彼も彼女たちも偽物を欲しない   作:風来のアスカ

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サブタイは某千葉県出身ブラコンシスコン兄妹のパロです。


11章・相模南と開かずの部室

はあ…七夕に短冊書いて、勇気出すって思ってたのに未だに謝りに行けてない…うちってやっぱり小心者だったんだなぁ…。比企谷の近くに行ってもごまかしちゃうし。昨日なんて話しかけようとして、

「ひ、ひき…」

「ん?相模か…何かよ…」

「引き締まるなぁー!あはは…。」

「???」

って…。何だよ、引き締まるって…怪しすぎだろうち…!せっかく比企谷が返事しようとしてくれてたっぽいのに、何してんのよー…。そんで今日もどうしようか悩んでたらもう放課後だし…。誰にも手伝って貰える訳もないし。はぁ…何かしばらくいたけど…帰ろ。

「相模。」

「ふぁい!」

ビクンッって音が出るくらい驚いた。最近誰とも話してなかったから。誰かと思って振り向くと…

「…なんでそんなビビってんの?」

「川崎…さん?」

「何?あんたもあたしの名前覚えてないの?」

いきなり訳のわかんないことを言ってくる川崎さん。何かうちしたっけ…?川崎さんに怒られるような事はしてないはず…。

「え、いや覚えてるけど…な、何の用…?」

「ああ、うん…ちょっとね。ここじゃなんだからさ、ちょっと付いてきてよ。」

ええ⁉呼び出し⁉やっぱりうち知らないうちに何かしたの⁉怖い怖い怖い!

…でもとりあえず付いていかなきゃ…怖いよぅ…。川崎さん不良じゃないけど、態度が怖いというか…。

そうして付いていくと、ある場所の前に辿り着く。去年2回ほど訪れた、あまりいい覚えがない場所。うちが何度も来ては扉の前で立ちすくんで逃げ帰った場所。…奉仕部の部室。遂に今まで開けられなかった場所。

コンコン。

川崎さんがノックをして、扉を開く。え、何?うち遂に復讐されるの?比企谷によくもーって…。ダメだ終わった。

「相模連れてきたけど。」

「そう、ありがとう川崎さん。」

「沙希ちゃんありがとう。」

あれ?比企谷いない…。うちがキョロキョロしてると雪ノ下さんが話しかけてくる。

「相模さん。あなたに話したい事があるの。」

ひっ。雪ノ下さんが凄く真剣な顔で言ってくる。…話って、やっぱりあれだよね、うん。…謝るぞ!

「ごめ」

「ごめんなさい。」

…へ?なんでうちが謝られてるの?

「ゆきのん⁉」

「文化祭と体育祭の事だけれど、私の力不足だったわ…依頼を受けたのに不甲斐ない…あなたにも、比企谷くんにも辛い思いをさせたわ…。」

「ちょ…雪ノ下さん!」

あれは全部うちの落ち度だ。雪ノ下さんは関係ない!

「…文化祭も体育祭もうちが招いた結果。それはうちの罪であって雪ノ下さんは責任を感じる必要はない!…ずっと謝らなきゃって思ってて…ごめんなさい!とにかく雪ノ下さんは悪くない!…うちが勝手に雪ノ下さんの力に甘えて文化祭を壊しかけたし、体育祭もうちの見通しが悪かったから、…みんなに迷惑をかけたの。それは勿論あの時は比企谷にあんなこと言われて腹が立ったけど、…今ではあれがうちを救って文化祭を成功させるためだったんだってわかった。うちにこれ以上、罪を増やさないで欲しい。わがままだなってのはわかるけど、雪ノ下さんのせいにさせないで。うちは実行委員長は自分の意志でなったし、それは雪ノ下さんに勧められたからじゃなくて、うちの傲慢な考えからだったんだから。みんなにうちを見てもらいたい、結衣ちゃんよりも上でいたい、なんて考えてたから…。雪ノ下さん、結衣ちゃんごめんなさい!」

「…さがみん…。」

あ、あれ?何か目から…な、何でうち泣いてんの⁉

「…そう。わかったわ。相模さん、ありがとう。」

そう言って雪ノ下さんはにっこり笑う。…やっぱり雪ノ下さん可愛い…。

「わたしは許したくないですけど…先輩はあの後絶対傷ついてた筈ですし。」

生徒会長…。比企谷にも謝らなきゃいけないけど…この子も比企谷好きなのかな。

「…比企谷にも謝りたいんだけど…今日はいないの?」

「比企谷くんには帰って貰ったわ。…少し彼に聴かれるのを憚られる話があるから…。」

「はば、か…?」

結衣ちゃん…高校生なんだからそこは…。比企谷に聞かれたくない話ってなんだろ?川崎さんが少し赤くなってるけどどうしたのかな?

「相模さん。」

「へ、あ、はいっ! 」

急に話しかけられて変な声出た…最近うちコミュ障になってる…。

「尋ねたいのだけれど、…あなたは比企谷くんが好きなのかしら?」

「え?」

顔が熱い。雪ノ下さん今何て言ったの?比企谷が好き…?ええええええええ!

「な、何で⁉」

声が裏返った…。死にたい…。ていうか何でそんな事聞いてくるの?比企谷を好きになるなんてどういう神経してんだよってボコられちゃうの?雪ノ下さん笑顔だけど、それが怖い!に、逃げたい…!

「正直に言うとここにいるみんなヒッキーが好きなの。さがみんはどうなのかな?」

「す、好きだとどうなるの?」

生徒会長も川崎さんも二人もやっぱり好きなんだ…。

「何もしないわ。むしろ協力して欲しいことがあるの。実は…」

その後雪ノ下さんは色々語ってくれた。…比企谷が増えた?

「ど、どういう事⁉何で増えたの?」

「…それでもうひとつ尋ねるけれど、正直に答えてちょうだいね?あなたは七夕の日、短冊に比企谷くんに告白したいと書いてはいない?」

な、何で知ってんの⁉雪ノ下さんエスパー⁉でも…正直に答えよう…それが何かの贖罪になるのなら…。

「か、書きました…。」

顔が凄く熱い!

「そう、やはりね。相模さん。比企谷くんが増えてしまった理由はその短冊に原因があるの。私達も同じ事を書いているから。そしてそれは比企谷くんに告白しなければいけないという事でもあるのだけれど。とにかく、比企谷くんに謝るなら協力はします。けれど、告白は少し待って貰えるかしら。まだ、短冊を書いた人を全て見つけられた訳ではないから…。とにかく、今日は解散しましょうか。だいぶ遅くなってしまったし。」

「そだね、さがみん頑張ろうね!」

結衣ちゃん…。そっか。告白してもいいんだ。

「ありがとう…みんな…。」




この話はサキサキが来た時の後の話でした。時系列バラバラですが、視点を変えているせいだと思って下さい(汗)
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