彼も彼女たちも偽物を欲しない   作:風来のアスカ

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デスティニーランドデート篇ですよー。


17章・ゆきのんびより

今日は日曜の朝。こんな早くから起きるとか普通はあり得ない俺だが、当然理由がある。雪ノ下とのいわゆるデートの練習、俺を矯正するためだとか。んで、更に小町に叩き起こされた。

「女の子は迎えに行かなきゃダメだよ、デートなんだから!」

…と。渋谷とか待ち合わせとかしてる連中でごった返してるし、千葉駅とか舞浜だって同様だろう。何故俺は迎えに行かなきゃいけないんだろうか。とは言うものの小町に逆らうと色々大変なのでしぶしぶ、あくまでしぶしぶ雪ノ下の家に来た。

「…何かワクワクしてるみたいで嫌だな…。」

ピンポーン。

『…雪ノ下ですが。どなたでしょうか?』

「ああ、俺だ。」

『折田さん?そんな方は存じ上げませんが。』

「おい、比企谷だよ!」

『比企谷さん?そんな方も存じ上げ…』

「小町も知ってるだろ!比企谷八幡だよ!」

『ふふ、冗談よ。まだ時間も早いし、あがって。』

疲れた。何で俺は朝早くから漫才みたいなことをしてるんだ…。

「いらっしゃい。紅茶でいいかしら?」

「おう。サンキュー。」

雪ノ下の淹れた紅茶を飲む。あちっ、やべ。猫舌だった。

「随分早く来たのね。…楽しみだったのかしら?」

「ちげーよ、小町に行けって脅されたんだよ。」

「…そう。小町さんが。」

何で小さくガッツポーズ取ってるんでしょうか。ちょっと可愛くてうっかり告白してフラれそうだぜ。フラれるのかよ。

「全然嬉しくはないのだけれど、暇ヶ谷くんが寂しくてこんなに早く来てしまったのかと思ってしまったわ。小町さんにも困ったものね。後でメールしておくわ。」

小町に何する気だ。俺を送ったから冷気で凍らせる気なんでしょうか。まるでシヴァだな。マジで召喚しそう。

「さてと。少し早いけれど、出発しましょうか。混むでしょうから。」

「…そうだな。帰」

「らせるわけないでしょう?」

「…デスヨネー。」

うち、とても怖いの見たのん。笑顔で怒ってるのんな。…うん、俺キモい。

日曜だからか電車は混んでいて苦しかったが何とかたどり着いた。雪ノ下はすでにヘロヘロだ。

「…やはり日曜は混んでいて大変だな。雪ノ下大丈夫か?」

「え、ええ。平気よ。さあ行きましょう。」

何かいつになく行く気満々だな。パンさんに会えるからかな。

その後デスティニーランドに着くや否やパンさんを見つけて写真を撮ったり、握手したり、グッズも大量に買う雪ノ下。当然荷物持ちな俺。こういう時は108ある俺のお兄ちゃんスキル『自然に荷物持ち(パシリマスター)』が発動してしまうのだ。…小町に調教された結果の弊害だ…。

「ありがとう、比企谷くん。少し買いすぎてしまって…。」

「別に構わねえよ。それよりアトラクションどこに行くんだ?」

雪ノ下はマップを見て考え込む。そして、

「パンさんのバンブーファイトね。」

…絶対最初から決めてましたよね。何故悩んだ振りをしてたんでしょうか。怖いから聞かんけど。

相変わらず終始無言で私語厳禁。パンさん好きすぎだろゆきのん。顔は前よりは緩んでたけど。

「次はどうすんだ?」

「そうね。混んでたから結構時間もかかったし、ランチにしましょうか。」

昼食を済ませ、アトラクションをいくつか廻る。雪ノ下はどうやら七夕の時に言ってたようにデスティニーランドに余程来たかったらしく、楽しそうだ。

「雪ノ下。」

「何かしら。」

スゲーにこやかだな。今日は氷の女王封印で普通に可愛い女の子みたいだな。

「…いや、楽しそうだなって。それだけなんだが…。」

「ええ。一緒に来た相手が比企谷くんなのはとっても残念だけれど、楽しいわ。」

「へいへい、俺ですまんかったな。」

「冗談よ、比企谷くんとで良かったわ。」

そう言ってフフ、と笑う雪ノ下。表情が豊かで見ていて少し戸惑ってしまいそうだ。

「次は…」

雪ノ下は本当に楽しんでいた。もう雪ノ下家に囚われた人形ではなくて普通の女の子だからな。…普段は笑顔で人を射殺す女王だが。

──帰りの電車の中──

「結構廻れたな。」

「そうね。とても楽しかったわ。比企谷くんありがとう。」

「俺は何もしてないけどな。」

雪ノ下が決めたアトラクション廻ってただけだし。

「比企谷くんはどうだったかしら?」

「ん…まぁ楽しかったんじゃねえの。」

「相変わらず捻くれてるのね。」

「うるせ。」

雪ノ下はまた笑う。今日は本当に楽しめたみたいだな。俺なんかより由比ヶ浜と一緒に来たらもっと楽しかったんだろうけど。

「それじゃあまた明日。送ってくれてありがとう。」

「ま、荷物持ってたしな。またな。」

雪ノ下は胸の前で小さく手を振る。…相変わらず胸がぺった…ゲフンゲフン。何か急に寒くなってきたな。まだ夏だというのに。

雪ノ下の家から帰っている電車の中、俺は自分の分身について考えていた。

「雪ノ下は大丈夫だって言ってたが、やっぱ俺も何か考えなきゃな…。」

「あれ?比企谷くん?」

不意に名前を呼ばれ、振り向くとそこには去年始めの生徒会長、城廻めぐり先輩が立っていた。

 

 

 

 

 

 




はいはーい。めぐりんの登場です!一番好きなキャラクターかも知れない、めぐりん!

感想などなどお待ちしてます♪
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