生きるとは―で考えたときシーザーが一番しっくりきたんですよね
「ジョジョォー!俺の最後の波紋だぜ!受け取ってくれぇぇぇ!!!」
シーザー・ツェペリ。誇り高き波紋使いの一族であるツェペリ家の男にして、柱の男との戦いにおいてワムウとの戦いに敗れ、しかし友であるジョジョことジョセフ・ジョースターに希望を託して散って行った男。
彼の魂はその命を使い果たし、あの世へと旅立とうとしていた。
しかし!彼の奇妙な旅路は、まだ終わってはいなかった!
「ん…ここは…?俺は一体…」
シーザーが再び目を覚ました時、そこに広がっていたのは!
「!マンマミーヤ(なんてこった)…。これは一体何のジョークだ…」
立ち並ぶビル群。行き交う見慣れぬ服装の人々。自分たちが乗っていたものよりはるかに高性能であろう車。そう、ここは彼が死んだ時代よりはるか70年先の東京であった!
茫然としていたのもつかの間、すぐさま正気に戻ったシーザーは自分の状況を整理しはじめた。
「落ち着け、落ち着け。…俺は確かにワムウに敗れて死んだはずだ。なのになんだってんだここは。ここが天国?それとも地獄?どっちにしろおかしな場所だ」
幸いシーザーがいたのは人気のない公園の一角であったためぶつぶつと独り言を呟くシーザーを気に留めるものはいなかった。しかしこの場所についてロクに知りようのないシーザーにとってそれは逆に都合の悪いことでもあった。
「…ともかくここに留まってるだけじゃあ何も分からん。誰かに聞いてみなきゃな!」
そういって立ち上がろうとしたシーザー。
その時
グラグラグラグラッ!
「!?うぉぉぉぉぉ!!?」
突如として訪れた地震。そのあまりの規模にシーザーも思わず膝をついた。
「な、なんだ!?地震か!?かなりでかい……!!?」
呻くシーザーの視線の先に、おおよそ自然界においてあり得ないであろう光景が映る。
「空間が、ズレている…!?」
シーザーの視線の先、何やら一風変わった城のような建物の傍の空間がずれ、紅い空間が露出しているのを、シーザーの眼はしかと捉えていた。
「…おさまったようだな」
それからしばらくして、やがて揺れもおさまったであろう頃シーザーは公園から出て行動を開始した。
(あの紅い空間についてはすぐにふさがってしまった以上そう簡単にはわからん。…あれはおそらくなにか超常的なものだろう。俺一人では判断のしようがない。とにかく、今は人を探して情報を集めなきゃな)
そういって歩き出したシーザーの視線の先に、なにやらこちらに向かって走ってくる人影が見える。
「なんだ?あれは」
やがて近づいてくるにつれ、その正体が明らかになる。人影は二つ。一つはハンチング帽をかぶり、焦った表情で後ろの存在から逃げて回っている男。もう一つ、その男を追いかけるのは、まるで直立した犬が鉄の棒を持っているそうなあまりにも奇怪な存在であった。
「やー!そこのお兄さん!ちょっと逃げて逃げて!」
男はシーザーを視界に捉えるとこちらに走ってきてシーザーの横を通り過ぎる。やがてやってきた犬の化け物の前に、シーザーは立ちふさがった。
「!?ジャマヲスルナ、ニンゲン!」
「そういう訳にもいかない。貴様、なぜあの人を狙う!答えろ!」
眼前の化け物に対しシーザーは一歩も引かずに問いかける。
「アイツ、ケイヤク、ニゲタ!ダカラ、オレ、アイツ、クウ!」
「!?……訳がわからんが、むざむざ俺の前で人殺しを許すとでも思ったか!」
返ってきた返答をシーザーは理解することはできなかったが、目の前の化け物が自分の後方で様子を見ているあの男を喰おうとしていることだけはわかった。そして人を守る波紋戦士として、そんなことを許せるわけもなかった。
「グウゥ、ダッタラ、オマエカラクッテヤル!」
そういって飛び掛かってくる化け物。対するシーザーはその動きをじっくりと観察し、化け物の鉄棍が振り下された瞬間、高く飛び上がった。
「!?ハヤイ…!」
「遅い遅い、そんな動きじゃあくびが出ちまうぜ!」
そういったシーザーは空中で手をこすり合わせる。すると手から大量の泡が溢れ、それをシーザーは化け物に向ける。
「喰らって出直してきな!『シャボンランチャー』!」
手から放たれたシャボン玉が化け物に直撃する。
「ガアアア!アツイ!ナンダコレハ!?カラダガ…ト…ケ…ル…」
シャボンランチャーを喰らった化け物は苦しそうな悲鳴を上げる。すると、化け物の体が煙を出しながら崩れていき、何やら残骸のようなものを残して消滅した。
(波紋が効いた!?なんなんだあの犬っころは?)
あまりにもあっさり倒せたことに驚くシーザーの視線の先で、先ほど倒した化け物の残骸が浮かび上がる。身構えるシーザーの眼前で残骸が光を放つ。
(ヤラレチマッタカラ…ショウガネエ。アイツノ…仲魔二ナル…)
突如あの化け物の声が聞こえてきたかと思うと、残骸が隠れていた男の手に持つ小型の端末のような機械に吸い込まれていった。
唖然とするシーザーに、隠れていた男が出てきて声をかける。
「いやー、なんだかわからないけど助かっちゃったみたいだね。ありがとうお兄さん!」
「あ、ああ…」
とても先ほどまで命の危機に晒されていたとは思えない男の声であったが、日本語のわからないシーザーにはお礼を言われていることぐらいしかわからないためあいまいに返事する他なかった。
「あ、おたく外人さんか~。ん~『英語なら分かる?』」
「!ああ分かるぞ」
英語で話し出した男に、スピードワゴンの影響で英語を話せるシーザーははっきりと返事した。
「ならよかった。俺英語には少し自信があんのよ。…で、ここであったのも何かの縁だし、一緒に行かない?お兄さん東京詳しくなさそうだし、俺が案内するからさ」
「…ああ、それはありがたい。またさっきのような奴がでたら俺に任せてくれ」
願ってもない申し出に、シーザーは同意の意志を示した。これでこの世界のことについて知ることができる。ほっとするシーザーに、男は自分の名を告げる。
「んじゃあ行こうか。…あ、俺は秋江譲。ジョーって呼んでね」
「俺はシーザー。シーザー・ツェペリ。よろしく頼む。ジョー」
ジョーとともに動き出したシーザー。彼が目にしたのは人知を超えた災厄とその被害であった。
「うひゃぁ~。こりゃひどい…」
「マンマミーヤ…」
シーザーが出会う、生き残るために闘う人々。
「美しいシニョリーナ。あなたはなんと優しい心を持ってるんだ…」
「あ、あの…」
「コラコラコラコラ!ケーハク男!新田しゃんから離れろ!」
迫り来る異形の存在、『悪魔』、そして『セプテントリオン』。
「セプテン…トリオン…」
「そいつを倒せばこの惨状も終わるんだな」
そして訪れる選択の時。
「私はポラリスの力で、実力主義の世界を創り上げる!」
「てめえのことだけしか考えられねえ世界で、強くなれるわけがねえだろうが!」
シーザーは運命の7日間を生き抜き、滅びゆく世界を変えられるのか!?
「お前にとって、生きるとはなんだ!シーザー・ツェペリ!」
「生きるとは、『受け継ぐ』ことだ!代々受け継がれてきた遺志を、これから俺が貫いていく意思を、未来へ託すことだ!だから俺は生きる!今を生きる俺の意志が、黄金の意志であることを証明するために!」
ジョジョの奇妙な冒険partⅡ 戦闘潮流外伝
ジョジョの奇妙な生存攻略 近日公開…?
この話短編にまとめるの無理があった。