ラブライブ! ジードサンシャイン!!   作:ベンジャー

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第9話 『限界を超えてゆけ』

『グウウ、ウアアアアアッ!!!!』

 

前回、ギャラクトロンの攻撃によって消し飛ばされ、消滅したゼロ。

 

それを直に目撃したジード・ソリッドバーニングはゼロを倒したギャラクトロンに対し、怒りの雄叫びをあげながら向かって行き、拳をギャラクトロンの顔面に叩き込む。

 

『ヘアアッ!!』

 

しかし、ギャラクトロンはジードの攻撃を直接受けてほんの僅かに身体が揺れる程度で逆にジードはギャラクトロンに殴り飛ばされてしまう。

 

『ウグッ!?』

 

そのままギャラクトロンは右手の鉤爪をジードに向けて振るうが、ジードは素早く頭部に装着された宇宙ブーメラン、「ジードスラッガー」を手に取ることで攻撃を受け止め、なんとか押し返すとジードスラッガーを右足に装着して脚部ブースターを点火、加速を加えたキックで敵を切り裂く、「ブーストスラッガーキック」を繰り出し、ギャラクトロンの胸部を斬りつける。

 

『ブーストスラッガーキック!!』

 

その攻撃の直撃を受け、ギャラクトロンは怯むものの即座に眼から放つ閃光光線の直撃をジードは受けてしまい、身体中から火花を散らして吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。

 

『ウアアア!!?』

 

それでもジードは諦めず、地面を殴って立ち上がり、ギャラクトロンに向かって拳を何発も叩き込んで行くがギャラクトロンにはあまりダメージを与えられない。

 

とは言え、実は先ほどまでとは違う点が1つだけあった。

 

それはさっきまでジードの攻撃をほぼピンポイントでことごとく攻撃を防いでいたギャラクトロンだったが、今ではジードの攻撃の幾つかがギャラクトロンに当たっていたのだ。

 

なぜギャラクトロンに攻撃が当たるようになったのか・・・・・・。

 

その理由は先ほどジードが繰り出した技、「コースクリュージャミング」を受けた際、ギャラクトロンの左手を失うことになったのだが・・・・・・。

 

実は左手以外にもジードはギャラクトロンが読み取った自分の戦闘データが保管されていた部分も破壊することに成功していたのだ。

 

そのため、先ほどまでとは打って変わってジードはギャラクトロンに攻撃を当てられるようになった。

 

しかし、だからと言ってそれで完全に逆転できるかと言えばそうではなく、左手を破壊され、ジードの戦闘データを失っても尚ギャラクトロンはジード相手に終始優位に立っており、ジードの方もゼロが倒されたことで動揺していることもあり、まるで勝機を掴むことができないでいた。

 

「あぁ~、ジィードォ・・・・・・! その必死にもがく姿、まさにヒーローらしい」

 

それと同じ頃、講演会の出入り口までやってきていた荒井はそこから逃げようとした人々から距離を取りつつ、ガラス越しにジードとギャラクトロンの戦いを見つめており、荒井は誰にも気付かれないように嫌らしい笑みを浮かべていた。

 

「ですが、やはりまだまだあなたは若くて未熟で不完全! だが、それが実に良いですねぇ~? ウルトラマンジードォ・・・・・・! さて、それではそろそろ・・・・・・」

 

荒井が小さく、そう呟くと彼は右手を挙げ、指を「パチン」と鳴らす。

 

それと同時に、ジードの放った拳がギャラクトロンの胸部に炸裂したのだが・・・・・・。

 

ギャラクトロンは突如として動きを止め、眼と胸部にあった赤い光が消え去り、機能を停止したのだ。

 

『っ!? 止まった・・・・・・? ぐっ・・・・・・』

 

そしてジードの方も活動限界時間である3分が経過したことで、ジードもそこから姿が消えてしまい、その場には変身が解除された傷だらけの無爪が片膝を突きながらギャラクトロンを見上げていた。

 

「はぁ、はぁ、あれは、僕の攻撃で・・・・・・止まった・・・・・・訳じゃない。 なんで、どうして・・・・・・こんな、ことに・・・・・・」

 

そして無爪はそのままその場で倒れ込んで気を失い、それと同じ頃・・・・・・。

 

講演会の会場の出入り口がようやく開き、人々はやっと外に出ることが可能となり、みんなは急いでその場から逃げていくのだった。

 

「あっ、やっと開いた!! もう、なんなのよ!! どうなってんのよここのスタッフ! しっかりこういう非常事態に備えてちゃんと点検とかしときなさいっての!!」

 

ようやく外に出れた善子は扉が開かなかったことからこの建物のスタッフなどがちゃんと安全確認していなかったのではないかと文句を言い、そんな善子を見て花丸は何故か意外そうな視線を彼女に向けていた。

 

「善子ちゃんがまともなこと言ってるずら・・・・・・」

「どういう意味よ!? ってか善子じゃなくてヨハネ!!」

 

兎にも角にも命拾いしたのは確かであり、ルビィなどは外に出た直後、涙目で力無くぺたんっとその場にへたれこんでしまっていた。

 

「うぅ、怖かったよぉ・・・・・・」

「大丈夫? ルビィちゃん?」

「ジードも負けてしまいそうだったもんね・・・・・・」

 

そんなルビィを心配そうにする花丸に、ジードがギャラクトロンに負けそうだったことからルビィがそうなってしまうのも分かると語る梨子。

 

(・・・・・・なっちゃん!)

 

また千歌はギャラクトロンの攻撃を受けまくっていたことから、無爪が大怪我を負っているかもしれないと思い、みんなの目を盗んでそっとその場から抜け出すと彼女はジードが最後に立っていた場所へと向かって走って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ゼロさん、ゼロさん!! そんな・・・・・・僕を庇って・・・・・・! 僕を助ける為に身代わりに・・・・・・!」

 

その頃、レイジはウルトラゼロアイを手に取りながら何度もゼロの名を叫ぶようにして呼ぶのだが・・・・・・ゼロアイからはやはり何も聞こえず、彼は目尻に涙を浮かべながら顔を俯かせていた。

 

「おやおや? なぁ~んだ、ゼロと一体化していたあなたは死ななかったんですか?」

 

そこへ、未だ顔を俯かせ、ゼロの名を呼び続けるレイジの元に荒井が現れると彼は自分の計算ではゼロはレイジ諸共消し飛んで貰うつもりだった為、レイジだけが生き残ったことにやれやれと言った感じで溜め息を吐く。

 

「自分と一体化した地球人も一緒に死ぬ。 そうすればゼロに取ってこれ以上ない屈辱を味あわせ、バッドエンド以上のバッドエンドになったのに・・・・・・。 非常に残念です。 まっ、流石にそれは欲張りというものですか。 ゼロを殺せただけ良しとしましょう」

「っ、荒井・・・・・・!!」

 

レイジは荒井を強く睨み付け、そんなレイジに対して荒井は「おぉ~、流石に睨まれると怖いですねぇ?」なんて相手をおちょくったような態度を見せる。

 

「お前が睨んだところでなんにもならない! 所詮お前はゼロがいなければただの平凡でちっぽけで、弱いだけの人間! 顔が強面なだけの勇気のない、ヘタレた人間だ!! そんな奴がウルトラマンの力を持つこと自体、おこがましいことだったんですよぉ!!」

 

すると、荒井はレイジに近より、彼の顔を覗き込みながら ボソッと言葉を呟く。

 

「ゼロが死んだのは私の計画が完璧だったのもあるだろう。 だが、お前に勇気が無かったのも原因かもしれないなぁ~?」

「っ・・・・・・!!」

「お前がもっと積極的にゼロと戦う姿勢を見せていれば、少しは違った結果になったかもしれませんね?」

 

どことなく物凄く楽しげに話す荒井の顔を見て、レイジは無性に「こいつの顔をぶん殴ってやりたい」と気持ちになった。

 

しかし、レイジは身体に力が入らず、ただ手をぷるぷると小さく震わせることしか出来なかった。

 

それは荒井の「ゼロが死んだのはお前に勇気が無かった」という言葉が胸に突き刺さったから。

 

彼の言う通りかもしれないと思ったから。

 

自分がヘタレな人間であることを自覚していたから。

 

だからレイジは荒井に対して何も言い返すことが出来ない、何も出来ない。

 

そして荒井はニヤけ顔を必死に堪えながら、彼はその場を立ち去って行き、レイジは去って行く荒井の背中をただ睨むことしかできなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから無爪とレイジの姿を発見した千歌と彼女の手伝いに来たペガは2人で彼等を星雲荘まで運び、怪我の手当てを行うことに。

 

「う・・・・・・んんっ」

「あっ、なっちゃん!! 目、覚めたんだね! 大丈夫?」

「千歌・・・・・・ねえ?」

 

そこで気を失っていた無爪が目を覚ますと、こちらを心配げに見つめる表情をした千歌が視界に入り、それと同時に後頭部にはやたらと柔らかいものが当たっている感触を感じ、そのことに無爪は困惑する。

 

(えっ? あれ? これって・・・・・・)

「ひゃあ!? ちょっ、なっちゃん! いきなり動かないでよ! スカート越しでもちょっとくすぐったいんだからね!?」

 

少しモゾッと自分が動くと、千歌は妙に可愛らしい悲鳴をあげ、寝起きで頭がボーッとしていた無爪は徐々に今の自分がどんな状況にいるのかを理解していく。

 

(えっ、これ・・・・・・千歌ねえに膝枕されてる!? じ、じゃあこの後頭部にさっきから当たってる柔らかい感触って・・・・・・!)

 

千歌ちゃんの太ももですね。

 

(マジかあああああああ!!!!!?)

 

一応スカート越しとはいえ千歌に膝枕されていることに内心大歓喜し、それを千歌に悟られまいと無爪は必死に両手で口を塞ぎ、誤魔化そうとするが・・・・・・千歌からはジトッとした視線を向けられ、無爪が今考えていることが彼女にはほぼほぼバレていた。

 

最も、自分からやったことだし、無爪なら当然こういう反応をしてくるだろうなとは思っていたので千歌は特に咎めるようなことはしなかった。

 

「って、そうだ!! それよりもゼロは!!? レイジさんは!?」

 

そこで無爪は自分がギャラクトロンと戦っている時にゼロが消し飛ばされたことを思い出し、そこからガバッと起き上がって辺りを確認すると・・・・・・。

 

自分と千歌とは少し離れた位置で以前、レイジとゼロが同時に自分達と会話できるようにと使用した装置を再びつけたレイジが座っている姿を発見した。

 

どうやら、あの時の装置を使ってゼロは本当に消滅したのか、レイジの身体の中にももういないのかを調べるために今回は使用しているようだった。

 

「レム、レイジさんの身体の中からゼロの反応ってあったの?」

『いいえ、レイジからウルトラマンゼロの反応は検出されません』

『そんな・・・・・・ゼロは死んじゃったの!?』

 

レムからの報告を聞いて、顔を俯かせる無爪とレイジ。

 

またそれを聞いてペガは本当にゼロは死んでしまったのかと問いかけるとレムはその可能性は高いとのことだった。

 

『ですがもう1つ可能性があります。 それはゼロが検知できないほどエネルギーが低下しているか・・・・・・』

「もしそうなら、まだゼロは死んでないってことだよね!? だとしたら、ゼロを復活させる方法は無いのレム!?」

 

レムからそのもう1つの可能性を聞き、無爪はゼロは死んだのではなく、エネルギーが低下しているだけなのだとしたらそのエネルギーの問題さえ解決すればゼロは復活するのではないかと思い、彼は僅かな希望を抱いてレムに尋ねるが・・・・・・。

 

『残念ながら・・・・・・現状、それだけのエネルギーはこの地球には存在しません・・・・・・。 ジードがエネルギーをゼロに分け与えたとしても、それをすれば今度は逆にジード、無爪の命が危険に晒されてしまいます・・・・・・』

「そんな・・・・・・!!」

 

レム曰く理論上ではゼロを復活させることは可能なようだが、しかし、それだけのエネルギーはこの地球にはどこにもないとのことでさらにはジードが自分のエネルギーを分け与えようものなら今度は逆にジードが命の危機に瀕してしまうというのだ。

 

「なら、ちょっとずつジードがエネルギーを分け与えるって言うのは!?」

 

そこで千歌はならば分割で少しずつゼロにエネルギーを分け与えていけば良いのではないだろうかと提案するが、レムの計算ではやはりそれも難しいようだ。

 

『少しずつエネルギーを分けてもそれだとゼロが復活するには何十年もかかってしまいます。 それに、それをやってしまうと怪獣への対応も大きく遅れてしまい、町にも甚大な被害が出る可能性が・・・・・・』

 

もはや八方塞がり・・・・・・ゼロが生きていたとしても、復活させるためには膨大なエネルギーが必要、だがそのエネルギーを調達する方法はない。

 

ゼロの仲間達が来てくれればゼロも助かる可能性はあるが、その仲間達と通信できる手段もない。

 

奇跡でも起こらない限り、ゼロの復活は絶望的だった。

 

『みんな! 観て!』

 

そんな時、テレビのニュースで荒井が画面に映り、無爪や千歌は画面に映る彼の姿を見て睨む。

 

『ファンの方々には怪我をされた方もいなくて幸いでした・・・・・・!』

 

画面に映る荒井はホッとした様子で自分のファン達が何事も無かったことを喜ぶ。

 

『あの時、ウルトラマンが来てくれなかったらどうなっていたか・・・・・・。 彼こそ、ヒーローです。 ありがとう・・・・・・本当にありがとう、ジード!』

 

いけしゃあしゃあとどの面を下げて言っているのかと無爪は頭に血が上るのを感じ、座っていたソファから立ち上がると「あいつ、ぶん殴って来る!!」と言って星雲荘を出て行こうするが・・・・・・。

 

それを千歌が無爪の腕を掴むことで引き止める。

 

「待って、待ってなっちゃん!! ダメだよ!!」

「離して!! 離してくれ千歌ねえ!! アイツだけは・・・・・・!!」

「ダメ!! きっと行ったらまた荒井の思う壺だよ!!」

「でも、だけど・・・・・・負けたままで悔しくないのかよ、千歌ねえは!?」

「悔しいよ!! だって・・・・・・だって、私、あの時・・・・・・! 気付いてたんだ。 荒井が不気味な笑みを浮かべてるのを・・・・・・」

 

涙ぐんだ表情を見せながら、千歌は荒井と初めて会った時、彼が不気味な笑顔を浮かべていたこと、だけどきっとそれは気のせいだろうと思い込んで何もしなかったことを彼女は無爪達に話し、千歌は自分がもう少し荒井のことを疑っていればと・・・・・・。

 

彼女はもっと荒井のことを疑っていればまた違った結果になったかもしれないと後悔し、目尻に涙を溜めながら言葉を吐き出し、無爪はそんな千歌を見て、戸惑いながらも彼女の肩にそっと手を置く。

 

「ごめん、千歌ねえ・・・・・・。 でも、千歌ねえのせいじゃないよ。 それを言うなら、僕がもっとゼロの言うことを聞いていれば・・・・・・! もっと警戒していれば・・・・・・!」

「違う! 2人のせいじゃない!!」

 

しかし、そんな時今まで黙っていたレイジが突然声をあげ、無爪と千歌の2人は視線をレイジに向ける。

 

「2人の、せいなんかじゃない・・・・・・。 僕の、僕のせいなんだ・・・・・・。 僕のせいで、ゼロさんは死んだ・・・・・・」

「レイジさん・・・・・・。 いや、ゼロはまだきっと死んでない!! 絶対に復活するって信じよう!! その時、一緒に戦うのはレイジさんだ!!」

 

レムからゼロが生きている可能性があることを聞かされたからか、無爪はまだゼロは死んでいない、きっと復活すると信じ、だからその時はレイジも一緒に戦おうと無爪は言うのだが・・・・・・。

 

レイジはそれを「無理だ」と言って拒絶した。

 

「出来ない、僕には出来ない! 怖いんだよ!! 僕はあそこで初めて、死の恐怖を感じた・・・・・・。 元より、怪獣の前に立つのだって怖かったんだ! そしてゼロさんがこんなことになって・・・・・・僕には、僕にはやっぱりウルトラマンは無理なんだ!!」

 

元々、レイジ自身は怪獣と戦うことを恐れ、戦うことに消極的だった。

 

それでも戦えたのはゼロがいた安心感があったからだ。

 

まぁ、ゼロが強制的に変身させたというのもあるが。

 

しかし、ゼロが倒され、消えたことで今回初めて感じた「死」への恐怖。

 

その光景は元より臆病な性格であったレイジの心が折れるのには十分過ぎるほどの恐怖感を与えた。

 

だからレイジは石となったゼロアイをテーブルの上に置き、戦うことを拒絶したのだ。

 

「今、この町を守れるのは僕達だけなんだ・・・・・・!!」

「勝てないのに!? あの時、無爪くんは負けていた。 なんでかよく分からないけど、あの怪獣に・・・・・・荒井に僕達は見逃して貰った・・・・・・。 力の差は圧倒的、戦うなんてバカげてる・・・・・・!!」

 

レイジは身体をガクガクと震わせながら星雲荘から出て行こうとするが・・・・・・。

 

「逃げるの? レイジさんはこの町がどうなっても良いの!?」

 

千歌にそう言われ、レイジは思わず足を止める。

 

「僕に、僕にどうしろって言うんだよ! もうゼロさんはいない、ジードはあの怪獣に勝てない。 もう逃げるしかないんだ・・・・・・!! 君達も逃げよう? みんなでさ・・・・・・逃げるんだ!!」

 

ギャラクトロンに勝ち目が無いのなら、もはや自分に出来ることは逃げることくらい。

 

だから無爪や千歌もペガも、曜達と共に一緒に逃げようと言うのだが、当然、無爪と千歌、ペガは決して逃げようとはせず、むしろ無爪はそんな逃げ腰のレイジに対し、「僕は逃げない」とキッパリと言い返した。

 

「まだ、まだ僕は諦めない。 必ずあの怪獣を倒してみせる!」

「・・・・・・どうやって倒すって言うんだよ・・・・・・。 僕には、僕にはそんなこと出来ない。 君みたいに無責任に命を懸けることなんてできない!! 無駄死になんて僕はしたくないんだよ!!」

「っ!!」

 

次の瞬間、千歌はレイジに頬に向かって「パアアン!!」と平手打ちを繰り出し、それに頬を抑えながら目を見開くレイジ。

 

「無駄って・・・・・・なに? 無駄死にってなに!? なっちゃんは、無責任に命を懸けてなんてない!! なっちゃんはそんなことのために戦ってるんじゃない!! なっちゃんがなんの為に戦ってるのか、それはレイジさんが・・・・・・!!」

「・・・・・・ごめん」

 

しかし、レイジは千歌の言葉を遮ってその場から逃げるように星雲荘から出て行き、ペガは「待って!!」とレイジを呼び止めようとするが、それを無爪が引き止める。

 

「良いんだ、ペガ。 レイジさんが死んじゃったら、曜ねえになんて言えば良いのか、僕には分からない。 僕は曜ねえに、家族を失わせたくなんてないし、そんな思いをして欲しくないんだ・・・・・・」

「なっちゃん・・・・・・」

 

曜はレイジのことを実の兄のように慕っている。

 

もし、レイジが死んだら・・・・・・きっと曜は激しく落ち込み、悲しむだろう。

 

だから無爪はこれ以上レイジに無理は言えなかったのだ。

 

また、千歌はそんな無爪を見て彼女は自分達が今よりもずっと幼かった頃・・・・・・。

 

彼女はまだ幼かった無爪がこっそりと影に隠れて、よく泣いていたのを思い出していた。

 

当時はなんで泣いていたのか分からなかったが・・・・・・今なら分かる。

 

無爪のことは高海家が引き取り、高海家の夫妻からは息子同然に愛情を持って育てられ、志満と美渡も自分同様、弟として大切に想ってくれた。

 

しかし、それでも無爪は自分達とどこか距離があるように感じられ、やはり心のどこかで孤独を感じているようだった。

 

そんな家族のいない寂しさを知っている無爪だから、レイジに無理を言えなかったのだ。

 

それも、千歌や果南以外で姉のように慕っている曜の身内ならば尚更。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、星雲荘から逃げるように飛び出したレイジはというと・・・・・・。

 

彼は1人、夜の公園に佇みながらゼロが消滅した時の光景を思い出していた。

 

『レイジ、よく・・・・・・耐えてくれたな・・・・・・!』

「ゼロさん・・・・・・」

 

今にも泣き出しそうな声で、レイジはスーツのポケットに入っていた荒井の小説を取り出し、それをぐしゃりと握りつぶすようにしてから小説を地面に叩きつけようとするが・・・・・・。

 

「っ!! うぅ・・・・・・!!」

 

こんなことをしても、何にもならないとレイジはそれ以上のことはせず、ただただ悔しそうに唇を噛み締めるしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また無爪、千歌、ペガの3人は一度十千万へと帰ることとなり、今3人は無爪の部屋で暗い雰囲気に包まれながらも再びジードに変身出来る時間が来るのを待っているところだった。

 

「レム、次に変身できるまで、後何時間かかりそう?」

『次に変身出来るのは、およそ14時間後です』

 

無爪は装填ナックルに手をかけながら後何時間でまた変身出来るのかをレムに尋ね、再変身まで残り14時間であることを教えられると無爪は「ありがとう」とだけお礼を述べる。

 

『・・・・・・ゼロ、本当にいなくなっちゃったのかなぁ?』

「そんなことないよ。 ゼロはきっと戻ってくる。 絶対に・・・・・・信じるんだ・・・・・・!」

 

弱気になるペガに、無爪はゼロは絶対に復活すると信じると言い放ち、それに千歌も同意するように力強く頷いた。

 

「うん、私も・・・・・・信じる。 ゼロは帰って来る」

「それまでは僕が、1人でも戦って見せる」

 

 

 

 

 

 

 

その翌日、とある丘の上の、草むらで・・・・・・。

 

そこではレイジが身体を蹲るようにして座り込んでおり、ただ頭の中で繰り返し荒井の言葉が響いていた。

 

『所詮お前はゼロがいなければただの平凡でちっぽけで、弱いだけの人間! 顔が強面なだけの勇気のない、ヘタレた人間だ!! そんな奴がウルトラマンの力を持つこと自体、おこがましいことだったんですよぉ!!』

『ゼロが死んだのは私の計画が完璧だったのもあるだろう。 だが、お前に勇気が無かったのも原因かもしれないなぁ~?』

『お前が最も積極的にゼロと戦う姿勢を見せていれば、少しは違った結果になったかもしれませんね?』

 

何度もリピートされる荒井の言葉の数々。

 

ムカつくが、荒井の言う通りもっと自分が積極的に戦う姿勢を見せていれば・・・・・・少しは今とは違う結果になったかもしれないとレイジはそう思わずにはいられなかった。

 

だが、後悔してももう遅い・・・・・・。

 

所詮自分は、荒井の言うように勇気のない、ゼロがいなければ何も出来ない無力な人間なのだ。

 

ゼロが死んだのはきっと自分の勇気の無さのせい。

 

だからレイジはずっとここで自分自身を責め続けた。

 

こんなことをしても意味は無いと分かっているにも関わらず。

 

「・・・・・・レイジお兄ちゃん?」

 

だが、そんな時・・・・・・。

 

不意にレイジの背後から聞き覚えのある声が聞こえ・・・・・・レイジが振り返ると、そこには不可思議そうにこちらを見つめる曜が立っていたのだ。

 

「曜ちゃん・・・・・・?」

「どうしたの? こんなところで?」

「落ち込んでる」

「それは見たら分かるよ」

 

曜に一体こんなところで何をしているんだと尋ねられ、レイジは落ち込んでると応えるが、そんなことは見れば分かると曜に苦笑され、それにレイジも釣られるように「だよね」と思わず苦笑してしまう。

 

すると曜はレイジの隣に座り込み、それにレイジは首を傾げる。

 

「曜ちゃん?」

「レイジお兄ちゃん、昨日の講演会の帰りからなんだから元気無いよね。 一体どうしたの? 私で良ければ話を聞くよ!」

「・・・・・・」

 

曜の気持ちは有り難いものの、なんと話せば良いのか分からないレイジ。

 

「僕は、ずっと厳つい顔の癖して、ヘタレな自分がイヤだった」

 

しかし、無意識に勝手に口が動き始め、レイジはゼロのことはぼかしつつもここ最近あった出来事を話し始めた。

 

「でも、最近ある人と出会って、自分が強くなれた気がしてたんだ。 でも、結局それは自分が強くなったんじゃなく、所詮は『気がしただけ』。 結局、自分は何も変わってなかった。 その人がいなかったら、僕はこんなにも無力なんだって痛感した。 僕はなんにも成長なんてしていなかった。 弱い自分のままだった」

 

顔を俯かせ、膝を抱えて暗い表情のまま語るレイジ。

 

そんな彼の話を、黙って聞き続ける曜。

 

「そして僕はその人のピンチを救うことが出来なかった。 逆にその人に僕は守られて・・・・・・その人は傷ついてしまったんだ・・・・・・」

「・・・・・・よく分からないけど、でも、それに気づけたってことは小さな一歩かもしれないけど、物凄く大切な一歩でもあると私は思うな」

 

そこでレイジの話を今まで黙って聞いていた曜が口を開き、そう言葉をかけるとレイジは「えっ?」と首を傾げる。

 

「『強くなった気がしただけ』、それに気づかないで過ごしていくより、それに気づいて、自分の弱さを自覚できるのは良いことだと私は思う」

「弱いことが、良いことなんて・・・・・・」

 

弱いままじゃ、何も出来はしないとレイジは曜に言い返すが、それを曜は首を横に振って「そんなことない」と否定する。

 

「レイジお兄ちゃんは自分の弱さが分かるから、他の誰かの弱さに気づくことができる。 そういう人なんだって私は思ってる。 そしてそんな人の助けになろうとしてくれる。 ヘタレでも良いんじゃん、無理に強くなろうとしなくて良いじゃん。 確かにレイジお兄ちゃんは気が弱いところがあるけど、でも、それは同時に、レイジお兄ちゃんの強さなんだと私は思うな!」

「弱いことが、僕の強さ・・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、とあるビルの屋上では・・・・・・。

 

そこには荒井が立っており、時計を確認して「そろそろか」とだけ呟くと彼は指を「パチン」と鳴らす。

 

「ウルトラマンジード。 さぁ、これくらいの状況、ここから逆転してみせろ・・・・・・! 出来るものならなぁ?」

 

すると荒井の指の音に反応するかのようにギャラクトロンの目と胸部のコアが怪しく、不気味に赤く光り出し、再び動き出したのだ。

 

それを星雲荘で朝早くから待機していた無爪、千歌、ペガにも部屋に映し出されたモニターでギャラクトロンが再び動き出したことが伝わり、無爪はゴクリと唾を飲み込みつつ、星雲荘のエレベーターを使って現場へと向かおうとする。

 

「なっちゃん!! なにか、作戦はあるの? レイジさんが言うようにあの怪獣となっちゃんの力の差は歴然だった・・・・・・」

 

心配げな表情を浮かべながら、千歌は無爪はあの怪獣に勝てる見込みがあるのだろうかと尋ねる。

 

「レムとシュミレーションした。 戦い方は17通り。 その内、失敗する可能性が高いのは、17個だった!」

「全部じゃん!! なんでちょっと自慢げ!?」

 

確かに、最初の戦いでジードの放ったコースクリュージャミングによってギャラクトロンは左腕と読み取ったジードの戦闘データが破損し、それを失った。

 

しかし、それでも17度の戦闘シュミレーションをしてもギャラクトロンには全て通用しないと無爪は言うのだ。

 

これでギャラクトロンは万全の状態ではないと言うのだからよりギャラクトロンの恐ろしさが際立ち、千歌はますます無爪が心配になるが・・・・・・。

 

「だったら、18通り目を試せば良い。 それがダメなら、19通り、20通り目を試すまでだよ」

「もう言ってること無茶苦茶だよ!?」

 

無爪の言っている言葉は千歌の言う通りもはや滅茶苦茶なもの・・・・・・しかし、それでも無爪の目からは闘志が消えておらず、それを感じ取ったからか、千歌は未だに不安が消えないものの、彼女はそっと自分の右手を無爪の胸に添える。

 

「全くもう・・・・・・。 でも、なっちゃんらしいかもね。 絶対に、絶対に無事に帰って来てね? 約束だよ?」

「うん、約束だ。 行ってくるよ、千歌ねえ! 僕は、ウルトラマンだから!」

 

無爪は必ず無事に帰って来ることを千歌と約束すると、無爪はエレベーターに乗り込み、レムにギャラクトロンのいる現場まで急いで送って貰うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャラクトロンは目から放つ赤い閃光光線を放ち、町を破壊。

 

さらにそこからギャラクトロンは歩き始め、小さな建物は足で踏み潰し、大きなビル等は閃光光線を発射しながら破壊し、ギャラクトロンは暴れまくる。

 

それを丘の上から見ていたレイジと曜。

 

「あぁ・・・・・・遂に、またあの怪獣が動き出した! 曜ちゃん、家族と一緒に早くこの町から離れて逃げるんだ・・・・・・!」

 

レイジは急いで今すぐに家に帰って家族に一緒に逃げるように言い、彼女の腕を引いて渡辺家に連れて行こうとするが・・・・・・。

 

「避難はするよ。 でも、私も、お父さんもお母さんも、この町から出て行くつもりは毛頭ないんだよね・・・・・・」

「何言ってるんだ。 あの怪獣はジードでも勝てなかったくらいに強いんだ! もう、この町は・・・・・・」

「きっと大丈夫だよ。 私は最後はジードが勝つって信じるし・・・・・・それに、ウルトラマンはもう1人いるもん! そのウルトラマンだってきっと来てくれるって信じてる。 ウルトラマンは何時だって必ず・・・・・・来てくれる!」

「曜・・・・・・ちゃん・・・・・・」

 

そんな曜の言葉を受け、レイジは自分の震える右手を見つめ、その手を左手で押さえつける。

 

曜はゼロが今、どんな状態になっているのかを知らない。

 

それでも彼女はジードだけでなく、ゼロも必ず来てくれると信じている。

 

ゼロが本当に死んでしまったのかどうか、ハッキリとは分からないし、生きていたとして復活する見込みは薄い。

 

だが、それでもレイジは・・・・・・ここで逃げるなんてことも、ジッとしていることも出来なかった。

 

「行かなきゃ」

「えっ?」

「曜ちゃんは、家族や友達と一緒に避難所に向かって」

 

当然、いきなりそんなことを言われてもと曜は困惑してしまい、「レイジお兄ちゃんはどうするの? どこに行くの?」と尋ねる。

 

「どうしても行かないといけない場所があるんだ。 こんな頼りない僕だけど、ヘタレで弱い僕だけど・・・・・・それでも守りたいんだ。 曜ちゃん達や大好きなこの町も全部・・・・・・。 だから、祈ってて? ヒーローの復活を」

「レイジお兄ちゃん・・・・・・? なんか、よく分かんないけど・・・・・・分かったよ。 気をつけて行ってきて」

「うん」

 

レイジは曜の言葉に力強く頷くと、彼はギャラクトロンのいる方へと走っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、星雲荘のエレベーターを使ってギャラクトロンのいる現場へと無爪が到着。

 

『無爪、時間です。 変身が可能となりました』

「・・・・・・分かった。 ジーッとしてても、ドーにもならねえ!!」

 

無爪はそう言い放つと、カプセルホルダー腰のカプセルホルダーから「初代ウルトラマン」のカプセルを取り出し、スイッチを押して起動させるとそこからそのウルトラマンが出現。

 

「融合!!」

 

ウルトラマンのカプセルを装填ナックルに装填させた後、さらにそれとは別に「ウルトラマンベリアル」のカプセルを取り出し起動させると今度はそこからベリアルが出現。

 

「アイ、ゴー!!」

 

同じくベリアルのカプセルをナックルに装填し、ジードライザーで装填したカプセルをスキャンする。

 

「ヒア、ウィー、ゴー!!」

『フュージョンライズ!』

「決めるぜ、覚悟!!」 

 

そしてジードライザーを掲げて胸の前でスイッチを押すとウルトラマンとベリアルの姿が重なり合い、無爪は2人のウルトラマンの力を合わせた「ウルトラマンジード プリミティブ」へと変身を完了させたのだ。 

 

「はああ!! はぁ!! ジイィーーーード!!!!」

『ウルトラマン! ウルトラマンベリアル! ウルトラマンジード!! プリミティブ!!』

『行くぞぉ!!』

 

ジードはジャンプしてギャラクトロンに跳び蹴りを喰らわせ、それに怯んだギャラクトロンの隙を見逃さず何度も拳をギャラクトロンに叩き込む。

 

しかし、ギャラクトロンはジードの攻撃を受けても身体が多少揺れる程度であり、胸部から発射する閃光光線を撃ち込んでジードを引き離す。

 

『ウアア!!?』

 

さらにギャラクトロンは右腕の爪でジードの腹部を殴りつけ、身体が蹲ってくの字になった所をギャラクトロンは右足を振り上げてジードを蹴り飛ばす。

 

『グアアア!!?』

 

地面を転がるジードだが、なんとか立ち上がり、それと同時に前腕の鰭状の部位から放つ切断光線「レッキングリッパー」をギャラクトロンに放ち、続けざまに口から超音波を出して敵を攻撃する「レッキングロアー」を繰り出す。

 

『レッキングリッパー!! レッキングロアー!!』

 

それにギャラクトロンは両腕を交差してレッキングリッパーによる攻撃を耐えるが、続けて放たれたレッキングロアーによる攻撃で両腕を弾かれ、防御を崩してしまい、そこにジードが飛びかかって右手で頭を押さえつけ、左拳でギャラクトロンの顔を何度も殴りまくる。

 

『シュアアアア!!』

 

しかし、それでもギャラクトロンは大して怯みすらせず、後頭部から伸ばした大きな鉤爪の付いた「ギャラクトロンシャフト」を使い、背後からジードの身体を掴みあげ、自分から引き離すと空中に大きく投げ飛ばし、同時に胸部から放つ閃光光線をジードに撃ち込んで直撃させる。

 

『ウアアア!!!?』

 

攻撃を受けたジードは火花を散らしながら地面に倒れ込むが、それでもジードはフラつきながらもどうにか立ち上がる。

 

『グッ・・・・・・ウゥ・・・・・・。 負けるかぁ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」

 

またレイジは今、息を切らしながらギャラクトロンと戦うジードの元へと向かって走っており、ようやくすぐ近くまで到着したのだが・・・・・・。

 

そこでレイジは躓いてしまい、その場に転んで倒れ込んでしまう。

 

「うわっ!? ぐっ・・・・・・無爪くん!!」

 

ジードは未だにギャラクトロンに劣勢であり、レイジは何か・・・・・・何か自分に出来ることはないかと必死に頭を回転させて考えるが・・・・・・。

 

「レイジさん」

 

そんな彼の元に、石になったゼロアイを持った千歌が現れたのだ。

 

「千歌ちゃん・・・・・・?」

「・・・・・・なっちゃんってさ。 私が言えたことじゃないかもしれないけど、普段はあんまり頼りないんだよね。 そんななっちゃんが、ウルトラマンなんて・・・・・・。 私は、なっちゃんのお姉ちゃんなのに・・・・・・何時も見守って応援するくらいしか出来ない」

 

レイジの前に現れた千歌はギャラクトロンと戦うジードを見つめながら、彼女は不意に何時も見守り、声援を送るくらいのことしか出来ないことを悔やんでいることをレイジに話し始める。

 

「私にもその力があれば・・・・・・せめてなっちゃんと一緒に戦えることが出来ればって・・・・・・そう思う。 なっちゃんが戦う度に、何時も心配で仕方が無いんだ。 だけど、なっちゃんがウルトラマンになったのは・・・・・・きっと運命なんだよね。 それは、レイジさんにとっても・・・・・・」

 

レイジは上半身だけを起こし、千歌はそんなレイジの前にしゃがみ込むと、石になったゼロアイをレイジに差し出す。

 

「なっちゃんは、レイジさんのおかげで自分が守るべきものが何か気付くことが出来たって言ってた。 それがなっちゃんがウルトラマンになってしたいことだって。 レイジさんは、ウルトラマンの力で・・・・・・何がしたいの?」

「・・・・・・」

 

レイジは千歌の差し出したゼロアイを手に取ると、千歌の問いかけに応えるように、ゼロに自分は何がしたいのか言うように、語り始める。

 

「僕も、守りたい。 この町の人の温かさや・・・・・・弱さに苦しんでる人達を支えてあげたい。 僕じゃ、2万年早すぎますか? それでもやってみたいんです! みんなを守るってことを・・・・・・!!」

 

そして、そんなレイジの想いに応えるかのように・・・・・・彼の胸に、小さな光が灯ったのだ。

 

「これって・・・・・・リトルスター!?」

「えっ、僕に・・・・・・?」

 

すると、レイジに宿ったリトルスターの影響を受けてかウルトラゼロアイの石化が解け、元の状態へと戻ったのだ。

 

『俺の相棒だったらもう30分早く判断しろ』

「ゼロさん・・・・・・!?」

『行くぞ、レイジ!』

 

再びゼロの声が聞こえ、レイジはそのことに喜ぶと彼は笑みを浮かべて「はい!!」と頷き、立ち上がる。

 

そしてメガネを外し、「ウルトラゼロアイNEO」を構え、目に装着し、スイッチを押して起動させる。

 

『デュア!!』

 

するとレイジの身体は光に包まれ、彼は赤と青の身体に銀色のプロテクター、頭部に2本の宇宙ブーメラン、「ゼロスラッガー」を装着した戦士、「ウルトラマンゼロ」が現れ、登場と同時にゼロはギャラクトロンの頭部に跳び蹴りを喰らわせ、蹴り飛ばしたのだ。

 

『シェア!!』

 

そして地面に着地し、大地に降り立つ。

 

『俺はゼロ・・・・・・ウルトラマンゼロだ!!』

『・・・・・・ゼロ!!』

「やった、復活したぁ!!」

 

ここにきて、ゼロが完全復活したことにジードも千歌も歓喜の声をあげるが・・・・・・。

 

戦いの様子をビルの屋上から見ていた荒井は逆に、驚愕した表情を浮かべ、忌々しげにゼロを睨み付けていた。

 

「な、なぁにぃ? そんな・・・・・・そんな・・・・・・!! ゼロが生きていただとぉ!? 巫山戯るな・・・・・・ふざけるなああああああああああ!!!!!」

 

荒井は自分の頭をぐしゃぐしゃと掻きむしった後、ビル屋上の手すりを両手で掴み、ガンガンガンガンと血が吹き出るほど何度も自分の頭を激しくぶつける。

 

「アアアアア・・・・・・!! 殺したと思ったのに、殺したと思ったのにいいいいいいいいい!!!!!!」

 

しかし、怒りのせいで全く痛覚を感じていないようで今度は手すりを何度も激しく蹴りつけ、八つ当たりを始める。

 

『ゼロ! 遅いよ!』

『へっ、よく言うだろ? 主役は遅れてやってくるってな! 行くぞ!!』

『はい!!』

 

一方、ジードはゼロの元へと駆け寄り、2人のウルトラマンは並び立つと同時にギャラクトロンへと向かって行く。

 

戦闘BGM「ウルトラマンゼロ アクション」

 

ゼロとジードは同時にギャラクトロンに掴みかかるとジードは膝蹴り、ゼロは拳をギャラクトロンに同時に叩き込み、ギャラクトロンが僅かに後退ったところを狙い、ゼロとジードの2人はギャラクトロンの腹部に蹴りを左右同時に炸裂させる。

 

『シュア!!』

 

そこからジードの後ろ回し蹴りが繰り出し、ギャラクトロンに喰らわせるとそのままジードはしゃがんで土台となり、ゼロはそんなジードの背中を踏み台にして飛び、勢いをつけたゼロの拳がギャラクトロンの顔面に炸裂。

 

それにギャラクトロンは反撃とばかりに胸部から発射する破壊光線「ギャラクトロンスパーク」を放つが、ゼロは巨大な光のバリアーを作り出す防御技「ウルトラゼロディフェンダー」とジードは前面に円状のバリアを展開する「ジードバリア」でギャラクトロンスパークをなんとか防ぐ。

 

『ウルトラゼロディフェンダー!!』

『ジードバリア!!』

 

そして、荒井はというと・・・・・・。

 

彼は出血した額を抑えながらもなんとか冷静に、ようやく落ち着きを取り戻し・・・・・・今の状況をどうするべきか考えていた。

 

「逆に考えよう。 むしろ、ゲームが盛り上がったと・・・・・・!! そして、今度こそ・・・・・・ウルトラマンゼロ、私がこの手で・・・・・・お前を葬ってやろう・・・・・・!!」

 

荒井はゼロを睨み付けながらも、ライザーを取り出し、構える。

 

「キングジョー!!」

 

そこから荒井は金色のロボット、「宇宙ロボット キングジョー」の怪獣をカプセルを取り出し、起動させて装填ナックルに差し込む。

 

「ギャラクトロン!!」

 

さらにもう1つの「シビルジャッジメンター ギャラクトロン」のカプセルを取り出し、起動させ、装填ナックルに差し込む。

 

「これでエンドマークだ!!」

 

そこからライザーのスイッチを押して起動させ、装填ナックルをスキャンし、ライザーのトリガーを引く。

 

『フュージョンライズ!』

 

すると荒井の姿が「ウルトラマンベリアル」の姿へと変わり、ベリアルの前にキングジョーとギャラクトロンが現れ、2体は粒子のようになってベリアルの口の中へと吸い込まれるとキングジョーとギャラクトロンが合体したかのような姿の怪獣、「ベリアル融合獣 キングギャラクトロン」へと変身したのだ。

 

『キングジョー! ギャラクトロン! ウルトラマンベリアル! キングギャラクトロン!』

 

キングギャラクトロンへと変身を完了させた荒井は地上に降り立ち、ゼロとジードに向かって目から放つ赤い怪光線「ギャラクトロ・デスレイ」を発射。

 

『危ねえ!?』

『うわ!?』

 

それをゼロとジードは左右に飛ぶことでなんとか直撃避け、新たに現れた怪獣にゼロとジードは警戒する。

 

『新手か・・・・・・。 こいつは俺に任せろ。 そっちは任せたぞ!』

『おう!!』

 

ゼロはジードの胸を軽く叩くとゼロはキングギャラクトロン、ジードはギャラクトロンに向かって駈け出し、それぞれの相手と戦い始める。

 

『ウルトラゼロキック!!』

 

ゼロは両足に炎を纏わせて連続蹴りを叩き込む「ウルトラゼロキック」をキングギャラクトロンに繰り出すが、キングギャラクトロンはそれらの攻撃に全て耐え、左腕に虹色の魔法陣を形成し、素早い連続パンチを繰り出す「ペダニウムパンチング」で反撃し、ゼロを殴り飛ばす。

 

『ヌアア!!?』

『私の計画を台無しにしてくれた貴様だけは、貴様だけは許さんぞぉ!! ウルトラマンゼロォ!!』

 

それによって地面に倒れ込んだところを狙い、インナースペース内で荒井が怒りの声をあげながらキングギャラクトロンは右腕の「ペダニウムハードランチャー」から発射する強力な黄色いビーム攻撃を撃ち込もうとするが・・・・・・。

 

『回避が間に合わな・・・・・・!!』

 

その時、ゼロのインナースペース内にいたレイジに宿った胸のリトルスターが光を放ち、ゼロの左腕に装着されていた「ウルティメイトブレスレット」が突然修復されたのだ。

 

『これは・・・・・・』

 

それと同時に、キングギャラクトロンのビーム攻撃が放たれるが・・・・・・ゼロの身体が一瞬青く輝くとゼロの身体が青くなり、そこから素早く瞬間移動で攻撃を回避。

 

『なにぃ!?』

『ルナミラクルゼロ!』

 

気付いた時には青い身体となった「ルナミラクルゼロ」がキングギャラクトロンの懐に飛び込んでおり、右掌を相手に当てて衝撃波を放って相手を吹き飛ばす「レボリウムスマッシュ」を放つ。

 

『レボリウムスマッシュ!!』

『ぐおお!!? バカな、今、奴は姿を変える力を失っている筈・・・・・・!!』

 

荒井の言うように、ゼロの持つウルティメイトブレスレットは破損していた為、ブレスレットが無ければ使えなかった武器や姿を変えるタイプチェンジ能力などは使うことが出来なかった。

 

しかし、レイジに宿ったリトルスターの「時間を巻き戻す」力のおかげで今、ゼロはかつての力を一時的に取り戻していたのだ。

 

最も時間を巻き戻すにも限界はあるようで、ブレスレットからは火花が散っており、今のブレスレットはせいぜい「壊れる寸前」の状態で、ゼロの古傷も完全には治ってはいなかった。

 

『それでも十分だ! ミラクルゼロスラッガー!!』

 

しかし、タイプチェンジが出来るのなら十分だと言い放ち、ゼロは光のゼロスラッガーを作り出し、それを無数に分裂させて相手を切り刻む「ミラクルゼロスラッガー」をキングギャラクトロンへと放つ。

 

だが、それに対してキングギャラクトロンは全身からエネルギーを放出させることでミラクルゼロスラッガーを全て弾き飛ばし、ゼロに向かって駈け出し、体当たりを喰らわせる。

 

『ウアア!!?』

 

それを受けて吹き飛ばされ、地面に倒れ込んだゼロ。

 

そこを狙いキングギャラクトロンはジャンプしてゼロを踏みつけようとするが・・・・・・。

 

『ストロングコロナゼロ!!』

 

素早く起き上がったゼロは赤い姿、「ストロングコロナゼロ」へと変わってキングギャラクトロンの両足を掴んで受け止めると相手を回転させながら投げ飛ばす「ウルトラハリケーン」を繰り出す。

 

『ウルトラハリケーン!!』

 

しかし、キングギャラクトロンは空中で体勢を立て直すとペダニウムハードランチャーから強力なビーム攻撃を放ち、それに対してゼロも右腕から撃ちだす高熱エネルギー弾「ガルネイドバスター」を放つ。

 

『ガルネイドォ!! バスタアアアア!!!!』

 

両者の光線は空中で激しくぶつかり合い、両者の間で爆発が起きる。

 

一方でジードもギャラクトロンと激しい戦闘を繰り広げており、ジードはギャラクトロンの背後に回り込んでギャラクトロンシャフトを掴みあげ、シャフトによる動きを封じながらギャラクトロンの背中を何度も蹴りつける。

 

『オリャアア!! シェア!!』

 

だが、ギャラクトロンはシャフトを自在に動かし、左右に勢いよく揺らすことでジードを引き離し、振り返りざまに目から閃光光線をジードに撃ち込んで吹き飛ばす。

 

『ウアアア!!?』

 

そしてキングギャラクトロンもペダニウムハードランチャーによるビーム攻撃と目から放つ赤い怪光線「ギャラクトロ・デスレイ」による同時発射による攻撃をゼロはまともに喰らってしまい、大きく吹き飛ばされ、ビルに突っ込んで倒れ込んでしまう。

 

『グアアア!!!!?』

 

その時に受けたダメージのせいでゼロはストロングコロナから通常形態に戻ってしまう。

 

『ぜ、ゼロさん!? 大丈夫ですか!?』

『あぁ、レイジ・・・・・・。 それより目の前の敵に集中だ!』

 

とは言っても、チラリと見ればジードの方もギャラクトロンの方に苦戦しており、自分もキングギャラクトロン相手に徐々に劣勢になりつつある。

 

どうすればと・・・・・・ゼロがそう考えていた時。

 

『んっ? あれは・・・・・・』

 

その時、ゼロに向かって飛んでくる巨大な光の球体が現れ、球体はゼロの身体を飲み込むと・・・・・・辺り一帯が白く染まる・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気付けばゼロの隣にレイジが立っており、2人の目の前にはゼロの故郷、光の国の科学者でもある青い光の戦士・・・・・・「ウルトラマンヒカリ」が立っており、ゼロはヒカリが現れたことに心底驚いた様子を見せていた。

 

「あ、あなたは・・・・・・?」

『ウルトラマンヒカリ・・・・・・!?』

『探したぞ、ウルトラマンゼロ。 新たな力を授けに来た』

 

そう言ってヒカリが右手をレイジとゼロにかざすと、2人の目の前には1つのライザーと装填ナックル、そして4つのウルトラカプセルが現れる。

 

『『ニュージェネレーションカプセル』、ゼロ専用のパワーアップアイテムだ。 さぁ、行け!』

 

それを受け、ゼロとレイジは互いに顔を見合わせて頷き合うと、2人同時にそのアイテムを手に取る。

 

すると場所が変わり、ゼロのインナースペース内にレイジは戻る。

 

『成程な。 よし、コウマ、零無、夜空、紅葉、お前等の力・・・・・・借りるぜ! 行くぞレイジ!!』

『はい!!』

 

レイジはライザーを取り出し、スイッチを押してそれを先ずは起動させる。

 

その後、目の前に浮かんだ青いクリスタルの巨人、「ウルトラマンギンガ」のカプセルを手に取り、起動させた後、装填ナックルへと差し込む。

 

『ギンガ!』

 

次に下半身は黒い模様、上半身は赤い模様の巨人、「ウルトラマンオーブ オーブオリジン」のカプセルを手に取り、それを起動させ、今度はそのカプセルを装填ナックルに。

 

『オーブ!』

 

そこからライザーで装填ナックルをスキャンさせ、ライザーのスイッチを押すと2つのカプセルが融合し、新たな1つのカプセル「ニュージェネレーションカプセルα」が生まれる。

 

『ウルトラマンギンガ! ウルトラマンオーブ! オーブオリジン! ニュージェネレーションカプセルα!!』

 

次にレイジは全身にV字のクリスタルのある黒い巨人、「ウルトラマンビクトリー」のカプセルを手に取り、それを起動。

 

『ビクトリー!』

 

それもまた装填ナックルに差し込み、今度はメカニカルな外見をした巨人、「ウルトラマンエックス」のカプセルをレイジは手に取り、起動。

 

『エックス!』

 

そこからまたライザーで装填ナックルをスキャンし、ライザーのスイッチを押すと今度はその2つのカプセルが融合し、新たなウルトラカプセル、「ニュージェネレーションカプセルβ」が生み出される。

 

『ウルトラマンビクトリー! ウルトラマンエックス! ニュージェネレーションカプセルβ!!』

 

さらにライザーにウルトラゼロアイNEOを装着させ、空中に浮かんだニュージェネレーションカプセルαを手に取り、それを起動させる。

 

『ギンガ! オーブ!』

 

するとそこからギンガとオーブが向き合うようにしてレイジの前に現れ、装填ナックルに装填。

 

『ビクトリー! エックス!』

 

続けてレイジはニュージェネレーションカプセルβを手に取り、起動して装填ナックルに差し込むと今度はそこからビクトリーとエックスが向き合うようにして姿を現す。

 

そしてライザーで装填ナックルをレイジはスキャンし、読み込ませる。

 

『ネオフュージョンライズ!!』

『俺に限界はねえ!!』

 

最後に、ゼロアイを装着したライザーを自身の顔の前にかざし、スイッチを押す。

 

するとレイジの身体がウルトラマンゼロの姿に変化すると、左右にギンガ、オーブ、ビクトリー、エックスの幻影が現れ、4人のウルトラマンの姿がゼロと重なり合う。

 

『ニュージェネレーションカプセル! α!! β!!』

 

そしてゼロは頭部のゼロスラッガーは倍の4本になり、ビームランプは大型化して3つに増え、胸部や肩のプロテクターがなくなり、カラータイマー周りがジードと酷似したものとなり、銀を基調にした紫のカラーリングの姿・・・・・・。

 

「ウルトラマンゼロビヨンド」へと強化変身したのだ。

 

『ウルトラマンゼロビヨンド!!』

『俺はゼロ、ウルトラマンゼロビヨンドだ!!』

 

ゼロが強化変身し、それを見たキングギャラクトロン内のインナースペースにいる荒井は「ギリギリ!!」と音が聞こえるほどの歯ぎしを起こし、ますます怒りが込みあがってくるのを感じた。

 

『あああああ!!!! どこまでも私の予想を上回りやがってえええええええ!!!!! ここでパワーアップだとぉ? 私が負けそうではないかぁ!!』

 

怒りのままにキングギャラクトロンは右腕のペダニウムハードランチャーを構えるが、ゼロはキングギャラクトロンがビームを撃つよりも先に頭部から光でできた四つのゼロスラッガーを飛ばし、自在にコントロールして相手を切り裂く「クワトロスラッガー」をキングギャラクトロンとギャラクトロンに放ち、2体を斬りつける。

 

『クワトロスラッガー・・・・・・!』

 

それを受けたキングギャラクトロンとギャラクトロンは身体から火花を散らしながら吹き飛び、ゼロはレイジに語りかける。

 

『今だレイジ! その光、リトルスターだったか? それをジードに譲渡するんだ! できるか!?』

『えっ!? でも・・・・・・良いんですかゼロさん!? これのおかげで少し力が戻ったんでしょ?』

 

レイジは僅かとはいえストロングコロナやルナミラクルといったかつての力が戻ったのに、それを手放しても良いのかと問いかけるが・・・・・・。

 

ゼロは「問題はない」とハッキリとレイジのその問いかけに応えた。

 

『へっ、心配ねえよ。 お前がいりゃ十分だ!!』

『ゼロさん・・・・・・分かりました、やってみます!!』

 

ゼロのインナースペース内のレイジは胸に宿るリトルスターの光に右手を添え、目を瞑り・・・・・・神経を集中させる。

 

(無爪くん・・・・・・どうか、この力を使ってくれ!!)

 

レイジがそうジードへと願うと、レイジに宿ったリトルスターが分離し、その光がジードのカラータイマーの中へと入ると、インナースペース内にいる無爪の手にその光が渡る。

 

『これは・・・・・・金色の、ゼロのカプセル?』

『シャイニングウルトラマンゼロカプセルの起動を確認しました。 ウルトラマンカプセルとフュージョンライズが可能です。 ですが、気をつけてください無爪。 シャイニングの力を使った形態は身体にとてつもない負担がかかります。 今のあなたではせいぜい5秒が限界・・・・・・』

 

無爪の手に渡ったリトルスターは金色の姿の「シャイニングウルトラマンゼロ」のカプセルへと変化し、それを受けてレムはウルトラマンカプセルとのフュージョンライズが可能であることを無爪に伝えるが・・・・・・。

 

そのフュージョンライズは身体に相当の負担がかかるため、使い時にレムから注意を受ける。

 

『分かった。 これはトドメの一撃に取っておく!』

 

無爪は取りあえずは一旦カプセルを仕舞い込むが・・・・・・その隙を突いてそこで起き上がった来たギャラクトロンが目から閃光光線を発射。

 

『ゲッ、しまった!?』

 

まともな防御が間に合わず、ジードは咄嗟に両腕を交差して攻撃を耐え抜こうと身構えるが・・・・・・。

 

『シェアアア!!』

 

その時、空からウルトラマンヒカリが降り立ち、右腕に装着された「ナイトブレス」から展開した光の剣、「ナイトビームブレード」を振るうことでギャラクトロンの光線を弾いたのだ。

 

『あなたは・・・・・・!?』

『私はウルトラマンヒカリ。 ゼロと同じ、M78星雲から来た。 君の噂は聞いているぞ、ウルトラマンジード。 私も手を貸そう』

『えっ、でも・・・・・・僕は・・・・・・』

『話は後だ。 行くぞ!!』

 

色々と戸惑うことはあるものの、ヒカリの言う通り先ずは目の前にいるギャラクトロンの撃破が先だと思い、ジードは「はい!!」と頷き、返事を返す。

 

挿入歌「Radiance~ウルトラマンヒカリのテーマ~」

 

ジードとブレードを一度仕舞ったヒカリは共に並び立ち、ギャラクトロンに向かって掴みかかる。

 

『デヤア!!』

『シェア!!』

 

そこからジードは膝蹴りをギャラクトロンの腹部に叩き込み、ヒカリは手刀をギャラクトロンの首筋に繰り出す。

 

だがギャラクトロンはなんとか2人のウルトラマンを引き離し、右腕をジードに飛ばして攻撃を仕掛け、その攻撃を受けてジードは吹き飛ばされる。

 

『ウアア!!?』

 

そのまま空中に浮かんだギャラクトロンの右腕は光線をヒカリに向かって放つ。

 

しかし、ヒカリはジャンプして躱し、ギャラクトロンの右腕に向かって飛ぶと再びナイトビームブレードを展開するとそれを振るってそれを真っ二つに切り裂き、地面に叩き落とす。

 

『デエイ!!』

『ウルトラマンジード! アクロスマッシャー!』

『スマッシュビームブレード!!』

 

ヒカリとコスモスのカプセルを使い、2人の力を融合させた姿「アクロスマッシャー」になるとジードは右手に光の剣を形成する「スマッシュビームブレード」を出現させ、ヒカリと共にギャラクトロンに向かって駈け出して行くと2人はすれ違いざまにギャラクトロンを左右から斬りつける。

 

攻撃を受けたギャラクトロンは身体中から火花を散らすが、それでも未だに動き続け、ギャラクトロンシャフトを伸ばしてヒカリの身体を掴みあげると持ち上げてジードの方へと投げ飛ばす。

 

『ヌウアアア!!?』

『ウアア!!?』

 

2人は互いに激突し、地面に倒れ込む。

 

そこを狙い、ギャラクトロンは空中へとジャンプして2人を踏みつけようとするが・・・・・・ジードとヒカリはなんとか身体を転がすことで攻撃を回避し、起き上がる。

 

ヒカリは両手を上下に広げて放つ必殺光線「ホットロードショット」を放ち、ギャラクトロンはそれをバリアで張り巡らせて防ぐが・・・・・・。

 

『うおおおおおおお!!!!!』

 

徐々にバリアは耐えきれなくなり、粉々に砕けると光線はギャラクトロンに直撃し、ギャラクトロンは火花を散らしながら大きく吹き飛び、倒れ込む。

 

『今だジード!! 君が決めろ!!』

『はい!!』

 

ジードはヒカリの言葉に頷くと、インナースペース内の無爪はウルトラマンカプセルを取り出す。

 

『融合!』

 

ウルトラマンのカプセルを装填ナックルに装填させた後、さらにそれとは別に先ほど手に入れた「シャイニングウルトラマンゼロカプセル」を取り出し、それも起動させる。

 

『アイ、ゴー!!』

 

それもナックルに装填し、ジードライザーで装填したカプセルをスキャンする。

 

『ヒア、ウィー、ゴー!!』

『フュージョンライズ!』

『目指すぜ、天辺!!』

 

そしてジードライザーを掲げて胸の前でスイッチを押して起動させる。

 

『はああ、はぁ!! ジィィーーーード!!!!』

 

ウルトラマンとシャイニングゼロの姿が重なり合い、ジードは新たに両腕に刃のようなものを装備し、胸部と両肩には銀色のプロテクター、額に青いクリスタルのある新たな姿、「ウルトラマンジード シャイニングミスティック」へと姿を変えたのだ。

 

『ウルトラマン! シャイニングウルトラマンゼロ! ウルトラマンジード! シャイニングミスティック!』

 

そこへ起き上がったギャラクトロンが「それがどうした」と言わんばかりに胸部と両目から同時に閃光光線をジードに向かって放って来るが、ジードは右手をギャラクトロンにかざすとギャラクトロンの「時間が僅かに巻き戻り」、光線が引っ込んでしまう。

 

このことにギャラクトロンは困惑した様子を見せ、ジードは両腕の刃を相手に飛ばして切り裂く「スラッガーカッティング」を繰り出す。

 

『スラッガーカッティング!!』

 

それによってギャラクトロンシャフトと胸部が切り裂かれ、トドメの一撃として頭上に太陽のような光球を召喚し、相手の時間を止めたあと腕を十字に組んで光線を撃つ必殺光線「スペシウムスタードライヴ」を放つ。

 

『スペシウムスタードライヴ!!』

 

その攻撃を受け、ギャラクトロンは耐えきれず倒れ込んで爆発し、遂に倒されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またジードとヒカリがギャラクトロンと戦っているのと同じ頃・・・・・・。

 

挿入歌「ULTRA FLY」

 

左腕に虹色の魔法陣を形成し、素早い連続パンチ「パダニウムパンチング」をキングギャラクトロンはゼロビヨンドへと繰り出すが、対するゼロも紫色のエネルギーを纏った目にも止まらぬ連続パンチ「ゼロ百裂パンチ」を繰り出し、互いに拳が何度もぶつかり合うが・・・・・・。

 

やがてキングギャラクトロンの左腕がゼロの拳に耐えきれなくなり、裂けるようにして破壊される。

 

『シェア!!』

 

そのままの勢いでゼロはキングギャラクトロンの身体を殴りまくり、空中へと殴り飛ばすとキングギャラクトロンはペダニウムハードランチャーを構え、ビームを撃ち込もうとするが・・・・・・ゼロは一瞬でキングギャラクトロンよりも空高く跳び上がると、そのままキングギャラクトロンの背中に蹴りを炸裂させて地面に叩き落とす。

 

それにフラつきながらもなんとか立ち上がるキングギャラクトロン。

 

だが、直後にゼロの繰り出して来た急降下パンチが顔面に直撃し、キングギャラクトロンは大きく吹き飛ばされる。

 

『グウウウ!!!! おのれウルトラマンゼロォ!!!!』

 

それでも負けじと立ち上がり、ゼロへと戦いを挑んでくるキングギャラクトロン。

 

ゼロは殴りかかってくるキングギャラクトロンの拳を躱すと、、カウンターとして腹部にパンチを叩き込み、連続でアッパーカットをキングギャラクトロンに喰らわせる。

 

『オリャアア!!』

『ガアアアア!!!?」

 

そしてゼロは周囲に八つの紫色の光球を出現させ、一斉に光線を放って相手を撃ち抜く必殺光線「バルキーコーラス」を放つ。

 

『銀河の果てに、ぶっ飛ばしてやるぜ!! バルキーコーラス!』

 

それをキングギャラクトロンは魔法陣によるバリアを展開し、攻撃を防ごうとするが・・・・・・そのバリアはまるで最初から無かったかのようにあっさりと砕かれ、バルキーコーラスによる直撃を受けて光線が身体を貫くとキングギャラクトロンは火花を散らしながら倒れ、爆発するのだった。

 

『そん・・・・・・な!! まだ、まだだ!! まだ私は負けて・・・・・・ぐああああああああああ!!!!!?』

 

そして・・・・・・そこへギャラクトロンを倒し終え、ゼロの元にヒカリとシャイニングミスティックによる大きな消耗のせいでヒカリに支えられ、プリミティブに戻ったジードがやってくると、3人のウルトラマンはお互いに頷き合うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あああああ!!!!! ああああああ!!!!!」

 

ゼロに敗北し、人気の無い場所で倒れ込んだ荒井は大声をあげながら何度も拳を地面に叩きつけ、声にならない叫びをあげ続けていた。

 

「ハァ、ハァ・・・・・・。 まぁいい。 少々難易度は上がったが、これはこれでゲームは盛り上がる。 それに、私の最終目的はウルトラマンゼロ、貴様ではない。 悪が勝つ物語は、まだ終わっていないのだから・・・・・・!」

 

荒井はそう呟きながら、なんとか起き上がり、頭を抑えながらそこから去って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これを、僕に?」

 

その後、ジードとゼロは変身を解いて無爪とレイジの姿に戻ると、ヒカリは片膝を突きながら無爪に2つのカプセルを渡したのだ。

 

『これは盗まれなかった2つのカプセルだ。 『ウルトラマンメビウス』のカプセルと、『ゾフィー』のカプセル。 君にそれを託そう』

「でも、良いんですか? だって、僕は・・・・・・」

『君は別に何も悪いことなどしていないんだろ? それに、強敵を相手にたった1人でも最後まで諦めず、みんなを守る為に戦った君は、立派なウルトラマンだ』

 

ヒカリは「兎に角受け取っていてくれ」と頼むと、ヒカリはそこから立ち上がる。

 

『ウルトラマンジード。 君にも仲間がいるんだろう? なら、決して忘れるな。 この世に生きる者は皆支え合って生きていること、君は・・・・・・1人ではないということを』

 

ヒカリのその言葉を受け、無爪は一瞬、後ろを振り返り、そこに立っている千歌や何故か先ほどからグスグス泣いているレイジ、またここにいないAqoursのメンバーやペガ、レムを思い浮かべながら無爪は再びヒカリを見上げると、「はい!!」と力強く返事を返す。

 

『うむ。 では、さらばだ』

 

ヒカリはそんな無爪に頷くと、彼は空へと飛び立ち、光の国へと戻っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ、ぐす、ぐすっ。 ご、ごめんね無爪くん。 本当にありがとう・・・・・・」

 

その後、無爪とレイジはベンチのある場所に腰掛けて身体を休めていたのだが・・・・・・唐突にレイジが泣き出してしまい、そのことに無爪や合流して一緒にいた千歌は「えっ!? なんで泣いてるの!?」と困惑していた。

 

「千歌ちゃんもごめんね。 それと、ありがとう・・・・・・」

「いやそんな、私の方こそ・・・・・・ぶって、ごめんなさい・・・・・・」

 

動揺しつつも千歌はレイジのことをぶってしまったことを謝罪し、無爪は立ち上がってレイジに手を差し伸べると、それにレイジも戸惑いながらもその手を握り、お互いに笑みを浮かべるのだった。

 

「それにしても、レイジさんが発症したリトルスターって時間をある程度巻き戻すものだったんだよね? だったら、どうしてゼロは今も無事でいられてるの?」

 

そこでふっと千歌が疑問に思ったことを口にし、それにはレイジも「確かに」と疑問を抱かずにはいられなかった。

 

レイジが発症したリトルスターは「周囲の時間をある程度巻き戻す」というもの。

 

だからこの能力でゼロは復活し、一時的にストロングコロナやルナミラクルゼロになれたのだろうと思ったのだが・・・・・・今はレイジがリトルスターを手放した為、ストロングコロナにもルナミラクルにもまたなれなくなってしまった。

 

にも関わらず、ゼロ自身はちゃんと復活したまま。

 

最も喜ばしいことであるのは間違いないのだが。

 

「それはきっと、ゼロが復活出来たのはリトルスターだけの影響じゃないからだと思う。 きっと、レイジさんの想いが、ゼロに通じたんだよ」

「そう、かな?」

『そうだよ。 お前の想いが、俺を復活させてくれたんだ。 だから自信を持て!』

 

無爪とゼロにそう言われ、レイジは嬉しそうに「分かった!」と頷くのだった。

 

「おーい! レイジお兄ちゃん!! なっちゃん!! 千歌ちゃーん!!」

 

そこへこちらに手を振りながら梨子に善子やルビィ、花丸を引き連れて現れる曜の姿が見え、無爪達は彼女等に手を振り返す。

 

「あっ、曜ちゃーん!! みんな~!」

 

人にはそれぞれ、運命がある。

 

力の無さに泣いたり、大切な人を失ったり。

 

どうして自分が、そう思うこともあるだろう。

 

でも、大切なのは運命を越えて行くこと。

 

そうすれば、見えていく景色がきっとある。

 

 

 

 

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