オーブの腹部に叩きつけて電撃を流して吹き飛ばし……そこへゼロが右腕に装着された剣「ウルティメイトゼロソード」を振るい、ベリアルも同じようにギガバトルナイザーを振るって激しくぶつかり合うが一度距離を取ったベリアルはギガバトルナイザーを振るって鎌状の光線を発射する「ベリアルデスサイズ」を繰り出し、ウルティメイトゼロを切り裂き、それによってイージスも粉々に破壊されてしまいゼロはその場へと倒れ込む。

 

『ぬああああ!!?』

『っ……! ゼロさん……!』

 

立ち上がったオーブはゼロを庇うように立ち、両腕に光と闇の力のエネルギーチャージさせた後、腕を十字に組んで放つ必殺光線「ゼットシウム光線」をオーブはベリアルへと発射。

 

『ゼットシウム光線!!』

『フッハハハハハ!!!!』

 

しかしベリアルはギガバトルナイザーを回転させて光線をかき消してしまい、ベリアルはギガバトルナイザーから強力な稲妻を放つ「ベリアルジェノサンダー」をオーブへと喰らわせ、大ダメージを受けたオーブは本来の姿である「オーブ オリジン」へと戻ってしまう。

 

『ぐあああああ!!!?』

『フン、俺様の力とあのゾフィーの力を使っておいてそのザマか!』

 

そこにウルトラ兄弟や他の光の国の戦士も駆けつけるが……。

 

『超時空消滅爆弾、起動……!』

 

静かにベリアルがそう呟くと頭上に巨大な爆弾のようなものが出現する。

 

『フッハハハハ!! 精々あがくが良いさ!』

 

ベリアルの用意した「超時空消滅爆弾」と呼ばれるものが地上へと落下して周りに強烈な炎が吹き出し、ベリアルはその炎の中へと消え……ゼロ達はすぐさま宇宙まで待避するのだが……その爆弾の威力は地球どころかこの世界の宇宙そのものを滅ぼすレベルであり、ゼロとオーブは何とかしなければとしたが……それをゼロの父親である「ウルトラセブン」に止めらる。

 

『行くな! この宇宙は、もうもたない!』

『だけど……!』

『クソ……この地球にも……!』

 

そして地球は爆発し、それによって地球を中心に生じた次元の断層は宇宙全体に広がり……星々は消滅した……かに思われたのだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年後……静岡の「浦の星学院」というとある学校……そこでは校門前に「浦の星学院 入学式」と書かれた看板が置いてあり、学校の中には部活動をしている生徒達が新入生達を勧誘しており……そんな生徒達の中にメガホンを持って「スクールアイドル部でーす!!」と宣言し、チラシを配って他の生徒達と同じように新入生を必死に勧誘している生徒が3人。

 

「スクールアイドル部でーす! 春から始まるスクールアイドル部でーす!!」

 

メガホンを持ってそう叫ぶ少女の名は「高海 千歌」でチラシを配っている少女は彼女の幼馴染みでもある「渡辺 曜」……そしてどこかやる気が無さそうに「よろしくおねがいしまーす」と新入生を勧誘している少年の名は「栗本くりもと 無爪なつめ」という名前の生徒達であり、千歌は「なっちゃんもっとやる気出して!!」とやる気の無さそうな無爪を注意する。

 

「いや千歌ねえ! 僕も新入生なんだけど!? なんで新入生の僕まで勧誘の手伝いさせられてるの!?」

「まぁまぁ細かいことは良いじゃん! 部活とか特に興味ないんでしょ? だったらちょっとくらい手伝ってよ~」

 

そんな風に両手を合わせて「お願い」としてくる千歌だったが、無爪は「ふざけんな! 確かに部活に興味ないし入る気ないけど僕だって暇じゃないんだよ!」と怒鳴り、曜はそんな無爪を「まぁまぁ」と落ち着かせる。

 

「それに千歌ねえ! 周りよくみろ! 人いなくなってんじゃんか!」

「ふぇ……? あぁー!? ホントだぁー!? だ、誰かぁー! スクールアイドル部に入りませんかぁー!! スークアイドル部でぇ~す。 今、大人気のぉ~スクールアイドルでぇ~す!」

 

と慌てて千歌は大声を出して新入生を勧誘するのだが……効果は無し。

 

(最後の方ちょっと涙ぐんでたな千歌ねえ……)

 

数分前……彼女達が学校へと向かう少し前の出来事である。

 

『今日は、『クライシス・インパクト』の真実に迫ります』

『えー、かつてのクライシス・インパクトは隕石の落下が原因とされていますがそれは違います。 これをご覧ください。 クライシス・インパクトの影響で当時の記録は全て失われたとされていますが偶然にも発見された写真の1枚です。 名前は……『ウルトラマンベリアル』』

 

千歌の家の旅館の……彼女の部屋で曜と無爪はおり、横でそんなTVの放送がされている中、千歌が「スクールアイドルやる!」と言い出した今まで覚えたスクールアイドルのダンスを2人に見て欲しいということで呼び出されたのだが……その途中ついつい転んでしまい、尻餅をつく千歌に曜は「大丈夫?」と心配そうに声をかける。

 

ちなみに両親のいない無爪は幼い頃にこの家に引き取られ、彼もこの旅館に住んでいたりする。

 

「へーきへーき! もう1度! どう?」

 

千歌は立ち上がって決めポーズを取り、無爪と曜に感想を聞くと曜は「多分、出来てると思う!」と敬礼しながら答え、それに対し無爪は「まぁまぁじゃないかな……?」とどこか興味なさそうに答える。

 

「もうなっちゃん、ちゃんと見てた?」

「だって僕、スクールアイドルのことよく知らないし……。 『ペガ』は分かる?」

 

自分の影に向かって無爪はそう話しかけると無爪の影の中から1人の宇宙人……「放浪宇宙人 ペガッサ星人ペガ」がひょっこりと現れる。

 

『うん、僕は無爪と違ってスクールアイドルのことは大好きだからね! ダンスもそれなりにって感じだったと思うし……千歌ちゃんがスクールアイドルやるなら僕全力で応援するよ!』

 

とガッツポーズをしながら応援するそんなペガに千歌は「ありがと~! なっちゃんと違ってペガくんはちゃんと応援してくれて私嬉しい!」と抱きつき、それを見た無爪はムスッとした表情を浮かべているとそんな表情を浮かべていたことに気づいた曜がニヤニヤとした笑みで無爪を見つめてくる。

 

「な、なんだよ曜ねえ……!」

「昔っからなっちゃんは大好きな千歌お姉ちゃんが他の人に抱きついたりしてるといっつもそういう顔するよね~? 嫉妬かなぁ?」

「べ、別にそんなんじゃないし……! あと別に大好きでも……!」

 

「じゃあ千歌ちゃんのこと嫌い?」と曜が尋ねると無爪は何も言い返せなくなってしまい、曜はそんな無爪にクスクスと笑ってしまい、それに少し腹を立てた無爪はそっぽを向いてしまう。

 

「あ~もうごめんごめん? それよりも千歌ちゃん、本当にスクールアイドル始める気?」

 

未だにペガとじゃれ合ってる千歌に曜がそう問いかけると千歌は「うん! 新学期始まったらすぐに部活を立ち上げる!」と力強く答えて彼女は手書きの『スクールアイドル陪』と書かれた看板を持って来て無爪達に見せる。

 

ちなみにスクールアイドル「部」ではなく「陪」となっているがこの誤字には誰も気づいていなかった。

 

「あはは……他に部員は?」

「ううん、まだ。 曜ちゃんが水泳部でなければ誘ってたんだけど……。 もしくは……」

「なんで僕を見るんだ千歌ねえ? 入らないからね? そもそも僕男だし!」

 

そんな風に答える無爪に千歌は「えっー!?」と不満そうな声をあげるが、無爪は「入らないものは入らないから!」と答え、それに千歌はガッカリと肩を落としてしまう。

 

「でもどうしてスクールアイドルなの? 今までどんな部活にも千歌ちゃん興味ないって言ってたでしょ?」

 

曜は疑問に思ったことを千歌に聞いてみたのだが……千歌は「えへ」とにっこりと笑うだけで答えず、そんな彼女に無爪、曜が首を傾げていると……。

 

ペガが時計を見て「君たちそろそろ学校行った方が良いんじゃ無い?」という言葉を聞いて彼女達は学校に遅れそうなことに気づき、一同は慌ててジタバタとしつつも家を出てどうにかバスに乗ることができた。

 

バスに乗れた3人はホッと一安心し、千歌は「間に合った~、危うく無駄になるところだったよ」と言いながら手作りのチラシを鞄から取り出し、曜と無爪は「そんなのまで作ってたんだ……」と少しだけ驚いていた。

 

「そりゃやるならちゃんとやらなくちゃ! こういう時は『ジード』だよ! ジーッとしててもドーにもならないんだから!」

「はぁ、またそれか……」

 

千歌の言葉にどこか呆れた様子の無爪だったが、曜の場合は彼とは逆にそんな千歌の気持ちに自分も少しでも力になりたいと思い、彼女は「よっしゃ! 今日は千歌ちゃんのために一肌脱ぎますか!」と新入生勧誘を手伝うことになったのだ。

 

そして……現在に至るのだが……。

 

「スクールアイドル部で~す……。 大人気、スクールアイドル部でぇ~す……」

「こんだけやってるのに人っ子一人どころかチラシすら受け取って貰えないとは……」

 

3人の周りにももう殆ど他の生徒達はおらず、無爪はそうでもないのだが、千歌と曜が誰も来ないことで意気消沈していた時のことである。

 

3人の前を2人の少女……「国木田 花丸」と「黒澤 ルビィ」がどこか楽しげな様子で横切り、曜はそんな2人を見て小さく「美少女……?」と呟くと……先ほどまで後ろにいた千歌がいなくなっていた為か彼女はバランスを崩して倒れ込んでしまい、千歌に至ってはいつの間にか「あの!」と声をかけながら花丸とルビィの目の前にまで回り込んでいた。

 

「大丈夫か曜ねえ? っていうか千歌ねえいつの間に……」

「あなた達、スクールアイドルやりませんか!?」

 

そして突然声をかけられたことで花丸は「ずら!?」と驚きの声をあげ、千歌は「ずら?」と首を傾げるが花丸は「いえ!」と慌てて両手で口を塞ぎ……千歌はチラシを見せながら花丸とルビィを勧誘する。

 

「大丈夫! 悪いようにはしないから! あなた達きっと人気が出る! 間違いない!!」

「で、でもマルは……」

 

花丸は戸惑う様子を見せるものの彼女の後ろに立っているルビィはジィッと千歌の持つチラシを見つめており、それに気づいた千歌は「興味あるの!?」と尋ねるとルビィは「ライブとか、あるんですか!?」と興味深そうに質問をし、それに対し千歌は「ううん、これから始めるところだから……」と答える。

 

「だからね、あなたみたいな可愛い子に是非!」

 

そう言いながら千歌がルビィの手に触れるとルビィは突然青ざめた顔を浮かべ、それに花丸は慌てて耳を塞ぐと……。

 

「ピ……ピギャアアアアア!!!!!?」

 

とルビィは顔を真っ赤にして大声をあげて千歌は驚いて思わず尻餅をつき、花丸は「ルビィちゃんは……究極の人見知りずら……」と小さく呟く。

 

さらにその時のことである、今度は頭上から誰かの叫び声が聞こえ……千歌が頭上を見上げると木の上から1人の少女……「津島 善子」が地面へと降り立ち……転ぶことなく高い位置から着地したため凄く足を一瞬振るわせ……直後に彼女が持っていたと思しき鞄は頭部へと激突した。

 

「ちょっ、色々大丈夫……?」

 

善子は痛がるのを堪えて笑みを浮かべて不敵に笑い出すと辺りを見回す。

 

「ふっふっふ、ここはもしかして地上……?」

 

それを聞いた瞬間一同は「ひっ!?」と声をあげる。

 

「大丈夫じゃ……ない?」

「ということは……あなた達は下劣で下等な人間ということですか……?」

「ホントにいたんだな、中二病患者って……」

 

曜も「うわっ」とちょっと引き気味であり、千歌は「それよりも足大丈夫?」と善子の足をチョンっとすると善子は涙目になりつつも必死に堪え……「痛いわけないでしょ!? この身体はたんなる器なのですから!」と答え、これには千歌も思わず「えっ?」と戸惑ってしまう。

 

「ヨハネにとってはこの姿はたんなる器……あくまで仮の姿! おっと名前を言ってしまいましたね……堕天使ヨハネ……」

 

善子がそこまで言いかけると花丸が何かを思い出したような表情を浮かべて「善子ちゃん?」と彼女に尋ね、本名を言われた善子は戸惑いの様子を見せる。

 

「やっぱり善子ちゃんだぁー! 花丸だよ! 幼稚園以来だねぇ!」

「は・な・ま・るぅ……? に、人間風情が何を言って……」

 

すると花丸は不意に「じゃーんけーんポン!」と彼女にじゃんけんを仕掛け、それに善子は思わずチョキを出してしまうのだが……善子のチョキは明らかにチョキとは思えない変わった形をしていた。

 

「そのチョキ! やっぱり善子ちゃんだ!」

「善子言うな! いい!? 私はヨハネ! ヨハネなんだからねー!!?」

 

そう言い残して善子はどこかへと走り去っていき、花丸は突然善子が逃げ出したことが分からず「どうしたの善子ちゃーん!?」と彼女を追いかけ、ルビィは「待ってー!」とそんな花丸に慌ててついて行くのだった。

 

「ダメだ、あのチョキできない……!」

「いや出来なくていいでしょ……?」

 

と善子のチョキを真似しようとする無爪に苦笑しながら曜がツッコミを入れ、また去って行く彼女達を見て千歌は「後であの娘達をスカウトに行こう!」と拳を握りしめて気合いを入れるのだった。

 

すると後ろの方から「あなたですの? このチラシを配っていたのは?」という誰かの声が聞こえ、3人は声の聞こえた方へと顔を向けるとそこには1人の少女……「黒澤 ダイヤ」が千歌の作ったチラシを見つめており、ダイヤは千歌に「いつ何時、スクールアイドル部なるものがこの学校に出来たのです?」と千歌の方を見て尋ねてくる。

 

「あなたも1年生?」

「このバカ千歌ねえ!」

 

千歌がダイヤにそう問いかけると無爪は慌てて千歌の頭に軽くチョップを入れ、千歌は「いたっ!? なにするのなっちゃん!?」と涙目で訴えるが……。

 

「なにするじゃないよ! リボンの色見ろバカ千歌ねえ! 1年な訳ないだろ!」

「そうだよ千歌ちゃん! この人は……」

 

曜がこっそりと千歌に耳打ちし、それを聞いた千歌は「嘘!?」と驚きの声をあげる。

 

「生徒……会長……?」

 

その後、千歌はダイヤにあとで生徒会長室にまで来るように言われ……今現在彼女はなぜスクールアイドル部の勧誘をしていたのか説明していたのだが……。

 

「つまり、設立の許可どころか申請もしていない内に勝手に部員集めをしていたという訳?」

「悪気は無かったんです。 ただ、みんな勧誘してたんでついでというか~焦った~というか~」

 

千歌は笑いながらそう説明し、ダイヤは「部員は何人いるんですの? ここには1人しか書かれていませんが?」と部活の申請書の紙を見ながらそう問いかけると彼女は苦笑しつつも「今のところ1人です」と答えるのだが……ダイヤは「部活の申請は最低5人は必要なのは知ってますわよね?」と若干肩を震わせながらそう尋ねると千歌は……。

 

「だぁ~から勧誘してたんじゃないですかぁ~」

 

と笑って説明するがそれに苛立ったダイヤは申請書の紙を机の上に「バンッ!」と叩きつけると力強く叩きつけ過ぎたせいでダイヤは「あいった~!?」と手を痛めてしまい、それに千歌は思わず笑ってしまうが……そんな彼女にダイヤは人差し指を突きつけ「笑える立場ですの!?」と怒鳴りあげる。

 

「す、すいません……」

「兎に角、こんな不備だらけの申請書受け取れませんわ」

「えっー!!?」

 

ダイヤの言葉に千歌はショックを受け、生徒会室の扉が開いて外から曜が「千歌ちゃーん、1回戻ろ?」と声を……千歌はだったら5人集めてまた持って来ると言い残して立ち去ろうとしたのだが……ダイヤは「別に構いませんけど、例えそれでも承認は致しかねますがね?」と答え、それに千歌は「どうしてですか!?」と驚きの声をあげる。

 

「わたくしが生徒会長でいる限り、スクールアイドル部は認めないからです!!」

 

とダイヤがそう宣言すると同時に強い風が窓から入り、千歌は涙目で「そ、そんなぁ~!!?」と悲痛な声をあげるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、千歌、曜、無爪の3人は船に乗ってある場所へと向かっており……船に乗ってる千歌はダイヤに言われたことにショックを受けて落ち込んでいた。

 

「はぁ~、失敗したな~。 でもどうしてスクールアイドル部はダメなんて言うんだろ?」

「嫌い……みたい。 クラスの娘が前に作りたいって言いに行った時も断られたって……」

 

曜が言いづらそうに千歌にそう説明すると千歌は「えぇ!? 曜ちゃんダイヤさんがスクールアイドル嫌いなの知ってたの!?」と驚きの声をあげ、無爪も「そう言えばそんな話聞いた気がするな……」と小さく呟く。

 

それに曜は両手を合わせて「ごめん!!」と千歌に謝り、千歌が夢中だったから言い出しづらかったらしい。

 

「兎に角、生徒会長の家、網元で結構古風な家らしくて。 だから、ああいうチャラチャラした感じの物は、嫌ってるんじゃないかって噂もあるし……」

「……チャラチャラじゃないのにな……」

「まぁ、よく知らない人が見ればそう見えるのかもな……」

 

曜、千歌、無爪の3人はそんな話をしている内に船は目的地へと到着し、すぐそこのダイビングショップへと向かうとそこにはダイビングスーツを着た1人の少女……「松浦 果南」がおり、果南は千歌達が来たことに気づいて彼女達の方へと振り返る。

 

「遅かったね、今日は入学式だけでしょ?」

「カナねえ……。 それが千歌ねえが色々やらかしまして……」

「ちょっ、なにその言い方!? 私がなんか悪いことしたみたいじゃん!?」

 

千歌が「ムスーッ」と睨み付けるが無爪は「全然怖くないわ」と笑い、それに千歌が「もー!」と怒るがそれを果南が「やめなよ2人とも」と2人の喧嘩を止める。

 

「それよりはいこれ! 回覧板とお母さんから!」

 

千歌がそう言って果南に渡したのは大量のみかんと一緒に袋に入った回覧板であり、果南は「またみかん?」と苦笑しながら尋ねると千歌は「文句ならお母さんに言ってよ」と言葉を返しそれに果南は思わず笑ってしまう。

 

それから3人は少しだけダイビングショップのベランダで果南と今日あったことを話すこととなり、曜は「それで果南ちゃんは新学期から来れそう?」と尋ねると果南は「それはまだかかりそうかな」と答える。

 

「まだ家の手伝いも結構あってね~。 父さんの骨折も治るのにもうちょっとかかりそうだし」

「そっかぁ~、果南ちゃんも誘いたかったな~」

「誘う? なにを?」

 

果南が尋ねると千歌は「うん、私ね、スクールアイドルやるんだ!」と元気よく答え、それを聞いた果南は少しだけ暗い表情を浮かべたが……3人はそれに気づくことはなく、彼女は「でも私は3年生だしね~」と答えながらすぐそこにあるある物を取りに行く。

 

「知ってる~? 凄いんだよぉ!」

 

と千歌がスクールアイドルのことを説明しようとすると果南に「お返し!」と千歌の顔に干物を押しつけたのだ。

 

「また干物~?」

「文句なら母さんに言ってよ」

 

先ほどの千歌と同じように言葉を返す果南に千歌はなにも言えなくなってしまい、果南は「まっ、そういうことでしばらくは休学が続くから学校でなにかあったら教えて?」と言い、千歌はそれに「う、うん」と頷くとその時……大きな音が聞こえて空を見上げると1台のヘリが空を飛んでおり、千歌は「なんだろ?」と首を傾げる。

 

「……小原家でしょ?」

 

果南がそう答えると無爪はどこか険しい表情の果南に気づき、彼は「カナねえ、表情険しいけどどうかした?」と少し心配するが彼女はすぐに笑みを浮かべて「なんでもないよ」と無爪の頭を撫でる。

 

「カナねえ、僕もう小さくないんだから頭撫でられるのちょっと嫌なんだけど……?」

「えー? 良いじゃ無い、弟みたいなもんなんだから♪」

「あっー! 私もなっちゃんの頭撫でる~♪」

「じゃあ私も! ヨーソロー!!」

 

という感じで千歌や曜に果南に一斉に頭を撫でられる無爪は「やめんかー!!」と怒るのだが結局最後まで3人の気が済むまで彼女達が撫でるのを止めることは無かった。

 

一方、同じ頃ヘリの中では1人の少女……「小原 鞠莉」が乗っており、彼女はヘリから街を見下ろし小さく呟いた。

 

「……2年ブゥ〜リですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、無爪と千歌は帰りのバスを降りて曜と別れ2人は同じ道を歩いて帰るのだが……千歌はチラシを「どうにかしなちゃな~」と呟いており、無爪はそんな千歌を見て「まだ諦めてないんだ」と言うが千歌はそれにガッツポーズをして「当然だよ!」と答える。

 

そんな会話を2人がしていると千歌は1人の制服を着た少女が立っていることに気づいき、それに無爪も気づく。

 

「この辺だと見かけない娘だな……」

「うん」

 

するとなんとその少女はなんと服を当然脱ぎだし、千歌は思わず「へっ?」と声を出し無爪は顔を真っ赤に慌てて目を瞑った。

 

「ちょっとなんで急に服を脱ぎ始めるのあの娘!?」

「大丈夫だよなっちゃん! あの娘下に水着着てるみたいだから!」

「あっ、なら安心……じゃないだろ!? まさかあの娘海に飛び込む気か!? まだ4月だよ!?」

 

無爪の言う通り服を脱いで水着姿となった少女は海に飛び込もうとしており、それを千歌が慌てて少女の腰に後ろからしがみついて引き止めるが……。

 

「まだ4月だよ!? 死んじゃうから!?」

「離して行かなくちゃいけないの!!」

 

無爪も千歌と同じように少女を止めようと駈け出すが……次の瞬間、千歌と少女は足を滑らせて海の中へと「ドボーン!」と大きな音を立てながら落っこちてしまった。

 

「うわああああ!!!!? 千歌ねえ!?」

 

無爪は慌てて上の服を脱いで2人を助けるために自分も海に飛び込んで行き、その後……2人はどうにか無爪に助け出され、それから3人は焚き火をして身体を温めていた。

 

「大丈夫……? 沖縄じゃないんだから。 海に入りたければダイビングショップもあるのに……」

 

千歌は少女にタオルを渡しながらそう話すが少女が言うには「海の音が聞きたかったの……」と答え、千歌と無爪は「海の音?」と首を傾げ、千歌は「どうして?」と尋ねるが……少女は答えようとせず、千歌は諦めて「分かった、じゃあもう聞かない!」と言うのだが……。

 

「海中の音ってこと!?」

「おいもう聞かないんじゃなかったのか千歌ねえ?」

 

しかしそんな千歌の言葉に少女はクスリと笑い、少女は「私、ピアノで曲作ってるの。 でもどうしても海の曲のイメージが浮かばなくて……」と話し始めそれに千歌は興味深そうに感心した。

 

「ふーん。 曲を? 作曲なんて凄いね! ここら辺の高校?」

「……東京」

「東京!? わざわざ!?」

 

少女の答えに千歌は驚きの声をあげ、無爪もこれには少しばかり驚きの表情を浮かべていた。

 

すると千歌は少女の隣に座り込み「そうだ! じゃあ誰かスクールアイドル知ってる?」と尋ねると少女は「スクールアイドル?」と首を傾げ、千歌は東京ならば有名なグループが沢山いるのではないかと思い彼女に話を聞こうとしたのだが……。

 

「なんの話?」

 

どうやら彼女はスクールアイドルについてはあまり詳しくないらしい。

 

(そりゃ全員が知ってる訳ないよね……)

 

これには千歌は驚き「まさか知らないの!?」と声をあげ「スクールアイドルだよ!? 学校でアイドル活動して、大会も開かれたりする!」と少女に説明するが少女はやはりスクールアイドルのことはよく分からないらしい。

 

「有名なの?」

「有名なんてもんじゃないよ! ドーム大会も開かれたりするぐらいで超人気なんだよ! って私も詳しくなったのは最近なんだけどね」

 

それに少女は「そうなんだ、私ずっとピアノばかりやってきたからそういうの疎くて……」と話し、そんな彼女に千歌は「じゃあ見てみる? なんじゃこりゃ~ってなるから!」とスマホを取り出す。

 

少女はそんな千歌の言葉に「なんじゃこりゃ?」と首を傾げるが、千歌は「そうなんじゃこりゃ!」とだけ答えてスマホのある9人のグループのスクールアイドルの画像を見せて千歌は「どう?」と感想を尋ねる。

 

「うーん、どうって言われても……普通? いえ! 悪い意味じゃなくてアイドルって言うからてっきり芸能人みたいな感じかと思って……!」

「だよね! だから……衝撃だったんだよ」

 

そんな千歌の言葉に少女は「えっ?」と少しだけ戸惑う。

 

「あなたみたいにずっとピアノ頑張ってきたとか、大好きなことに夢中でのめり込んで来たとか、将来こんな風になりたいって……夢があるとか……。 そんなの1つも無くて……。 私ね、普通なの。 私は普通星に生まれた、普通星人なんだって……。 どんなに変身しても、普通なんだって。 そんな風に思ってて、それでも何かあるんじゃないかって……思ってたんだけど、気がついたら高2になってた……」

 

千歌は昔のことを思い出しながら少女にそう話し始めると突然両手で頭を抱えて「まっず! このままじゃ本当にこのままだぞ!? 普通星人を通り越して普通怪獣ちかちーになっちゃうーって!」と身体で慌てる様子を表現する。

 

「なんだよ普通怪獣ちかちーって。 弱そう……ふふ」

「もう、笑わないでよなっちゃん! それでまあガオーって! ビー! ドカーンっと!!」

 

そんな風に少しはしゃいだ後、千歌は少女の方へと振り返って笑みを浮かべると少女もそれに釣られるように「フフ」と笑みを浮かべた。

 

「そんなとき、出会ったの。 あの人達に……」

 

千歌はそう言いながら以前東京に行った時、「UTX」という学校の大きなモニターに先ほど見せた千歌がスクールアイドルを始める切っ掛けにもなったスクールアイドル……「μ's」のライブが映し出されていた時のことを思い出していた。

 

挿入歌「START:DASH」

 

「それで思ったの。 一生懸命練習してみんなで心を1つにしてステージに立つとこんなにもかっこ良くて感動できて……素敵になれるんだって! スクールアイドルってこんなにも! こんなにも! こぉーんなにも!! キラキラ輝けるんだって!!」

 

千歌はとても楽しげに少女にそう語り、「気づいてたら全部の曲を聴いてた! 毎日動画見て歌を覚えて! そして思ったの! 私も仲間と一緒に頑張ってみたい、この人達が目指したところを私も目指したい」と語る。

 

「私も……輝きたいって!!」

 

すると少女は千歌に「ありがとう」とお礼を言い、少女は「なんか頑張れって言われた気がする。 今の話」と先ほどと比べると少しだけ表情も柔らかくなり、それに千歌も「ホントに?」と嬉しそうだった。

 

「えぇ、スクールアイドル、なれると良いわね」

「うん! あっ、私、高海 千歌! あそこの丘にある、浦の星学院って高校の2年生!!」

「同じく栗本 無爪です。 1年生、よろしく……」

 

すると少女は立ち上がって「女の子の方とは同い年ね」と呟き、自分も名前を名乗る。

 

「私は桜内 梨子。 高校は……音ノ木坂学院高校……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから梨子と別れた無爪は千歌だけを先に家へと帰らせ、少し寄りたいところが出来たため、帰りが少し遅くなることだけを伝えて無爪はある場所へと向かうこととなった。

 

するとその時、ひょっこりとペガが顔を出し「またあの場所に行くのかい?」と尋ねると無爪は「そうだよ」と頷いた。

 

そこは古びたとある天文台であり、周りに人の目もなかったためペガは無爪の影から出てくる。

 

『確か無爪が赤ちゃんの時、ここで保護されたんだよね』

「あぁ。 それで千歌ねえ達の両親が引き取ってくれて……今はあの旅館で暮らしてる訳だ」

『君のお父さんとお母さん、どんな人だったのかな?』

 

ペガがそう疑問に思ったことを口にすると「さあな」としか答えず、天文台の近くへと寄る。

 

『さあなって……両親のこと、知りたくないのかい?』

「知りたくない訳じゃないんだ……。 だからこうしてたまにここに何か手がかりがあるんじゃないかって来てるんだ……」

 

天文台の壁に触ろうとしたその時、突然無爪の目の前に浮遊する球体が現れ……無爪は「うわ!?」と驚きの声をあげて尻餅をついてしまう。

 

「なんだよ……これ!?」

『大丈夫かい無爪!?』

「あ、あぁ……」

 

無爪はどうにか立ち上がって目の前を飛ぶ球体を恐る恐る人差し指で触って見ると突然「バチィ!」という音が鳴り、無爪は慌てて指を引っ込める。

 

「いった!? 刺しやがったこいつ……!」

『Bの因子、確認。 基地をスリープモードから通常モードへと以降します。 権限が上書きされました。 マスター、エレベーターへどうぞ』

 

球体が突然喋りだし、目の前にエレベーターのようなものが出現し無爪とペガは顔を見合わせて首を傾げる。

 

『お乗りください』

「あっ、はい……」

 

取りあえず、無爪とペガは言われた通りエレベーターへと乗り込み、エレベーターは地下を目指して進みドアが開くとそこにはそれなりに大きな部屋があり、無爪達を案内してきた球体はその中央に設置された黄色い球体のようなものの近くに「コトン」っと置かれ、そして黄色い球体が光り出すと突然無爪達を案内して来た球体と同じ声で喋り始める。

 

『お待ちしておりました、マスター』

「君は……?」

『報告管理システム、声だけの存在です。 そしてここは天文台の地下500メートルにある中央司令室です。 この基地はマスター、あなたに譲渡されました』

 

無爪はペガの顔を見てもしかしてこの球体は誰かと間違えているのではと思ったが……球体は「誤認ではありません」と答えた。

 

『既に血液の採取を行いDNA検査を終了させています』

「……あの時か!」

『っていうか、君の声なんかどこかで聞いたことある気がするんだよね~? 誰だったかなぁ?』

 

ペガは無爪の隣でそんなことを呟いていたが無爪は先ほど球体に触った時のことを思い出し、球体は「お渡しするものがあります」と中央のテーブルに幾つかのあるアイテムを出現させた。

 

『フュージョンライズ用のマシン、ライザーとウルトラカプセルです』

「これを……僕に?」

『はい』

 

しかし無爪にはどうしてこれを自分に球体がくれるのか分からず、そのことについて尋ねると球体が言うには「時が来ればあなたに渡すことになっていたからです」と答え、球体が言うにはそのライザーというものを使用することで無爪は本来の姿に戻り力を行使することができるのだという。

 

「本来の姿……?」

『あなたはこの星の住人ではありません。 あなたはウルトラマンの遺伝子を受け継いだ異星人です……』

「なっ……!」

 

その球体の言葉に無爪は衝撃を受けて驚愕したが、一方で無爪はそれについて少しだけ心当たりがあった。

 

それは以前、高い所にある物を取ろうとしてジャンプしたら天井にまで頭をぶつけてしまったことや……ペガが以前にも「君は地球人じゃない、そう思い込んでるんだ」と指摘を受けたことがあったため、その時はまさかと思っていたが……。

 

本当に宇宙人……しかも都市伝説だと思われていた光の巨人「ウルトラマン」であることを球体から教えられ、無爪は唖然としていた。

 

一方その頃……とある場所で黒い服を着込んだ1人の男性が無爪に渡された物と同じ「ライザー」を手に持っており、男性はウルトラカプセルと酷似した「怪獣カプセル」を取り出し、それの「古代怪獣 ゴモラ」と「どくろ怪獣 レッドキング」という2体の怪獣のカプセルを専用の装填ナックルへ装填し、それをライザーでスキャンする。

 

「時は来た。 ゴモラ、レッドキング……。 これでエンドマークだ!」

『フュージョンライズ!』

 

すると男性の姿が「ウルトラマンベリアル」の姿へと変わり、ベリアルの前にゴモラとレッドキングが現れると2体は粒子のようになってベリアルの口の中へと吸い込まれ、ベリアルはゴモラとレッドキングの姿を組み合わせたような巨大な怪獣……「ベリアル融合獸 スカルゴモラ」へと変身する。

 

『ゴモラ! レッドキング! ウルトラマンベリアル! スカルゴモラ!』

 

場所を戻し、無爪達はというと……。

 

『マスター、怪獣が出現しました』

「怪獣……!?」

『えぇ!?』

 

突然球体にそんなことを言われて無爪とペガは驚きの声をあげ、1つのモニターを出現させるとそこには確かに怪獣……スカルゴモラが街を破壊しながら歩いている光景が映し出されており、無爪はまさに空いた口が塞がらないという状況だった。

 

『怪獣って、ホントにいたんだね……』

「ってこの場所……なんか見たこと……。 あっ! ここって近くに家の宿がある場所だ」

 

無爪は慌ててスマホを取り出し、千歌に連絡を取ろうとするのだが……彼女は電話に出ることはなく、無爪は「クソ!!」と床を蹴る。

 

『マスター、現場までエレベーターで向かいますか?』

「行けるのか!?」

『座標を設定できます。 通信には先ほどのマシンを使ってください。 触れていれば会話は可能です』

 

それを聞いたペガは「なにする気!? まさかあの怪獣と戦うつもり!?」と心配するが……。

 

「このままじゃ千歌ねえが危ないかもしれないんだ!! 千歌ねえだけじゃない、街を滅茶苦茶にされて多くの人が死ぬかもしれない。 僕なら……ウルトラマンなら、怪獣を倒すことってできるんだろ!?」

 

無爪のその質問に対し球体は「可能です」と答え、それを聞いて「なら僕が行くしか無い!」と無爪はスカルゴモラのいる場所に連れて行くように頼む。

 

『でも無爪……自衛隊とかが怪獣を倒すかもしれないし……』

「自衛隊を待ってる時間なんてない! ペガはここで待っててくれ」

 

無爪はそう言ってエレベーターへと乗り込むと「レム、頼む」と言うが「レム」と呼ばれた球体は「レムとは私のことですか?」と尋ねる。

 

「あぁ、名前がないと色々と不便だろ?」

『レポート、マネージメントのイニシャルですね?』

「まぁ、そんなところかな? という訳で頼むよレム。 それと、僕のことも『無爪』って呼んで?」

 

球体改め「レム」は「分かりました、無爪」と無爪に返事をするとエレベーターの扉を閉じて転送を開始し、スカルゴモラのいる場所にまで無爪を転送する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無爪はエレベーターに乗って転送された場所へと辿り着き、エレベーターから出てスカルゴモラの姿を確認する。

 

「……これどこで〇ドアだよなぁ……」

 

無爪はそんなことを呟いたが今はそんなことを言っている場合ではないと思い、腰につけている装填ナックルに触れてレムと通信を行う。

 

「レム、状況は?」

『怪獣の進行方向に大勢の人々が逃げ惑っています。 フュージョンライズしますか?』

 

レムの問いかけに無爪は「あぁ」と答え、レムから「フュージョンライズ後の名称を決めてください」と言われる。

 

「……」

 

そしてこの時、無爪は千歌の言っていたある言葉を思い出していた。

 

『こういう時は『ジード』だよ! ジーッとしててもドーにもならないんだから!』

 

その言葉を思い出していた無爪はフュージョンライズ後の名称を「ジード」にすることに決め、ライザーも「そしてこれはジードライザーだ!」と新たに名付け、ジードライザーを取り出す。

 

「ジーッとしてても、ドーにもならねえ!!」

 

無爪はそう言い放つと腰のカプセルホルダーの始まりの巨人「初代ウルトラマン」のカプセルを取り出し、スイッチを押して起動させるとそこからそのウルトラマンが出現する。

 

「融合!!」

 

ウルトラマンのカプセルをナックルに装填させた後、さらにそれとは別に最凶最悪のウルトラマンと呼ばれた「ウルトラマンベリアル」のカプセルを取り出し起動させると今度はそこからベリアルが出現。

 

「アイ、ゴー!!」

 

同じくベリアルのカプセルをナックルに装填し、ジードライザーで装填したカプセルをスキャンする。

 

「ヒア、ウィー、ゴー!!」

『フュージョンライズ!』

「決めるぜ、覚悟!!」

 

そしてジードライザーを掲げて胸の前でスイッチを押すとウルトラマンとベリアルの姿が重なり合い、無爪は2人のウルトラマンの姿を合わせた「ウルトラマンジード プリミティブ」へと変身を完了させたのだ。

 

「はああ!! ジイィーーーード!!!!」

『ウルトラマン! ウルトラマンベリアル! ウルトラマンジード!! プリミティブ!!』

 

そしてジードが大地へと降り立ち、スカルゴモラの前に立ち塞がる。

 

その様子を基地から見ていたレムは「フュージョンライズ、成功しました」と無爪に変身が成功したことを伝え……それを見たペガはその姿を見て「アレは……!」と驚いた様子を見せていた。

 

また怪獣が出現し、慌てて家から出て避難していた千歌やその姉2人である「高海 志満」「高海 美渡」はジードが出現したことで一度足を止め、彼女等は唖然とした様子でジードを見上げていた。

 

「あれ……なに?」

「さ、さあ……?」

 

美渡と志満が不安そうにジードを見つめる中、千歌はジードの目を見て「あの目、どこかで……」と今朝のニュースのことを思い出していた。

 

戦闘BGM「カイザーベリアルのテーマ」

 

『これが……今の僕……』

「グギャアアアアアア!!!!」

 

スカルゴモラの鳴き声を聞き、ジードは感心している場合じゃないと思いスカルゴモラの方へと高くジャンプして接近する。

 

『うわわ!? すっげージャンプ力!!?』

 

ジードはそのままスカルゴモラの頭部に蹴りを叩き込み、スカルゴモラは多少後退するが……すぐさまジードはスカルゴモラの角に掴みかかり、スカルゴモラのこれ以上の進行を阻止しようとするがスカルゴモラはジードの腕を振りほどいて右手でジードの顔を殴りつける。

 

『ウアア!!?』

 

殴りつけられたジードは倒れ込み、その際に建物の1つが破壊されてしまう。

 

『無爪!! 聞こえる!?』

 

ペガが基地を通してジードに話しかけ、ジードは「ペガ!」と声をあげながら壊れた瓦礫を拾いあげる。

 

『どうなったんだ!? 建物も道路も、柔らかい! まるで砂で作ったみたいだ!!』

『今の君……まるで……』

 

すると、スカルゴモラは再び進行を開始する。

 

『これ以上、進行させてたまるか!!』

 

今はそんなことを気にしている場合ではないとジードはそう言い放ちながらスカルゴモラに飛びかかるのだがスカルゴモラは尻尾を振るってジードを海の方へと叩き落とし、スカルゴモラはジードに追撃しようと接近し、ジードに噛みつこうとするがジードはスカルゴモラの顔を左手でどうにか押さえつけて右拳を何発もスカルゴモラの胸部に叩き込む。

 

「グルアアアアアア!!!!!」

 

だがスカルゴモラは右足を振り上げてジードを蹴り飛ばし、倒れ込んだジードを踏みつけようとするがジードはそれをどうにか避けて立ち上がり、スカルゴモラの顔面を狙って何発も拳を叩き込んでいく。

 

『シュアア!!』

「ギシャアアア!!!!」

 

しかしスカルゴモラはジードの両手を掴んで受け止め、頭突きを喰らわせるとそれにジードはフラつき、スカルゴモラは尻尾を振るってジードを叩きつけて吹き飛ばす。

 

『ウグアアア!!!?』

 

ジードはすぐに立ち上がって助走をつけてからのドロップキックをスカルゴモラの腹部に喰らわせ、スカルゴモラは多少後退するものの再びジードに向かって尻尾を振るって攻撃を仕掛け……ジードはそれをどうにか両手で受け止める。

 

『ヘアッ!!』

 

ジードは尻尾を掴みそのまま力いっぱいにフルスイングし、スカルゴモラを投げ飛ばす。

 

勿論、街に被害が及ばないように海の上に叩きつけ、倒れ込んだスカルゴモラに馬乗りとなってチョップを繰り出すがスカルゴモラはすぐに起き上がってジードを振り落とし、スカルゴモラはジードに向かって口から「スカル振動波」という光線を吐きだしてジードに直撃させ、それを喰らったジードは身体中から火花を散らして倒れ込んでしまう。

 

『ウグアアアアア!!!!?』

 

それによってジードの胸部のクリスタルであるカラータイマーは激しく点滅を始めてレムから「間も無く活動限界時間です」ということが伝えられ、レムが言うにはこの星でウルトラマンでいられるのは3分が限界らしく、次に変身できるのは約20時間後だというのだ。

 

『ぐっ……20時間も……待ってられるか……!』

 

そしてスカルゴモラはジードを放ったらかしにして再び千歌達のいる方へと進行を開始し……それをジードはどうにか立ち上がろうとする。

 

『まずい! 千歌ねえが……! みんなが危ない!!』

 

どうにか立ち上がったジードはスカルゴモラに向かって駈け出して行く。

 

挿入歌「GEEDの証」

 

ジードは背後からスカルゴモラに掴みかかり、どうにか持ち上げて千歌達とは真逆の方へと投げ飛ばす。

 

『マスター、光子エネルギーを放出することを提案します』

『レム……。 それのやり方は!?』

『もう知っている筈です』

 

レムの言葉に無爪は「はぁ!?」と驚くが……突然、その方法が頭に浮かび、ジードは「よし!!」と言いながら千歌達を守るように立つ。

 

『千歌ねえ達に……近づくなァ!!』

 

するとジードは全身を発光させながら赤黒い稲妻状の光子エネルギーを両手にチャージさせ、両腕を十字に組んで放つ必殺光線「レッキングバースト」をスカルゴモラに向かって発射する。

 

『レッキングバァーストォ!!!!』

 

ジードの放った光線……レッキングバーストがスカルゴモラに直撃し……身体中から火花を散らしながらスカルゴモラは倒れて爆発したのだった……。

 

「やったぁ!! 勝ったぁ!!」

 

ジードがスカルゴモラに勝利し、千歌や周りの子供達は喜びの声をあげ……ジードは肩で息をしながらも千歌達を守れたことに安心し、その姿を消し去るのだった。

 

そして基地にいるペガはレムに「無爪の中に眠る、強大な力って……?」と疑問に思ったことを質問するとレムはペガに答えたのだ。

 

『血液からBの因子が確認されました。 彼はこの基地の本来のマスターと99.9%の確立で親子関係です』

『親子ってことは……無爪の両親のことを知ってるの!?』

『はい、彼の父親は……ベリアル、ウルトラマンベリアルです』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怪獣の出現により、ほんの数日間だけ浦の星学院は休校となったのだがジードが即座に怪獣を退治したためにそこまで大きな被害が出ることはなく、そのために学校はすぐに授業が再開されることとなっていた。

 

ちなみに千歌の家は無事だった。

 

そして千歌、曜、無爪は何時も通り3人でバスで通学し、バス停を降りた際千歌がもう1度スクールアイドル部の申請に行くと言い出したのだ。

 

「うん! ダイヤさんのところに行ってもう1回お願いしてみる!」

「でも……」

「諦めたらダメなんだよ! あの人達も歌ってた! その日は絶対来るって!」

 

そんな千歌を見て曜は笑みを浮かべて「本気なんだね……」と呟く。

 

「ジーッとしてても、ドーにもならないもんね、千歌ねえ」

「うん!」

 

また無爪も本気でスクールアイドルを目指す千歌を見て笑みを浮かべ、すると曜は千歌の隙を突いて彼女の持ってる申請書を奪い取りそれに千歌は「ちょっと!?」と怒るが曜は千歌の背中へと突然持たれる。

 

「私ね、子供の頃からずぅーっと思ってたんだ。 千歌ちゃんと一緒に夢中で、何かやりたいなぁって」

「曜ちゃん……?」

 

すると曜は鞄からペンを取り出し、なんと申請書に自分の名前を書き込んだのだ。

 

「だから水泳部と掛け持ちだけど! えへへ、はい!」

 

そして自分の名前を書き込んだ申請書を千歌に渡し、そんな彼女の行為に千歌は思わず涙になってしまい、思わず曜へと抱きついたのだ。

 

「う、うぅ……! 曜ちゃぁ~ん!!」

「うわあ!? く、苦しいよぉ……」

「よぉーし! ぜったい凄いスクールアイドルになろうねぇ!!」

 

千歌と曜はそう高らかに宣言したのだが……先ほど千歌が曜に抱きついた際、彼女は申請書を手放してしまい、その申請書は「ポチャリ……」と音を立てて水たまりの中に入ってしい「あぁー!!?」と2人揃って叫ぶのだった。

 

そしてそれを見た無爪は頭を抱え「バカ千歌ねえ……」と呆れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、結局千歌と曜の2人はそのずぶ濡れの申請書をダイヤに提出しに行ったのだが彼女は「ふぅ。 よくこれでもう一度持ってこようという気になりましたわね? しかも1人が2人になっただけですわよ?」と彼女も呆れた様子を見せていた。

 

「やっぱり簡単に引き下がったらダメだって思って!! きっと生徒会長は私の根性を試しているんじゃないかって!!」

 

しかしそんな千歌の言葉に対しダイヤは「違いますわ!!」と大否定。

 

「何度来ても同じとあの時も言ったでしょ!?」

 

そんなダイヤの言葉に千歌は「どうしてです!?」と尋ねるがダイヤは「この学校にはスクールアイドルは必要ないからですわ!!」と答えるが当然それだけでは千歌は納得せず「なんでです!!?」と聞き、2人は睨み合う。

 

それを曜は「まぁまぁ」と止めるがダイヤは「あなたに言う必要はありません!!」と言い放ち、そもそもやるにしても曲は作れるのかと言われてしまい、それについて千歌達は全く考えていなかったらしい。

 

「ラブライブに出場するには、オリジナルの曲でなくてはいけない。 スクールアイドルを始める時に最初に難関になるポイントですわ」

(スクールアイドル嫌いって聞いてたけど詳しいなあの人)

 

部屋の外で話を聞いていた無爪はそんなことを思っていたが……だが彼女の言う通りだと思い、ダイヤの「東京の高校ならいざ知らず、うちのような高校だとそんな生徒は……」という言葉にも無爪は納得した。

 

(やっぱ難しいのか……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1人もいなぁ~い、生徒会長の言う通りだった」

 

それから千歌と曜は無爪を巻き込んで作詞作曲ができる生徒を学校中捜し回ったのだが誰1人として見つからず、千歌と曜の2人は机に突っ伏していた。

 

「はぁ……なんで僕まで……」

「っていうかなっちゃんもマネージャーとかで良いからアイドル部入ってよ~」

「それはヤダ。 部活入ったらリアルタイムでドンシャイン見れないだろ」

 

ちなみに無爪が言う「ドンシャイン」というのは「爆裂戦記ドンシャイン」という名前の特撮番組であり、彼はこの作品の大ファンなのだ。

 

それに曜は「好きだね~」と言いながら無爪の頭を撫で当然ながら無爪は恥ずかしそうにして「やめてよ!」と陽の手を振り払い、もう少しで授業が始まるので無爪は「じゃあまたね」とだけ言い残して2年の教室を出て行くのだった。

 

「じゃあねなっちゃ~ん。 よし、こうなったら!!」

 

すると千歌が音楽の教科書を取り出し「私が! なんとかして!!」と自分でなんとかしようとするが曜に「できる頃には、卒業してると思う」と的確なツッコミを受け千歌も「だよね~」とその辺は取りあえず諦めた模様。

 

とそこで授業のチャイムが鳴って担任の教師が入ってくると今日は転校生が来ていることを生徒達に説明し、教師がその転校生に入ってくるように言うとその転校生の少女が教室へと入ってくる。

 

「くしゅん! 失礼、東京の音ノ木坂という高校から転校してきました」

 

その少女を見ると千歌は「わあ……!」と嬉しそうな顔を浮かべる。

 

「桜内……梨子です。 よろしくお願いします」

 

それはこの前出会った少女で千歌は「奇跡だよ!!」と勢いよく立ち上がり、梨子は千歌の姿を見るや彼女も「あ、あなたは……!」と驚きの表情を浮かべる。

 

 

 

 

 

 

(それが……全ての始まりだった……!)

 

 

 

ED「決めたよhand in hand」

 

 

 

 

そして千歌は梨子の元までやってきて手を差し伸べる。

 

「一緒に、スクールアイドル始めませんか!?」

 

そんな千歌を見て梨子は一瞬笑みを浮かべると……彼女は頭を下げ……。

 

「ごめんなさい」

 

と断ったのだ。


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