個性:コジマ粒子   作:ドミナントソード♂

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テキ ハッケン キケン キケン キケン



第10話 システム キドウ

初戦をどうにか切り抜けた俺は、選手用の観客席って奴に直接飛んだ。

 

「ストレイド君、お疲れ」

 

緑谷君だけだよ、俺に話しかけてくれるのは。まぁ、こっちから話しかけなかったから、向こうから話しかけて来ないんだろうが。

 

「あぁ、疲れたよ。相性ってのは、本当に大事だな」

 

運良く緑谷君の隣が空いていたため、そこに座る。

 

「ん? なんだそのノート」

 

膝の上に乗っていたそれをスッと抜き取り、表紙を確認してみる。

 

「うぇあっ!? そ、そそそそれはっ!?」

 

「ほーん。ヒーローの研究ねぇ」

 

「え、えぇっとそのそれは趣味みたいなもので、でですね」

 

ペラペラとページをめくっていく。ほうほう、色々と書かれているな。同じクラスの奴や、それに、俺やリリウムも書かれている。

 

「ほー、面白いじゃん。ありがと」

 

一通り読み終えたので、緑谷にノートを返す。

 

「お、面白かったんだ。うん、そう言ってもらえると、ちょっと嬉しいよ」

 

『さーてー! これから第2試合の始まりだぁーー!』

 

「おっ、これから始まるのか。いやあ、楽しみだ」

 

「楽しみって……何が?」

 

緑谷が不思議そうに聞いてきた。まったく、何が楽しみなのかぐらい分かるだろう。

 

「何って、誰がどんな個性を使い、どんな風に戦うのかを観れるから楽しみなんだよ。どうせ緑谷も同じだろ? そんなノート書いてるぐらいだし」

 

「あはは、まぁね」

 

これが性分だから仕方ない。そんな言葉が伝わってくるような笑みを浮かべ、緑谷はそう返した。

 

「ほら、もう始まるし、じっくりと見るか」

 

さて、第2試合の相手は……ほうほう。上鳴と塩崎か。

 

『第2試合、スタート!!!』

 

開始の合図と同時に、ステージ上に電流が走った。なるほど、電気系の個性か。あっ、なんか植物で防がれてる。って、えぇ……あなたもう拘束されてるじゃないですかぁ。電気を無効化されたら為すすべがないってそれ、致命的すぎんよ。

 

 

気を取り直して、次の試合を観よう。

対戦者は……飯田と発目か。今度、アスピナ機関を紹介しないといけないなんて、憂鬱だなあ。

 

 

 

 

 

 

対戦は一通り終わった。観戦中に体育祭の実行委員的な人が体操着を届けてくれたので、どうやら俺は制服で戦う必要がなくなったようだ。やったぜ。

試合を見ていて個人的に相性が悪そうだと思ったのは、轟と爆豪ぐらいだった。方や一瞬で氷山を作り出し、方やPAにとっては天敵の爆破を扱う存在だ。中々に困ったぞ。ウム、どうするか。

 

手札はなるべく隠しておきたかったが……仕方あるまい。情報が漏れないようにすれば、まぁ問題ないだろう。

 

さて、俺はシード的な位置にいたため、一回休んでから試合をすることになった。

いやぁ、緑谷と轟の試合は凄かった。緑谷って、指を弾くだけで氷山を穿つほどの衝撃波を放つんだね。いやあ恐ろしい。

 

さて、俺の対戦相手は委員長ことエンジン飯田である。正直、楽勝である。速度特化だと? フン、笑わせる。本当の速度特化(ソブレロ)ってやつを、教えてやるよ。

 

とまあそんな感じで飯田君を(文字通り)一蹴し、次の対戦相手は相性の悪い轟君になった。休憩なしで連戦である。一瞬で試合が終わったからって、連戦の必要はなくない? 休憩とかくれないの? え、だめ? 余裕を感じられるって? あ、そうですか。

 

さて、作戦なんだが……特にはない。なんやねんあいつフレイザードかよ。チートかよ。はぁ〜キレそう。まあ文句はこのくらいにしておいて、相手は速攻で氷山を作り出すだろう。氷山じゃなくても、氷で動きを止めようとしてくるだろう。ならやることは簡単。滞空してればいい。ほんの数ミリでも浮いていれば、そう簡単には足を凍らされないだろう。凍らされないよね? 凍らさないで下さい。

 

『開始ぃぃぃぃ!!!』

 

──ドヒャア!

 

やっぱり速攻が1番だ!

QBで背後に回り込み、QBの加速を乗せて左足を蹴り飛ばした。

 

「ぐうっ!!!」

 

チッ。体重を崩すように下の方を蹴ったが、どうやら右足は地面とくっついて離れないようだ。氷で地面と離れないよう引っ付いてるせいで、左側だけが浮く程度になっちまったか。だが、これで終わりじゃあない。

 

「アサルト……」

 

「俺は……」

 

「アアアァァァァァァマアアァァァァァァ!!!!」

 

「負けらんねえ!!!」

 

至近距離でのAAだ。下手すれば死ぬが、お前なら死なないだろう。

 

アサルトアーマーの爆発と、轟の強烈な火炎とがぶつかり合い、轟音と爆風を撒き散らしながら会場が光に包まれた。

 

「はぁ……クソッ」

 

「ハァ、ハァ……」

 

眩い光が会場を襲った後、左半身を庇うように立つ轟と、右半身を庇うように立つストレイドが、お互いに少し離れた地点で睨み合っていた。

 

「まさか、俺が火傷をするとは思わなかった」

 

「それはこっちのセリフだ。まさか、回避が間に合わないとは思わなかった」

 

轟の左は焦げて黒に変色し、ストレイドの右は焼け爛れて真っ赤になっていた。

 

「「だが……」」

 

それでも、意地がある。

 

「「負ける気はねぇ!!!」」

 

お互いに、引けぬ事情がある。

 

──ドヒャア!

 

ストレイドが再びQBを使い背後に回り込んだ。

 

「読めてる!」

 

轟が右足を軸にし、左から炎を撒き散らしながら背後を振り向く。タイミングを合わせたのだろう。本来なら不意をつける筈の一撃は、そこにストレイドが居ないことで不発に終わった。

 

「遅すぎる」

 

背後からの声と、強烈な衝撃。

QBの加速を乗せたタックルが、轟の背中を撃ち抜いた。

ストレイドは、QBで背後に回り込んだ後、次の手を見越した上でもう一度死角へと移動して居たのだ。

 

「ガッ、ハッ……くうッ!」

 

ストレイドからの重いタックルをくらい吹き飛ばされるも、轟は氷を生成して勢いを殺していった。だが、ストレイドの追撃を許すには十分な時間だった。

 

「っしゃらぁ!」

 

ストレイドの左拳が轟の脇腹を抉った。

 

「ガホッ!」

 

轟の身体が吹っ飛ぶ。

 

「おおおおぉぉぉぉぉぉおおお!!!」

 

轟は痛みを堪え、咆哮を上げることで己を鼓舞し、痛みを闘志でねじ伏せる。

ストレイドにこれ以上追撃をさせないため炎を最大出力で展開し、近寄れぬようにした。

その間に体勢を整えて、背後に氷の壁を作り、狙われにくくする。

 

だが、轟は重要なことをこの場で忘れていた。

 

「アサルトォ……」

 

声につられて上を見ると、ストレイドが上にいた。炎の隙間を掻い潜りながらも、己に近づいていた。

 

「おおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!」

 

狙うはただ1人。己の持つ全力でもって、ライバルを倒す。

 

「キャノオオォォォォォォォォォォン!!!!」

 

再び、強烈な爆発と暴風が会場を包み込んだ。前回と違うのは、更に規模が拡大していることだ。

 

耳が痛くなる程の爆音と、吹き飛ばされそうな暴風が晴れた時、立っていた者は居なかった。両者共に、地に伏して。

 

『轟くん、場外! よって、ストレイドの勝利!』

 

━━オオォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ!!!

 

会場が、さっきの爆音に負けず劣らずと言った声の圧で覆われた。

 

「……死ぬかと思った」

 

 

 

 

 

 

死ぬかと思った試合もどうにか勝利した俺は、治療してくれたおばちゃんのありがたぁいお小言を綺麗に聞き流し、次の試合に向けて闘志を高めていた。

 

対戦相手は、爆豪少年だ。

PAじゃあ、あの個性は苦手だ。もし何度も爆破を当てられれば、コジマ粒子の流れを掻き乱されて、上手くPAが維持出来なくなる。

 

相性はかなり悪い。

轟とも悪かったが、こいつもこいつで中々に面倒だ。どうすっかなぁこれ。近づいたらアウトな点は同じで、離れてもアウトな点も同じだ。ほんとこれどうしろってんだよ。

コジマキャノン解禁するか? いやでもマジで殺しそうで怖いしなぁ。うーむ。悩む。

 

仕方ない。手札を一つバラすか。

 

試合会場へと上がり、爆豪と向き合う。

 

「おい、お前」

 

「ん? 何?」

 

話しかけられるとは予想外。

 

「あいつと戦ったせいで本気を出せません、なんてふざけたこと抜かさねえだろうな」

 

あぁ、そういう。

 

「うーん……まあ、一応本気は出すけど、全力とは言えないかもね」

 

「ふざけた事抜かしてんじゃねぇぞ! あ゛あ゛ん゛!?」

 

ボンボンボンボンと、爆豪の掌から爆破が頻繁に起きた。

ヒエェ、何この子怖い。

 

「テメェ、さっきの試合でもどこか遠慮してたじゃねぇか! なのに本気を出さねえだぁ!? ざっけんじゃねぇぞ! 本気で、殺す気で来い! じゃなきゃ意味がねぇんだよ!」

 

爆豪のその言葉は、なぜかただの我儘には聞こえなかった。俺の()に、ストンと落ちてきた。

 

「そっかぁ……そっか。うん。そうだね」

 

まったく、ここまで俺をやる気にさせるとは。本当に、面倒な奴だ。

 

「ホントは好きじゃないんだ、こういうガチな勝負ってのは」

 

「オレのキャラじゃないしね」と付け足し、首輪(チョーカー)についているスイッチを押し続ける。

 

『システム、キドウ……ジジジッ……メインシステム、パイロットデータの認証を開始します』

 

頭の中で幻聴(COMボイス)が聞こえたのでスイッチから手を離し、指を3本立てた状態で爆破少年に見せる。

 

「なんだ、その指は」

 

「俺の本気を出せる時間だ。出す時間ではない。出せる時間だ」

 

「あ゛あ゛ん゛?」

 

怪訝な顔をするのも無理はない。

 

「3分だ。それ以上本気を出すと、俺は身体機能に甚大な影響を受ける」

 

「なるほどな。それが、テメェの個性のデメリットか」

 

『メインシステム、戦闘モード、起動します』

 

「さぁ、始めようか」

 

『ようこそ、戦場へ。私達は、あなたを歓迎します』

 

 

 

 

 

 

 

 




誤字報告ありがとナス!
飯田君はスルー。骨が折れて入院。ステイン戦には間に合わず、といった展開も良かったのですが……ねぇ? やっぱり、彼には走ってもらわないと困りますので(愉悦スマイル)。

???「元より助ける気などない」

え? そんなことより進捗はどうかって?
一文字も書けてません。体育祭も書き終わってないのに、職業体験以降の構想練って、アレやろコレやろと妄想してたせいで書けてません。頑張って来週月曜には投稿したいです(願望)。
さて、今日もアーマードコアやらなきゃ(現実逃避)。
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