転生!アテナの大冒険   作:塚原玖美

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【17】力試し

「一丁練習試合でもしてみるか」

 

街のはずれに着いた時、ロカがそう言ってひのきの棒を2本用意してきた。

 

「相手してやるよ、かかってこい」

 

ひのきの棒を1本受け取り、打ってかかる。

 

「やーっ!!」

 

ぐっと足を踏み込んで出た一撃に、意表をつかれたのか、ロカは吹っ飛んだ。

 

「思ったより強いな、本気で行くか」

 

打ち合い、払い合い、そして…数時間が過ぎた。

 

「はあ、はあ、な、なんとか勝った。おまえ、強いな」

「いやー、ロカとこれだけ戦えるとは…感心ですねえ」

「アバン、お前もやってみろよ、こいつ、ほんと強いぜ」

「いえ、打ち合いはロカとの”試合”で充分でしょう。これから一緒に戦うなら、技術は教えますが…まあ、今日はもう夕暮れですから明日にしましょう」

 

アバンはロカの持つ棒を取り上げ、宣言した。

 

「今夜は適当な宿を探して、休む事にしましょう。」

 

宿屋で食事をし、シャワーを浴びて部屋に戻る。

部屋は自然に男3人と女2人に分かれた。

 

「アテナ、あなた強いのね。ロカといい勝負だったわよ」

 

レイラはベッドに腰掛けながら話しかけてきた。

 

「明日はモンスターが襲ってこなくても、マトリフの力試しとアバン様の特訓が待っているわよ、早く寝ないと」

「そうですね、そうしましょうか」

「ねえ、アテナ…」

「はい?」

「あなた、お姫様じゃないわよね?」

「え?」

 

出来るだけ平静を装って聞き返す。

 

「いえね、パプニカのお姫様、行方不明なんですって。あなた、年頃も近いから…」

「え?お姫様が行方不明?」

「ええ、王太后さまが亡くなって、塞ぎこんでいたお姫様がいなくなったんですって」

「…」

 

レイラは一息ついてから諦めたように言った。

「さ、寝ましょ。明日は朝早いわよ」

 

そしてその日は就寝した…

 

次の朝。

朝食を食べ終わって身支度を済ませ、宿屋を後にする。

 

街のはずれで、まずはマトリフによる力試しが始まった。

 

「よし、ここでやるか、いくぞ」

 

大きく息を吸って、マトリフが先手を打つ。

 

「メラ!」

「ヒャド!」

「ほー、そいじゃ、イオラ」

 

ドドーン!!

 

「おい、マトリフ、いきなりそれは、やりすぎじゃねえか?」

 

とロカがニヤニヤとつっこむが、マトリフは上を見やる。

 

「おめえ、空も翔べるのかよ」

 

空中での戦いが繰り広げられる。

 

「ベギラマ!」

「ベギラマ!」

「へっ、そうかい、じゃ、もいっちょ、イオラ!」

「イオラ!」

「バギマ!」

「バギマ!」

「なかなかやるじゃねえか、おめえ…メラミ!」

「ヒャダルコ!」

 

「おめえ、やるな」

 

マトリフも感心していた。

 

「剣も呪文も使えるなんて…っ…」

 

マトリフの体のあちこちに切り傷が出来ていて、そこから血が流れる。

 

「ちょっと手加減すりゃあ、これだもんよ」

 

アテナはさっと歩み寄って手を当てる。

 

「ベホマ」

 

傷が塞がるのを見るや、レイラまでも声をあげた。

 

「あなた、回復呪文も使えるのね。私より強いかも…」

「へっ、頑張んねえと俺も追い越されるかもな」

 

マトリフまでこの調子だ。それを見ていたアバンが口を開く。

 

「アテナ、まだ余裕ありそうですねえ?」

 

1人納得したように話し続けるアバン。

 

「そうですか、ロカともマトリフともそれだけ戦えるのでしたら、モンスターと闘いながら特訓するのが手っ取り早いでしょうね。次にモンスターに襲われた時に、ちゃちゃっとやっちゃいましょう」

 

簡単に言うアバンに、またそれを簡単に言わせたアテナに、3人は呆れた…らしい。

 

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