無敗の最弱とその影は   作:まぐなす

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すいません。
設定やめました。
クルルシファー編です。

追記:そんなに大きくありませんが、一部追加しました。


12.争奪戦

「はぁ......まったくアリシアさんはいったい、何を考えているんですか?最初から私の所へ持ってきとけばよかったんですよ」

 

呆れと怒りが入り雑じった声で、アイリは大きなため息をついた。

 

「本当に申し訳ない」

 

その正面に正座させられてるアリシアはかつてない程に縮こまっていた。

 

何があったかは、昼間まで時を遡る。

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

「「そ、争奪戦?」」

 

「ええ。あなたたちへの雑用依頼。あまりに数が多すぎて、随分溜まっちゃうのよ」

 

そう言うとレリィ学園長は左に視線を向けた。

そこにはいつしかティルファーが出した、2つの箱がある。だがそこには入りきらず、依頼書が山積みになっていた。

 

レリィが悪戯っぽい笑顔を見せる。

するとルクスが引きつった笑顔を浮かべる。

何かわかっているようだ。

 

「だから今、生徒たちに向けて説明しているのよ。私が企画した催し物ーーー『ルクス君争奪戦』と『アリシア君争奪戦』のね」

 

「「......はい?」」

 

ルクスとアリシアは同時に首を傾げる。

と、レリィは赤い紙と、青い紙に書かれた一枚の依頼書を、机の上に広げて見せた。

 

「まぁ、簡単に言えば、ルクス君とアリシア君を一週間独占できる、って言えばいいかしら?制限時間の終了時に、この依頼書を持ってた女の子がその権利を手にするわ」

 

レリィは今一度満面の笑みを浮かべると、

 

「制限時間は今から一時間。あなたたちにこの依頼書を預けるから、制限時間まで逃げ切れば誰の命令も聞かずに済むわ。あ、装甲機竜は使用禁止だから。じゃあ、頑張ってね」

 

その言葉とともに廊下から、地鳴りのような音が聞こえてきた。

ルクスとアリシアは同時に学園長室から飛び出して、走り出した。

 

 

 

 

 

▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

 

 

 

その争奪戦の結果、ルクスはリーシャに、アリシアはクルルシファーに依頼書を取られた。

しかもその方法はスリ紛いのものだった。

廊下の角で激突すると、瞬間に依頼書を取っていったのだ。

アリシアはまったく気づかず、ないと分かった時には大いに驚いたものだ。

そしてクルルシファーは、対外的には『恋人』になると言う依頼をしてきた。

だが実質は政略結婚避けの、一時的な『恋人役』だった。

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

アリシアは何故か、アイリに床に座らされた上、その前に立ち、ジト目を向けられる。

 

「アイリのとこに行こうとはしたんだけど.....」

 

一瞬視線が厳しくなる。

 

「すみませんでした」

 

アリシアは頭を下げる。だが、ふと思い出すと何故俺は謝っているのだろう、と言う疑問が浮いてきたが、尚もジト目を向けてくるアイリを見ると口に出せない。

 

「Yes,気持ちはわかりますが、アイリ。その辺にしておいてあげましょう」

 

アイリの隣で同じく立っていたノクトは、流石に可哀想と言った表情で止めてくれる。

 

尚も何かぶつぶつと呟いている。

 

「ほんと......なんで.....クルルシファーさんと......なんで.......持ってきてくれなかったんですか......」

 

消え入りそうな声でアイリが何か言うが聞こえない。

どうしたんだろう、と思い顔を上げる。

 

 

 

ーーーそしてアリシアは急いで立ち上がった。

 

その行動にノクトは少し頬を赤らめてジト目で見てくる。

 

「まぁ、初日に助けていただいたお礼としときましょう」

 

そう言った。

 

アイリは首を傾げていたが、アリシアは引きつった笑みを返すだけだ。

 

だがそのとき、扉がノックされた。

 

「アイリ?僕だけど」

 

ルクスの声だった。

 

「さて、アリシアさんだけでは不公平なので、第2ラウンドと行きましょうか」

 

そうとだけ言うとアイリは扉を開けた。

そして徐にルクスにも説教をし始めた。

 

その光景を見ながら、ジト目のアイリも可愛いなー、とか思ってほおけていたら、

 

「アリシアさん、依頼です。行きますよ」

 

と言って出ていってしまった。

アリシアは急いでそれに続く。

 

「それでは、学校内と聞いておりますが、お気をつけて」

 

ノクトが見送ってくれたが、アリシアは気づかなかった。

 

 

 

 

ノクトが少し、面白くなさそうな目をしていたことに。

 

 

 

 

 

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

 

 

 

 

 

「へぇー、こんなところが......」

 

ルクスと一緒にアイリに連れてこられたのは、図書館の地下だった。

 

「この場所の存在は、秘密にしてくださいね、兄さん、アリシアさん。」

 

 

 

そして、もう少し進んで小部屋に入ると、

 

「待っていたわ。三人とも」

 

学園長レリィ・アイングラムが、小さなテーブルの前にいた。

 

「こんばんはルクス君。ちゃんとフィルフィには構ってあげてる?それともーーーもう襲っちゃったかしら」

 

「あのですね.....」

 

ルクスがなんとも言えない表情を返す。

 

「学園長。兄さんをからかうのはまた今度にして、話を進めませんか?」

 

コホン。と、咳払いをひとつして、アイリがそう申し出た。

 

「それもそうね。じゃあここから先は、他言無用でお願いするわ」

 

レリィはそう言うと、テーブルの上に金属の小箱を乗せ、錠に鍵を差し込む。

 

「王都の宝具庫でさえ、ほとんど入り口だけなのに。随分と厳重なんですね」

 

「ええ」

 

頷きを返しながらレリィが箱を開くと、奇妙な形をした、黄金の笛が見えた。

 

「知ってるとは思うけど、二週間前にこの都市を襲った元帝国近衛騎士団長、ベルベットが所持していたものよ」

 

この笛は幻神獣を喚び、操る力を持っている。

 

「一応、上には報告はしたんだけど、こちらの方が遺跡に近いし、ラフィ女王陛下から、ここで解析を進めながら研究してもらうよう言われたのよ」

 

「「......」」

 

「ベルベットは、これを異国の商人から買ったと自白したらしいわ。『角笛』と呼ぶものだそうよ」

 

「あのベルベットという男は、他に何も知らなかったようですが、遺跡の調査と平行して、このアイテムも解析していく必要はあると思います」

 

と、アイリが分厚い分厚い本ーーー遺跡の調査に関する文献を開きつつ、そう補足する。

 

「ははぁ、なるほど、遺跡の調査にそれを持っていけ、と?」

 

アリシアがそう言った。

 

「女王陛下から報せでもあったのかしら?」

 

「ええ、近々士官学校の生徒に遺跡の調査を行って貰うのでそれに同行するように、と」

 

そう。数日前にアリシアの元にラフィ女王陛下からその旨の手紙が届いていたのだった。

 

「最初はルクス君に頼もうかとも思ったんだけど、やっぱり経験のあるアリシア君に頼むことにしたの」

 

「じゃあ、僕が呼ばれた意味って....?」

 

少々しょんぼりしつつルクスが訪ねるも、

 

「ルクス君には事情を知っている人としてアリシア君の援護ーーーいえ、支援をしてもらおうと思ってね」

 

「支援......ですか?」

 

「ええ、騎士団の皆には詳しいことはあまり言うつもりはないのよ。情報が多すぎても混乱するだけだからね。だから、ルクス君にはこの事を知っておいてもらって、臨機応変にアリシア君のサポートを、って思ってね」

 

「.....わかりました。喜んで引き受けます」

 

ルクスが了承する。

 

「アリシア君もそれでいいわね?」

 

レリィが確認する。

 

「まぁ、女王陛下からの命令もありますしね、いいですよ」

 

 

アリシアが了承し、秘密の密会はお開きとなった。

 

 

 

 




執筆中に思ったんですが、アリシアとルクスが平行して会話してるシーンがあまりない気がする....

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