決してパクりではありません。
いやまぁ、参考程度にはしましたけど。
今、アリシアは町に出ている。
そしてその隣にはーーーーー
ーーーーー微妙な顔をしたアイリがいた。
▽△▽△▽△▽△▽△
個人戦の後、セリスティアと対話を終えたアリシアは、着替えるために自室に帰っていた。
そしてその自室では世にも恐ろしい光景が広がっていた。
そこには、静かに睨み合う、細身の少女が二人。
片方は蒼い長髪を腰まで伸ばした少女。
もう片方は肩までの白髪で、黒い首輪をした少女。
クルルシファーとアイリが睨み合っていた。
「......何やってるの?」
「「.....!?」」
部屋の主の突然の帰宅に驚く二人。
いやほんと、何やってんだよ。
「この部屋の前でアイリさんに会ってね」
「ええ、この部屋の前でクルルシファーさんに会いまして」
「それで?何故中に?」
特に顔を見合わせようとはせずに答える。
「あなたの部屋に何か隠してないか確かめようって話になったのよ」
「それで、クルルシファーさんと協力して探していました」
何故か、協力して、を強調したアイリ。
クルルシファーに対抗意識でもあるかのようだ。
「めぼしいものはなかっただろ?」
特に何も隠してなどいない。
そのため何もでないと、思って、いたの、だが、
「.....それが問題なのよね」
「......」
何を言っているんだ。
アイリは黙っている。
「年頃の男の子がそういうものを持ってないのは、逆に問題ではないのかしら?」
本当に何を。
「でも、そういえば、ルクス君とよく一緒にいるわよね?」
もはや独り言を始めたクルルシファー。
アイリは可愛らしく頬を膨らませ、こちらを睨んでくる。
「貴方って浮かれた話を聞かないと思っていたけれど....まさかそっちの趣味が?」
「ないわ!」
何て恐ろしいことを聞くんだ、クルルシファー。
「じゃあやはり問題よ」
その話はもう止してくれ。
「貴方の場合、ルクス君ほどアクシデントがあるとは聞かないのだけど.....でも、昨日のが初犯だったら流石に耐えられないわよね...」
また始まった。
てゆうか、初犯って何だ。耐えられないって何だ。
お前は何を知っていて、何をしてるんだ。
無視することにした。
「アイリはどうしたの?」
もう一人の少女に声をかける。
アイリは今度は顔を反らしてしまった。
「勝利の祝いに来たのですが、美しい婚約者さんが来ていたので私は不要ですね」
拗ねてるだけのようだ。
「それに、アリシアさんなら勝てると分かっていましたから。今回は別の人の付き添いです」
そうして場所を開けるように一歩横に動くと、そこにはノクトがいた。
「そう言えば、ドレイクを使っていたわね」
いつの間にかクルルシファーが入ってきた。
「ああ。ノクトに貸して貰った」
少し驚いたように、
「戦闘でダメージ受けるかもしれないのに、よく貸したわね」
ノクトに視線を向ける。
「No,アリシアさんは傷ひとつ付けないと言っていましたから」
呆れたように、
「素晴らしい程の自信ね」
こちらを見てきたのであった。
アリシアは胸を張ろうとしたとき、部屋の扉がノックされた。
「アリシア?入っていい?」
ルクスだ。
「どーぞ」
入ってきたルクスは腰に三本の機攻殻剣を下げていた。
「あ、そう言えばアリシアさん、ノクトの機攻殻剣しか持ってませんでしたね」
それに気付いたアイリが声を出す。
ルクスの腰には、黒の機攻殻剣と白の機攻殻剣が二本あった。
だが、二本のうちの一方は、もう一方と違い、麗美な装飾がしてあった。
そう。アリシアの機攻殻剣だ。
「厄災使う気がないからね。邪魔だと思って持ってて貰った」
ルクスに預ければまず安心だ。
アリシアはルクスから機攻殻剣を受け取る。
「ノクトも、ありがとう」
そう言い、ドレイクの機攻殻剣を渡す。
「Yes,一つ貸しにしておきましょう」
ノクトも、持っていたワイバーンの機攻殻剣をアリシアに返す。
「お手柔らかに頼むよ」
その後、すぐにクルルシファーとルクスは帰っていったが、残ったアイリとノクトとしばらく話していた。
「そう言えば、兄さんは明日、女装してセリス先輩とデートだそうですよ」
思い出したように言うアイリ。
.....面白そうな話だ。
「追い掛けようぜ」
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
そして今に至る、というわけだ。
用事のあると言っていたためノクトは来なかった。
そのためアイリと二人っきりで、ルクス....ルノちゃんとセリスティアを追い掛けていた。
そしてルクスお気に入りの庭園にやって来た。
ストーカー被害者二人は休んでいる。
「すー....すー...」
いつの間にか隣のアイリもアリシアに寄り添うように寝ていた。
「まったく......」
アリシアは少し連れ回したことを反省した。
どれくらいいただろうか。
アリシアも少しうとうとしてしまい、ルクス達が立った時に反応できず、見失ってしまった。
「ふあぁ」
アイリが可愛らしい欠伸をし、回りを見た。
そしてその目がアリシアを、そしてアリシアの袖を持つ自分の手に向いた。
「ひゃっ」
厄災もびっくりの速度で手を引いたアイリは顔を真っ赤にしていた。
「い、行きますよ!」
そしてすぐに行ってしまった。
この時間ならまだ町にいるだろう。
そう思い、アイリとアリシアは町に戻り、二人を捜索していた。
だがーーーーー
ーーーーーィイイィィイイイイ!
聞いたことのある不協和音が鳴り響く。
咄嗟にアイリを庇い、機攻殻剣に手をかける。
機竜を召喚しようとした瞬間、轟音が鳴り響いた。
その音のする方を見たら、天使の如き神々しさを纏う黄金の機竜がいた。
††††††††††
同じ頃別の場所で、同じ音を聞いた二人のーーー少女。
「なんでしょうか、この音はーーー?」
金髪の少女、セリスは突如響いた不協和音に疑問符を浮かべる。
「これはーーー、まさか!」
もうひとりの少女ーーーもといルクスは、その音に顔をあげる。
そして視界の端に凶兆の影を捉えた。
「ルノ。あなたは、ここで待っていて下さい。様子を見てきます」
走り出すセリスに着いていくルクス。
着いた先の中央広場は、恐怖と混乱に叩き込まれていた。
そこには中型の幻神獣、キマイラがいた。
それを確認した瞬間、セリスは動いていた。
疾走するセリスを覆う黄金の雷竜。
思念操作のみで機竜を呼び出し纏う。
ーーー高速機動展開。
「ギィイ!?.....ガアッ!?」
キマイラがセリスに気付いた時には、決着がついていた。
バシィィィ!
雷光穿槍で貫き、更に電撃を浴びせる。
セリスが槍を引き抜くと、キマイラはそのまま、前のめりに崩れ落ちた。
「すごい....」
思わずルクスが声を漏らす。
「大丈夫ですか、ルノ?」
ランスを引き抜いたセリスが安全を確認しようと振り返ったそのとき、巨大な黒い塊が、その背後で起き上がった。
「危ないッ!」
「」
ルクスが叫ぶと同時に、セリスのリンドヴルムが素早く上昇する。
一瞬前までセリスのいたその空間を、業火が焼き払った。
胴体をぶち抜かれていたはずの傷は塞がり、新しい皮膚が既にできていた。
「どういうことですか?ーーー何故キマイラが?」
セリスが呟き、雷光穿槍で追撃をかける。
「ギィ、イイェエア.....ッ!」
咆哮を上げたキマイラは、繰り出されたランスを前足で挟み、掴み止める。
「シャアァアアアアアッ!」
奇怪な鳴き声とともに、鋼のような尾っぽの蛇が、背後からセリスに襲いかかった。
「セリス先輩ッ!」
「ーーー!?」
紫の毒液を帯びた、牙の攻撃。
それを察知すると同時に、ルクスは動いていた。
「ギィッ!?」
ザシュッ!という切断音とともに、蛇の半身が宙を舞う。
ルクスが咄嗟に抜いた機攻殻剣の一閃により、キマイラの尾を断ち切ったのだ。
「今です!とどめをーーー」
「心得ました」
バシィィイィイイイッ!
先程より数段強力な電撃が、手にしたランスから迸った。
「グ、ギ......!ァア.......!」
前足で食い止めていた先端を突き抜け、再び槍が胴体をぶち抜いた。
「ギ、ィアアアアア.....」
そして、断末魔と共に燃え上がり、一瞬で灰になった。
その瞬間、わっと歓声が上がった。
「幻神獣はこの一匹だけのようですね」
その声と共にセリスは機竜を解除した。
「それより、助かりました。ありがとう、ルノ」
セリスはそのままルクスの側に寄ってふっと頬を緩めた。
「あっ.....!」
ルクスが手にする黒の機攻殻剣を、セリスは物珍しそうに見つめている。
「とても美しい機攻殻剣ですね。まさかルノはーーー」
「おねえちゃーん!ありがとう!」
セリスの言葉の途中、幻神獣に襲われかけていた幼い男の子が礼を言いにこちらへ駆け寄ってきた。
ルクスとしては話の続きがとても気になったが、こちらに駆けてきたのは、そう男の子、だ。
「あ、ちょっと待って!この人はーーー」
セリスは大の男嫌い。
ーーーーーのはずだが。
「元気ですね。怪我はありませんか?」
と、優しい声で、少年の頭を撫でていた。
「あれ......?」
セリスは男嫌いだと思っていたルクスは疑問に思い、聞こうと
ギィィィィィエェェェェェェェ!!!!!
雄叫びのする方をルクスとセリスが見ると、そこには急接近する幻神獣ーーーガーゴイルの姿があった。
「......ッ!」
ルクスも、ましてはセリスも避けられるタイミングではなかった。
ガーゴイルの孟突進をーーーーー
「『厄災』‼」
横から凄まじい勢いで来たアリシアが、手にする白い機攻殻剣でガーゴイルを叩いた。
一瞬、ルクスとアリシアの目が合う。
ガーゴイルはアリシアの攻撃をもろに受け、胸が半分切れ、生き絶えていた。
「ふぅ.....危なかった」
アリシアは剣を払うとルクスーーーには目もくれずセリスティアに向き直る。
その顔は驚愕に染まっていた。
だがーーーーー、
「まだだッ!」
ルクスの警告。だがアリシアは気付いていた。
「回復しきるのを待ってたんだよ!」
解除してなかった厄災を用いて再度突撃。
アリシアのワイバーンは軍のものであり、定期メンテのため使えないのだ。
だが、厄災を使えば30秒間とは言え、生身でも問題なく戦える。
アリシアが飛べないと見たのか、ガーゴイルは中空へと上がる。
「逃がすかッ!」
声を荒らげ、まず屋根に飛び乗り、そしてガーゴイルの元へ跳躍。
「シャアァアアアアア!」
雄叫びを上げ鋭く拳を振り抜いてくる。
だがアリシアはそれを、真っ正面から迎え撃った。
アリシアは剣を、突きだされる拳目掛けて振り抜く。
流石に空中では体勢を立て直すのが精一杯のため、攻撃は避けれないのだ。
それにーーーーー、
ドウンッ!
鈍い音と共にガーゴイルが地面に叩きつけられる。
勝てる見込みがあったのだ。
そしてそこまでいけば後は下がやってくれる。
バシィィィイィイイイッ!
いつの間にか機竜を纏っていたセリスの一撃で、ガーゴイルの胸に穴が開き、力尽きた。
「ギィ...ァァァァァァ....」
先程と同じように断末魔を上げ、灰になった。
わっと先程と比べ物にならないぐらいの歓声が上がった。
だが、セリスだけはアリシアに鋭い視線を向けている。
それでも何も言わない。
言われないからには立ち去ろう、と思っていたが、
「待ってください、アリシア・レイヴン」
それでも敬語なのは年ではなく、実力者としてなのだろうか。
「先程のは何なんですか?」
鋭い視線を向けたまま、聞いてくる。
「何故貴方は生身で幻神獣の相手をーーー」
「何がありましたか!?」
そこへ警備員がやってきた。
セリスに一礼し、教えたことのある警備員に事情を説明。
その間にルノーーーもといルクスとセリスには帰ってもらった。
そして、
「お疲れさまです。アリシアさん」
離れた所に避難させていたアイリと合流。
他愛のない話をしながら、学園へと帰った。
今回はアリシアの内心を書いてみました。
どうだったでしょうか?
あといつもはアリシアのいる所のみの描写でしたが、今回初めてアリシアなしの部分を入れてみました。
ダメだったらお教えください。