ラブライブ! ジードサンシャイン!!   作:ベンジャー

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サンシャイン映画公開記念。


第4話 『AIB』

Aqoursのファーストライブは無事、体育館を満員にしたことで成功。

 

その為、鞠莉からは約束通り彼女等スクールアイドル部の設立の許可を貰い、今は彼女が色々と手続きしているところだそうで数日後には部室も与えられて本格的に部活動を行うことができるだろうとのこと。

 

そして現在、千歌、梨子、曜、無爪の4人は初ライブの成功のお祝いということで千歌の部屋でお菓子などを食べてプチパーティーをしているところだった。

 

「いやぁ、ライブが成功して本当によがっだよ~!」

 

千歌はライブ成功に感動して泣きながらポテチを食べており、そんな彼女に無爪は「感動するか泣くか食べるかどれか1つにしろ!!」とツッコミ、そんな光景に曜と梨子は苦笑い。

 

「でも、ホントに成功して良かったわ。 停電が起きた時は一時期どうなるか分からなかったもの」

 

梨子の言う通り、ライブの最中に停電が起きた時は本当に焦ったものだと彼女の言葉に千歌、無爪、曜は「うんうん」と同意するように頷くのだが・・・・・・そこで1つ疑問に思うのが「でも、なんでまた電気がついたんだろう?」ということ。

 

曜は普通に電気が復旧したんじゃないか、落ちたブレーカーが誰か戻してくれたのではないかと予想するが・・・・・・。

 

「今それ考えてもしょうがないんじゃない? 原因も僕達はよく知らない訳だし」

「まぁ、それもそうだね。 取りあえず今はパァーッとヨーソロー!! と行きますか!」

 

そう言いながら曜と無爪は自分の手に持ったコップのジュースを飲み始め、その時、無爪は千歌が自分に視線を向けていることに気づき、彼は「なに?」と彼女に尋ねる。

 

「へっ!? あっ、いや・・・・・・その、なっちゃんにお礼を言わないとな~っと思って」

 

それを聞き、無爪は彼女の言う「お礼」とは恐らくチラシ配りなどを手伝ったりした時のことなのだろうと考えるのだが・・・・・・千歌が言うには「それもあるけど」とのことでそれ以外にも何か無爪にお礼を言いたいことがあるのだという。

 

「停電が起こった時、なっちゃん私達に『ジーッとしててもドーにもならないだろうが』って励ましてくれたでしょ? なっちゃんが、あの時言葉をかけてくれたおかげで・・・・・・私達は・・・・・・私はきっと、最後まで諦めなかったんだと思う。 私が言いたいのは、そのお礼。 だから、ありがとうなっちゃん!」

 

満面の笑顔でお礼を述べる千歌、それに対して無爪は顔を赤くしつつ「べ、別に・・・・・・」と照れ隠しをするかのようにお菓子をパクパク素早く食べ始める。

 

「それに、僕があの時千歌ねえに声をかけなくっても、お客さんはいっぱい来てたんだ。 チラシ配りこそ手伝ったけど、あのライブでは僕は何もできてなんか・・・・・・」

 

無爪がそこまで言いかけた時だった。

 

「そんなことないもん!!」

 

無爪の言葉を遮るように千歌が声を上げ、彼女は無爪の頭を優しく撫でる。

 

「あの時、なっちゃんが励ましてくれてなかったら・・・・・・私は完全にそこで1度は諦めてた。 諦めかけてたけど、完全に諦める前になっちゃんが声をかけてくれたから・・・・・・最後まで諦めずにいられたんだよ?」

「そうだよなっちゃん!! あれでなっちゃんは諦めてないって私達は思えて・・・・・・だからこそ私達も諦めたらダメだって思えて頑張れたんだよ。 流石は私の弟だね!!」

 

曜はそう言いながら後ろから無爪に抱きつき、それを見て千歌はムスっとした表情を浮かべる。

 

「曜ちゃん!! なっちゃんは私の弟だよ~!! 私の家に住んでるんだから~!!」

「そんなの関係ないもんね~!!」

 

すると今度は千歌が前方から無爪に抱きつき、前から千歌、後ろから曜に抱きつかれた無爪は顔をみるみると真っ赤にして目を回し、恥ずかしいやら嬉しいやら色んな感情が渦巻き、半パニック状態に陥ってしまう。

 

(ちょっ、ちょっ・・・・・・2人とも胸が・・・・・・!! って曜ねえは意外でもないが千歌ねえやっぱり意外と胸大きいな・・・・・・って違う!! こういう時は奇数を数え・・・・・・あれ? 奇数だっけ、偶数だっけ!?)

「ちょっ、2人とも無爪くんがオーバーヒートしかけてるから!!?」

 

梨子が立ち上がって慌てて無爪から千歌と曜を引き離そうとするが・・・・・・その時、彼女は足をテーブルにぶつけてしまい、バランスを崩し、彼女は無爪達の方へと倒れそうになる。

 

「ひゃああ!!?」

「あ、危ない!!」

 

咄嗟に無爪が両手を突き出して梨子を支えようとするのだが・・・・・・その際、無爪の両手に「ムニッ」という感触が伝わり、彼女を支えようとした両手は・・・・・・丁度、梨子の胸の位置に・・・・・・。

 

「あっ・・・・・・あの・・・・・・えっと」

「ひっ・・・・・・いやあああああ!!!!?」

 

梨子は耳まで顔を真っ赤にして涙目になってすぐさま大量の冷や汗を流す無爪から離れ、そのまま彼女は走るようにして千歌の部屋から出て行くのだった。

 

それにしばらくの間唖然となり、千歌も曜も無爪も黙り込んだままだったのだが・・・・・・そこで無爪の影からひょっこりペガが現れる。

 

『ちょっと!! なにボーッとしてるの無爪!! 梨子ちゃんに早く謝りに行きなよ!!』

 

ペガにそう言われて無爪はハッとなり、「そ、そうだね!! 僕梨子さんに謝りに行ってくる!!」と急いで彼女を追いかけることになり、千歌も「私も行く!!」と言って無爪と一緒に部屋を出て行くのだった。

 

『それにしても、ずっと影から見てたけど、無爪さっきからハーレムものの主人公みたいだね』

「まぁ、実際女の子3人に囲まれてたらねえ? ペガくんは影の中にいる訳だし」

 

その後、無爪は梨子に土下座して謝ったこととワザとやった訳では無く、助けようとしてやった事故ということもあり、彼女に許して貰えたのだった。

 

ちなみにこの作品は主人公のハーレムなどになったりしないのであしからず。

 

『そう言えば、今日は美渡さんがいなかったけど、仕事かな?』

「そだよ-、ニコニコ生命保険・・・・・・だっけ? それのね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、その美渡はというと・・・・・・。

 

彼女はとある男性と一緒にある古びた建物の立つ場所へと訪れており、男性と美渡は互いに視線を合わせて頷く。

 

「それじゃ作戦通りに」

「しくじらないでよ?」

「お前こそな!!」

 

男性はそう言って物陰に隠れ、それを確認すると美渡はコンコンっと建物のドアを叩く。

 

するとすぐに1人の中年の男性が「どなた?」と尋ねながら扉を開けて現れ、美渡は「ニコニコ生命保険のものです!!」と営業スマイルで言うのだが、男性は「セールスか・・・・・・」と呆れたような顔を浮かべて扉を閉めようとする。

 

「あっ!! ちょっと待って!!」

 

しかし、そうはさせまいと美渡は扉に足を引っかけ、無理矢理部屋の中を覗くとそこにはいかにも怪しげな植木に入った花のような植物が置かれており、彼女は「今です!!」と声をあげると待機していた先ほどの男性が駆けつけて扉を無理矢理こじ開け、中年男性の腹部に蹴りを叩き込む。

 

「ぐあっ!?」

「なんだお前等!!?」

 

部屋にはもう1人、中年の男性がおり、美渡と一緒にいた男性は植物を見て「やはりな」と口元をニヤつかせる。

 

「ええい!! 退けぇ!!」

 

すると2人の中年男性は正体を現し、「集団宇宙人 フック星人」「冷凍怪人 ブラック星人」としての姿に変身し、彼等は美渡と男性を押し退かして逃げようとするのだが・・・・・・それに対して男性も両手がハサミで緑の1つ目の「脳魂宇宙人 ザム星人 ザルド」としての姿に変身。

 

ザルドはジャンプしてフック星人とブラック星人の頭上を飛び越えて道を塞ぐ。

 

そこに丁度、1台の車が現れ、中からまた別の・・・・・・レイジほどではないが強面の男性・・・・・・人間に擬態した「宇宙ゲリラ シャドー星人ゼナ」が現れ、ザルドと共に殴りかかって来たフックとブラックに応戦する。

 

ザルドはフック星人の放つ拳を受け流しつつ右手のハサミでフック星人の腹部を挟み込み、持ち上げて地面に叩きつける。

 

「ぐらあ!?」

 

それでもなんとか必死に逃げようとするフックだったが、逃がすまいと後ろから美渡は跳び蹴りを喰らわせ、倒れ込んだところにすかさずサソリ固めを決める。

 

「おりゃああ!! 大人しくしろ!!」

『ぐおおおっ!?』

 

しかし、どうにか美渡を振り払って逃げようとするフック。

 

だがそうはさせまいとザルドは胸から放つ「ザムビーム」を発射し、それが命中したフックは身体が痺れてその場に倒れ込み、ザルドに取り押さえられるのだった。

 

またゼナはブラックの放って来た拳を受け流しつつカウンターで自分の拳をブラックの顔面に叩き込み、それによってブラックは僅かに怯むもののすぐさま再びゼナに殴りかかる。

 

だがそれをしゃがみ込んで避けつつゼナは拳をブラックの腹部に叩き込み、膝を突いたところをゼナはブラックの後ろに回り込んで腕を押さえつけ、確保することに成功するのだった。

 

「うぐお!!?」

『我々はAIBだ!! 観念しろ!! 高海 美渡、油断するなと言った筈だ。 危うく容疑者を取り逃がすところだったぞ。 それとザルド、戦闘になると本来の姿に戻る癖を直せと言った筈だ』

 

「AIB」とは犯罪行為を行っている異星人の取り締まりを主な任務としている様々な星の宇宙人達で結成された組織である。

 

そしてゼナの言葉に対し、美渡とザルドは「す、すいません先輩!!」と謝罪し、ゼナはブラックとフックを車に放り込んだ後、ザルドと美渡に中を確認するように指示。

 

ちなみに、ゼナは全く口を動かさずに言葉を発しているのだが、これは彼が地球人の姿になって口を動かすのが苦手な為であり、自分の言葉を伝える時はテレパシーを使っているのである。

 

そしてゼナの命令を受け、人間態に戻ったザルドと美渡は「アスタナージ・ガン」と呼ばれる銃を構えながら建物内に侵入。

 

一通り見たところ、他に仲間の影もなく、美渡は先ほど見た植物が間違いなく自分達が予想していたものと同じものであることを確認し、インカムでゼナに美渡はそのことを報告。

 

「ありました! 『宇宙植物ルグス』!! 条例により栽培が禁止されている植物です!! これって強力な睡眠花粉を出してそれを吸っちゃうと眠くなるんですよね?」

「全く、アイツ等変なもん持ち込みやがって」

「ホントに余計な仕事増やしてくれちゃって。 確かこの黄色いところを触ると花粉が噴射されるんだよね?」

 

そう言いながら美渡はついついうっかりとルグスの黄色い場所を触ってしまい、ザルドは「あっ!! このバカ!!」と叫ぶが時既に遅く、ルグスから黄色い花粉が噴出され、それを吸い込んだ2人は強烈な眠気に襲われ、倒れ込んで眠ってしまうのだった。

 

千歌の姉だけあって、美渡も案外こういううっかりなところがあるのかもしれない・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ゼナにザルドと美渡は叩き起こされ、一同はフックとブラックを一件なんの変哲もない建物だが・・・・・・中身は異空間となっており、近未来的な光景が広がったAIB本部に連行。

 

『全くお前等は・・・・・・』

「は、は~い、すいません!!」

「いや、ルグスを触ったのは美渡さんで俺は関係ないっすよ!?」

『しっかりと見張っていなかったお前も悪い』

 

ゼナにそう叱られて不満そうな顔をしつつもザルドは「うっ、すいません」と謝罪。

 

『ルグスをちゃんと保管庫にしまっておけよ』

「「りょ、了解!!」」

 

ゼナは美渡とザルドにルグスを後で保管庫に仕舞っておけと指示した後、3人はフックとブラックを本部の中央部に連れて行く。

 

その後、ザルドと美渡はフックとブラックの2人をある場所に立たせ、ゼナは顔を地球人に変える為のインカム型の装置を取り外すと本来のデスマスク風の顔をしたシャドー星人の姿へと戻る。

 

「「おおっ!?」」

 

それを見て美渡とザルドは驚きの声をあげるが、それに対しゼナは呆れたような声を出す。

 

『いい加減に慣れろ。 というか、なぜザルドまで驚く?』

「こう言っちゃなんですけど・・・・・・ゼナ先輩の本来の姿の顔ってちょっと怖くて・・・・・・」

『1つ目のお前に言われたくはないな』

 

それからゼナは何かの装置を起動させる準備に取りかかり、それを見て美渡はブラックとフックの罪状を彼等に告げる。

 

「あなた達は違法な宇宙植物を栽培していました。 よって地球からの強制退去を命じます!!」

 

そう命じられたフックとブラックは「えっ!? ちょっと待っ・・・・・・!」と言いかけたが、勿論そんな言葉は無視され、ゼナは装置を起動させ、ブラックとフックは地球以外のどこかへと強制転移させられたのだった。

 

『達者で暮らせ』

「ふぅ、今日はもう仕事は終わりですかね?」

『いや、まだだ』

 

ザルドの言葉をゼナは否定し、ゼナは宇宙全域からベリアルに酷似していることからウルトラマンジードに関する問い合わせが殺到しており、それの対処に当たらなければならないのだという。

 

『ウルトラマンゼロも動いた。 宇宙警備隊も感心を寄せているのだろう。 ここは、ウルトラマンキングと融合した宇宙だからな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、千歌と無爪はとあるスーパーへと訪れていた。

 

ちなみにペガは空気を呼んで留守番である。

 

「なんでスーパー? お使いとか、頼まれてないよね? しかもなんで私も連れて来たの?」

「梨子さんへのお詫びに、果物でも持って行こうかと思って。 千歌ねえ連れて来たのは同じ女の子としてどんなのが良いかアドバイスして欲しいから」

 

それを聞いて千歌は「へっ?」と首を傾げる。

 

なぜなら無爪はあの後、ちゃんと梨子に謝罪し、彼女もそれを受け入れて無爪を許してくれたのだから別にもうお詫びの品などいらないのではないかと千歌は思ったからである。

 

だが、千歌はそれを無爪の尋ねると無爪曰く「それだけじゃ僕の気が収まらない!!」とのこと。

 

「それに女の子の胸を触るとか事故とはいえ普通の重罪だよ重罪!! お小遣いも貯金も全部使ってお詫びしなきゃ!!」

「いやいや!! そこまでされると梨子ちゃん逆に困ると思うよ!?」

 

そんな無爪に、千歌は苦笑しながら「そこまで気負うことないと思うけど・・・・・・」と呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ゼナ達はというと・・・・・・。

 

ゼナは「Z車」という車をとある喫茶店の前に停めており、そこへ丁度ドーナッツとコーヒーを買ってきたザルドと美渡が戻って来た。

 

だが、その時2人は揃って「あっ!」と何かを思い出したかのように声をあげ、2人は急いで車の荷台を開けるとそこにはゼナに「保管庫に移しておけ」と言われたルグスが置きっ放しになっていたのだった。

 

それを見て2人は顔を見合わせて「ヤバい・・・・・・」と呟く。

 

「あ、アンタちゃんと仕舞っておけって先輩に言われたでしょ!?」

「お前も言われただろうが!! と、兎に角先輩に正直に言って謝ろう」

「そだね!!」

 

兎に角、今はゼナに謝罪するのが先決だと思い、「あ、あのぉ~」と2人は恐る恐る声をかけようとするのだが・・・・・・その直後にZ車に通信が入る。

 

『Z車、応答願います』

『こちらZ車、どうした?』

『ピット星人の科学者がスピード違反を起こして事故が発生、逃亡中です。 直ちに捕獲してください』

 

ゼナはその指示を受けて「了解」と返事し、場所を聞いた後、何かを言いかけているザルドと美渡に「行くぞ、乗れ」と命令し、2人は「は、はい!!」と慌てて返事をしてドーナッツとコーヒーを持って車に乗り込むのだった。

 

『名前は『トリィ=ティプ』、顔は分からないが、目撃者が服装を覚えていた。 我々の存在を地球人に悟られるな。 文明に影響が出ることをよしとしない』

「「はい!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、無爪は千歌の説得もあって果物の詰め合わせのセットをお詫びの品としてスーパーで購入。

 

2人は自転車に乗って家に帰ろうとするのだが・・・・・・。

 

突然現れた青い服を着た女性が現れ、女性は無爪を押し退かして彼の自転車に乗り、それを見た無爪は「なにしてんだ!!」と怒って女性の手を掴む。

 

「あっつ・・・・・・!!」

 

しかし、その女性の手は熱く、無爪は思わず手を引っ込めてしまい、女性は無爪の自転車を奪ってそのままどこかへ去って行こうとする。

 

「僕の自転車!!」

 

無爪は即座に脅威的なジャンプ力で女性の頭上を飛び越えて立ち塞がるのだが・・・・・・女性の胸の中央が光ると彼女の右手から光の剣が現れ、彼女はそれを振るい、無爪は慌てて攻撃を回避する。

 

その間に女性は素早くその場から逃走し、すぐに千歌が無爪の元に駆け寄る。

 

「どうしよう、なっちゃんの自転車が・・・・・・! ってか何あの剣!? あっ! 私の使って追いかける!?」

「うん、お願い・・・・・・」

 

しようとしたその時、「あれ? なっちゃん? 千歌?」と2人の名前を呼ぶ声が聞こえ、声のした方を見るとそこにはZ車から顔を除かせている美渡の姿があり、千歌と無爪の2人は彼女を見て「美渡ねえ!?」と驚きの声をあげる。

 

「あっ、丁度良いや!! 美渡ねえ車乗せて!! そっちの方が早い!! 自転車!! 僕の自転車盗まれたの!!」

 

無爪の指差す方を美渡が見ると自転車に乗った女性が逃走しており、その女性の格好は本部から聞いていたピット星人の服装と完全に一致しており、美渡はすぐに無爪の自転車を盗んだのが自分達が追いかけている人物と同じだと理解。

 

「分かったわ!! 2人とも乗って!!」

 

美渡は無爪と千歌を乗せ、一同は急いであの女性・・・・・・ピット星人のトリィを追いかけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、無爪と千歌はZ車に乗せて貰い、全員でトリィを追いかける。

 

「っていうか美渡ねえ達はどうしてあの人追いかけてるの?」

「あっ、えっと~・・・・・・あの人事故を起こして逃げてるの。 私達ほら、保険のセールスしてるでしょ? 事故と保険はあの~、あれな訳で!! 事情を今すぐ・・・・・・あれしないといけないの」

 

千歌の疑問に歯切れ悪くもなんとかAIBのことは伏せて説明する美渡。

 

そんな彼女を見てザルドは「説明雑だな」とケラケラ笑っていた。

 

「じゃあアンタが上手く説明してみなさいよ!!」

「はぁ!? なんで俺が!? お前の身内だろ!!」

 

また無爪はこっそりとゼナ達に気づかれないように装填ホルダーに手を当てて星雲荘にいるレムに小声で連絡を取る。

 

「レム、聞こえる?」

『はい、聞こえています』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、とある喫茶店にて・・・・・・。

 

「先生、お疲れですか?」

 

そこでは荒井が担当者と小説の打ち合せをしている最中であり、担当者の男性は荒井の様子から少し疲れているのかと思ったが、本人は首を横に振ってそれを否定した。

 

「いいえ、報告をしていたんです。 現状を」

「報告・・・・・・?」

「宇宙のとある場所に、心の一欠片を置いていましてね? 目を瞑ればそこにおられる神と対話ができるのです」

 

それを聞いて担当者は「またご冗談を!」と笑い、荒井も笑みを浮かべた後、窓の外を眺めると荒井の目にだけ移動する光の柱のようなものが映っているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、外を歩いていたレイジは500円玉を手にしながら「はぁ」と溜め息を吐いており、手に持った500円玉を見つめながら「今月これだけしかないのか」と呟くのだった。

 

『無駄使いしすぎたんじゃねえの?』

「あはは、かもしれませんね。 でもまぁ、給料日までもう少しだし・・・・・・」

 

するとそこへ、自転車に乗ったトリィが「退いて!!」と叫びながら目の前を通り過ぎ、それに驚いたレイジは500円玉を池の中に落とし、彼は絶叫する。

 

「あぁ~!!?」

 

その時、レイジの中にいるゼロが何かが近づいて来ているのを感知し、すぐさま意識をレイジと切り替えて高くジャンプしながらその場を離れると地中から黄色い身体の怪獣、「宇宙怪獣 エレキング」が出現。

 

「キイイイイイ!!!!!」

 

エレキングはトリィを追いかけるように移動し、レイジはゼロに怯えた口調で「い、行くんですか?」と尋ねるがゼロは首を横に振る。

 

『いや、様子見だ。 本調子ではないからな』

 

それを聞いてレイジは内心ほっとするのだが・・・・・・。

 

『だが念のためにあの怪獣を追いかけるぞ。 いざって時の為にな!!』

『えぇ!? ちょっ!!』

 

ゼロはレイジの言葉を無視して急いでエレキングの後を追いかけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そしてトリィは人気のない山場まで行くと自転車を降りてそこに置いてあった車になんとか乗り込もうとしており、そこに丁度ゼナ達が乗ったZ車も駆けつける。

 

「「いたぁー!!」」

「後は私達に任せて2人はここにいなさい」

 

美渡にそう言われる無爪と千歌。

 

それに対し無爪は「えっ、でも美渡ねえ、あの人危険かも・・・・・・」と言うのだが、美渡は「大丈夫!」と答える。

 

「だって私、保険のセールスだから!!」

 

そう言いながらゼナ、美渡、ザルドの3人は車から降りてトリィを追いかけ、それを見て千歌は「保険のセールスって大変なんだね」と呟くのだった。

 

「えっ、いや・・・・・・これホントに保険のセールスなのかな・・・・・・?」

 

その時丁度、レムからの通信が入り、レムは無爪と千歌に怪獣が出現したことを知らせる。

 

「怪獣!?」

『はい、宇宙怪獣 エレキング。 ピット星人が惑星侵略の際に用いられることで知られています。 恐らく、無爪達が遭遇した女性もピット星人と思われます』

 

さらにエレキングがこちらに向かって来ていることをレムは知らせ、それに無爪は「分かった!!」と頷くと急いで千歌と無爪は車から降りる。

 

「レムの言葉からすると、その怪獣はあの女の人が操ってるってことなのかな?」

「いや、どうにも違うみたい。 レムが言うには、むしろ、怪獣はあの人のリトルスターを狙ってるっぽいんだ。 兎に角、このままじゃ美渡ねえ達も危ない!! 僕があいつを足止めする!!」

 

既に肉眼でハッキリと確認できるほど、エレキングがこちらに近づいて来ており、千歌は無爪の言葉に頷く。

 

「なっちゃん、頑張って!!」

 

笑顔を浮かべ、無爪にエールを送る千歌に、無爪も笑みを浮かべて「うん!!」と頷き、ジードライザーを取り出す。

 

「ジーッとしてても、ドーにもならねえ!!」

 

無爪はそう言い放つと腰のカプセルホルダーから「初代ウルトラマン」のカプセルを取り出し、スイッチを押して起動させるとそこからそのウルトラマンが出現。

 

「融合!!」

 

ウルトラマンのカプセルをナックルに装填させた後、さらにそれとは別に「ウルトラマンベリアル」のカプセルを取り出し起動させると今度はそこからベリアルが出現。

 

「アイ、ゴー!!」

 

同じくベリアルのカプセルをナックルに装填し、ジードライザーで装填したカプセルをスキャンする。

 

「ヒア、ウィー、ゴー!!」

『フュージョンライズ!』

「決めるぜ、覚悟!!」

 

そしてジードライザーを掲げて胸の前でスイッチを押すとウルトラマンとベリアルの姿が重なり合い、無爪は2人のウルトラマンの力を合わせた「ウルトラマンジード プリミティブ」へと変身を完了させたのだ。

 

「はああ!! はぁ!! ジイィーーーード!!!!」

『ウルトラマン! ウルトラマンベリアル! ウルトラマンジード!! プリミティブ!!』

 

戦闘BGM「ウルトラマンジードプリミティブ」

 

ジードはエレキングの前に立ち塞がり、これ以上は進行させまいと駆け出していき、エレキングに膝蹴りを叩きこむ。

 

「キュイイイイ!!!!」

 

エレキングも反撃しようと尻尾をジードに向かって振るい、ジードは尻尾を掴んで受け止める。

 

だが、エレキングは自分の尻尾から強烈な静電気を発生させ、「バチィ!!」という大きな音が鳴るとジードは苦痛の声をあげて思わず両手を離す。

 

『いったぁ~!! 今のまるで静電気だ』

「キュイイイイ!!!!」

 

すかさずエレキングはジードに向かって突進し、ジードはジャンプしてそれを回避し、振り返りざまに前腕の鰭状の部位から放つ波状光線「レッキングリッパー」をエレキングに向かって発射。

 

『レッキングリッパー!!』

 

しかし、エレキングもすかさず振り返って口から三日月状の電撃光線を放ち、互いに光線はぶつかり合って相殺。

 

『シュア!!』

 

その爆発にエレキングは少しだけ驚き、その隙を突いてジードはエレキングに向かって駈け出し、勢いよく拳を突き出してエレキングの顔面を殴りつける。

 

『デヤアアア!!!!』

「キイイイ!!!?」

 

一方、トリィを追いかけていたゼナ達は見事彼女の両腕を掴んで捕まえることに成功。

 

「あっ、ゼナ先輩アレ!! ウルトラマンジードです!!」

 

そこで美渡はジードがエレキングと戦っていることに気づき、またトリィはそれを見て「エレキング!!」と怪獣の名を呼び、ザルドは「お前が呼んだのか?」とトリィに尋ねる。

 

「確かにエレキングは私達が育てた個体よ。 でも眠りにつかせておいたの! 私が仲間を裏切って・・・・・・地球侵略を中止に追い込んだ時に・・・・・・」

「なに?」

「裏切ったって・・・・・・どういうこと?」

 

トリィは視線を美渡に向けながら、彼女は自分が仲間を裏切った理由を語る。

 

「この星の文明が気に入ったから。 だけどあの子が目覚めるのを感じた。 あの子、私を狙ってる。 だから周辺に被害が出ないよう人が少ない場所を目指してたの」

「そういうことか・・・・・・」

 

ザルドはトリィがずっと逃げていた理由を知って「成程」と頷き、また美渡はそんなトリィに笑みを浮かべて彼女を優しく抱きしめる。

 

「ありがとう。 あなたはみんなを守ろうとしてくれたんだね」

「・・・・・・っ」

 

そしてジードはエレキングの顔のアンテナ部分から放つ電撃をバク転して避け、高く跳び上がってからの跳び蹴りをエレキングの胸部に叩きこむ。

 

「キュイイイイ!!!!」

『シェア!!』

 

さらにそこからジードはエレキングに掴みかかるのだが、エレキングはジードを両腕を振るって振り払い、さらに尻尾を振るってジードの身体を叩きつけて吹き飛ばす。

 

『グウウウ!!!?』

「キイイイイイ!!!!!」

 

エレキングは電撃を纏わせた尻尾を伸ばしてジードの身体を拘束し、ジードに強烈な電撃を流し込むとジードは身体中から火花を散らして大きく吹き飛ばされ、岩山に激突し倒れ込んでしまう。

 

『グアッ・・・・・・!?』

 

ジードを吹き飛ばしたエレキングは視線をトリィ達がいる方へと移し、エレキングは彼女達のいる方向へと歩き始める。

 

それを見てジードはエレキングを止める為になんとか立ち上がろうとするのだが・・・・・・先ほどのエレキングの攻撃のせいで身体の全身が痺れて動けずにいたのだ。

 

『身体が、痺れて動かない・・・・・・!!』

『高圧電流の影響です。 立ち直るまで、数十秒かかります』

 

レムがジードの身体が動かない理由を説明し、それを聞いたジードは「そんなに待ってられるか!!」となんとか身体を起こそうとするが、身体は言うことを聞かなかった。

 

そうこうしている間に、エレキングはトリィ達に迫っていたのだが・・・・・・その時・・・・・・。

 

『シェア!!』

 

突如、空中から「ウルトラマンゼロ」が右足に炎を纏わせた「ウルトラゼロキック」をエレキングに喰らわせながら現れ、攻撃を受けたエレキングは大きく蹴り飛ばされる。

 

「キイイイイ!!!?」

『ウルトラマンゼロ・・・・・・!!』

『追いかけてきて正解だったな。 ここは俺に任せな!!』

 

ゼロはファイティングポーズを取りながらエレキングに向かって駈け出し、エレキングは三日月状の電撃をゼロに向かって放つが・・・・・・ゼロはそれら全てを弾きながら一気にエレキングに接近。

 

ゼロはエレキングの頭を掴んで背負い投げを繰り出す。

 

『デヤア!!』

「キュイイイ!!?」

 

 

 

 

 

同じ頃、荒井は戦闘が行われている近くの場所で静かにゼロとエレキングの戦いを見つめていた。

 

戦いはゼロが圧倒的に優勢、しかし荒井はそれを快く思わなかった。

 

「・・・・・・困りますね。 リトルスターがジードに譲渡される前にエレキングを倒されては」

 

荒井はそう呟くとライザーを取り出し、2つの怪獣カプセルを起動させる。

 

「ベムラー」

 

1つは「宇宙怪獣 ベムラー」のカプセルでそれを装填ナックルに装填。

 

「アーストロン」

 

次に起動したのは「凶暴怪獣 アーストロン」のカプセル。

 

それも起動し、ナックルにカプセルを装填。

 

そしてライザーでナックルをスキャンし、ライザーのトリガーを引く。

 

「これでエンドマークだ!!」

『フュージョンライズ!!』

 

すると荒井の姿が「ウルトラマンベリアル」の姿へと変わり、ベリアルの前にベムラーとアーストロンが現れ、2体は粒子のようになってベリアルの口の中へと吸い込まれるとベムラーとアーストロンが融合した「ベリアル融合獣 バーニング・ベムストラ」へと変身を完了させる。

 

『ベムラー! アーストロン! ウルトラマンベリアル! バーニング・ベムストラ!!』

 

 

 

 

 

 

 

場面は戻り、エレキングの振るう尻尾を回し蹴りで弾き飛ばし、左腕を伸ばして「エメリウムスラッシュ」を発射する態勢になるゼロ。

 

そこへ一閃の光線がゼロの背中に直撃し、ゼロは苦痛の声をあげてその場に膝を突きながら後ろを振り返る。

 

『なんだアイツは・・・・・・!? 新手か!?』

 

そこには光線を吐いた後のベムストラの姿があり、ベムストラは両腕を広げてゼロに向かって突進。

 

鋭いパンチを立ち上がったゼロへと繰り出し、ゼロは両腕を交差してガード。

 

しかし、そこに今度はエレキングの放った三日月状の電撃光線が迫り、ゼロは手刀でそれを弾く。

 

すかさずゼロは次にベムストラが自分に攻撃を仕掛けて来ると読んで振り返りざまに拳から「ビームゼロスパイク」という光弾を放つのだが、ベムストラは青い球体になって攻撃を回避。

 

球体となったベムストラはゼロの周りを高速で飛び回り、ランダムに移動しながら球体状態から光線を発射。

 

『グウウウ!!? ウロチョロしやがって!!』

 

ゼロは頭部にある2本のブーメラン、「ゼロスラッガー」を球体状態のベムストラに投げつけるのだが、ベムストラはそれらを軽く回避。

 

『エメリウムスラッシュ!!』

 

だが、ゼロは額のビームランプから放つ「エメリウムスラッシュ」を先ほど投げたゼロスラッガーに向けて放ち、スラッガーに当たると光線は反射。

 

さらに反射された光線はもう1つのスラッガーに当たってまた反射し、光線が球体のベムストラに直撃。

 

落下する球体をゼロは回し蹴りで蹴り飛ばし、スラッガーを頭部に戻す。

 

『デアアア!!』

「グアアアアア!!!!?」

 

地面に激突し、元の姿に戻るベムストラ。

 

ベムストラはすぐに立ち上がるが、ゼロに両腕を掴まれて動きを封じられてしまう。

 

だが、ベムストラは頭を大きく振りかざして頭部の角でゼロを斬りつけ、自分から引き離す。

 

『グウウ!?』

 

そしてエレキングはベムストラがゼロの相手をしている間にトリィのリトルスターを狙って移動を始め、ゼロは「待て!!」とエレキングを追いかけようとするのだが、それを阻止するようにベムストラが立ち塞がる。

 

「グルアアアアア!!!!」

 

ベムストラは一度吠え、口から青い光線を発射する「ペイルサイクロン」をゼロに向かって発射。

 

対するゼロも左腕を伸ばしてから腕をL字に組んで放つ「ワイドゼロショット」を放ち、ぶつかり合った光線は両者の間で爆発が起きる。

 

その直後に、ベムストラのドロップキックがゼロに炸裂し、ゼロは地面に転がるように倒れる。

 

『クッ!? こいつ、中々やるな!!』

 

そしてエレキングが迫っているのを見てトリィは「あなた達は逃げて!! エレキングは、私の体内の光を狙っている!!」とゼナ達に逃げるように言い、胸の光・・・・・・リトルスターが輝くと彼女はピット星人の姿へと戻る。

 

『ここは私がなんとかする!! だから・・・・・・!!』

「・・・・・・あの怪獣は、トリィさんを狙ってるんですね?」

 

美渡はあることをトリィに尋ね、それに対し、トリィは「そうよ。 確実に来る」と頷き、だから自分が囮になって美渡達を逃がそうとするのだが・・・・・・。

 

トリィは美渡に強く肩を掴まれ、彼女はトリィに対し、首を横に振った。

 

「そんなことしなくても大丈夫。 私に良い考えがあります」

「お前それ大体失敗する時に言う台詞だけど大丈夫か?」

「大丈夫よ!! だから、トリィさんついて来てください」

 

ザルドの言葉に美渡はそう叫び、そしてそれを聞いたゼナは怪訝な様子で「何をするつもりだ?」と問いかける。

 

「ジーッとしてても、ドーにもならないってね。 これ、あの男の子・・・・・・なっちゃん、無爪って子やウチの妹の千歌がよく言ってる言葉なんだ。 さぁ、早くしよう!!」

『おい!』

 

トリィ達は美渡に言われた通り、取りあえずは彼女について行くことに。

 

「千歌!!」

「あっ、美渡ねえ!」

 

彼女等はZ車のある場所に戻るとそこではジード達の戦いを見つめている千歌だけがその場に残っており、美渡は「なっちゃんは?」と問いかけると千歌は焦って「えっと、あの!」となんとか誤魔化そうとする。

 

「そ、その美渡ねえ達が行った後、急にお腹が痛いって言ってトイレを探しに・・・・・・!」

「何してんのよこんな時に全く・・・・・・。 兎に角!! 取りあえずは千歌も車に乗って!!」

 

美渡の指示によってトリィと千歌、念のためにザルド、ゼナを乗せ、ゼナはZ車でこのまま逃げるのかと思い、車を運転しようとするのだが美渡に「待って!!」と言われてゼナは引き止められる。

 

「このまま動かさないで!!」

 

それから美渡は車の後ろに回り込み、またこちらに向かって来ているエレキングを見てトリィは「やはり胸のリトルスターに引き寄せられてる」と呟く。

 

『リトルスターとはなんだ?』

『研究所仲間の話では幼年期放射の結晶で、発生条件は不明。 最近なぜかこの街を中心に同時多発的に発生してる!!』

「誰かが裏で操ってるってことでしょうか?」

『・・・・・・今はまだ、なんとも言えん』

 

そして美渡はエレキングが目と鼻の先というほどZ車の近くまで来ると彼女はZ車のトランクを開いてルグスを取り出し、それをバックミラーで確認したゼナは「何をしている!?」と慌てて車から出る。

 

「お願い、上手く行って!!」

 

すると美渡はルグスの黄色い部分を掴むと緑の花粉が放たれてそれがエレキングの鼻の中に入り、エレキングは苦痛の声をあげる。

 

「キュイイイイ!!!!?」

 

また、それを近くで受けたゼナは眠りにつき、美渡もまた急激な眠気に襲われるのだが・・・・・・。

 

彼女は眠気を必死に抑え、ルグスの黄色い部分を「ブチィ!!」と千切り取ると朦朧とする意識の中・・・・・・けれども確実に当てるように・・・・・・それをベムストラへと全力で力を込めて放り投げたのだ。

 

「届けええええええええ!!!!」

 

そして、美渡の投げたルグスは見事ベムストラの鼻の中に「スポッ!」と入り、ベムストラもエレキング同様に目尻に涙を溜めて苦痛に満ちた鳴き声をあげた。

 

「グルアアアアアア!!!!」

 

その後、それを見届けた美渡は「よし!」っとガッツポーズをしてから、彼女は目を閉じて倒れ込んで眠ってしまうのだった。

 

『ありがとよねーちゃん!』

『エレキング、及び新たに出現した怪獣に異変発生』

『よし、僕もようやくなんとか動けるようになった!! 今の内だ!!』

 

レムからの報告を受け、痺れの解けたジードは立ち上がり、使用カプセルを交換する。

 

『融合!!』

 

1つは既に使用している「ウルトラマンベリアル」のカプセルをもう1度起動させ・・・・・・。

 

『アイ、ゴー!!』

 

それから新たに「ウルトラマンオーブ エメリウムスラッガー」のカプセルを起動させてナックルに装填。

 

『ヒア、ウィー、ゴー!!』

『フュージョンライズ!!』

『飛ばすぜ!! 光刃!!』

 

そこからジードライザーで装填ナックルをスキャンし、トリガーを引いてライザーを掲げる。

 

『はああああ、はぁ!! ジィィーーード!!!!』

『ウルトラマンベリアル! ウルトラマンオーブ エメリウムスラッガー! ウルトラマンジード! トライスラッガー!!』

 

そしてジードはプリミティブからウルトラマンベリアル、ウルトラマンオーブ・エメリウムスラッガーの力を融合させた「ウルトラマンジード トライスラッガー」に姿を変える。

 

戦闘BGM「ウルトラマンゼロ アクション」

 

一方でゼロはルグスの影響により、フラつくベムストラに向かってストレートキックを叩きこんだ後、ベムストラの身体を持ち上げて投げ飛ばす。

 

『シェア!!』

「グルアアアア!!!?」

 

それを受けてもベムストラはフラつきながらも立ち上がり、なんとか破壊光線、ペイル・サイクロンを放とうとするのだが、それよりも素早くゼロのアッパーカットが顎に炸裂し、ベムストラは殴り飛ばされる。

 

「グオオオ・・・・・・」

 

ならばとベムストラは今度は球体に変化してゼロに攻撃を仕掛けようとするのだが・・・・・・。

 

『その技は既に見切った!!』

 

ゼロはゼロスラッガーを融合させて三日月状の剣にした「ゼロツインソード」を構え、刀身を緑色に輝かせ・・・・・・こちらに向かって迫ってくるベムストラにすれ違いざまにツインソードを横一閃に切り裂く「プラズマスパーククラッシュ」を炸裂させる。

 

『プラズマスパーククラッシュ!!』

「グゥ・・・・・・ラアアアアア!!!!?」

 

球体は真っ二つに切り裂かれて爆発するのだった。

 

そしてジードはというと・・・・・・。

 

『トライスラッガーアタック!!』

 

ジードは頭部の3つのアイスラッガーをエレキングへと投げつけて切り裂く「トライスラッガーアタック」を繰り出し、斬りつけられたエレキングは身体から火花を散らす。

 

「キイイイイ!!!!?」

『デュア!!』

 

エレキングはどうにか電撃光線をジードに向かって放つが、ジードは腕を振るって弾き飛ばし、ジャンプして勢いよく拳をエレキングの顔面に叩き込む。

 

さらにそこからすかさず連続で拳を叩き込み、最後にまた拳をエレキングの顔面に喰らわせ、ジードはエレキングを殴り飛ばす。

 

「キュイイイ!?」

 

また、その様子を見ていたトリィは・・・・・・。

 

『エレキング・・・・・・!』

 

エレキングを可愛がりながら育てていたことを思い出し、彼女は車から勢いよく飛び出し、ザルドも彼女を追いかける。

 

「おい!」

『エレキング・・・・・・。 っ、お願い、その子を楽にしてあげて!!』

 

トリィのその叫びを聞き、ジードはその願いを聞き入れ、頷く。

 

ジードは右拳に黒いエネルギーを集めてから腕をL字に組んで放つ「デススラッガーショット」を発射。

 

『はあああ、デススラッガーショットォ!!』

 

デススラッガーショットはエレキングに直撃し、直撃を受けたエレキングは身体から火花を散らして倒れ込み爆発するのだった。

 

『ごめんね、エレキング・・・・・・。 ありがとう、ウルトラマン・・・・・・』

 

トリィが悲しげにそう呟くと、彼女の胸の光・・・・・・リトルスターが分離し、ジードのカラータイマーの中へと入り、無爪の手元へとウルトラカプセルとなって届く。

 

そして手にしたカプセルには青い姿の光の国の科学者、「ウルトラマンヒカリ」が描かれていたのだった。

 

「今度は青いウルトラマンか!」

 

その後、ゼロがジードに対して何か言いたそうにしていたが、活動限界が迫っていた為、結局は何も言えず2人はそれぞれ別々の場所で人間の姿へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

「ゲホゲホッ!! おのれ、あの小娘・・・・・・!!」

 

その一方でゼロに敗れた荒井はというと・・・・・・。

 

怪獣に変身していた為にルグスの効果を最小限に留められていた為、眠気こそあるものの気を失っておらず、荒井はルグスを投げてきた美渡に怒りを覚えていた。

 

「だが、これで新たな私のカプセルは手に入る」

 

すると荒井は何も描かれていないカプセルを空中に向けると、そこに漂っていた黒い霧のようなものがカプセルに吸収され、何も描かれていなかったカプセルにエレキングの姿が浮かび上がるのだった。

 

「恐怖に追い立てられ、人は祈る・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、トリィから自転車を無事返して貰い、また彼女はAIBに新たに所属することとなった。

 

また無爪はお詫びの品を梨子に渡し、彼女からは胸を触ったことを完全に許して貰うことができたのだった。

 

そして今は無爪がバイトしているという駄菓子屋「銀河マーケット」の飲食スペースで無爪、美渡、千歌、梨子、曜の3人が購入したお菓子を食べてくつろいでいるところだった。

 

ちなみに無爪は今日はバイトではなく普通の客として来ている。

 

「全く、なっちゃんは・・・・・・。 お腹壊したのは仕方ないけど、やっぱり怪獣が出たのに千歌を置いて行くなんてねぇ?」

「そ、その、その説は・・・・・・本当にごめんなさい。 美渡ねえ、千歌ねえも・・・・・・」

「い、いやいや!! 仕方ないよそりゃ!! だから謝ることないって!! 美渡ねえももういいでしょ! それよりもさ、美渡ねえ。 あの女の人だけど・・・・・・なんか変なとこなかった?」

 

不意に千歌がトリィのことを尋ねると美渡は飲んでいたラムネを吹き出しそうになり、「なななな、なんにもないよ!?」と目を泳がせながら誤魔化す。

 

「あ、あのぉ~」

 

そこへレイジが恐る恐る店へと入って来るとその顔を見た店長のハルヲが「ひぃ!? ヤクザ!?」と怯えていたが・・・・・・それは放っておいてレイジは無爪に話があると言って店の外に連れ出す。

 

「なんだろ? レイジ兄ちゃんがなっちゃんに話って?」

「さぁ?」

 

店の外に連れ出された無爪は「どうかしたんですか?」と尋ねると、レイジは意識をゼロに切り替え、レイジの身体を借りたゼロは無爪に「よぉ!」と挨拶する。

 

「えっ? レイジさん!?」

『俺はゼロ、ウルトラマンゼロだ。 訳合って俺はこいつと今一体化している』

「えぇ!? レイジさんが・・・・・・ウルトラマンゼロと!?」

 

レイジ・・・・・・というよりも、ゼロから告げられた真実に無爪は驚きの声をあげる。

 

「確かに、今のレイジさん声もゼロに似てるけど・・・・・・」

『しばらくお前の戦いの様子を見させて貰ったぜ? お前には色々と聞きたいことがある・・・・・・がっ・・・・・・』

 

ゼロは視線を楽しげに談笑している千歌達に映すと、彼は「今日はまあいい」と言って無爪の肩に手をかける。

 

『頑張れよ。 スクールアイドルの手伝いもウルトラマンもな』

「は、はぁ・・・・・・」

 

ゼロはそう笑顔で言うと意識をレイジに戻す。

 

「あっ、驚いたよね? でも、僕も無爪くんがジードなのは驚いたし、そこはお互いさまってことで。 じゃ、じゃあ僕はまだちょっと仕事があるから・・・・・・。 曜ちゃん達によろしくね!」

「あっ、はい」

 

無爪はレイジの言葉に頷き、彼はそれだけを告げるとその場を立ち去るのだった。

 

 




デススラッガーショット
トライスラッガーアタックは本作オリジナルの技です。
デススラッガーショットは普通にスラッガー使わないリフレクトスラッガーです。

ちなみにザルドがゼナと同じ装置を使っても戦闘時になるとどうしてもザム星人の姿になります。
そしてジードサンシャインは戦闘要員が1人欠けている為それを埋めるキャラでもあります。


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