次は早めに出せるはずです。
追記:一応予告という形にしますが、リエス島編はユグドラシル討伐まで原作と同じ道筋にしたいと思っています。そのため、『騎士団』のリエス島での合宿からユグドラシル討伐までを省略しようと思っています。
もし書いて欲しい、等の要望がありましたらお知らせ下さい。
「ふぁー...」
激戦より2日後、ルクスとセリスの距離感が近いのか遠いのかあまりわからなかったアリシアだが、学園長に呼ばれ、学園長室へ欠伸を噛み締めながら向かっていた。
「もう...だらしないですよ、アリシアさん」
体が弱く文官志望のアイリだが、騒動の後もよく働いてくれていたはずだ。
その疲れを表に出さず生活してーーーいや、よく見れば少し足が重そうだ。
今度ちゃんと労ってやろう、
と思いながらアイリを見ていると...
「...何見てるんですか?」
ジト目で返された。
「いつもありがとね」
アイリの頭を撫でる。
「もぅ...」
こんな日がいつまでも続けばいい...きっと二人ともそう思っただろう。
そうこうしていると学園長室前についた。
「それではアリシアさん、私はノクトとポセイドンの撃破現場を見ていますので」
ポセイドンーーーそれは世界最強の幻神獣、終焉神獣のうちの一体。
先日何故か反乱軍と侵攻して来たが、ルクス、アリシア、そして帰って来た学園最強セリスティアによって撃破された。
現在行われているポセイドンの死骸の調査にアイリも手伝ってくれているらしい。
アイリも思うとこあってのことだろうが、アリシアとしては少し心配だ。
「何があるかわからないから、気を付けてね」
そう言って別れ、学園長室をノックする。
「どうぞ」
間延びしたような声の主は学園長のレリィ・アイングラムだ。
「アリシアです。話があると言われて来たんですが...」
そう言いながら入るとレリィは手に持つ書類を机に置いた。
「忙しい中ありがとね。急ぎって程でもないけどなるべく早いほうがいいかなーって思ったから呼ばせて貰ったわ」
そういいながらソファーを勧められたので遠慮なく座る。
「さっそくだけど、さっき女王陛下から書簡があってね、基本的には今回の対応についてだけど、追記としてあなたに伝言を頼まれたわ」
その手には封筒と見覚えのある王国の紋章。
レリィはそこから一枚の手紙を取り出した。
「ちょっと簡略させてもらうけど...、そろそろ期限の1ヶ月になるから一度王城に戻ってきて欲しいそうよ」
そう。もともとアリシアは王都の軍所属。
1ヶ月休暇として来ているからそれが終われば帰らなければならない。
「一週間後から騎士団の合宿が始まるわ。それに合わせて帰ってはどうかしら?」
騎士団によるリエス島での強化合宿。
軍教官として同行できれば...と思ってはいたが叶わなさそうだ。
「そうしてみます」
そう言ってアリシアは学園長室を後にした。
「ごめんなさいねアリシア君」
学園長は何も書かれていない紙の入った封筒を握りしめていた。
△▽△▽△▽△▽△▽
「はぁ...」
決して忘れていた訳ではなかった。
軍教官の日々も嫌いではなかったが、ここでの生活が楽しかったためか、少し名残惜しい。
永遠の別れという訳でもないが、アリシアの気持ちが晴れることもなく、後片付けに終われ一週間は一瞬にして過ぎて行った。
騎士団が合宿に向かう日の早朝。
アリシアは部屋に手紙を残し、学園の正門で馬車を待っていた。
この事はルクス以外には言っていない。
察しのいいクルルシファー辺りは気付いてそうなものだが、特に声をかけられた訳ではなかった。
自分で決めたことだが...
「寂しいなぁ...」
日は出てないが十分に明るくなっている空を見上げ一人呟く。
「言ってくれれば一晩くらい付き合ったのに」
声のした方へ振り返るとそこには、見る者を魅了する青い髪の持ち主ーーークルルシファーがいた。
「強がって誰にも言わずに行こうとするけど、実際一人になってみると寂しかった、ってところかしら?」
隣まで歩いてくる。
「はは...恐れ入りました」
クルルシファーは自分の着ていた外套をかけようとしてくれるもそれを手で制する。
「でもちょっと早くないかしら?」
言われて計算する。
こっちに来て、最初の3日で反乱軍の襲来、約一週間後バルゼリットとの決闘、一週間後ポセイドン襲来、そしてその一週間後、今に至る。
「と言ってもほんの数日だよ。気にするほどじゃない」
そう返すがクルルシファーの顔は少しづつ曇っていく。
「今週、あなたはもちろん学園長も様子がおかしかったのよ。合宿どうこうと言うよりも、別のことに気がとられてた...そんな感じだったわ」
言われて思い出そうとするけど、この一週間あまり学園長を見ていなかったからわからない。
そうしていると馬車が見えてきた。
「ありがとう、クルルシファー」
クルルシファーは笑ってくれた。
「留学生枠で校外対抗戦に出場できれば王都に行ける...すぐ会えるわ」
そう言って徐に唇をつける。
「はしたなかったかしら?」
アリシアも微笑み返す。
「いいえ....それじゃあ」
馬車に乗り込む。
クルルシファーは馬車が見えなくなるまで見送っていてくれた。
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
馬車に揺らされること1日。
王都に着く頃には空の色が変わり始めていた。
アリシアは軍の宿舎に部屋を持つが、部屋へ向かう途中にある演習場を訪れた。
そこには5人、各々が練習していた。
時間的には練習は終了、着替えたりする時間のはずだが、アリシアの離れる1ヶ月前もこの5人は残って練習していた。
そのうち2人はクーデター後からではあるが軍に入って来た女性だ。
見ていると2対3の模擬戦をするようだ。
1ヶ月前はやっていなかったはずだが、スムーズに戦闘を開始したところを見ると、多分何回もやっているのだろう。
だがアリシアも目の前で模擬戦をしているとうずうずするくらいにはまだ子供だった。
そしてーーー耐えきれなくなる。
無詠唱で『ワイバーン』を呼び出し、纏う。
そして直ぐ様3人チームの男の一人に飛びかかる。
驚いた様に振り返るがアリシアの振るう剣を危なげなく受け止める。
そしてーーー
「アリシア教官!?」
驚いたようにーーー実際に驚いていたのだろうーーー声を上げる。
アリシアはそれに笑い返し、剣を無理やり払う。
存外簡単に剣を払えたが、相手の男は機竜の左腕をこちらに向けーーー
「『機竜咆哮』!」
機竜操作の基本技能、『機竜咆哮』によって押し返してきた。
この辺の対応の速さは流石にお嬢様とは比べ物にならないな...
押し返された力に逆らわずそのまま上昇。
5人を視界に捉えられる高さまで上がる。
そしてーーー制止。
「悪いな、見てたら入りたくなった」
子供っぽい悪戯な笑みを浮かべる。
「いやそんなことより教官、いつ帰って来てたんですか?てゆか、ちゃんと陛下に報告したんですか?」
いちいち煩いやつだ。
「お前が気にすることじゃない」
アリシアは目を逸らす。
「報告してきて下さいよ...」
こいつもジト目を向けてくる。
「今帰ったばかりなんだよ...そう急かすな」
そう言ってアリシアは剣を構える。
「明日は報告のため来れないからな...今日やれるなら相手してしまおうと思ってな」
もちろんそれは建前だ。
そしてーーー、突撃。
部下達と剣を交える。
帰ってみればこれも悪くない、そう思って相手していた。
勝ったのはやはりアリシアの入ったチーム。
教官である以上、負けられないものだ。
残っていた5人は要らないと言ったのに、ナルフ宰相に作られたアリシアの部隊。
押し付けられたが、メンバーはアリシア自身が決めた。
決め手は実力よりも性格。
今後の新王国に合った性格を第一に選定した。
時折主張の違いにより衝突することもあるが、皆実力も付いてきて、この歳でここまで優秀な部下を持てるとは恵まれている、とアリシアはつくづく思う。
アリシアは一ヶ月ぶりに戻った自室で、僅かな懐かしさを感じながら深い眠りに落ちた。
察してる方も多いでしょうが、私は学生の身のため編集に時間があまり取れません。
ですが、少しづつ編集して行きますので、どうか気長にお待ち下さい。
いつも応援ありがとうございます。