彼も彼女たちも偽物を欲しない   作:風来のアスカ

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折本かおりとのデート篇始まり始まり~。


27章・ぼっち王子と笑いすぎな女子

昨日で二人目が消えた。順調だ。だが、何故消えたのかは一切語られていない。俺にはあの7人とのデートの記憶が入らないのだ。無論理由は後で教えてくれるだろう。今は信じる以外ない。

─────偽八幡(折)──────

今日は折本とのデートだ。中学校時代に唯一俺が告白した女子。誰にも気兼ね無く話し、誰とも距離を取らない。それは由比ヶ浜ですら出来ない行動力の為せる業だ。それを勘違いした当時の俺は、その後から勘違いをしないように生きてきた。

「あっ、比企谷先に来てたんだ~。待った?」

「いや、大して待ってねーよ。とっととどっか行くぞ。」

「だよね~。」

折本はタハハと笑う。ウェーブのかかった茶髪に整った顔立ち。そしてこの距離感のない笑顔で俺は騙されたのだ。

「じゃ~、カラオケでも行こっか。」

「おい、いきなりハードル高すぎだろ。」

「だって比企谷そういうの決めれなそうじゃん。マジウケる。」

「いや、ウケねえよ。」

一体どんだけウケるんだよ。笑いのツボ簡単すぎっだろ。

「いいからいいから。カラオケ決定ね。私、比企谷と行くの初めてだよね?」

「ああ、そりゃそうだろ。むしろ誰かとカラオケが初めてまである。」

「何それウケる!」

コイツ…。ツッコミ待ちなのにボケ殺しかよ。俺傷ついちゃうよ?

「あれ、折本さん?」

「あ、玉縄君じゃん。どうしたの?」

「たまたま買い物のためにここに来たんだけど…折本さんに会えるなんてこれはミラクルな奇跡だね。」

「玉縄君ウケる、何言ってんのかわかんないし。」

まあ奇跡の奇跡だからね、同じ事言ってどうすんでしょうか。

「折本さんはどうしてここに?」

「え?えっと、この比企谷とデ、デートかな。」

「えっ⁉」

おいおい、玉縄が目茶苦茶ショック受けてるぞ。どう見ても折本の事好きだもんなコイツ。そして折本が照れて言うから俺もある意味衝撃的なショック受けました。衝撃2回言っちゃう位。玉縄やっぱ何言ってんのかわからないわ。

「そ、そうなんだ…ハハハ…。」

「うん、じゃあね玉縄君。」

 

「…。」

完全に撃沈したな~。

「お前、ひでえな。アイツ絶対お前に好意抱いてるだろ。」

「うん?そうだね~。でも私、玉縄君苦手なんだよね~。何言ってんのかわかんないし。ウケるけどさ。」

「いや、だからウケねえよ。」

何回ウケるんだお前は。

「比企谷って何歌えんの?」

「アニソン。」

「やっぱそうだよね、ウケる。」

ケタケタと笑う折本。可愛いんだが、何でこんなに笑うんだコイツは。

折本の歌は上手かった。由比ヶ浜と雪ノ下も上手かったが、何て言うか明るくて裏も表もない純粋な歌だ。聴きやすいし、性格の様な歌声だった。

「ほら、比企谷も歌いなよ。私ばっか歌ってるし。」

「苦手なんだよ、ぼっちだったから。」

「それあるよね。私も最初は苦手だったからね~。でも一度歌ったら変わるよ。」

仕方無しにマイクを持って得意なアニソンを歌う。女性ボーカルの歌ではあるが、ユキトキや春擬きを歌った。いいよね、ヤナギナギ。

「全然あるじゃん。比企谷歌上手いよ。何か比企谷が歌上手いって意外だしウケる!」

「何回ウケるんだお前は。」

「だって楽しいしさ。比企谷といるの。」

「…は?」

俺と居て楽しい?馬鹿な。過去にフッた男だぞ。

「ま、まあいいじゃん。ほら歌おうよ。」

心なしか折本の頬が赤く見えた。

「いやー、歌った歌った!やっぱ歌はいいよね。」

「まあ悪くないんじゃね。」

「さって、結構歌って疲れたし、どうしよっか。」

「そりゃ歌いたい放題だからって7時間もいりゃそうだろ。」

朝から夕方まで歌えば疲れるのは当たり前だ。

「比企谷の歌良かったからさ~。」

「ヘイヘイ、ありがとよ。」

「ホントだって。私比企谷の歌、好きだよ。」

ドキッとするからそう言うのやめろ。また勘違いで告白して玉砕しちゃうだろ。玉砕するのかよ。

「私、比企谷の事何にも知らなくてさ。葉山君に怒られたじゃん?それに由比ヶ浜ちゃんや雪ノ下さんみたいな可愛い優しい子も知り合いでさ。比企谷の事知りたいなって思ったんだよね。」

折本は相変わらず笑っている。

「クリスマスイベントの話し合いとか比企谷凄かったしさ。玉縄君論破して。」

「いや、アレは雪ノ下と由比ヶ浜が…」

「それに一色ちゃんみたいな子も周りにいるし、他にも居てさ。バレンタインデーとか私がチョコあげるって言ったらみんなビックリしちゃって。ウケるよね。」

無視な上、またウケちゃうのかよ。

「私そのあとも比企谷とたまに会って色々話したりしてたじゃん。それで、それでさ。比企谷と話すんの楽しくなっちゃってた。比企谷、私、比企谷が好きになっちゃった。ウケるよねこんなの。私比企谷フッたのにさ。」

困ったように笑った折本に俺は何も言えなかった。

「今日のは練習みたいなもんだから。歌と一緒だね、最初は緊張するけど。本番は頑張れる気がする。ありがとね比企谷。」

最後にまた笑った折本の顔から俺は目を逸らすことができなかった。




折本も可愛いんですよね~。ヒッキー爆発どころか爆散しろって感じですね。
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