無敗の最弱とその影は   作:まぐなす

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事後からです。
どうぞ.....



11.男子生徒達は

「ん、んん.......っ、く」

 

小さな呻き声と共に、ルクスは瞼を開ける。

比較的新しい板張りの天井が見え、花と薬草、そして微かなアルコールの香りが、鼻腔をくすぐった。

 

「おっ...起きたか寝坊助王子」

 

アリシアが手に持つ本から視線を上げると、何故か聞き覚えのある台詞を言った。

 

「ここはーーー?」

 

「医務室です。神装を連続使用しての体力切れでしょう。分かりきった結果です」

 

問うルクスに、素っ気なく答えたのはアイリだ。

 

「......もしかして、怒ってる?」

 

ルクスがぎこちなく、そう笑うと、

 

「口にしないと、わかりませんか?」

 

迫力のある、満面の笑みが返ってきた。

 

「あ....あはははは.......」

 

ルクスは逃げるようにアリシアに視線を向けるが、

 

「自業自得だ」

 

「ですよねっ!」

 

バッサリ切り捨てられた。

 

「まったく.....兄さんはーーー、大馬鹿です」

 

怒るようにして言った口調だったが、その声は段々と萎んでいった。

 

「心配させてごめんね。アイリ」

 

謝るルクスに、宥めるアリシア。

 

「俺にはないの?」

 

アリシアは面白がるように言ったが、

 

「僕が、助けに入ったんだけどなぁ」

 

ぼやいていた。

 

 

 

「そういえば......、みんなは無事なの?」

 

少し心配そうに言ったルクスの一言に、アイリは呆れたようなジト目を向ける。

 

「それは、彼女たちに聞いてください。私はもう、行きますから」

 

「あ、じゃあ俺も。お大事に」

 

「うん、またね」

 

そう言うとアリシアはアイリに続いて医務室から出ていく。

それに入れ替わるようにして、三和音の三人が医務室に入っていった。

 

 

 

 

 

 

▽△▽△▽△▽△▽△

 

 

 

 

 

 

 

「まったく.......本当に......私がどれだけ心配したか.......」

 

 

医務室を出て少し歩くとアイリはアリシアの胸に顔を埋めるようにして、呟く。

それはルクスのみならず、アリシアのことを言っていたのだろう。

 

「........」

 

アリシアは特に何も言うことなく、少し迷った後に、軽くアイリを抱き締めた。

 

 

 

 

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

 

 

 

 

程なくして、復活したアイリと共にアリシアは学園長室を訪れていた。

そこには三和音や、クルルシファー、フィルフィといった、いつものメンバーが既にいた。

すると、廊下から微かな振動が、伝わってきた。

それは段々と大きくなってきて

 

 

バン!

 

 

学園長室の大扉が開いたとき、姿を見せたのはルクスだった。

 

「正式入学おめでとう!ルクス君!」

 

小さな歓声と共に、ぱちぱちと割れんばかりの拍手が巻き起こる。

 

「え......?」

 

数秒間間抜け面を晒していたルクスは、後ろから入ってきた制服の少女の方を向いた。

 

「リーズシャルテ、様?」

 

「こほん。では、学園長の代わりに、私が挨拶をさせてもらおう。雑用王子ルクス・アーカディアよ。神王国の王女たるわたしから、咎人の貴公に君主を授けよう」

 

リーシャはそう言うと、ルクスの前に立つ。

真新しい鞘に納められた、一本の機攻殻剣を持ちながら。

 

「貴公の協力でーーー私は命を救われた。この城塞都市と、ひいては我が国を守ることができた。貴公の身に、確かな力と正義があることを、このわたしが認め、称えよう」

 

そう告げて、リーシャはそっと微笑みかける。

 

「だから、私からの命令だ。お前はここに残ってくれ。私たちの雑用王子として、男子生徒として、私たちの力になってくれ。本来ここにいることは許されないお前の存在を、わたしたちが認めよう。異論はないな、英雄」

 

尚も動揺しているルクスにアリシアは笑いが込み上げる。

それを必死に我慢する。

 

「受け取ってくれるか?私の剣を」

 

リーシャは頬を赤く染め、目を少しだけそらしながら、剣を差し出す。

それを見た瞬間、ルクスはふっと息を漏らして、跪いた。

 

「仰せのままに、我が姫よ」

 

ルクスが剣を受け取り、歓声があがる。

リーシャの笑みにつられて、ルクスも苦笑する。

 

 

 

 

 

 

 

 

††††††††††

 

 

 

 

 

 

 

アリシアもその光景を見て笑みを漏らしていた。

そしてとあることを思い出し、こちらも少しだけ微笑んでいたアイリに問いかける。

 

「そいや、アイリ。クルルシファーのことは聞いたけど、何でフィルフィは出撃しなかったの?」

 

そう大きくない声で聞く。

アイリは顎に指をあて、考えるようにしながら、

 

「確か、学園長が止めていたと思います。人のことは言えませんが、ほら、アリシアさんは知ってると思いますけど、フィルフィさんも体弱いですから」

 

丁寧にアイリは教えてくれた。

 

「ありがと」

 

短くアイリに礼を言う。

 

少し嬉しそうなアイリに、アリシアは内心謝った。

 

 

 

 

 

 

ーーーごめんね、アイリ......

 

 

 

 

 

ーーー俺は、もう......

 

 

 

 

 

ーーーフィルフィのことは覚えていないんだ.......

 

 

 

 




随分と短くなりそうだったんですが、
以外と書けました。
次回はクルルシファー編!
ご期待ください。

(設定はやめました。すみません)
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