転生!アテナの大冒険   作:塚原玖美

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【24】一時帰城

パプニカ城に戻ると、父王がカンカンに怒っていた。

 

「度々顔を見せろと言ったのに、半年以上も留守にしよって…」

「申し訳ございません」

 

ひとしきり怒った後、王は深呼吸して向き直った。

 

「それで?どのようにして過ごしていたのだ?」

「以前城を留守にした時に出逢った者達に会ってきました。そのうちの1人がちょうど出産したので、手伝いをして

おりました」

「そうか、それで、無事に生まれたんだろうな?」

「はい、元気な女の子が誕生致しました」

「そうか、よくやったぞ。ダマラもご苦労だったな」

「それで…」

 

アテナは荷物を差し出す。

 

「村の者たちからお礼に、と作物を押し付けられまして…国内の困窮者に配って頂けませんか?」

「うむ…」

 

王は荷物を受け取ると、それを広げて唸る。

 

「ずいぶん沢山あるな。よし、これは困窮した者達に配るとしよう。お前には褒美として追加の資金を提供する」

「ありがとうございます」

 

物資と資金のやり取りを終えた後、王は言った。

 

「そうだ、サラにも会って行け。おまえがなかなか帰って来ないんで心配していたからな」

「はい、わかりました」

「1週間はゆっくりしていけ。俺もお前の旅の話をもっとじっくり聞きたいしな。もちろん、私的にだぞ」

「はい」

 

王との話を終えたアテナに、ダマラが声をかけた。

 

「アテナさま、サラさまの部屋へ参りましょうか」

「ええ」

 

廊下をゆっくりと歩く。何となく気分が落ち着かず、そわそわしていると、ダマラが口を開いた。

 

「アテナさま、サラさまにお会いするのもお久しぶりですね。」

「ええ、ほんと久しぶり」

「王様でさえずいぶん心配されていたようですから…カンカンに怒られるかも知れませんね」

「そうかもね」

 

母の部屋の前に着くと、ダマラがドアを叩いた。

 

「サラさま、ダマラでございます。アテナさまも一緒です。入ってもよろしいでしょうか?」

「どうぞ」

 

部屋に入ると、母サラが一目散に駆け寄った。

 

「アテナ!ずいぶん長く留守にしてくれちゃって!心配したじゃない!」

 

そう言って抱きついて来た母を、抱きしめる。

 

「なかなか帰って来れなくてごめんなさい…」

 

手を握って見つめ合っている間に、ダマラがお茶とお菓子を用意していてくれたので、テーブルについて話をした。

 

「背が伸びたんじゃない?」

「少し伸びたかも」

「髪もずいぶん、伸びたわね」

「うん、伸ばしっぱなしだからお手入れしたいけど」

 

お茶を飲みながら、アテナは母に、色々な話をした。

この半年ちょっとで友人に子供が生まれた事や、その時の村人たちの話。そして、1週間程ゆっくりしたら、また旅立つ事も。

サラはサラで、王妃の忙しさなどを思いの丈話した。ほぼ愚痴であった事は、その場に居た者だけの秘密だ。

 

昼食の時間にも話し込んでいたので、サラの部屋で昼食を取った。

 

そして、翌日にまた話をする約束をして、アテナは自分の部屋に戻った。

 

「アテナさま、お疲れじゃありませんか?」

「そうね、お母様とゆっくり話せたのは嬉しかったけど、一気に喋ったから疲れたかも」

「少し横になられたらいかがですか?夕食の時は、またお声がけ致しますよ。」

「ありがとう。お願いね」

 

そしてベッドに横になると、久しぶりにぐっすりと眠った。

気付くと日は沈みかけていた。

 

「アテナさま、夕食のお時間ですよ…まだ寝てらっしゃったのですか?やはりお疲れになりましたか?」

「そーねー、この4ヶ月、妊産婦と赤ちゃんのお世話で、割とギチギチな生活だったしねぇ…。ブロキーナにも稽古つけてもらったしね」

「っていうか、アテナさま、お料理やお掃除、どこで覚えたんですか?」

「…」

 

ちょっと痛いところを突かれたアテナは、一瞬無言になる。

 

「ダマラは口固い?」

「え?ええ、話すな、と言われれば、他では絶対に話しません」

 

じっと見つめ合う…が、あまりの気迫にダマラはついに目を逸らした。

 

「やっぱりだめ。話せない」

 

ツーンと突き放されたダマラは、苦笑しながらもアテナを食堂へ連れて行った。

 

パプニカ城では他にも祖母やバダックともゆっくり話をした。

図書室の魔導書も片っ端から読みふけったが、特にこれと言って今から契約したい呪文は見つからなかった。

久しぶりだからと、兵士たちの剣の相手もした。すっかり強くなったアテナに、敵う者はいなかった。

実はこの時兵士たちの訓練を見学しながら、そういえば闘気とは自分にも見える物なのだろうか…と、目を閉じて良く観察もしていた。

 

結局、1週間の予定が1か月を超える事になり、城の生活を満喫したアテナは、また旅に出た。

 

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