極端な筆者の意見、残酷な描写、表現などが含まれます。
ご了承の上でお読みください。
あくまでもこの作品の艦これの世界観の話ですので、それをご承知の上でお読みください。
嫌なら読まないでください。
それはまだ艦娘がこの世に生を受けて間もない頃。
世界の海は深海棲艦によって支配され、海洋国家である日本はシーレーンを断たれ、じわじわと破滅の道に追いやられていた。
この場で何処とは言わないが、無能なトップを置く核保有国のアジアのどこかの国は核兵器によって深海棲艦へ対抗しようとした。
しかし一時は退けても、無限に無尽蔵に海から湧く深海棲艦の前に無能なトップが率いていた国はただただ自国民や自領地を疲弊させ、見るも無残な国と化し、崩壊した。
世界が混乱を極める中、日本では政府も重い腰を上げて自衛隊による防衛戦でなんとか持ち堪えていたが、若き自衛官の死は日に日に増していく一方。
因みに在日米軍は自国の防衛のために撤退し、無事に自国へ辿り着いたのはほんの数%だったという。その際、日米同盟の元で海自の護衛艦隊も同行したが、やはり帰ってきた護衛艦の数は少なく、多くの自衛官が帰らぬ人となってしまった。
元々民度の高い日本国民だからこそ、大きな内戦などは起こらずに済んでいたが、遺族たちの悲しみや国民の不満は確実に増していた。
そこで、まだ総理大臣の座に就いたばかりの中村正文はある決断をする。
『憲法を改正して艦娘と共に国防軍を設立し、深海棲艦へ対抗する』
この所信表明演説に多くの国民は不安を抱いた。
マスメディアは特にーー
軍国主義の再来
徴兵制復活
世界混乱を利用して侵略戦争を始める
ーーなどと更に国民の不安を煽った。
しかし中村総理の次なる演説で国民の不安は軽くなる。
ーーーーーー
今、座して死を待つのと
徹底的に生きるために戦うこと
あなた方はどちらを選ぶだろう
これまで犠牲になった英霊たちは
なんのために命を懸けてくれたのだろう
唯一深海棲艦に対抗しうる艦娘が
何故今、この国にいるのだろう
不安なのはこの私も同じ
しかしだからといって座して死を待つのは
英霊たちに対して
あまりにも無礼ではないだろうか
徴兵制復活なんてありません
ましてや侵略戦争なんて愚の骨頂
日本は防衛のために軍を持つのです
今こそ国民と艦娘が手を取り
深海棲艦による侵略の魔の手から
一致団結して立ち向かう時代ではないだろうか
戦争が嫌ならばしなくて結構
しかし今戦わなかったら死しかありません
どうか国の未来とあなた方の家族の未来を考え
私たち政府の背中を支えては貰えないだろうか
助けてください、日本を……あなた方の家族を
ーーーーーー
この演説は全国津々浦々まで放送され、日本国民は一致団結して艦娘と手を取ることを誠実な国民投票で決めた。
結果は反対が二割未満と賛成八割以上。
与野党の賛成多数で憲法改正案が通る。
政府はこの結果に迅速に対応し、国防軍の制定・国防費の改正案・艦娘の人権確立案などなど、約半年で成立させた。
その中でも極めつけだったのは、ここまできても戦争反対を訴える左巻き集団や無責任野党との政府側による国防軍設立についての論争だ。
国民の多くが既に国防軍設立に対して、国防のためならと理解を示しているのに戦争反対を訴える左巻き集団や一部野党は相変わらずだった。
まずは話し合うべき
また国民を肉の壁にするのか
人殺しのために税金を払いたくない
こんなの本当の民意ではない
などなど、もう聞き飽きたかのような理屈ばかり。
そもそもーー
話し合うべき
深海棲艦と話し合って解決するなら既にそうしている
また国民を肉の壁にするのか
一度たりともそんなことをしたことはない
みんな志願して先の戦争を戦ってくれたのだ
人殺しのために税金を払いたくない
殺人犯に殺されると分かっていても鍵を掛けないと言っているのと同じ理屈
でも多くは嫌だから鍵を掛けるのだ
自分の意見が国民全体の意見と思うな
そもそも戦場へ行きたくないのは誰も同じ
こんなの本当の民意ではない
現実を見て会話しよう
選挙が民意ではないならば何が民主主義か
ーー屁理屈には正論で返す。
正論の前に言い返せなくなった者たちの多くは感情的になって喚き散らすなどの行動に走り、結局のところ何も対案を出せないで終わる。
因みに国防軍運営資金の確保は全会一致で国会議員や大臣たちの歳費(主に給与)を半減とし、その他免除されていた物も今後は支払うことにし、それで出来た資金を運営資金あてて国民からはこれまでと同じ税率で納めてもらえればいいこととした。
シーレーンの奪還や国際協力の礎、艦娘や艤装の情報を提供すれば景気は回復出来ると何万回も経済学者たちが計算した結果だ。
国会議員たちも日本を守るため、そして己の命を守るためならばと給与半減にも同意し、地方議員や各地の知事も自分たちで考えて給与半減案を可決し、残りの半分を地域の泊地や各鎮守府の運営資金にした。
ここまで日本国内が団結しているというのに、やはり日本の特殊な左巻き集団や一部おかしな議員たちは現実を直視してなかった。
そこで中村総理と当時の海自幕僚長・鬼山日嗣は最終手段に打って出る。
『そんなに言うのでしたら、我々に手本を見せてください。そして国民の皆さんに教えてあげてください。その際はちゃんとインターネットを使った放送で全国民の方々にお伝えします』
中村総理と鬼山幕僚長は左巻き集団のトップたちや議員に全国放送されている質疑応答の時間にそう告げると、後日に日を改めて任意の上で深海棲艦と艦娘たちが戦う地域へ同行させた。
任意なので断れるが、断れば自分たちが今までしてきた主義主張が全くの無意味だったと国民に広く伝わるため、断る者は少なかったという。
そんな中で断った数少ないトップたちや議員たちはさっさと身をくらまし、逃亡したらしい……が、丁度その頃に日本の周辺で何隻かの客船やプライベートジェットが深海棲艦の手によって屠られたとか。因みにその襲撃事件以降、行方不明になっている左巻き集団のトップや議員がいるとかいないとか。
話を戻し、深海棲艦と艦娘が激しく戦闘を行っている太平洋側のとある海岸線に中村総理と鬼山幕僚長は左巻き集団トップや議員たちは護衛隊員に囲まれてやってきた。
『熱心に平和への活動を行っておられるあなた方ならば大変詳しいと思いますが、敢えて説明しますと、今あの沖で肉眼でもハッキリと見える激しい戦闘が行われています』
涼しい顔で中村総理は言う。
『そして艦娘たちに指示を出しているのが自衛官たちになります……といっても、この規模ならば一人の自衛官だけで指揮をしておりますがな』
鬼山幕僚長の言葉に多くのトップと議員たちは固唾を飲んだ。
誰一人として本物の戦闘を経験したことがなく、映像でしか見たことがなかったから。
しかし本番はここからであった。
『では皆さん、自衛隊の最高の防具をお貸しします。それと高性能な拡声器と最高の日本酒を用意しました』
鬼山幕僚長が笑顔で言うと、トップや議員たちの顔は更に強張る。中には既に膝が笑っている者もいた。
『あぁ、すみません。こちらの不手際でプラカードは用意出来ませんでした。何しろ皆さんの使うプラカードにどんな言葉を書くのか分からなかったもので』
そう言って中村総理は深く頭を下げる。
そしてあれよあれよと言う間に護衛任務にあたっている自衛官たちが、トップや議員たちへ防具を装着し、ご丁寧に拡声器などもその震える手に持たせてくれた。
『では皆さん、これからあちらの護衛艦に乗って最前線へ行きます。そうしましたら、皆さんは皆さんが主張されていることを深海棲艦に訴えて
鬼山幕僚長がさも当然のように話すと、
『こ、こんなの恫喝と同じだ! 人殺しめ!』
どこぞの新聞社の社長が声を震わせて叫んだ。
すると多くのトップや議員たちも『そうだ! そうだ!』『横暴だ!』『民主主義の恥!』と声を大きくする。
『ですから、それは私たちではなく、深海棲艦へ言ってください。出来るのでしょう?
鬼山幕僚長の言葉にそれまで騒いでいた彼らは揃って口を閉ざした。
『あなた方はいつもそう言っていますよね? しかし危なくてあなた方は最前線へ行きたいのに行けない……ですからこうしてお連れして、見せてもらいたいのです。あなた方がいつも言っている理屈ならば出来ますよね?』
中村総理からもそう言われ、彼らはまた揃って目を逸らす。
すると鬼山幕僚長が何か思い出しかのように手を叩いた。
『あぁ、分かりました。いやぁ、察しが悪くてすみません。防具なんて要りませんな。あなた方の主張だと防具すら相手を不安にさせるんでしたな。いやぁ申し訳無い』
『あぁ、確かにそうでしたね。流石は日本の進歩的文化人の方々は言うことが違う。またまた勉強になりました』
鬼山幕僚長と中村総理の話に彼らは口をパクパクさせて震え上がるが、その間に防具を解除されていく。
そして同時に自分たちはこれまでここまで変な主張をしていたのかと思い知らさせた。
すると一団の数十キロメートル先に深海棲艦の空爆機が侵入してくる。
『おや、あちらから来ましたな。はい、皆さんの主張を言う時が来ましたよ。拡声器で呼びかけてください』
『ちゃんと防具も解除してますし、出来ますよね?』
二人は彼らへ声をかけるが、彼らは慌てふためき我先にと装甲車の中へと逃げ込んでしまう始末。
当然、空爆機は艦娘たちの手によって撃ち落とされたが、
『ひゃっ、助けてぇ! お家に帰してぇっ!』
『軍を人殺し集団とかもう言いません!』
『無駄に不安を煽ってすみませんでした!』
『無防備に話し合うなんて出来ましぇん!』
『もう無駄な屁理屈はこねましぇぇぇん!』
物凄い爆発音に彼らは装甲車の中で震え上がっていた。
事前にちゃんとインターネットで放送しますと伝えていたのに……。
『だ、大丈夫でしたか!?』
そこに一人の艦娘が装甲車内に避難した彼らへ声をかけた。
後に吹雪と呼ばれる艦娘である。
『これだけ大声をあげているんだ、大丈夫だろう。君は怪我はないか?』
『はい! ちょっと被弾してしまいましたけど、これくらいなら大丈夫です! 私より、他の皆さんに被害が無ければいいんですから!』
このやり取りも勿論インターネットで放送され、艦娘がどのような気持ちでいつも最前線に立っているのかが国民たちに広く知れ渡った瞬間だった。
その艦娘の顔には曇り一つない笑顔とただ国を……国民を守れた誇らしさがあふれていたから。
これにより左巻き集団のトップや議員たちはこぞってこれまでのような破綻した主義主張をしなくなり、そんな左巻き集団と繋がりがあったとされていた多くの議員たちも完全に沈黙し、難なく日本国に待望の国防軍が設立された。
中にはショックから辞任したトップもおり、トップが変わってからはまたこれまでと同じ主義主張をし出すところもあったが、そんな主義主張が通用する世論ではない。
今でもこの放送の内容に異議を唱える左巻き集団や議員もいるが、総理や国防軍は一貫して『何一つ問題は無かった』と毅然な対応をしている。
仮に彼らに同じことをして欲しいと頼んだところで、彼らはどうせお茶を濁して逃げてしまうのだから。
世界から見れば、それでもそんな主義主張を言える日本は平和なんだなと言われている。
ーーーーーー
「いつ見ても過激なことをしたわよね。中村総理も鬼山元帥も……」
その時の映像を執務室のPCで改めて見直す矢矧に、阿賀野・能代・酒匂は『でもこうでもしないと話が進まなかったよ』と苦笑いした。
執務室では今日もいつもと同じように阿賀野たちが提督の補佐として作業をこなしている。
ただ、今は休憩中で提督は厠とお友達になっている。
おやつに提督だけ磯風と比叡合作のクッキーと呼ばれる何かを食べたせいで……。
「まぁでも、あの時にこうしてなかったらもっとたくさんの国民が亡くなっていたのよね」
「そうだよ。そうならないために強行と言われても、ああするしかなかったんだから」
矢矧の言葉に阿賀野がそう言うと、能代と酒匂もうんうんと頷いてみせる。
「現に日本は世界で一番平和な国って言われてるんだし、何も間違ってないよ。阿賀野たちはこれまでのように深海棲艦から日本と国民のみんなを守ればいいんだもん!」
阿賀野が胸を張って言うと、妹たちは笑顔で頷き、矢矧はPCの画面を仕事の画面に戻すのだったーー。
てな訳で、今回はガチガチの真面目回にしました!
自分でも書いてて極端だなぁと思って書いてました。
でも日本を守るのに支離滅裂な主義主張を言うのはどうかな?と常日頃から疑問に思っているので、こういう意見もあるという意味で書きました。
ただし、これは二次創作内の私の世界観の中でのことですから、深くは突っ込まないでくださいませ。
読んで頂き本当にありがとうございました!