彼も彼女たちも偽物を欲しない   作:風来のアスカ

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今回のお話は3章の続きです。少し区切りがなくて読みにくいかも知れませんがご容赦を。



5章・比企谷八幡は誰にも答えず応えなかった

「え…ゆきのん、それホント?」

「ええ、本当だし、私はあなたに嘘はつきたくないわ。」

ゆきのんはあたしといろはちゃんにヒッキーがどうして今日急に行けなくなったか教えてくれた。でもいくらなんでもヒッキーが8人に増えたと言われて信じられるわけないよ!ゆきのんが嘘をつくわけないから本当だろうけど、ヒッキー…さすがに気持ちわ…あ、でもでも!それなら1人くらいヒッキー貰っても!…ってそんなわけにいかないよね。

「せ、先輩が8人に、って何でそんなことに…。雪ノ下先輩は理由がわかったんですか?」

いろはちゃんもやっぱり驚いてる。そりゃそうだよね、人間がいきなり増えるわけないもん。

でもどうやらゆきのんには考えがあるみたい。

「ええ。あくまでも私ながらに考えた結論で、自信があるわけではないし、予想の範囲なのだけれど。…多分原因は私達にある、と考えているわ。」

ゆきのんは真剣な顔でそう答える。…あたし達に原因って何だろう…何か悪いもの食べさせたかな?確かにあたしは料理がへ、下手だけど、最近はヒッキーにあげてないよ!

「何ですか?わたし達に原因って。先輩に何かしましたっけ?」

キョトンと音が聞こえるくらいに愛らしくいろはちゃんが首を傾げる。ヒッキーいろはちゃんに甘いから何かされちゃった、とか!?

するとゆきのんがはぁ、とため息をついた。

「…凄く屈辱的だし、あまり言いたくは無いのだけれど…。…わ、私は比企谷くんに惹かれているわ。その気持ちにも嘘は無い。…多分だけれど、それが今回の原因でしょうね。」

「ええ!?な、何で急にゆきのん、恋ばなするの!?そ、それにヒッキーが好きなのが原因って!?」

「…だから言いたくなかったのよ…けれど、比企谷くんが今のままでいたら不便でしょう?どうやら8人の比企谷くんはそれぞれ意思がばらばらのようだし。」

「で、でもそれと雪ノ下先輩の告白に何の関係が…。しかも先輩が好きだって今まで一度も言わなかったじゃないですかー?何で急に…」

いろはちゃんの疑問は当然だと思う。ゆきのんはヒッキーが好きだって言うのは勿論あたしは知ってるけど、ゆきのんからちゃんと聞いた訳じゃない。いろはちゃんどころかずっと一緒にいるあたしにだって言ったことはないし。

「先にも言ったけれど、私達に原因はある、と考えたからよ。…実は比企谷くんの分身の中に1人だけ猫耳とパンさんの尻尾をつけた彼がいたの。」

「何ですかそれ見たいんですけどどうしてわたしにも教えてくれなかったんですか先輩の猫耳とかヤバイじゃないですか雪ノ下先輩ズルいですすぐ見に行きましょう!」

「…い、いろはちゃん落ち着こうよ。ゆきのんそれがどうしたの?」

いろはちゃんの勢いにゆきのんがすっごく焦ってる。でも確かにヒッキーの猫耳とかパンさんの尻尾とか見てみたいかも!ゆきのんはコホンと咳払いをして話を続ける。

「…とても恥ずかしいのだけれど、昨日の七夕の短冊に書いたことが原因だと考えているわ。」

「短冊?ゆきのん何か書いたの?」

「え、ええ。…その、えっと、ひ、比企谷くんに想いを伝えたいって…。それと、猫とパンさんのグッズの事もつい書いてしまったわ…。」

そう言うとゆきのんは顔を真っ赤にして俯く。ゆきのん可愛すぎだよ!

「…予想の範囲と言ったのは、私の願いを叶えたのかもしれないと思ったからよ。科学的ではないし、根拠もないから。それに私の願いだけであんなに増えないもの。猫耳比企谷くんも1人だけだし。」

そっか。ゆきのんそんなこと書いてたんだ。それから原因を見つけたんだ。…。あれ?ってことはあたし達に原因って言ったのってもしかして…。

「…正直に言って貰いたいのだけれど、あなた達はなんて書いたのかしら?」

ゆ、ゆきのん、笑ってるけど怖いよ…。でもあたしもゆきのんに隠し事したくないから言おう!

「ゆ、ゆきのん!あたし、あたしもゆきのんと同じだよ!」

「由比ヶ浜さんも猫とパンさんの尻尾の事を書いたの?」

「ち、違うよ!ひ、ヒッキーに告白したいって書いた…。」

うう…顔が熱いよー。

「ふふ、冗談よ。でもやはり由比ヶ浜さんも書いたのね。それで一色さんはどうかしら?」

それあたしも聞きたい!絶対いろはちゃんもヒッキーが好きだもんね!

「わたし、は、葉山先輩と、」

「一色さん?」

ゆきのんの声が凄く怖い…。いろはちゃんがヒッて涙目で小さく悲鳴をあげてるし。でも今のはいろはちゃんが悪いよね。隼人くんが好きだってもう嘘だってバレバレだもん。ここだけの話、サッカー部には生徒会が忙しいって言ってマネージャー業務やってないけど、奉仕部の部室にはほぼ毎日遊びに来るもん。

「はぁ…わかりましたよ!わたしも先輩が好きです!先輩に好きだって伝えたいって書きました!」

こんなにみんなに好かれてるのにヒッキーは誰にも答えてくれないんだもんね…やっぱいろはちゃんもヒッキーが好きなんだ。…ヒッキーは誰かを選ぶのかな?それとも…。

「やはりみんなあの男に想いを伝えたいと短冊に書いている。だから多分、比企谷くんは増えてしまったのよ。まったく常識的ではないけれど、そう考えるのが妥当でしょうね。ただ…比企谷くんは8人。7人増えたことから、多分7人は短冊に同じことを書いた人が居ることになるわ…。私達は3人。一体あと誰があの比企谷くんに惹かれたのかしら…。」

 

そう言われてあたしは1人思い当たった。

「…多分1人は沙希ちゃんじゃないかな?最近よくヒッキーの事を見てるし。」

「川崎さん?…そうね、川崎さんは比企谷くんにお世話になっているものね。」

「それにしても、先輩はこんなに沢山の可愛い女の子に好かれてるのに気づかないなんて、鈍感過ぎですよねー!」

違う、かな。ヒッキーは多分気付いてる。だけど昔あったことでそういうのに臆病になっちゃってるんだよね。自分に好意を持ってるなんて勘違いだって。好きでいる女の子の想いも一時の迷い、勘違いなんだって。…でもそんなの悲しいよ。

「ね、ヒッキーが好きな女の子集めて、みんなでヒッキーに告白しよう!も、勿論一人ずつだけどさ。だからまずは探そう!」

 




ガハマさんの話し方が一番書きやすい気がする…。今回はガハマさん視点です。そしてついにゆきのんの言葉によって、謎の大体の理由が判明しました!まだ少しだけ原因はあるのでそれは後々判明させます。
ではでは続きをお楽しみに!
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