名前で呼ばれたい   作:カサG

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初めての地の文での投稿になります。
誤字脱字等があれば、報告していただけるとありがたいです。
キャラ崩壊には十分に気をつけますが、する可能性はあるので気をつけてください。



名前で呼ばれたい

「そろそろ名前で呼ばれてもいい頃だと思いませんか!」

「急にどうしたんだい?ありす?」

「橘です!!」

 

タブレットをソファーに置き、机を叩きながら叫んだ。

 

「名前なら、僕たちがいつも呼んでるじゃないか」

「違います!プロデューサーさんからですよ!!」

「・・・ああ、そういうことかい」

「そうですよ!!」

 

飛鳥さんはエクステを弄りながら答える。

 

「・・・・・・」

 

文香さんは本に夢中になっているので、話には入ってこない。

 

「ありすちゃんがどうしてそんなことを急に言い出したかは、分かるけど・・・多分無理よ?」

「橘です!!」

 

奏さんはアイドル雑誌をめくりながら、周子さんが事務所に持ってきていた八橋を食べていた。

同じく周子さんも。

 

「いつも「ありすでいいです」って言ってるもんね~ありすちゃんは」

「だから橘です!」

 

プロデューサーに呼ばれたいだけなのにこの人達は・・・

 

「確かにプロデューサーはどの娘に対してもさん付けですし、名前で呼ぶなんてことはしないですね・・・痛っ!」

 

楓さんは真昼間からお酒を冷蔵庫から出そうとしている。それを凛さんにチョップで止められる。

 

「昼間から何やってるんですか、楓さん・・・」

「酒は、避けられないんですよ・・・?」

「そこは我慢してください、じゃないとプロデューサーに言いますよ?」

「うぅ・・・それだけは勘弁してください~」

 

楓さんには前科があります。

仕事が終わり事務所で勝手に飲み会を開き、酔ってしまい、挙句の果てには未成年に酒を勧めるという行為がプロデューサーに伝わり

プロデューサーさんから「事務所でのお酒は、私が一緒にいる時だけにしてください!!」ときつく言われ、その保護者として凛さんが選ばれました。

ちなみに破ると事務所にお酒持ち込み禁止となります。

 

「プロデューサーも最近飲んでないと思いますから、また誘ってみましょうか・・・」

「私は行きませんよ?」

「えっ」

「えっ」

 

楓さんがすごく驚いたような顔をし、凛さんはなぜそんな反応なのか困る顔をした。

飛鳥さんや奏さんも話を聞いていたようで、頷いています。

 

「そ・れ・で!話を戻しますが、そろそろ名前で呼んでもいい頃だと思うんです!」

 

流れが飲み会の話になっています!

 

「・・・・ふぅ」

 

文香さんが本を読み終えまた次の本を読もうとします。

 

「特に!文香さんは名前で呼ばれないとおかしいと思うレベルです!!」

 

「・・・?」

 

ふいに文香さんに話を振るので、先程まで本を読んでいて話に入ってなかった文香さんは何のことか分からず

首を傾げています。あぁもう!可愛いですね!!

 

「そうですね。文香ちゃんはこの事務所でも一番最初にプロデューサーにスカウトされた娘ですから・・・距離感を感じます」

「そうなんです!かくいう私も「ありすでいいです」と何回も言っているのに「橘さん」なんですよ!なんでですか!?」

 

呼び方を変える気配ないですし・・・なんでなんでしょうか!!

文香さんも、本を読んでいてもプロデューサーからの呼びかけならかろうじて反応するようになったぐらいなのに!

あの文香さんが!事務所の窓ガラスが強風で急に割れても動じない文香さんが!!

きっと事務所が急に爆発しても気づかず本を読み続けるであろう文香さんが!!!

あの可愛い文香さんが!!!!名前で呼ばれないなんて・・・失礼です!

 

「私は・・・今のままでも構いませんが・・・」

「文香さんはもっとわがままになるべきです!一番プロデューサーさんと長くいるんですから!」

「はぁ・・・でも・・・その真面目さが、プロデューサーさんのいい所と思うのですが・・・」

「何事にも限界というものがあるんです!」

 

まったくもう・・・文香さんはプロデューサーさんとの壁に気が付いてないのでしょうか?

今度プロデューサーさんに会って文香さんに「鷺沢さん」って言ったら「文香さんです!」って言ってあげましょうか。

 

「ウチも文香ちゃんに賛成~。今のままでもいいと思うよ?」

「周子さんには聞いてません」

「えっ、今の話にウチ入ってなかったん?」

「聞いてもまともに答えてくれそうにないので」

「ひっど~い」

「日頃の行いね」

「奏ちゃんまで~」

 

周子さんはここぞという時にはまともで頼れるのですが、日頃の行いが少しあれなので頼りにはしてません。

 

「私には聞いてくれないの?」

「奏さんには・・・聞きますよ」

「あら?今の間はなんだったのかしら・・・」

「・・・・・」

 

なんでしょう、奏さんに聞くと私には分からないようなことがたくさん出てくる気がします・・・

 

「凛さんはどう思いますか?」

「私?・・・私はそのままでもいいと思うけど・・・」

「じゃあ、凛さんはプロデューサーさんに「凛さん」って呼ばれなくていいんですね?」

「えっ・・・」

 

私が?プロデューサーに?名前で?・・・・・

 

「・・・うん、悪くないかな//」

 

何故か顔を赤くする凛さん。一体何を考えていたんでしょうか?

 

「ふ~ん・・・」

「・・・・・」ジ~

「凛ちゃんってば何を考えていたんでしょうね~うふふ・・・」

「おなかすいた~ん」

 

あれ・・・周子さんはともかく奏さんに文香さん、それに楓さんまで・・・

なんか私の知らない所で何かが起こっているような気が・・・きっと気のせいですね、はい。

 

「キミも大変だね・・・」

 

(きっとありすには何が起こってるか分かってないだろうけど、キミは相変わらず罪作りな人だね。もしこれ以上増えたりしたらどうなるか・・・楽しみでもあるし、怖くもある。キミが見せてくれるセカイは楽しいことばかりだね)

 

「というか私思ったんだけどね?」

 

なんですか奏さん・・・そんなニヤついた顔をして・・・私なにかしたでしょうか?

 

「それっていつも「ありすでいいです」って言ってるから呼んで欲しいの?それともただ名前で呼んで欲しいの?」

「えっ、それは・・・も、もちろんいつも言ってるからですよ!」

 

そうです!いつも言ってるからです!決して・・・け、決して親しい意味での名前で呼んでほしいとは違うのです!多分・・・きっと・・・

 

「ま、どっちみち名前で呼んで欲しいことには変わりないんだね~」

「周子さんは直ぐに名前で呼んでくれそうですよね」

「ん~・・・ふぁ~」

 

伸びをしながら周子さんはあくびをしています。こっちは真剣に話しているのに!

 

「残念ながらウチも名前で呼ばれたことはないんだよね~」

「親しくなりやすそうなので、既に名前で呼ばれているのかと思いました」

「ないね~。「塩見さん」って呼ばれてるよ~ん」

 

あの周子さんですら呼ばれてないんですか・・・プロデューサーのガードは堅いですね。

 

「そういえば楓さんも長いですよね?」

「文香ちゃんの次ぐらいになるわね~」

「楓さんはどう思ってるんですか?」

 

大人な楓さんなのでまともな意見を持ってるかもしれません・・・お酒さえ入っていなければ美人さんなので。一番可愛いのは文香さんですけど。

 

「私もこのままでいいと思ってますよ?」

「それはなんでですか?」

「もしかしたら、なにかしら事情があるかもしれないし・・・」

「事情、ですか・・・」

「ええ、例えば上から命令があったとか。もしくはプロデューサー自身になにかあるのかもしれないし」

「なるほど・・・」

 

確かにプロデューサーさんになにか不都合があるなら仕方ないですね。流石楓さんです。お酒さえ入っていなければ大人ですね。

 

「だったらいっそ、皆でありすちゃんみたいにすればいいんじゃない?」

「橘です。どういうことですか奏さん?」

「そのままの意味よ。名前で呼んで欲しいことを口に出して言うのよ」

 

それはつまり・・・皆さんも私と同じように。例えば文香さんなら「文香です」と言うことでしょうか?

 

「それ面白いね!ウチもやってみよ~っと」

「少し・・・恥ずかしいですが・・・」

「じゃあ決まりね」

「え、ちょっと待ってください・・・」

 

ちょっと何急に決めてるんですか。しかも文香さんまで・・・

 

「確かにそれは面白そうだね。でもそれだけじゃ少しつまらないとは思わないかい?」

「どういう意味ですか飛鳥さん」

 

顔が完全に悪役のそれになってますよ、大丈夫ですか?というか何思いついたんですか・・・

 

「簡単な話しさ。ただ勝負をしてみるだけだよ」

「勝負?飛鳥ちゃんそれはどういうこと?」

 

勝負?名前で呼ばれたいだけなのになんで勝負なんかするんですか?奏さんも皆さんも分からないです。

 

「「名前で呼ばれる」その行為自体に親しみをもたせるなら逆に言えば「名前で呼んでもらえればそれは親しみの証」ということになるだろ?」

「まぁ、確かにそうですけど」

「だったら、一番最初に名前を呼ばれた人は「プロデューサーにとって一番のパートナー、もしくは担当」ということになるんだよ」

「!!」

 

なるほど、そういうことですか飛鳥さん。私は親しみなんて思ってませんが・・・勝負ということなら負けられませんね!

 

「いいじゃない、乗ったわ」

「楽しそうだからウチも参加する~」

「プロデューサーさんの・・・一番の・・・ですか・・・」

「いいですね~やりましょう~」

「楓さん酔ってませんよね?・・・私は参加するつもりだけど」

「わ・・・私だって負けません!!」

 

絶対に一番に名前で呼んでもらいます!!・・・あれ、なんでこんなことになったんでしょうか・・・?

 

「ボクは君たちを見ているだけにするよ。見ている分にはまだ「面白い」程度で済みそうだからね・・・」

「そ、そうなんですか?」

「ああ。何事にも「第三者」というポジションは重要になる、ということだよ」

 

飛鳥さんの言ってることは相変わらず難しくて分からないです・・・とりあえず負けられないです・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




話自体の話数は短くしたいと思ってます。
キャラ崩壊が危なくなってきた時にはまた報告していただけるとありがたいです。
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