スカウト2《こちらスカウト2、救援要請があった地点に到着。ビルの間にネットが張り巡らされています。糸が!市民が襲われている!なんてことだ!あっ、ウイングダイバーを発見!こんな事があっていいのか!》
戦術士官《レンジャー4-1、4-2は前方の機動隊と合流し、市民の避難を助けてください》
梶原《了解しました》
梶原「進めーっ!」
隊員達「「「おおぉぉぉぉぉぉ!」」」
隊員「進路上に敵!どうされますか!?」
梶原「レンジャー4-2、頼む!」
レンジャー4-2隊長「了解した!我々は敵を叩く!」
ビルとビルの間には巨大な蜘蛛の巣。張り巡らされた巨大な蜘蛛の巣にはウイングダイバーが捕らわれていた。横には、巨大な蜘蛛。この巣の主だろうか。蜘蛛型巨大生物とはまた別の新種だった。女郎蜘蛛に外見が似ている。そして巣は太い糸で作られており、強度もそれなりに有りそうな、言うなればネットの様だった。
田中司令《ウイングダイバー、何が起こった!?状況を報告しろ!》
隊員(w)《こちらウイングダイバー......敵に捕まった!》
隊員(w)《やつら、我々を捉える罠を!身動きがとれません!》
隊員(w)《救援を!急いで!》
田中司令《レンジャーチーム及びストームチームは、ウイングダイバーを救出しろ!急げ!》
梶原は総合作戦指令本部からの命令を脳で瞬時に変換し、部下に伝える。
梶原「撃てーっ!ネットを破壊しろ!」
隊員達「「「了解!」」」
だが、撃った弾丸が糸に絡め取られ、損傷すら与えられなかった。
ネットの損傷を確認出来ないことに違和感を覚える間もなく梶原は遊歩道橋のある交差点で市民の避難誘導を行っている機動隊と合流する。
梶原「連合地球軍レンジャー4傘下レンジャー4-1の梶原(かじはら)です。」
機動隊隊長「よく来てくれました。市民の避難の援護をお願いします!こっちです!(手でレンジャー4-1を誘導しながら市民に向き直る)急いで!地下鉄へお願いします!ほら、止まらずに!足を動かして!」
機動隊員「あれは...糸だ!糸を吐いてくるぞ!迎撃しろ!」
機動隊のS&W M39やMP5短機関銃が轟音を周囲に響かせるが、従来の性能のまま続投されている銃火器の弾丸では、大したダメージは与えられないようだった。この国の警察は、EDFが対巨大生物なのに対し、暴徒や対テロ専門の組織である。敵が敵なので、彼らは市民避難に徹する他ない。
機動隊員「糸に捕まった!助けて...助けてくれ!」
機動隊員「駄目だ!豆鉄砲程にしか思ってないみたいだぞ!」
機動隊員「EDFが来てる!怪物は任せて、市民の避難誘導を最優先しろ!」
機動隊員「たっ...助けてくれ!」
機動隊員「盾(ライオットシールド)が溶けた!?あの糸、酸を含んでやがるのか!」
機動隊や市民への被害も甚大だが、EDFへの被害も甚大だ。
街のあちこちに張り巡らされた巨大な蜘蛛の巣はウイングダイバーたちの軽装甲を徐々に溶かす。中には飛行ユニットが溶かされた隊員もいるようで、四肢を動かし必死にもがいていた。
隊員(w)《足が動かない...離れろ!》
隊員(w)《出力を最大にして脱出しろ!》
梶原達の目にネットから必死に抜け出そうとするウイングダイバーの姿が入る。
だが、そのウイングダイバーは抜け出した瞬間を狙われ、抗うことを許されず巨大蜘蛛の口の中へダイブする。
隊員(w)《きゃああぁぁぁぁぁぁ!》
無線越しに彼女の悲鳴が聞こえる。が、梶原達には、肉声が聞こえていた。
隊員(w)《罠だ!退却しろ!このままでは全滅するぞ!.....はっ!しまった!》
次々と巨大蜘蛛の吐く糸の餌食になり、餌となっていく。
隊員(w)《こちらウイングダイバー!動けない!助けて!はっ.....あいつがくる!》
オハラ《こんな馬鹿な.....!ウイングダイバーが!こんなこと、予測できるはずがない!》
オハラ博士が絶望に染まる間にも無線には続けて悲鳴が交じる。
隊員(w)《来ないで!来ないでぇ!》
隊員(w)《脱出不能!救援を要請します!》
隊員(w)《脱出できません!助けてください!》
オハラ《やつらは人類の手の内を読んでいたというのか.....!?》
梶原「レンジャー4-2、新手の巨大生物を撃て!我々はネットの破壊を試みる!」
4-5隊長《レンジャー4-5、現地に到着しました。戦闘を開始します!》
完璧なタイミングで援軍が来てくれた。
梶原《レンジャー4-5、レンジャー4-1の梶原だ。ネットに囚われたウイングダイバーがいる。ネットに火力を集中しろ!》
4-5隊長《レンジャー4-5、了解!》
4-6隊長《こちらレンジャー4-6、現地に到着!》
梶原《よし、レンジャー4-6、新型の巨大生物を攻撃しろ!》
梶原《レンジャー4-1より本部。ネットの破壊を試みます!ネットの弱い箇所などについて、情報はありますか!》
田中司令《了解した。ネットについては、現在分析中だ。それまで新型の巨大生物を足止めしろ!これ以上部隊に被害を出してはならない!》
その通りだ。これ以上被害を増やしてはならない!と梶原は思う。トリガーに掛かる指に一層力が入る。
隊員(w)《巨大生物の待ち伏せです!罠で我々を!ああっ!?いやーーーっ!.....助かったの?》
1頭の巨大蜘蛛にレンジャー4-6が火力を集中、巨大蜘蛛から鮮やかな赤い血が吹き出す。力尽きた巨大蜘蛛は巣に張り付く力を失くしたのか地上に落下し歩道にヒビを入れる。
レンジャー4-6隊長「敵一撃破!次の獲物を仕留めに行く!」
隊員達「「「Yes,sir!」」」
隊員(w)《くそ!離れろ!ひっ!来ないで!来ないでーー!きゃあぁぁぁ!》
田中司令《ウイングダイバー、どうした!?》
田中司令《くそっ......!》
阿鼻叫喚の戦場に1人冷静を保っていた人物が絶望を語る。
オハラ《人類は、巨大生物を駆逐するためにウイングダイバーという力を手に入れた。.....が、巨大生物はそれ以上の進化をしていたというのか.......!》
田中司令《なんてことだ.....。ん!?レンジャーチーム!ネットの弱点が判明した!ネットの末端に火力を集中。削ぎ落とせ!》
いよいよだ.....!と梶原は思った。この時を待っていたのだ。
梶原《レンジャー4-1よりレンジャー4各チーム。ネットに集中攻撃だ!ネットの末端を狙え!》
4-2隊長《4-2了解!》
4-5隊長《4-5了解!》
4-6隊長《4-6、了解!》
頭上の巨大なネットには、突撃を敢行し、結果捕食されていった4-3と4-4の隊員達の死体や部位がネットに張り付けになっている。
レンジャー4-5隊長《倒れた仲間の為に!》
全部隊《おおぉぉぉぉぉぉ!EDF!EDF!》
流石に1点に集中した火力に耐えられなかったのか、ビルとネットを支える糸が千切れる。
その後も、確実に破壊していく。地面にネットだった一部分が落ちる。すると、乾燥し、しぼんでしまった。
なんだこれは...と驚くが、すぐに任務に戻る。
救出したウイングダイバーは少数だったが、それでも全滅をまぬがれる事が出来て良かったと思う。
オハラ《巨大生物の進化は、人類の英智を超えているというのか!?科学より早い進化など有り得るはずがない!しかし.....》
同日、世界各地で同一の新型巨大生物が確認され、世界中のEDFの歩兵部隊は甚大な被害を負った。