その日の朝、アクセルの街の冒険者ギルドは、冬にしては稀に見る賑わいを見せていた。
というのは他でもない。昨日、彗星のごとく現れた期待の新人冒険者・オキタソウジの勇姿を見物するためだ。
クソ寒く、仕事もない中で降って沸いたイベントにこれ見よがしに乗っかっただけともいう。
「おっ、ソウジさんが来たぞ」
「オキタソウジさんのお出ましだ! 道を開けろてめぇら!」
「きゃー! ソウジさん可愛らしい! 素敵! 抱いて! 養って!」
なので、ソウジがギルドの戸を叩いただけでこの有り様である。歓待っぷりが半端じゃない。一周回って嫌がらせに見えるレベルだ。
案の定、ソウジは眉を寄せた。
「一体なんですかこれは。新手の嫌がらせですか?」
「さあ? よく分からんが。でも見たところ、この街の殆どの冒険者がギルドに集まってるように見えるな。仕事が少ない冬だというのに」
カズマの声に、いよいよ怪訝な表情を浮かべるソウジ。
「何か事件でも起こったんでしょうか? あるいは大規模イベントとか」
「いや、まあ確かにイベントは起こったよな。昨日」
「本当ですか!? イベント始まっちゃったんですか! 大変です、資材も足りなければバケツも二桁台なんですけどどうしましょう!?」
「落ち着けソウジ。慌てる前に、まずは駆逐艦を遠征に行かせることから始めるんだ」
「それもそうですね。イベントだからと躍起になる前にまずは日課を果たしてしまいましょう」
「そこのゲームオタクのクソニート二人、入り口で立ち話されると中に入れないんですけど。せめてギルドの中で話してほしいんですけど」
「「ニ、ニートじゃねえし(じゃないですし)!?」」
「二人とも仲いいですね……」
ソウジとカズマが入り口で話し込んでいたせいで寒風に当てられ続けためぐみんが、赤くなった耳を痛そうにさすった。
「ソウジさんソウジさん! 一体どんなクエストを受けるんですかい?」
「ソウジさん! 今日は何でも奢りやすぜ! 一体何を頼みやすか?」
「ソウジさん! お姉さんを養って! そして私にところてんスライムを手づから食べさせて! 甘い言葉を吐きながら!」
「しかし、本当に何ですかこの騒ぎは? 何か特異な事態でも起きたんですか?」
ソウジは自分に言い寄ってくるチンピラとパンクと修道女をあしらいながら、昨日冒険者登録をした受付嬢に尋ねた。
ルナとかいったその受付嬢は苦笑いしつつ、
「ソウジさんが原因だと思いますよ」
とだけ言い、後は何も教えてくれない。
はて、一体自分は何をやらかしたのだろう。全くもって覚えがないが、このギルドの反応からしてやらかしたことは確実であろう。だが繰り返すが全くもって覚えがない。
ううむとソウジが思考の海に沈んでいると。
「お、これいいな」
カズマがそんな声と共に掲示板から依頼を一つ引き剥がした。
一体どのような依頼だろうか。ソウジのそんな疑問に答えるかのように、紙を覗きこんだアクアが内容を読み上げる。
「一撃兎の群れの駆除ぉ~? カズマさん、本当にコレにするの?」
アクアが眉を潜めた。一方、ソウジは兎について思いを馳せる。
一撃兎の駆除。一撃という言葉の響きが何だか物騒だが、兎というのは例の愛玩生物のことだろう。
もふもふな体毛につぶらな瞳、長耳という三連コンボは見ているだけで心がぴょんぴょんすること受け合いだ。
だがしかし。その可愛い見た目に反し、兎というのは年中発情状態という男子高校生のような生物。いや、聞くところによると兎は想像妊娠もお手の物らしいので、男子高校生以上の助平生物と言っていいだろう。脳味噌が卑猥なる桃色物質で作られているに違いない。
……話題が逸れた。ともあれそういうわけだから、兎というのは見ても胸がらんらん歌うような生物ではないし、むしろ勧んで線路へぽっぴんジャンプさせたくなるような生物なのである。
だからソウジとしては別段兎を討伐することに抵抗は無い。が、依頼内容を聞いて盛大に顔をしかめたところを見るに、アクアは抵抗感を覚えているのだろうか。
色々と破天荒な彼女が
「確かに兎の肉は美味しいし寒いこの季節、お鍋にぴったりだけど。でも、一撃兎は名前に反してそこそこ手強いわよ? 少なくとも最弱職のカズマには荷が重いんじゃないかしら」
株価が大暴落した。やはりアクアはアクアである。
「ちなみに一撃兎ってどんなモンスターなんですか?」 ソウジがルナに尋ねる。
「一撃兎とは、群れを作って行動するモンスターですね。可愛らしい見た目で惑わし、ほだされたところに鋭い角で強烈な一撃を放ち、獲物を狩ることから名付けられました。
普段は森の奥で生活しているのですが、今回は何らかの原因で人間の生活圏に出てしまったので討伐依頼が出された模様です」
「普通に悪辣ですね。狩らない理由がありませんよ」
というか、獲物を狩るということは一撃兎は肉食動物なのか。つくづくここは異世界なのだなあと、ソウジは世界間の常識の違いを噛み締めた。
「なんつーモンスターだ。この世界世知辛すぎるだろ」
カズマも一撃兎の悪辣さにドン引いているようで。
そんなカズマの肩に、ダクネスが安心させるように手をポンと置いた。
「安心しろカズマ。いかに一撃兎の攻撃が強烈で気持ちいいものであろうとも、私がお前を守ってやる」
その台詞は、味方を身を呈して護る、クルセイダーらしき勇猛さに溢れていて。
なのだが、カズマは汚物を見るような目で。
「おい変態。 お前今気持ちいいって言ったろ」
「言ってない」
ダクネスもダクネスだった。
そんなダクネスに対抗意識でも燃やしたのか、めぐみんが杖をくるくると回した。
「安心してくださいカズマ。一撃兎には嫌な思い出がありますが、森の奥でないなら好都合。爆裂魔法をぶちかましてやりますよ」
「め、めぐみん……お前爆裂魔法撃ちたいだけだろ」
カズマの鋭い指摘に目を逸らすめぐみん。
そんな彼女を見て、ソウジはピンと来た。
まさか、カズマが昨日言っていた本名よりも余程おかしいところというのはこれか。爆裂魔法というのがどういうものかは分からないが、響きからして何かヤバそうだ。何となく
そんなものを、『撃ちたいから』ってだけで使用する。これは確かに頭がおかしいと言えなくもないが……。
いやいやそんなわけないだろう。めぐみんは見た感じ、喧嘩っ早いところもあるが基本的には聡明な女性だ。そんな彼女が『撃ちたいから』ってだけで爆裂魔法を使用するなんて信じられない。信じたくない。
数秒前の自分は何を考えていたのだろう、と、ソウジは馬鹿な考えを頭から一蹴した。
尚、この思考は彼女が爆裂魔法の詳細を知らないからこそ成立するものである。もし知っていたら、『何もないと聡明に見えるだけで基本的には爆裂魔法を撃つことしか考えていない頭のおかしい人』という認識になっていただろう。流石頭のおかしい爆裂娘である。アクセルの街で顔パスならぬ異名パスが通用しているのは伊達ではない。
「まあ、そうね。それによく考えたらカズマさんが死んでも私が蘇生すればいいだけだしね」
「お、おいやめろよ縁起でもないこと言うのは。フラグになったらどうすんだよ」
自信満々なダクネスとめぐみんに釣られたのか、アクアもクエスト受注に乗り気になる。
これで、受注賛成派は四人。残る一人であるソウジに自然と目が向けられる。
ソウジは不敵な笑みを作った。
「私は皆さんが受注したいなら、それに従いますよ。何せ新参者ですからね」
その発言に頷いたカズマは。
大勢の暇こいた冒険者に見守られる中、窓口に依頼を持っていった。
「「「「ソウジさんが一撃兎を討伐するぞー!!!」」」」
喧しい歓声を巻き起こしながら。
○
「そういえば」 一撃兎の群れが観測された森へと向かう道すがら、めぐみんがソウジに尋ねた。
「ソウジはどんなスキルを取ったんですか?」
「スキル?」 ソウジは指折り、数え始めた。
「えっと、アサシン適性の証としての『気配遮断』、セイバー適性保有のおこぼれで貰った『対魔力』と『騎乗』、後は『心眼(偽)』に、固有スキルとして『縮地』……」
「違いますよ、何の話をしているんですか。冒険者のスキルですよ!」
めぐみんは呆れたふうな目を向けた。 「ほら、ソウジの初期ステータスは史上稀に見る高いものだったじゃないですか。
それほど凄まじい才能を持ってるなら、さぞかし初期スキルポイントもとんでもない量があったんじゃないですか? それこそ爆裂魔法を取得してお釣りがくるくらいには」
それをどんなスキルに費やしたのか気になったんですよ、と謳うめぐみん。
ソウジは慌てて懐から冒険者カードを取り出した。じんわりとソウジの体温が溶け込んだ金属製のカードには、確かにスキルポイントとスキルの欄があった。
が。
「……すみません、まだ何にも取得していませんでした」
頭を掻きながらソウジはカードをめぐみんに見せつけた。スキル一覧と書かれた文字の下には、しかし何も文字は無い。完全に白紙である。
めぐみんはそれをじろじろと眺め、
「うわ、本当だ。何も登録してませんよこの人……って、うええっ!?」
そして、すっ頓狂な声を出した。突然のめぐみんの奇声に周囲を索敵していたカズマとダクネス、ピクニックにでも行くかのような足取りで歌を口ずさんでいたアクアが振り返る。
「おいどうしたんだめぐみん。声を挙げるのは勝手だけど、あまり大声を出すとモンスターが寄ってくるから音量は抑えてくれ」
カズマのそんな注意が聞こえていなかったかのように、めぐみんは早口で捲し立てた。
「初期スキルポイント一万……! 爆裂魔法が二百回も習得できるではないですか! 私でもこんな多くは無かったというのに……」
そして、その発言に、他の三人も目を見開いた。
「しょ、初期スキルポイント一万!? なんてこった、天才型じゃねえか! マイナスステータスは大丈夫か!? センス×とかサボり癖とか無いだろうな!?」
「なんと……! それだけのスキルポイントがあれば、レベル1から既に超極悪な剣技が扱えるではないか! なあ、このクエストが終わった後でいいから、私にスキルを使ってくれないか!? 一番威力が高い奴で頼む!」
「フッ……! 一瞬驚いちゃったけど、でも勝ったわ。私は初期スキルポイント圧巻の百万だもの」
目を見開いているところは同じだというのに、どうして反応はこうも違うのか。
というかソウジは冒険者カードを作る前から既に強烈な剣技を披露していたのだが、その辺は頭から抜け落ちているのだろうか。いや、勿論ツッコむところはそこではないのだろうが。
そんなダクネスに、ソウジが照れ笑いを浮かべつつも。
「やめときますよ。何せ私の最大火力はどんな鉱物でも一撃で粉砕してしまう対人魔剣。ゲーム的に言えば、敵単体への超強力な防御力無視攻撃ですからね」
「げーむてきにという例えはよく分からんが、そこまで言われると尚更受けてみたくなるな。何、心配はいらない。鎧はアダマンタイトを含んだ特注のもの。加えてスキルポイントを防御スキルに全振りしている私は、素でもアダマンタイトより固い自信がある。どうだ、私にその最大火力をぶつけてみる気はないか?」
「何言ってんだこの変態。おーいソウジ、こいつのことは気にしなくていいからなー」
「はは……」
苦笑。ダクネスが残念そうに表情を歪めたが、ソウジは見なかった振りをした。
「……で。結局どんなスキルを取ったの?」
「剣士系スキルですね。フルコンプさせたのですが、まだ割とポイント余っていまして。でもアークフェンサーは近接格闘スキルが無いですし、それ以外のスキルにはどうにも食指が沸きません。ポイントの使い道が無いんですよ」
「ふーん? それなら宴会芸スキルはどう? 誰でも簡単に数多の芸が習得できる最強スキルよ!」
「え、宴会芸? そんなスキルもあるんですか?」
「お、意外な食いつき! 宴会芸スキルは職業不問、ステータスも入らず、習得コストも低いのよ! おまけに使用時に魔力も使わない! さあ、宴会芸スキルを取って私と一緒に芸の道を極めましょう? 今ならアクシズ印の汚れが取れる石鹸も付けてあげるから!」
「け、結構です」
「何でよ――――っ!」
目に涙を浮かべて叫ぶアクア。確かにそんなスキルもあるのかと感心はしたが、それとこれとは別問題である。ソウジは実戦で役に立たないスキルを覚える気は毛頭無かった。
と、ぎゃんぎゃんうるさいアクアをカズマが嗜める。
「お、おいアクア、静かにしてくれ。敵が寄ってくる。それに、そろそろ一撃兎の群れが確認されてもおかしくない頃だからな」
その言葉に、さしものアクアも真剣な表情になって。
「確かにそうね。一撃兎の群れが見つかるかもしれないってときにこんなに騒いじゃっては見つかるものも見つからないわ」
その言葉に、ソウジはその通りと頷こうとして――
(……え?)
――何だか、猛烈に嫌な予感が全身を駆け巡った。
というのは、カズマの警告とアクアの発言に齟齬が生まれている気がしたのだ。
カズマは『一撃兎に見つからないため』に騒ぐなと言っているのに、アクアは『一撃兎を見つけるため』に騒がないと言っているようで……。
「あ! そうだ!」アクアがポンと手を叩いた。
「潜伏で隠れてせこせこと探すくらいなら、いっそあっちから私達を見つけてもらえばいいじゃない!」
「「「「……は?」」」」
アクア以外の全員が硬直した。何を言ってるんだこいつ、という視線を向ける。
というか、カズマは実際に言った。
「何を言ってるんだこいつ。おい、滅多なことはするなよアクア」
しかしアクアの耳には届いていないようで。
詠唱を唱えると、彼女は天高く右手を掲げて。
「『フォルスファイア』!」
青白い炎を灯らせた、瞬間。
森の雰囲気が一変した。
「!?」
酷く冷たい殺気。金属質のざらざらした匂い。夜の闇よりも真っ黒な、敵意や憎悪といった感情。それらが全て、青白い炎目掛けて集束している。
先程までの、よくも悪くも初心者の街郊外といった、穏和な雰囲気はまるで感じられない。親の仇と相対したような濃密な視線が全方位から向けられ、ソウジは酷い圧迫感を覚えた。鉄の中で呼吸をしているようである。
そして、どうやらそれは皆も変わらないようで。
「あ、あわわわわわわ……」
「見ろカズマ! この敵意に溢れた視線の数々を! ああ、浴びるだけでゾクゾクするなあ……! 私はどんな目に遭わされてしまうのかっ!」
「口閉じろ変態! おいアクア、お前は何かやらかさないと生きていけない病気にでもかかってんのか!? 滅多なことはするなって言っただろうが!!」
「な、何よ! よかれと思ってやったのに! よかれと思ってやったのに!!」
意外にも逆境に弱いのか、青い顔で慌てるめぐみん。こんな時でもぶれないダクネス。モンスターに居場所がバレたからか、臆面もなく大声でアクアを怒鳴り散らすカズマ。涙目でわめくアクア。
「そんなこと言ってる場合じゃないですよ! この状況、たいへんよろしくない……です、よ……」
そんな彼らに、ソウジが冷や汗を垂らして注意を喚起しようとしたところで。
「……ッ!」
ぬるりと特段に濃い殺気を感じ、険しい顔で後ろを振り返った。
すると、そこには。
怒りからなのか、それとも地毛なのか。ともあれ全身を漆黒に染めたデカイ熊が、ソウジを真っ直ぐ睨み付けていた。
「い、一撃熊ッ!?」
ソウジと同じ方を向き、悲鳴じみた声をあげためぐみん。
そんな彼女に、同じく上擦った声で、カズマが問いかける。
「おいめぐみん、一撃熊ってなんだ!?」
「一撃熊は凶暴な肉食のモンスターです。強靭な前足から放たれる必殺の一撃は恐ろしく、このモンスターの名前を一撃熊たらしめているほどです。恐らく私とカズマが喰らえば即死でしょうね」
「何それ怖い」
「ちなみに紅魔の里では魔法一発で死亡してしまうことから一撃熊と呼ばれています。所詮紅魔族にとってはあんな木っ端モンスター、小遣いと経験値稼ぎ用の獲物でしかありません」
「何それ怖い。紅魔族怖い」
めぐみんの木っ端モンスターという単語に反応してか、はたまた別の要因か。
一撃熊が突如咆哮を上げ、ソウジに襲いかかってきた。
「グルルアアアアアアアッ!!!」
デカくてどす黒い獣が殺気を放ちながら接近してくる、というのはたいへん迫力のある光景である。戦う力の無い一般人がこの状況に陥ったら、泣いて逃げるか命乞いをすることしか出来ないだろう。
だが、ソウジは一般人ではない。何なら人間ですらない。
彼女は英霊。逸話や伝説、在り方を昇華された者。
故に。
「――遅い」
たかが熊程度、殺せない道理は無い。苦戦するわけもない。芸術家や学士系サーヴァントでもない英霊がこんなんにやられていたら、それこそ驚きである。
脳天に神速の突きを叩き込まれ、その勢いのまま首から上が彼方に吹っ飛んでいった。一撃熊は尚もその場に突っ立っていたが、やがて自分が死んだことに気が付くと、ゆったりと地面に倒れこんだ。
そして、それを皮切りに。
「……いっぱい出てきましたね」
ソウジは目を細めた。目の前にいるのは、先程のような熊から、デカい鳥、小さな鳥、猛獣、更には食虫植物。様々な"敵"が、一斉に飛び出していた。
「おいどうするんだよアクア。完全に囲まれちゃったじゃないか。なんてことしてくれたんだよ」
「なんでよーっ! 私なりに考えてやったことなのに、どうしていつもピンチになるの!? おかしいでしょ!」
「心配するな二人とも。私が守ってやる。何なら私を囮として置き去りにしてもいいぞ」
「何言ってるんですかダクネス。……というか、ここまで接近されると爆裂魔法が打てないのですが」
余り緊張感の無い仲間達の声を聞きながら、ソウジは大声で。
「皆さん! そちらの敵は任せました!」
と言うと、刀の切っ先を敵の集団の中心に向けて。
そのまま構えると、全力で地面を蹴り――
○
それから数時間後。
「おっ、ソウジさんが戻ってきたぞ……って、うおっ!?」
「ボロボロじゃないか! 何があったんだ?」
「あの最弱職が足を引っ張ったんじゃないのか?」
「いや、カズマは足を引っ張るような奴じゃない。あれは多分……アークプリーストの奴がやらかしたんじゃねえか?」
「あー……」
満身創痍の体でギルドに帰還したソウジ達は、冒険者から同情の視線を向けられた。