橙の散歩日記   作:ルシャルシャ@黒P

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どうもどうも、最近暑くなってきました。
蝉も蚊も空を飛び渡っております。でも蚊取り線香の残りが無いってのはやめて欲しい.....


橙の散歩日記 2日目

 

今日も私は散歩する。

川こえ、山こえ、平原こえ。

今日も私は散歩する。

今日はどこに行こうかな.....

 

 

今日は涼みに迷いの竹林へ

竹のおかげで直射日光が当たらず、誰もいないのでゆっくりと涼める。

竹林を吹き抜ける風や、ヒンヤリとした地面が気持ちいい。

 

 

ちくわすら持っていない状態で、地面に寝転がる。ヒンヤリと、そしてしっとりと濡れている地面。

周りを見渡しても竹、竹、竹。目に優しい緑一色だ。

 

今日は涼みに来ただけなので、何も起こらないでほしい。

まぁ、生き物の願いなんて大体叶わないのだが.....

 

 

 

ウトウトしていると、遠くから地面を伝わって足音が聞こえてきた。

その足音はゆっくりとこちらに近づいてくる。こんな所に来るのは、不幸にも迷ってしまった者か、妖怪の類だけだ。

 

近づいてくる足音に警戒する。妖怪なら、襲われるかもしれないからだ。負ける気はしなくても、用心はしておくことが大事だ、と藍様が仰っていた。

 

足音のする方を見ていると、遠くに人の形が見えた。妖怪のような服装でもなく、普通の村人の服装だった。

きっと金儲けに目がくらみ、タケノコを取りに来て迷ったのだろう。そういう者はよくいると聞く。

 

その者はこちらに近づいてくるにつれ、表情や態度などがハッキリと見えてくる。

その男は怯えきっており、やせ細っていた。痩せ方から見て、2日程ここから出れていないようだ。

 

哀れに思った私は、その男を人里まで送ってやることにした。

何度か永遠亭に行ったり、竹林に行ったりをしているので、人里までの道は覚えている。

 

私は男に近づき、その顔を見上げる。相手もこちらを視認し、微笑みかけてくる。悪いやつでは無さそうだ。

私は男の足を後ろから押しながら’’にゃあ,,と鳴く。

 

「なんだ?もしかして人里へ連れていってくれるのか?」

 

そう聞かれ、私はまたしても’’にゃあ,,とだけ鳴く。

すると男は私の頭を撫でてきた。それは頼むと言う意思表示と見て、私は人里への方を向き、みたび’’にゃあ,,と鳴く。

 

私は歩き始めた。男は後ろを付いてくる。こういう仕事は案内人がやる事なのだが、近くにはいないようだ。

私は流れている風の向きや、前に通った道を思い出しながら歩いていく。

男の足取りはおぼつかず、ふらふらとしているが、私のあとをしっかりと付いてきていた。

 

しばらく歩くと竹林を抜けた。すると男が安心からか、前のめりに倒れた。

倒れる途中、その男が後ろから支えられる。何事かと思い、その男の後ろを見ると、藤原妹紅がその男を支えていた。

藤原妹紅はこちらを見ると微笑みながら

 

「お前に関わると賢者さんから何を言われるか分からなかったから後ろから付けさせてもらったよ.....私の代わりに案内ありがとな、化け猫さん」

 

と言われた。後ろから付けるのは関わると言うのでは無いのだろうか?

そんなことを気にもしない様子で藤原妹紅は、その男を担ぎ

 

「後は私に任せな、あんたは涼んでいた途中だろ?今日はゆっくり休むと良い。」

 

と言いながら人里の方へ歩いていった。1人取り残された私は今日は帰ることにした。

人間を助けるという柄でも無いことをしたので疲れてしまったのだ。

だが、人を助けるというのは悪くは無いな.....

 

 

 

そして私は家に帰った。

今日の散歩はそれで終わった。

いい散歩だった。

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