橙の散歩日記   作:ルシャルシャ@黒P

8 / 8
皆さん夏の終わりは何を思い浮かべますか?私は宿題に追われる小学生を思い浮かべます。私はちゃんとやってましたよ?多分...




今回の内容は[東方天空璋]のネタバレを含みます。やめてくれっ!!って人は、他の人気の人の小説を読みに行きましょう。


橙の散歩日記 8日目

今日も私は散歩する。

川こえ、山こえ、平原こえ。

今日も私は散歩する。

今日はどこに行こうかな...

 

 

 

今日は巫女がいないらしいので博麗神社へ

今日は巫女がいないという話を聞いたので、博麗神社に来てみたが.....鬼がいる。

正確には縁側で寝ている鬼がいる。

 

 

近くに寄ってみると酒臭い。お酒の弱い人ならこれだけで酔ってしまいそうな臭いが、鬼を中心に漂っている。当の本人は涎を垂らして気持ちよさそうに寝ている。

 

 

私はそのお酒の臭いから逃げるように、神社の屋根の上に登る。

今日の目的は、あまり来れない神社での日向ぼっこだ。巫女は機嫌が悪いと、スグに追い出そうとしてくる。機嫌がいいと膝に乗せたりしてくれるのだが...毎日がトラブルの巫女に機嫌がいい時なんてほぼ無い。そんな時はお賽銭が入っていた時くらいだろう。

 

 

という訳で、今日はそんな巫女がいないのでゆっくりできるということだ。いなければ機嫌の善し悪しなど関係ないのだ。

 

 

屋根に登って数十分した時、来客がやって来た。玄関先で大声で巫女の名を呼んでいる。

様子を見に行ってみると、この前の白黒魔法使いとさっきの鬼が何かを話している。聞いてみると、今日は巫女はいないという内容だった。

 

 

それを聞いた白黒魔法使いは帽子からあるものを取り出した。ピカピカに磨かれた10円だった。と言うか日光が10円に反射してすごく眩しい。

白黒魔法使いはその10円を大きく振りかぶって賽銭箱に投げ入れた。10円は大きな音をたてて賽銭箱の中で放り込まれた。

鬼と魔法使いは周りをキョロキョロと見ている。

 

 

しばらくしても何も無かったので、魔法使いはしょんぼりしながら帰っていった。鬼はまた縁側で寝ている。

 

 

さてさて魔法使いが帰った数分後、次は天狗がやって来た。デマ記事でお馴染みの文屋だ。

どうやら誰もいない神社を見に来たようだ。カメラを構えているあたり[無人の神社!!巫女、仕事を放棄する!?]とかいうタイトルの記事を書くつもりなのだろう。

天狗は正面の写真を数枚撮ってから、縁側の方に回っていく。

 

 

すると縁側から天狗の驚きの声が聞こえる。私はその様子を屋根の上から見てみる。

どうやらさっきのびっくりした声で鬼が起きてしまったようだ。巫女がいないと聞いたのに、鬼が寝ていたら驚きもするよね...でも居ないのはあくまで’’巫女,,だからね。

 

 

私は暖かい陽気に照らされながら2人の様子を楽しんでいた。

鬼が天狗に無理やりお酒を飲ませている。見ている側としては楽しいのだが、自分が天狗だったらと思うと全身の鳥肌がたってしまう。私は猫だから猫肌か?

 

 

2時間ほど経つと、鬼が寝てしまった。天狗の方青ざめた顔をしながら山の方に帰っていった。

私も帰ろうか...と思いながら起き上がると、石段の方に面白いものが見えた。泥棒だ。見たら誰でも分かるほどわかりやすい泥棒だ。黒い髭を生やし、風呂敷を背負っている。

泥棒は神社の中に静かに入っていった。

 

 

しばらくすると機嫌が悪そうに出てきた。金目の物が無かったのだろう。

泥棒の怒りが頂点に達したのだろう。突然賽銭箱を蹴り出した。すると、白黒魔法使いが入れていった10円が賽銭箱の中で音をたてる。

泥棒は賽銭箱をひっくり返して中から10円を取り出した。それを拾い上げ、泥棒は不満そうに帰っていった。

 

 

さてさて、いつもならここで終わると思う。が、今日は違う。正確には’’今は,,違う。

今、この神社には鬼、私、泥棒がいる。だが、実はもう1人いる。

 

 

そう、狛犬だ。ついさっきまで寝ていたが泥棒が賽銭箱を蹴った音で起きたらしい。

 

 

狛犬は泥棒の姿を見つけると、戦闘態勢に入った。

最初、泥棒は狛犬に驚いていたが、その弱そうな見た目に気づいたようだ。

泥棒は弾幕などの遠距離攻撃に警戒しているようで、すぐにでも走る準備は出来ているようだ。

ちなみに狛犬は起きたら泥棒がいたので驚いているようだ。その証拠に足が震えろれつが回っていない。軽くパニック状態だ。

 

 

パニック状態の狛犬は弾幕を出すのも忘れて泥棒に殴りかかった。

不意を突かれた泥棒は足を滑らせ派手に転ぶ。それに驚いた狛犬も派手に転ぶ。何なんだこの茶番劇は.....

 

 

泥棒は、すぐに立ち上がった。どうやら狛犬は転んだ拍子に頭を打って気絶したようだ。

泥棒はそれに気づくと手を気持ち悪いように動かしながら狛犬に近づいていく。どうやら18禁のような事をしようとしているらしい。

そんなことをさせまいと私は地面に降りた。あの狛犬の勇敢に敬意を払って助ける事にした。

物語に鑑賞するのは好きではないのだがな。

 

 

私は後ろから妖術で出した炎を泥棒にぶつける。

泥棒は火だるまになりながら地面を転がり回る。ビックリしすぎると声も出ないと言うが、本当なんだな。

泥棒は火だるまになりながら石段を転げ落ちて行った。泥棒には申し訳ないがここはそう言う小説じゃないからな。

 

さてさて、気絶した狛犬をたたき起こし、10円を差し出す。この10円は私が紫様から貰った10円だ。

狛犬はてっきり盗まれた10円を取り返してくれたと思って喜んでいる。

早速その10円を持って賽銭箱に向かっていった。賽銭箱を立て直して、その中に10円を入れる。

 

 

その時、石段の方で音がした。博麗の巫女が買い物袋を落とす音だった。

博麗の巫女は凄い勢いで狛犬の方に向かっていった。そして撫で始めた。泣きながら凄い勢いで撫で始めた。

それほど嬉しかったのだろう。狛犬嬉しそうに撫でられている。きっと狛犬っぽいことが出来たと思っているのだろう。

巫女の方は賽銭が入って嬉しいのだろう。

 

いい事するのもたまにはいいな。

 

 

 

今日の日向ぼっこはそれで終わった。

いい日向ぼっこだった。




あの泥棒は石段を転げ落ちて行ったのなら霊夢にあったんじゃ.....火だるまで転がってきたらどんな反応するんだろう.....


ちなみにその泥棒は髪の毛と髭が燃えただけですんだらしい。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。