個性:コジマ粒子 作:ドミナントソード♂
──遅すぎる、これは
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今日も元気にOBで登校。うーん気持ちいい。って、あれはもしや?
「捕まえた!」
「ぬおおぅうっっ!!??」
オールマイトが空を飛んでいたため、襟の辺りを掴ませていただいた。ジャンプして飛びながら出勤とは、これまた中々に乙ですな。
「き、君はストレイド君!? は、離したまえ! 今、そう正に今! 事件が起きたんだ!」
「だいじょぶだいじょぶ。あんた以外にもヒーローは沢山いる。あんたがそうやって馬鹿みたいに仕事してると、新人ヒーローの仕事が減って、結果的に新人ヒーローは陽の目を見る事なく潰れちまうぜ? そんなんでいいのかい? 平和の象徴さん」
「それとこれとは話が別だ! すぐに離──」
「それこそ、
雄英高校から少し離れたビルの上に降り立ち、ちょっとしたお節介を焼いてやる。
「──あんたは、いい加減引退すべきだ。もう十分に輝かしい実績を残した。ならば、後は後輩に任せるべきだ。そう思ったから、教師になったんじゃないのか、あんたは?」
「それは、そうだが……」
「それに、だ。ヒーローに守られるのが当たり前だと思っている、この世界もおかしい。己の身は己で守れ。それが、生物として当たり前の常識だ。だったら、襲われないようにするとか、そーゆー努力は、誰でもできるだろ? ヒーローにだって数は限りがあるし、無理なこともある。ヒーローを何でも屋だと勘違いしてる馬鹿どもには、そーゆーことを教えてやらんとダメだぞ、ダメ教師」
「……ぐぅ」
「ま、人間には得手不得手がある。あんたは殴るしか能がないんだし、そこは諦めな。んじゃ、先に登校しますんで、ヒーロー基礎学ではよろしく」
オールマイトを残し、俺は飛び立った。
まったく……
──歪んでるよ、この世界は。
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なんか今日はちょっと遠くでヒーロー基礎学をやるらしく、バスで移動するみたいなんで、中でグースカ寝てた。うん、やっぱり昼ご飯の後は昼寝をするべきだね。
で、辿り着いたのがUSJ。見た目もUSJだし、中身もUSJだった。ちょっと何言ってるのか分からない。嘘の災害やらなんやらの救助活動訓練で使うんだってよ。
コジマ粒子って、どう考えても救助向いてないよね?
「えー、始める前に、お小言を1つ、2つ、3つ4つ、5つ、6つ、7つ……」
いや多過ぎるわ。どんだけ増えるんだよ。
話してる内容は実に簡単なものだった。力そのものに善も悪もなく、力を振るうものによって善し悪しが変わる、的なアレだった。せやな。まさにその通りだわ。
「以上、ご静聴ありがとうございました。」
イイハナシダナー。クラスメートたちも、ブラボーだとか、ステキーだとか騒いでる。君たち、ノリがいいねぇ。
「よーし、そんじゃ先ずは──」
相澤先生の発言の途中で、施設に異常が起きた。
なんか、嫌な予感がするぞおい。
照明機器が不具合を起こしたのか暗くなった。
……ヤバイ、何かが来る。
いや、待て、情報を整理しよう。
今日の朝、オールマイトは事件を解決していた。
今日は普通の1日だった。
ヒーロー基礎学は、オールマイトと3人で担当することになった。
だが、今、オールマイトはこの場にいない。
ダメだ、情報が足りねえ。何も分からねえ。
チクリと首の後ろを刺されたような感覚と共に、俺の中の警戒度が一気に高まる。
「なっ、あっ!?」
なんだあれは!
噴水があった辺りが黒く染まり、大勢の人が溢れ出してきやがった!
これは、マズイ。相澤先生もマジモードに入ってやがる。これはもしや、襲撃されたのか!?
「──あれは、
相澤先生の異様に落ち着いた発言で、俺たちに動揺が広まった。
チッ、まさかとはおもったが、やっぱりかよ!
出て来るのは基本的に雑魚ばかりだが、あの脳味噌が丸見えのやつ。あいつは、絶対にやばい。まともにやり合えば、死ぬ。
クソッ、今ここにいるのは餓鬼どもだぞ。そんな奴らが、まともに生きて帰れるわけがねえだろ。
今、相澤先生が敵陣に突っ込んで時間を稼いでいる。本当なら俺も敵陣に突っ込みたいが、仕方ない。誘導に従って逃げるとしよう。
だが、まぁ──
「初めまして。我々は、ヴィラン連合。僭越ながら、この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いた。平和の象徴、オールマイトに生き絶えて欲しいと思っての事でして」
──やっぱり来るよな、ワープ野郎。
通路を塞ぐように、その黒い靄は現れた。
「「でぇぇぇいいりゃぁぁあああ!!!」」
相手がグダグダ説明をしているというのに、まったく、あの馬鹿どもは。単純バカは、死なねば治らんか。
爆破と硬化が突っ込んだが、相手は見事なまでに無傷だった。良い噛ませっぷりを見せてくれた。
「退きなさい、2人とも!」
知ってた。足手纏いが突っ込んだところで、迷惑にしかならねえんだよなぁ。
13号先生が個性を発動させようとしたが、遅かった。
黒い靄が、俺たちを覆い尽くした。
いいぞ、いい事をしてくれた。俺にとっては、これ以上ない程に都合がいい。突っ込むのではなく、送り出されてしまった以上、正当なる防衛として、相手は殺しても問題ないのだから。ま、なるべく殺さないようにはするが。
ちょっとした浮遊感の後、砂漠の上に放り出された。
ジェットを吹かせ、ゆっくりと着地する。
さて、どうするか。
「──来たか」
「ッッッ!!??」
あまりにも自然に溶け込んでいた。気配を感じ取れなかった。
反射的にQTで後ろを振り向く。
「チィッ!」
状況を確認し、即座に横QB。
野郎、斬り掛かって来やがった。
大体、それはなんなんだよ。
あまりにも分厚い、紫色の刀身。
よく見慣れたそいつの名は──
「……参る」
──MOONLIGHT
なんだってヒロアカ世界でパワードスーツを着込んだ奴が月光で斬りかかって来るんだよ!
だいたいそれ、背中に追加ブースターがあるじゃねぇか! ふざけんじゃねぇ! テメェ真改かよ!
「クッ!」
月光はマズイ。流石にPAが削り取られちまう。
だったらこっちも、本気を出してやるよ。
空へと浮かび上がり、上からコジマキャノンで狙い撃つ。
だが、当たらない。回避が上手すぎる。
まさか、弾道予測? なるほど、否定できん。
「まさかとは思ったがな──」
──野郎、とうとう空飛びやがった。俺の領域に、足を踏み入れやがった。
クソッ、こいつとは相性が悪すぎる。戦法を変えよう。
一旦地上へと戻り、今度はコジマゼリーをばら撒きながら、相手の剣戟を避ける。コジマゼリーをばら撒く事で相手は警戒し、少し余裕が出来た。
だが、なんだこいつは。動きを先読みされてるせいで、逃げた先に回り込まれてやがる。
いくら速く動けたところで、置かれたら意味がない。
そもそも、こいつの動く速度と対応速度が速いわ。
だが、そろそろ流れを変えよう。
「っしゃあ!!!」
先読みで攻撃が置かれてる事を見越し、すぐ近くに相手がいる状況でAAを展開!
「クッ……ッ!」
っしゃあ! AAの直前、俺から離れるように逃げられたが、それでも装甲をかなり抉ってやった! 破壊力ならピカイチだぜ!
「……終止」
あいつは、ボロボロのパワードスーツで背を向けた。恐らく、これで終わりという事だろう。正直、俺としてもここは終わりにしておきたかった。幾ら何でも、相性が悪すぎる。
「出来れば、改心するなりなんなりして、ヴィランを辞めてくれるとありがたいんだが……無理そうだな」
取り敢えず、こいつは放置しよう。
……さて、問題のあいつらをどうにかしなければな。
ワープ野郎と、あの脳味噌丸出し野郎。あいつらは、殺さなきゃヤバイ。ワープ野郎に関しては殺しやすいだろうが、あの脳味噌丸出し野郎、アレの個性が分からない限り、迂闊に手は出せねえ。
だが、相澤先生の手伝いなら問題なくできる。
OBで一気に中央広場へと向かう。蛙の子とかが相澤先生の動向を見守ってるってことは、まだ余裕そうだな。
よし、突っ込むぞ!
「QBパンチ!」
説明しよう! QBパンチとは、時速300kmから繰り出される、手加減されたパンチである!
勿論、一般人が食らえば死ぬ。
ムキムキのモブに対して使ったら、あら不思議。骨が折れたような感覚と共に男が吹っ飛んでいった。
やっべ、殺したかも。
ま、いっか。殺す気でやって来てるんだから、殺されても仕方ないよね。
「あーいざーわせーんせ! 助けに来ましたよー」
「クッ、ハッ、なぜ来た!」
ま、そうだよね。普通ならそう反応するよね。
「いやー、よくもまぁそんなに器用に回避しながら話せますね。来た理由? 簡単ですよ。先生を援護する為ですよ」
こっちもこっちで、話しながらQBパンチを繰り出して雑魚を殺して回っていく。
「まったく……ヒーローってのは、カッコいいねぇ?」
なんやあいつ。手に掴まれてるコスチューム気持ち悪っ! 趣味悪過ぎだし陰キャラ臭やべえ。
「せんせー! せんせーの個性ってなんですかー?」
「個性を消す、個性だ!」
「じゃ、援護しやすいよう、さっさと雑魚を片付けますかね」
パパッとQBパンチで纏めて雑魚を殺し、これで2対2となった。
「じゃ、先生。俺があの陰キャラ殴るんで、援護頼みます」
「ダメだ」
「え? なんでですか?」
「人殺しは犯罪だ。その程度、分かるだろう」
「何馬鹿なこと言ってるんですか? 放置してたら生徒が殺されちゃいますよ? そしたら後々、面倒なことになりますよ? そんなんでもいいんですか?」
「そうならないよう、対処しているんだろう」
「はぁ……まぁ、そう言うんなら別にいいですけど。で、俺はどうすりゃいいですかね? 教師としては、生徒を逃して1人犬死するのが普通でしょうけど、どうします? ここで無様にヴィランに殺されるのと、大人しく2対2で対処するのと」
「……チッ! 卒業出来ると思うなよ!」
「了解したくはないけど、いい判断だ!」
このままQBパンチで吹っ飛ばして──
「じゃ、こっちも始めようか」
──ダメだ! 今、動いたらダメだ!
突っ込もうとしたのを止め、即座に後方へと連QBで回避する。
「ぐおおおッッッ!!!!!」
やべえ、相澤先生が脳味噌丸出し野郎にぶん殴られて吹っ飛んでった。
「先ずは、1人」
「……チッ」
あの脳味噌丸出し野郎、俺が普段使ってるQBかと思うほど速えぞ。
「どうせだ。お前には俺の個性を教えてやるよ」
「へぇ? 教えちゃっていいんだ。もう死ぬから、覚悟でも決めたのかい?」
「ま、そんなところだな。後には湖があるし、正に背水の陣ってやつだ。自分で言うのもあれだが、俺の個性は強力すぎてな、普段は封印されてるんだ」
「へぇ? でも、さっきまで普通に個性を使ってるように見えたけど?」
「封印されてあんな感じだ。だから、その拘束を解かせてもらうぜ」
頭部パーツを外し、着けられていた首輪を外す。
首輪があるおかげでコジマ粒子の毒性は無くなっている。だが、その首輪を外せばどうなってしまうのか。誰でも分かることだ。そして、首輪を着けられてからもう10年ぐらい経っている。その間、俺の個性は常に強くなり続けた。つまりだ。首輪を外した今、俺は本来の強さの個性を扱える。
「ゴメンな、セレン。首輪を外さなきゃ、無理そうだ」
首輪を後方にある湖へと放り投げ、ヘッドパーツを装着する。コジマ粒子を一気に精製し、PAを厚くしていく。
『不━な─━▲─が─━され◇━た』
ウッ、頭痛が激しい。頭の中に、ひどいノイズが走ってやがる。クソッ、これが本気を出した弊害か。高濃度のコジマ粒子に慣れてないせいで、気分が悪い。
あぁ、吐き気がする。
「あぁ? どうしたんだ、こいつ。さっきからフラフラして」
でも……やら、なきゃ。
「ター……げっト。確、に、ン……」
ヴィランを、殺さなきゃ。
──ハイ、除……カイシ
死神の鎌が、狙いを定めた。
これ書いて燃え尽きた。