ルクスがリーシャに連れられ、一人控え室に残されたアリシアであったが、その頃には昼食時になっていたため食堂に向かった。
食堂に着いた頃には昼としては少し遅い時間になっており、生徒はあまりいなかった。
だがあまり目立ちたくなかったアリシアにとっては幸運だった。
今までのご飯も生徒の大半が出払った後の遅い時間に食べており、今まではあまり人がいなかったが、今日は休日故か多からず生徒が見れた。
それぞれ同席者と話したりしてるらしく、アリシアが来たことに気付いてる生徒はいなかった。
「あっ........」
思わず声が出た。
アリシアがトレイに昼食を乗せ席を探している時だ。
懐かしい、本当に懐かしい人がいた。
アリシアからは笑みが漏れ、近づいて行くと、対面に座るおとなしそうな女生徒―――初日に助けた―――との会話が聞こえてきた。
「まったく......本当に兄さんには困ったものです。入団試験が終わって直ぐだと言うのに、もう次の依頼ですか。だいたい.......」
尚も不甲斐ない兄を嘆いてるようだ。絶えず出てくるその言葉には反面、愛も籠っていることだろう。
その事に苦笑いしながらも近づき、当人の―――――特徴的な白髪にルクスと同じ黒い首輪をしている少女の横に立った。
「アイリ」
その名を呼んだ。
「はい。なんで......しょ......う.....」
呼ばれ、振り向くとその顔は驚愕へと変わっていった。
「う...そ、アリシア...さん......?」
戸惑いの含むその声は、しかしとても美しかった。
「久しぶり、アイリ」
アイリの瞳はだんだんと涙ぐんでいった。そして一粒の滴を落とすと、
「もう......どこに...行ってたんですか......?」
堪えるようにそう言うアイリであったが、遂に堪えきれなくなったように、アリシアの胸に飛び込んできた。
そして声にならない声で静かに泣いていた。
△▽△▽△▽△▽△▽
アイリとはルクス同様、5年前別れたきりであった。
ひとしきり泣いたアイリは恥ずかしいのかさっきから隣で赤くなり、背中を丸めていた。
アイリの隣に座り、昼食を食べ終えたアリシアは隣のアイリを宥めながら、正面に座るおとなしそうな少女ーーーノクト・リーフレットと話をしていた。
「ところでアリシアさん、何故ワイバーンであそこまで戦えるのでしょうか?」
初日の戦闘のことを言っているのだろう。
「変な話ですが私にはあれがワイバーンには見えませんでした。なんと言うか......出力、でしょうか?汎用機竜のそれにはとても思えませんでした」
「ノクト、それは―――」
ノクトの疑問はもっともだ。それに対しアイリが止めようとするが、アリシアが右手でそれを止めた。
「いいよ。答えるよ」
「ですがあれは......」
その様子でノクトもなんとなく察したのだろう。
「Yes,安心してください、アイリ。従者の一族、リーフレット家の誇りと、我が主に誓って今からの話を内密にします」
それを聞いて渋々といった渋面でアイリは引き下がった。
それを見てアリシアは一つ頷くと話始めた。
「そのためにはまず、俺の持ってる神装機竜について話さないといけないかなー?」
無言を肯定と判断しアリシアは続ける。
「俺の神装機竜の名は『ゼル・エル』、その神装は『
「強化.....ですか」
「うん。全体的に能力の底上げを行うような感じね。でもその強化は数十倍にも及ぶ」
「す、数十倍......そんなもの使ったら機竜のエネルギーが一瞬にして消えるのでは...?」
「そう、『厄災』の最大の特徴にして欠点は『ゼル・エル』の装着中には発動できないことなんだ」
「神装機竜なのに神装が使えない.....と言うことですか?」
「厳密には違うんだけど....まぁ、そういうこと。だけど発動条件は別にあるんだ。それは『ゼル・エル』を装着してないときに、機攻殻剣を少しでも鞘から抜けばいい。それで発動できる」
「それでワイバーンに乗ってる時に神装を発動し強化した、と言うことですか。なるほど数十倍ともなればワイバーンは神装機竜をも上回りますか......。でもそれは流石に強すぎませんか?」
「効果時間は発動後、最大で約30秒間です」
アイリが補足する。
「更には生身でも使用可能。使えば汎用機竜の攻撃程度なら防げるよ」
アリシアもそれに続く。
「それは......流石に破格の性能......と言うわけでもありませんね。他にデメリット等があるのでしょうか?」
「ええ、
「それでも30秒ですか.....確かに機竜同士の戦闘に置いては少々長いかもしれませんが....」
「ええ、私もそう思って他に欠点等がないか調べてるんですが....」
アイリはそう言いながらアリシアをチラっと見るが、アリシアは肩を竦めるだけだ。
それを見たアイリはノクトの方を再度向くと、首を横に振った。
「実際にないのか、わかってないだけなのか、それともアリシアさんが黙ってるだけなのか分かりませんけど」
ジトーっと見てくるアイリに微笑み返すと、アイリは顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
そんなアイリの頭を撫でながら、ノクトへ向き直し、
「まぁ、この事は、ね」
「Yes,大丈夫です。もし漏洩があったとしたら、その時は私を煮るなり焼くなり好きにして構いません」
「流石にそこまでは...ね」
その言葉にアリシアは苦笑いを浮かべた。
この後も談笑を軽くしていたが、午後も1つだけ依頼があったためアリシアはアイリたちと別れた。
アリシア「激白!『製作秘話のコーナー』!」
アリシア「前回、今回初登場のはずのアイリが出てしまったので、今回はゲストなしで行こうと思います」
アリシア「最近編集作業を再開して気がついたんですけど、このコーナーの最初の括弧、二と三話の間で変わってるんですよね」
アリシア「と、前回オリジナルがーって言ってたと思うんですが、やっぱ止めるかもです。か、言ってたジャンルじゃなくなりそう?って感じです」
アリシア「そんじゃ、新作作ることになったらその時はよろしく!」