無敗の最弱とその影は   作:まぐなす

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最近ほんと、暑いですね...
頭回らないと誤字脱字が多くなりますのでご了承下さい。



9.戦闘開始

「こいつが―――――例の幻神獣か?」

 

幻神獣より200mlほど離れた大地と上空から、アリシアを含めた騎士団のメンバー十数人は、目標を確認する。

崩れたゼリーのようなコイツは知性をほぼ持たないスライム型と呼ばれ、弱点である核は分厚い粘液に囲まれている。

 

(さて....どうするかな?)

 

アリシアはいつもの癖で作戦を考えていたが、

 

「いきなり撃つ気ですか!?」

 

背後にいた騎士団のひとりが、怯えたようにそう叫ぶ。

見ればリーシャが機竜息砲を構え、エネルギーを充填させていく。

 

「やってみなくちゃ始まらないだろ。行くぞ!」

 

ドン!と音をたて着弾したが、粘液飛び散っただけであった。

本当にお転婆姫だなー、アリシアはそう思った。

その後リーシャは数秒かけて考え込んでいたが、ひとつ頷き、

 

「よし。核めがけて、主砲での一斉射撃だ。全員、200mlの距離を取って、エネルギーを充填しろ。秒読みは私がする」

 

皆も頷き、機竜息砲を構える。

アリシアもその作戦に意義がないため、指示通りエネルギー充填を開始する。

 

「秒読みを開始する。ゼロで斉射だ。5、4、3、2――――――」

 

 

 

 

 

 

―――――ィイイィィイイイイ!

 

そのときどこからか、耳障りな笛の音が聞こえた。

すると、幻神獣の体に異変が起きた。

幻神獣の体が、膨れ上がり、そして爆発した。

 

「障壁を最大展開しろ!機竜咆哮も使え!」

 

リーシャの声が聞こえたときには、目の前が一瞬にして白く染まった。

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

「ほう、随分と王女ヅラが板についてきたではないか、リーズシャルテよ」

 

飛びかけていた意識がその声で呼び戻された。

ひとつ周りを見回してみたら、騎士団は半壊していた。

 

「だがな。お前はそんな器ではない。そのような誇りなどないのだよ」

 

「貴様。何を言って―――ッ⁉」

 

再び聞こえたその声にリーシャが反応する。

すると上空より飛来した砲弾がリーシャへと肉薄する。

かろうじて直撃を回避したリーシャは、だが機竜ごと地面を横転した。

 

「うっ......く!一体、何の真似だ......⁉お前は確か王都から配備された、警備部隊の隊長では―――――⁉」

 

「それは間違いでございます」

 

上空を睨むリーシャに、嘲るようにそう言った。

 

「私がやって来たのは帝都からでございます、リーズシャルテ王女殿下。アーカディア帝国近衛騎士団長、ベルベット・バルトが、私の名です」

 

アリシアにそして恐らくリーシャにも戦慄が走った。

帝都から来た。つまり......反乱軍だ。

 

「新王国を裏切ったのか.....?」

 

「裏切ったなどと、人聞きの悪いことを。正道に立ち返ったのだよ。力を得てな!」

 

それを聞き動いたのは、リーシャでもベルベットでもなかった。

 

「真面目なやつだと思っていたが......面白い冗談を言えるではないか、ベルベット近衛騎士団長よ」

 

先程まで意識を朦朧とさせていたアリシアだった。

 

「なっ......⁉どうしてお前が......ッ⁉」

 

「おいおい、大物ぶってた仮面が剥がれてるぞ」

 

あまりの動揺に言葉使いが荒くなっていたが、それだけアリシアがここにいるのは計算外なのだろう。

そしてベルベットが更に何か言う前に告げる。

 

「ああ.....お前の部下だったな。先日、少々問題を起こしたやつがいてな。そいつの尻拭いに来てるんだよ」

 

それまで固まっていたベルベットであったが、ようやく再起動し、

 

「そ、それはそれは、ご迷惑をお掛けしました、アリシア教官殿。ですが、男なあなたが私を邪魔するわけないですよね?」

 

表面を取り繕ってはいるが、内心恐る恐るなのが丸分かりだ。

 

「期待には添えないな.....。コイツらのお守りも頼まれてるもんでね」

 

「それはとても残念でなりません。あなたの様な優秀な方なら是非、帝国にとお思いしていましたのに」

 

あくまでも残念そうにベルベットは言った。

 

「おいおい、勝てると思ってるのか?」

 

「も、もちろんですとも。勝算あっての実行ですから」

 

そうすると、ベルベットは中空へと降りてきて先ほど暴ぜた幻神獣の前で、小さな黄金の笛を手に取った。

 

「さあ、孵れ。卵よ」

 

そして、またも不協和音が鳴り響く。

直後。

ドロドロになっていた幻神獣の中から、100体近い幻神獣―――ガーゴイル型が出てきた。

 

 

 

 

「目覚めろ、開闢の祖。一個にて軍を為す神々の王竜よ。≪ティアマト≫!」

 

リーシャが素早く≪キメラティック・ワイバーン≫を解除し、初日に見た神装機竜―――――≪ティアマト≫を纏う。

そこへ―――――

 

「リーシャ様はベルベットの相手を。俺は幻神獣をやります」

 

アリシアは言う。リーシャはその真意を図ろうと―――もしくは本当に大丈夫なのか、考えている様子だった。

そして―――――

 

 

「よし、わかった。幻神獣の相手は任せた。」

 

リーシャは言った。

 

「そんな!流石のアリシア君でもそれは無理ですよ!」

 

騎士団の一人がそう叫ぶが、

 

「騎士団の皆さんには私の援護をお願いします」

 

アリシアはそうとだけ言って、飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『厄災』」

 

 

 

 

 




次回はとうとう二人の英雄の正体がーーー
って言わずともわかりますよねー

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