リリカルなのはでランダムダイス小説 作:納豆豆
「それなりに修羅場は潜ってきたつもりだったんですけどね。まさかただのお宅訪問で命の危険を感じるとは思いませんでした。」
表面上は和かだが、フィルターの内心は汗ダラダラである。大きく消耗した状態でそこらの騎士より腕の立ちそうな剣士3人に、完全な臨戦態勢で囲まれていれば無理もない。地球ってこんなに危険な場所だったっけ?と大慌てで記憶を探った程だ。
「いやー、申し訳ない。こちらも少し事情があってね。それでなくても魔法に異世界なんて話はそう簡単に信じられないよ。」
朗らかに笑う目の前の男が、当初一番強烈な殺気を放っていた事をフィルターは忘れていない。あの殺気は、何かしたら刺し違えてでも殺すと強烈に物語っていた。
「俺はまだ完全に信用した訳じゃない。妙な真似をしたら容赦はしないぞ。」
未だに隠し武器に手をかけ、立ったままでこちらを警戒する青年から声がかかる。こちらも、魔法無しでやれば一対一でも勝てるかわからない実力だと見て取れる。一応魔法無しの戦闘でもミッドで上位に位置するという自信があったのだが、鍛え直そうかと真剣に悩む。とりあえず、神経がすり減るので早いところ警戒を解いてもらいたい。
「先ほど説明した通りです。裏なんてありませんよ。」
ユーノに喋らせたり自分がいくつか簡単な魔法を使ってみたりと苦労したが、なんとか説明を終えてひと段落ついた。問題はこの少女である。
「ともかく、こちらの事情はこの通りです。話した通り、なのはさんが解決まで関わりたいという事でしたので、ご家族の方と相談していただきたいと思いまして。」
「もしも私達がなのはが参加する事を許したとして、君はなのはの同行を認められるのかい?プロなら素人を連れて行くリスクも理解しているだろう?」
士郎がフィルターの思惑を探ろうと真剣な目で問い詰める。話を聞いた限り、こうして自分たちに魔法について話すこと自体フィルターにとって不利益を被る筈だ。
フィルターとしても、わざわざ家まで赴いてこの家族を誤魔化すつもりはない。
「説明した通り、暴走体程度ならなのはさんを確実に守り通す自信はあります。最悪、ユーノもいますからね。」
「しかし、ただ守られるだけでは同行しても迷惑になるだけだろう?」
迷惑になる、という言葉になのはがビクりと震える。あの場では勢いで言っていたが、ここに来るまでに冷静になり、その可能性は嫌というほど想像できた。フィルターはあの怪物を一瞬で倒したのだ。例え魔法が使えるとしても、震えていただけの自分など足手まといでしかないに違いない。
「その話も後でするつもりでしたが……正直に言えば、なのはさんに協力して貰えるなら私は助かります。私の個人的な感情を抜きにすれば、少なくともデメリットよりはメリットの方が大きいでしょう。」
だから、なのははその言葉に本当に驚いたのだ。
「というと?魔法についてはわからないが、君の強さは本物だろう。たとえなのはに魔法の才能があったとしても、力になれるとは思えないな。」
その通りだと、なのは自身でも思う。現にさっきは止めようとしていたのに、どういうことだろうか。
「ここに来る前にそれなりの大仕事をこなしてましてね、その直後に大急ぎで地球まで飛んで来たんです。強がってはいますが魔力は殆ど残っていませんし、体調も万全には程遠いんですよ。」
事実である。今のユーノの状態を見れば分かるように、魔力を大きく消耗すれば回復には時間がかかる。身体のダメージも軽く見られるレベルではない。
「つまり戦闘を行うのは難しいと?」
訝しげな士郎の言葉にフィルターは首を振る。
「先ほど言った通り、暴走体と戦闘するだけなら問題ありません。確実に倒せます。仮にジュエルシードの残り20個全て暴走体になったとしても負けませんよ。なのはさんに協力してもらいたいのは戦闘ではなく、封印です。」
「封印……フィルターさんが化け物を倒した時の、あの?」
そう呟いたなのはに向き直ってフィルターは続ける。
「その通り。一度封印が解けたジュエルシードはまた封印をかけないと保管もできない。しかしジュエルシードレベルの封印となると結構な魔力が必要なんだ。いくつの封印が解けたかはわからないが、全てを再封印するとなれば今の魔力がスッカラカンな俺には少し厳しい作業になる。」
成る程。高町家は誰も魔法の事はわからないが、事情はなんとなく理解できた。
「勿論さっきまで言っていた事もウソじゃありません。なのはさんがいなくてもジュエルシードを全て封印できる自信はあります。ただジュエルシードは謎の多いロストロギアですから。複数のジュエルシードが共鳴すれば更に大きな力を発揮しますし、可能性は低いとはいえ、そういったイレギュラーがあればどうなるかはわかりません。最悪この次元が崩壊するような危険物の対処をするのに、余力のない状態はあまり良くない。」
いつも人員も戦力もギリギリで世界規模の綱渡りをしている管理局がおかしいんだよなー、と心の中で関係のない悪態をつく。
「なのはさんが封印を行なってくれれば私も最低限の消耗で済みます。とはいえ、余程のイレギュラーが無ければ私1人で解決できるでしょう。なのはさんを止められても私が責任を持って事件を終わらせますよ。なのはさんが協力してくれるならその分余裕を残せるという程度の話です。」
子供に危険な事件に関わって欲しくないというのは本心だが、自分は所詮雇われである。メリットが確かに存在する以上、雇い主のユーノと保護者が認めて、なのは本人が希望するなら止める理由はない。
できれば止めて欲しいと思って親御さんに話を持って来たのは事実だが。
「協力してくれれば助かりますが、全て忘れて元の生活に戻られても構いません。ただ、関わるというなら私が絶対に守りますし、危険な場に立ってもらう以上、できる限りの指導はします。」
自分にできる事は、せめて危険な目に合わないように力を尽くすだけである。
ここまで話を聞いた士郎は暫く考え込んでから口を開いた。
「なのは、なのははどうしたいんだ?」
話は分かった。心配ではあるが、本人がどうしたいかが一番だろう。自分も、そして息子の恭弥も、散々自分から危険に突っ込んでいたのだから。
俯いていたなのはが顔を上げ、不安そうにフィルターに視線を向ける。
「ねえフィルターさん、私は力になれるの?邪魔にならない?」
不安だった。力になりたいけど、迷惑はかけたくたい。そんな気持ちから出た一言だった。
「ああ、君が協力してくれると助かるよ。それは間違いない。」
それなら、返す言葉は決まっていた。
ーーー
「さて、話は決まったし、道場の方に行こうか。」
「え?」
「なのはだけ危険な場所に行かせる訳ないだろう?恭弥と由美子も同行して貰うから、お互い実力も見ておかないと。安心してくれ、足手まといになる程ヤワな鍛え方はしてないよ。」
「え?」
「ああ、随分疲れてるみたいだし、明日の方がいいかな?」
「ええ…?」
「魔法も見せて貰えると有難いけど、魔力とやらが少ないんだろう?そっちはまあ、厳しいなら無しでもいいぞ。」
「あ、はい。……いや、え?」
そういうことになった。
ーーー
「それで、フィルター君はこれからどうやって生活するのかしら?住むところとかお金とか、アテはあるの?」
「自分もユーノも準備する余裕もなかったので……野宿でもしてどうにかしますよ。経験はありますし。」
「じゃあウチに泊まっていくといいわ。」
「いえ、そこまでご迷惑をかける訳には……」
「1人くらい大して変わらないわよ。それになのはを預けるんだから、そんなフラフラで野宿なんてされても不安でしょう?」
「いや、しかし……」
「いいからいいから♪」
そういうことになった
ーーー
関係・好感度
目安
01〜20 険悪
21〜40 無関心
41〜60 知り合い・友好的
61〜80 良好
81〜98 非常に良好
99〜100 ???
なのは 【ダイス:81】
・初対面で好印象
・関係は非常に良好
初戦闘で助けられたのが印象に残ったのか、なのはからはかなりの好印象を抱いている
その後も家族との話を付けてくれた事等から頼りになる大人として甘えており、魔法の師匠としても信頼している
また、彼を助けて恩返ししたいと考えている模様
フィルターもなのはを可愛がっており、関係は非常に良好
高町家【ダイス:89】
・初対面で好印象
・関係は非常に良好
娘を助けて貰った上、基本的に漏らしてはいけない魔法世界の話を自分達にしてまで娘の今後を相談してきた事に非常に好印象を抱いている
武闘派の3人からはその実力も高く評価されており、高町家で暮らす事も受け入れられている
フィルターも居心地の良い家を気に入っており、お世話になっている事に非常に感謝している
・高町なのはとの関係21以上
=捜索同行
・高町なのはとの関係61以上+高町家との関係61以上
=高町家に魔法バレ
・高町家との関係81以上
=活動拠点:高町家
どうしてこうなったのか……
ここの処理を考えるのにスゴい時間かかったのです
まさか両方80超えると思ってなかったし
交渉とかは判定しようか悩んだんですけどね
あんま判定増やすと自分が処理し切れなさそうだったので
こういう判定も見たいという希望があれば考えます
とりあえず展開は一通り振って大筋は決まっているんですが辻褄合わせとか肉付けに苦労してるので次回は結構遅くなるかと思います
せめて好感度判定の事故がなければ……