無敗の最弱とその影は   作:まぐなす

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最初に...

遅くなって本当にごめんなさい!

不定期のつもりとは言え、少し遅すぎました。
あと前回は少々やらかした感がありました....。
すいませんでした。


26.校内選抜戦③

「では、本日の個人戦第三試合、アリシア・レイヴン対、セリスティア・ラルグリスの戦いを、これより執り行う!」

 

 

校内選抜戦四日目午後個人戦第一試合。

 

朝教室に行く際、三和音のシャリスを見つけ、セリスティアへの伝言を頼んだ。

午後の個人戦第一試合アリシア・レイヴンが出ます。と

 

そしてセリスティアはそれに乗ってきた。

前回の試合を見た、と言うのもあっただろう。

 

アリシアは午前中をイメージトレーニングとノクトへの謝罪で過ごした。

 

なのでーーーーー、

 

「また、あのような試合をするつもりですか?」

 

ドレイクの機攻殻剣を手にしている。

 

「あんな戦い方では、あなたには敵いませんよ、セリス先輩」

 

無詠唱でドレイクを纏う。

 

「全力で行きます」

 

セリスティアは機攻殻剣を抜く。

 

「わかりました」

 

こちらも無詠唱で機竜を纏う。

 

「私も、全力でお相手します」

 

そして、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

セリスティアは直ぐに上昇した。

特装型のドレイクでは飛べないため、まずは飛んで距離をとるのが定石だ。

だが基本はすぐに攻撃のできる中空までのはずだが、セリスティアはそのさらに上まで行ったのだ。

そう、アリシアが前の試合で跳んだ、最高点(あの高さ)に。

流石に警戒されているのだろう。

その事実を確認しながら、右手に転送した機竜息銃で弾幕を張る。

セリスティアはそれを難なく避け、右手の『雷光穿槍』を構えた。

瞬間、ランスの穂先から電撃が迸るがアリシアも最低限の動きで避け、再度弾幕を張る。

 

 

世界を光が覆った。

 

 

セリスティアがリンドヴルムの神装、『支配者の神域』を発動した。

すぐにセリスティアがそこから消え、アリシアの背後でランスを構えていた。

必中ーーーと思われていたが、

 

 

 

「戦陣ーーーーー流転」

 

 

 

セリスティアのランスはドレイクの僅か横を通りすぎた。

 

「......ッ!?」

 

セリスティアが驚き一瞬止まった。

そこを狙い、『神速制御』で左手の機竜牙剣を振り下ろす。

それを『支配者の神域』で転移し、避ける。

 

再度上空で佇むセリスティアの顔は、しかし驚きに満ちていた。

 

そして、突撃。

だがその攻撃もアリシアの横を通り過ぎ、『神速制御』の反撃を受け流し、今一度上空へ飛んだ。

 

「どういうことですか.....。何故攻撃が.....」

 

呟くように言った。

 

「教官になるに当たって、世界中を回って技術を集めてたんだ。で、ブラックンド王国にいる時に、これを得た。学生にはまだ早いけどな」

 

アリシアは肩を竦めた。

 

だがセリスティアは直ぐに突撃してきた。

そして今度は、ランスを引き絞らず、連撃を仕掛けてきた。

アリシアは回避と戦陣・流転を使いながら、後退する。

剣でいなすと電撃により動けなくなるから、そうする他ない。

だが、このまま続けていてもジリ貧なのは事実。

そう思い剣を振り上げ、一歩前に出る。

そしてランスを戦陣・流転で弾く。

 

 

「戦陣ーーーーー劫火」

 

 

剣を振り下ろす。

『支配者の神域』の光は出ていない。

ランスも攻撃直後で、受けれない。

だが、セリスティアは冷静だった。

背面の推進装置を全力で動かし、ランスの後を追ったのだ。

瞬間、アリシアは空振りするが、セリスティアも上空に上がり、反撃して来ない。

 

 

 

「調律の応用.....ですか」

 

 

 

流石、学園最強。

数回の攻防でその真相がわかったようだ。

 

「各部の出力を落とし、腕の出力を瞬間的に上げた。同様に自動で発生する障壁を操作し、攻撃を弾いた......もし同じ汎用機竜だったら、私は負けていたのかもしれません」

 

ランスを構えるセリスティア。

 

「ですが、これは試合です。悪く思わないで下さい」

 

また光が覆った。

そしてセリスティアはダガーを投げる。

瞬間、セリスティアの姿が消え、背後から殺気。

右に避けながら見たのは、

 

セリスティアではなく、

 

光弾。

 

『星光爆破』の。

 

驚きにアリシアの動きが鈍る、

 

更に背後に殺気。

 

「チッ......‼」

 

アリシアは前回の戦闘で使った跳躍をする。

そして、一瞬前までアリシアのいたそこを、電撃が迸り抜けた。

だが、その場からセリスティアの姿がなくなる。

振り返ると、ランスを引き絞ったセリスティア。

戦陣・流転を使い、攻撃を避ける。

そして伸ばされた、ランスを握るリンドヴルムの右手に触れる。

 

「戦陣ーーーーー紫電」

 

リンドヴルムの動きが一瞬止まる。

すかさず『神速制御』を伸ばされた手に見舞う。

落とすことはできなかったが、装甲は大きく削れた。

攻撃後直ぐにアリシアのドレイクが軋み始める。

 

「『強制超過』、戦陣・劫火」

 

『強制超過』の発動寸前に戦陣・劫火で威力を上げる。

 

「くっ......‼」

 

セリスティアはランスを、振り下ろされるアリシアの剣目掛け振る。

 

刃が触れる寸前。

 

電撃が迸り、出力がダウンする。

それでも『雷光穿槍』に触れた瞬間、双方の剣が砕け散った。

 

だがもうセリスティアはそこにはいなかった。

視界の端にはダガーを振り出すセリスティアの姿。

 

「戦陣ーーーーー王土」

 

ダガーがドレイクの肩口に当たる寸前、アリシアのドレイクが弾けた。

さしものセリスティアも反応できず、被弾した。

 

 

「そこまで!」

 

ライグリィの声が響き渡る。

 

「時間切れだーーーーー、よって引き分けとする!」

 

ほとんど装甲の無くなったドレイクで着地し、アリシアは肩を上下させて息をする。

同時にセリスティアも着地し、機竜を解除した。

 

そして、歓声。

大半は一、二年のものだが、ところどころ三年のものもあった。

 

 

 

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼

 

 

 

「はぁーーーーーーーーーーーー..........」

 

 

自室のベットに体を沈め、息を吐く。

しんどかった。

侮っていた訳ではないが、ドレイクでも戦陣を使えば勝機があると思っていた。

だが、負けることはなかったものの、勝てなかった。

学園最強の名は、想像以上だったようだ。

 

コンコン

 

ノック音が聞こえる。

 

「あいてるよー」

 

起きるのも面倒でそのまま返事をすると、入ってきたのはアイリとノクトだった。

 

「だらしないですよ、アリシアさん。まだ試合をしている人もいるんですからね」

 

さっそく小言を言われてしまった。

 

「Yes,ですがあんな試合の後です。疲れるのも無理はありません」

 

ノクトがフォローしてくれる。

 

「それでも装衣ぐらいは着替えておくべきだと思います」

 

いつも装衣を着ているアリシアだが、流石に戦闘後は着替えている。

 

「No,そんな暇もなかったように思います。アイリは決着後すぐにこちらに来ましたから」

 

それで合点がいった。

着替えていないのではなく、着替えれなかったのだ。

アイリが来るのが早すぎて。

 

「で、でもベットに身を投げることはないでしょう」

 

少々頬を膨らませアイリが反論する。

 

「No,あの戦闘の後に普通にしろ、と言うのは無理な話です。それにアイリはこの状況を望んでいたのではなかったのですか?」

 

「なっ.....、そんなことはーーーーー」

 

面を食らったようにアイリが否定をしようとするも、

 

「聞こえていましたよ、汗だくのアリシアさんを私が拭いてあげたい、と言っていたのを」

 

「にゃっ.....」

 

アイリはよく分からない悲鳴を上げると、顔を真っ赤にさせ俯いてしまう。

 

「アイリ?」

 

アリシアも少し心配して声をかけると、ばっと顔を上げ口を開こうとした。

 

 

 

コンコン

 

 

 

同時に扉がノックされた。

 

「入っても大丈夫かしら?アリシア君」

 

クルルシファーの声。

唇を尖らせ、頬を膨らませているアイリの頭を軽く撫で、返事をする。

 

「どーぞー」

 

入ってきたのはやはりクルルシファーだった。

 

「流石は私の婚約者ね。ドレイクであのセリスティア・ラルグリスに引き分けるなんて」

 

「俺個人としては勝ちたかったけどな」

 

肩を竦めるも、比較的表情が顔に出にくいノクトとクルルシファーでさえ目を見開いて、驚いていた。

 

「汎用機竜で...しかも特装型で、神装機竜の...あのセリスティア先輩に勝てる見込みがあったの....?」

 

クルルシファーのその訪ね方には動揺を隠せない様子だ。

 

「『神速制御』や『強制超過』はいいとしても、戦陣は初めて見るはずだし、行けると思ったんだよ」

 

肩を竦めた。

 

「その気になってたんだけど、その戦陣って何なの?」

 

「Yes,それは私も気になりました」

 

「あー.....」

 

アリシアは困ったように考え込む。

 

「教えても、絶対に使わないって約束するなら、言う」

 

「いいわ、絶対に使わないことを約束する」

 

何か察したのだろう。流石クルルシファー。

 

「Yes,そういう事でしたら、私も約束しましょう」

 

二人とも頷くのを見て、アリシアは息を吐く。

 

「戦陣は調律の応用。流転は本来は自動で発生する障壁を手動で操作し、右から左、上から下、またその逆に動かすことで、相手の攻撃を受け流している」

 

驚きに声も出せないようだ。

 

「劫火は腕以外の出力を落として、攻撃力を上げる。王土は機竜解放に使うエネルギー量を増やして、爆発力を上げる。紫電はドレイクの他機竜調律の機能を使い、命令確認のため動作が一瞬停止する」

 

「どうやってそんなもの見つけたんですか....?」

 

機竜を纏えなくてもその恐ろしさはよく分かるのだろう。

 

「残念ながら俺が見つけたわけじゃない」

 

「じゃあルクスさんですか?」

 

以外そうに聞いたのはノクトだ。

だがアリシアは首を振った。

 

「ブラックンド王国のシングレンってやつ。その実力と底知れぬ野望には肝を冷やしたよ」

 

「その彼には勝てそうなの?」

 

クルルシファーの声に一同がこちらを見る。

 

「汎用機竜同士でも多分無理。神装機竜だと......」

 

少し考え込む。

 

「微妙だな。機竜の性能....て言うより、神装が強すぎる。出力で押す『ゼル・エル』だと相性が悪い、かな?」

 

「その神装とは...?」

 

全員、息を飲む。

 

「神装機竜リヴァイアサン。その能力は水の操作」

 

「み、水....?」

 

「それに加えて戦陣があるからなー...」

 

諦めたようなアリシアのその言い草にクルルシファーは勘づく。

 

「つまり勝てない、と?」

 

「認めたくないけど、8割方負けるかな」

 

「せ、世界は広いですね...」

 

その後話し合いは、アリシアの所用でお開きとなった。

 

 

 

 

▽△▽△▽△▽△▽△

 

 

 

 

四日目の全試合の終了後、工房にいるリーシャの元に来客があった。

 

「お前からとは珍しいな、何の用だ?アリシア」

 

そう、試合後より自室でアイリ達と別れた所用とはこのことだったのだ。

 

「ルクスが在学できるよう尽力している私めのお願いを聞いてはもらえないかと思いまして、こうして参った次第です」

 

にっこりと、にっこりと笑いアリシアがお願いを、あくまでもお願いをする。

 

「お前わざとやっているだろう....」

 

戦闘はしてないだろうが疲れた様子でリーシャが呆れる。

 

「そうですか.....リーシャ様の、リーシャ様のルクスのために尽力を尽くす私のお願いを聞いてはもらえないのですか....」

 

わざとリーシャ様の、を二回言って残念そうに項垂れる。

 

「そんなことは一度も言ってないだろう!」

 

あ、吠えた。

 

「あーもうわかったわかった!聞いてやるから言ってみろ!」

 

勝った。

アリシアの頼みたかったことには前提がある。

 

「その前に一つ聞きますが、リーシャ様の作ったキメラティクワイバーン、あれってワイバーンとワイアームを組み合わせているんですよね?」

 

「ああ、そうだな」

 

あまりない胸を張って頷く。

 

「じゃあーーーーーってできますか?」

 

アリシアの提案にリーシャは悩む。

 

「すまん、その前に一つ確認させてくれ」

 

掌をアリシアに向け、待ったをする。

 

「お前って機竜整備とかの知識とかあるか?」

 

「え?リーシャ様程ではないですが、人並み以上はあるはずですが」

 

一応答える。

 

「わかった。引き受けよう」

 

「流石リーシャさーーーーー」

 

「ただし!」

 

急な制止につんのめる。

 

「お前も手伝うと言う条件を入れよう」

 

「ルクスじゃなくて?」

 

ついぞ聞き返す。

 

「何だその言い方は!私がルクスじゃないといけないみたいな言い方しよって!ま、まぁルクスの方が嬉しいのだが....」

 

独り言モードにでも入りそうだ。

 

「あーコホン、確かにルクスの方がいいが、今回ばかりは知識を持っている者がいた方がやりやすそうだからな」

 

「なるほど」

 

確かに今回アリシアの頼んだことは難しそうだ。

 

「それで異論はないな?」

 

アリシアは大きく頷いた。

 

 




これからは特殊武装と技の名前には『』をつけようと思います。
それとこれからたまにアリシアの心情を入れていこうかと思います。
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