地の文は難しいですね・・・
「はぁ・・・何も言わずに出てきてしましました・・・」
プロデューサーさんは心配していると思います。きっと今頃私を探しに出てきているんでしょう・・・
「あそこまでプロデューサーさんを追い詰めていたなんて思いもしませんでした・・・」
・・・子供ですね。やはり文香さん達みたいな大人になるには時間が足りないということなんでしょうか・・・結局自分のわがままを皆さんに押し付けてしまって、もしかしたら皆さんにも迷惑をかけていたのかもしれません。つくづく自分が嫌になります・・・
「・・・ずっとここにいても皆さんが心配しているでしょうから、戻りましょうか・・・」
うぅ・・・皆さんに合わせる顔がないです・・・
「お~い」
「あっ・・・」
プロデューサーさん、やっぱり探してくれていたんですね。
「はっ・・・はぁ・・・やっと見つけました・・・」
「大丈夫ですかプロデューサーさん・・・?」
「まぁ・・・疲れました・・・けど・・・見つかってよかった・・・」
「・・・ごめんなさい・・・」
「いや、謝らなくていいです、というか私に謝らせてください」
「え?」
元はといえば、私が勘違いさえしなければこんなことにはならなかったはずですからね。塩見さんには謝罪はいらないと言われましたが、これは私なりのけじめです。
「勘違いとはいえ、あんなことを言うものではないですね。申し訳ありませんでした」
「いえ、私こそ・・・私のわがままに皆さんが付き合ってくれて・・・」
「ええ、速水さんから聞きましたよ」
「・・・そうなんですか」
つまり勝負のこととか全部バレてるんですね・・・
「勝負と聞いて熱くなってしまいました・・・」
「・・・勝負・・・?」
「・・・え?」
え?奏さんから全部聞いたのではないんですか?・・・ん?今もしかて・・・自爆した・・・?
「勝負ってどういうことですか?」
「・・・奏さんからはなんて聞いたんですか?」
「名前で呼んで欲しいと言い出したのは橘さんからだったと」
「それだけですか?」
「・・・?それだけですよ?」
・・・自爆ですね。完全に。
「その話は後で聞きましょうか。とりあえず戻りませんか?」
「・・・嫌です」
「なんでですか・・・」
一人だと帰ろうとも思いましたが、プロデューサーさんに見つけられたので帰る気がなくなりました。
「せめて名前で呼んでくれるまで帰りません」
「うっ・・・そうきましたか」
「当たり前です」
正直に言って、名前で呼ぶのは構わないんですが・・・周りからの目が怖いんですよね。
それに親御さんから預かっているということで責任もありますし・・・
「・・・なんか責任とか考えてませんか・・・?」
「えっ!?・・・なんで・・・」
「なんかプロデューサーさんが考えてそうだな~って思ったからです」
どうして、たまに鋭くなるんですかね事務所のアイドルの皆さんは・・・
「名前を呼ぶだけなのになんで責任が付いてくるんですか?」
「いえ・・・ただ少し、恥ずかしいということもありまして・・・今まで女性の方を名前で呼んだことなど少ないので・・・」
「・・・恥ずかしいだけなんですか・・・?」
「ぶっちゃけると・・・そうなりますね・・・」
・・・なんででしょうか、プロデューサーさんのことが可愛く思えてきました。このことは後でしっかりと皆さんに伝えておきますからね。
それはもう、若干顔が赤かったりとか、目が泳いでいるところとかしっかりと。
「・・・いいですよ、まだ名前で呼ばなくても」
「・・・!本当ですか!」
「なんで嬉しそうにしてるんですか・・・」
「あ・・・い、いえ・・・」
皆さんには伝えることはしますが、実際見たのは私一人だけですね・・・なんか二人だけの秘密みたいでドキドキしますね・・・ふふっ
「ふふっ・・・」
「橘さん・・・?なんで笑ってるんですか?」
「いえ・・・恥ずかしがっているプロデューサーさんが可愛いと思ってしましました」
「・・・やはり恥ずかしいです・・・」
うぅ・・・橘さんになんか弱みみたいなものを握られてしましました・・・「名前で呼ぶ」ですか、考えてみたら今までそんなことは思ったことはなかったですね。もしかしたら、無意識のうちに私と皆さんとの間で壁が出来ていたのかもしれませんね。近すぎず、遠すぎずといったところですか・・・
「分かりました・・・」
「・・・なんですか?」
「名前で呼ぶことを努力したいと思います」
「名前で呼ぶことに努力する人なんて初めて見ましたよ・・・」
「・・・ごもっともですね・・・」
あ、やばいですね。あの時事務所から走り出した鷺沢さんの気持ちがようやく分かったような気がします。今すぐに走り出したい・・・!!
「では帰りましょう、プロデューサーさん」
「そ、そうですね。皆さんも心配されていることでしょうし」
「はい!・・・プロデューサーさん!!」
「なんでしょうか?」
「絶対名前で呼んでもらいますからね!!」
その時の橘さんの笑顔はとても眩しかったです・・・
・・・・・
「ただいま戻りました」
「お、帰ってきたね~」
「遅くなってすいません」
「ありすちゃんは?」
事務所のドアからこそっと橘さんが見ています。
「・・・戻りました・・・」
「なんでドアに隠れているのかしら?」
「橘さんが皆さんに言いたいことがあるらしいですよ」
「あら、なにかしら」
「・・・すいませんでした。皆さんにご迷惑をかけてしまったので・・・」
「ありすちゃん・・・」
お、怒られる覚悟ならできています・・・!
「別にいよ~」
「・・・え?」
「私たち別に怒ってるわけじゃないのよ?」
「・・・なんでですか・・・」
「多分ありすちゃんのことだから、「私たちを巻き込んだ」と考えているのでしょうけれど。そもそも本当に迷惑だったら断っていますよ?」
奏さん、楓さん・・・うぅ・・・
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
「お~よしよしありすちゃん~」
「たちばなですぅぅぅぅぅぅ!!」
「ありすちゃん・・・よかった・・・ですね」
これでなんとか一件落着しましたかね・・・しかし、休暇はもうとってしましました。どうしましょうか・・・
「で?」
「はい?」
「はい?じゃないわよ?名前で呼んであげたの?」
「い、いえ・・・」
「ふ~んじゃあまだ着いてないわね・・・」
「・・・何がですか?」
「ふふっ・・・ひ・み・つ♪」
相変わらず速水さんには振り回されますね・・・
「じゃあ誤解も解けてありすちゃんも素直になったので、打ち上げと称して飲み会に・・・」
「「「「「「なりませんよ」」」」」」
「そんな~・・・」
高垣さん・・・お酒はまた今度にしましょうか・・・
「それでプロデューサー、思ったんだけど休暇はどうするの?」
「そこなんですよね、勘違いでとっちゃったんで・・・本当は仕事を一から見直す予定だったわけなので・・・」
「・・・じゃあさ、どこか連れてってよ」
「・・・え?」
渋谷さんまたまた訳の分からないことをおっしゃいますね・・・からかわれているんでしょうか?
「いいですね~温泉♪行きましょう!!」
「まだ誰も温泉だなんて言ってないんですけど・・・」
しかし、迷惑をかけたことも事実。これは慰安旅行的なあれでよろしいのではないでしょうか。
「・・・分かりました。温泉宿をとりましょう」
「え、プロデューサー本当に言ってる?」
「ええ、ご迷惑を掛けたのでそのお返しにと・・・後皆さんにはお仕事でお世話にってるので日頃の感謝の気持ちです」
「やった~♪温泉・・・ふふふっ。温泉いいですね~」
高垣さんすごく上機嫌になりました・・・ただし絶対にお酒でハメを外すことだけは阻止してみせます、絶対に。
「本当に温泉になったのね」
「ウチも温泉は久しぶり~」
「温泉・・・ですか・・・肌を晒すのは・・・恥ずかしいのですが・・・」
「温泉ですか!?行きます!!」
「おっ、ありすちゃん復活?」
「橘です。あまり行ったことがないので楽しみです!!」
皆さん嬉しそうにしてますね。やはり、皆さんには笑顔が似合います。
「それとプロデューサーさん」
「なんですか橘さん?」
「ありす「が」いいです」
「・・・そうですね・・・」
皆さんを名前で呼ぶのには時間が掛かると思いますが、少しずつ慣れていきましょう。
一応「名前で呼ばれたい」の話はここで終わりです。
次からはおまけてきな感じになります。
読んでいただいた方、ありがとうございます。