彼も彼女たちも偽物を欲しない   作:風来のアスカ

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今回から視点が変わります。毎回視点が変わる予定なので、読みづらい点もあるかと思いますが、ご容赦ください。


3章・雪ノ下雪乃は一人悟り、決意する

小町さんから突然連絡がきた。イマイチ彼女は事態を把握できていない様子で、それは比企谷くんに何かが起きた、ということだったけれど。しかしそれ以上の説明はなく、こちらもどういう状況なのかわからなかった。大丈夫だとは言っていたけれど、小町さんの様子は明らかにそうではないことを物語っていたし、私を雪ノ下家から救ってくれた比企谷くんのことも心配で、私は由比ヶ浜さんと一色さんには今日は残念だけれど中止にしましょうと提案し、彼の家に訪ねる事にした。

…何が起きたのかしら…。大丈夫だと言っていた以上は事故や突然の大病ではないのでしょうけれど、凄く心配だわ…。

ピンポーン。

比企谷くんのお宅に着いて、インターホンを鳴らす。少し経って、スピーカーから小町さんの声が響いた。

「…はい、比企谷です!どなたでしょうか?」

「雪ノ下ですけれど。こんにちは。」

「雪乃さん!?ちょっと待ってくださいねー!」

バタバタという足音が中から聴こえ、ガチャリと玄関の扉が開いた。

「雪乃さん!いらっしゃいませ!」

別段特に青い顔をしているわけでは無さそうだけれど、しかし焦ってはいる様には見える。

「どーしたんですか?」

「比企谷くんが大変だと聞いたものだから、お見舞いを、って思って…。それで小町さん?何があったのかしら。」

「たはは…実はですね…。」

 

小町さんから聞いた話はとても荒唐無稽で、信じるには難しいものだった。

「比企谷くんが八人に…?どういうことかしら…?彼は単細胞生物だったの…?」

「誰がアメーバだよ…。」

不意に小町さんの背後から声が聞こえる。

「あらミドリムシくん、居たのね。」

「動物ですら無くなっちゃったよ…。」

特に変わった様子は見られないけれど、ショックではあるのか、それともどうしていいのかわからないのか、元気は無さそうね…。

「こんなとこではなんなので上がって下さい!」

小町さんに中へと促される。

「ええ、ありがとう小町さん。」

比企谷くんの部屋へと行き、驚く。本当に比企谷くんが増えている…!!よく見ると猫耳している比企谷くんまでいる…!!私が猫耳の魔力に惑わされそうになっていると、その比企谷くんに話しかけられる。

「何しようとしてんだお前は。猫耳だからって惑わされ過ぎだろ…。」

そう言われて焦って手を引っ込める。

「な、何をいってるのかしら。ぜ、全然触ろうとなんてしてないのだけれど…。か、勘違いされるのは不本意だわ。」

顔が熱くなっている気がするけれど、気のせいでしょう。

「いや今手を…」

「気のせいよ。」

ニコリと微笑む。

「気のせいでしたすいません。」

素直に謝ってくる。

…少し可愛く見えてしまう。私は比企谷くんの事が好きだという気持ちにはもう気づいてしまっているし、猫耳なんて反則だわ。

猫耳の比企谷くんをついじっと見てしまうと彼は目を反らし恥ずかしそうに頭を掻いている。…何て可愛いのかしら…。そんなことを考えながら見ているとあることに気がついた。尻尾まで生えている…!!だがどうやら猫の尻尾ではないようだ。…どこかで見たことがある気がするのだけれど…。何の尻尾だったかしら…。

「尻尾まではえてるんですよー!お兄ちゃんなのに猫耳とか尻尾とか気持ち悪いですよね!」

そう言って小町さんが苦笑する。

「小町、お兄ちゃん泣いちゃうよ?なんなら号泣しちゃうまである。」

「猫の尻尾ではないようだけれど、どこかで見たことがある気がするの。どこだったかしら…。」

「ああ、そう言えばパンさんの尻尾みたいですねー!」

パンさんの尻尾…?まさか…?

比企谷くんに猫耳とパンさんの尻尾なんて、最強過ぎるわ…!!ズルすぎるわ比企谷くん…!!…コホン。

なんとなく原因がわかった気がするわ…。しかし確信は持てない…それにこの原因は1つだけではないみたいだし…。『彼女たち』にも訊かなくてはいけない。

「少し原因を探って見るわ…比企谷くん、小町さん。」

「ああ、すまんな。」

「ありがとうです雪乃さん!」

「ところで8人も比企谷くんがいるけれど、さっきから話をしてるのは1人の様だけれど。何か決めているの?」

「ああ、ベッドにいた俺を1番にして、適当に2~7番を付けておいた。猫耳は分かりやすいからそのままだが…で、1番の俺が基本的に話をするようにしてる。」

1番~7番…

「比企谷一幡から比企谷七幡だねっ!」

「八幡いなくなっちゃったよ…。」

…比企谷一幡…比企谷七幡………。

余りにも可笑しくて笑いを堪えようとするけれど耐えられなかった。

「…なに笑ってんだよ…。」

「ごめんなさい…余りにも可笑しくて…一幡…七幡…。」

「それでは私も原因を探って見るわ、小町さん、比企谷くんさようなら。」

「おう。」

「またです雪乃さん!ありがとうございました!」

 

さしあたってまずは二人に訪ねるところからね…。

「もしもし由比ヶ浜さん?ええ、今から少しいいかしら?そう、一色さんにも聞きたいことがあるの。どこかで会いましょう。」




どうでしたでしょうか?何故八幡が増えたのか?わかる人はもうわかっちゃってると思いますが、原因は一体なんなのか!?
次回はあの女子の視点です!
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