名前で呼ばれたい   作:カサG

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番外編です。


名前で呼んでください!

本日は慰安旅行&プロデューサーさんからのお礼として温泉に来ました!すごく楽しみです!!

 

「うふふ~♪温泉!温泉ですよ!プロデューサー!!」

「分かってますから落ち着いてください、高垣さん」

「楓、ですよ?」

「うぅ・・・まだ勘弁してくださいよ・・・」

 

名前で呼ぶ努力をすると決心してからまだ一度も皆さんのことを名前で呼んでいないんですよね・・・やはり慣れが必要なのと最初に誰を呼ぶかでまたなんか起きそうな予感がします。ええ、あくまで予感ですよ、予感。

しかも起きて欲しくない方の予感ですよ、ええ。

 

「楓さん!私が一番最初に名前を呼ばれるんですよ?」

「あら?そんな約束何時したのかしら?」

「しました!ね!プロデューサーさん!!」

「えぇ・・・」

 

橘さん今私に降るのは完全に悪手だと気づいてくださいよ・・・

 

「いいえ、違うわね。プロデューサーさんが最初に名前で呼ぶのは私よ?」

「それも私は違うと思うな。ね?プロデューサー?」

 

速水さんや渋谷さんまで・・・

 

「いやいや~やっぱウチが最初でしょ~。プロデューサーさん?はい、周子ちゃん。復唱!!」

「いや、しませんよ・・・」

「ノリ悪い~ん」

 

いや、ノリが悪いと申されましても・・・ノリで言っていいことと、悪いことがありましてね・・・

 

「相変わらずキミは楽しそうだね。本当は皆にそんなこと言われて嬉しいんだろう?」

「助けてくださいよ二宮さん・・・」

「本当に助けてもいいのかい・・・?」

「どういうことですか?」

「キミを助ける、つまりはボクのことを「名前で呼ぶ」ということになるんだが・・・」

「・・・・・では・・・」

「「「「「!?!?」」」」」

「・・・いえ、なんでもないです・・・」

 

え、なんか二宮さんならいいかな?とか少し思いましたが・・・なにやら殺気やら嫉妬やらの視線が痛いような気がします・・・というか殺気ってなんですか殺気って。

 

「と、とりあえず早く受付を終わらせますよ!その後に自由時間にしますから!!」

「「「「「「は~い」」」」」」

「・・・・・」クイッ

 

ふぅ~。これでなんとかなりましたね・・・ん?

 

「あの・・・少し・・・よろしいですか?」

「なんでしょうか?鷺沢さん?」

「ふみ・・・いえ、そのお話がありますので後でお時間の程を・・・」

「構いませんよ」

「ありがとう・・・ございます・・・」

 

話・・・とはなんのことでしょうか?

 

・・・・・

 

「お~。部屋は思ってたより綺麗だね~」

「部屋からの景色もいいわね」

「いい景色でいいお酒が飲めますね~♪」

「またプロデューサーに止められないようにしてくださいよ?楓さん」

「分かってますよ~、うふふ♪」

 

皆さんも楽しんで頂けてるようですね。いい宿を予約できて運が良かったです。せめてこの旅行の間だけでも仕事のことは忘れて欲しいですね。

 

「ではプロデューサーさん!温泉街に行きましょう!!温泉まんじゅうとか食べてみたいです!!」

「お、ウチも食べた~い」

「周子ちゃんはまんじゅうなら食べ飽きてるんじゃないの?」

「のんのん♪こういうところで食べるのとはまた別だよ~ん」

「そういうものなのかしら」

「すいませんが、先約があるので・・・」

「え・・・」

「あら?」

「ほうほう?」

「・・・・・」クイクイッ

 

私は申し訳なさそうな顔をしながら、鷺沢さんに手を引かれてそのまま宿を出ました。

 

「・・・行くわよ」

「え!?奏さん!追っかけるんですか!?」

「こういう時はついていかないと大変なことが起こるかもしれないわよ?」

「そうそう♪特に文香ちゃんから誘うなんて珍しいしね~」

「でもそれは文香さんに失礼なのでは・・・」

 

そうです。プライベートに干渉は良くないです。特に二人になりたい時とかは・・・二人になりたい時・・・どういう時でしょうか?

 

「じゃあありすちゃんはお留守番ね」

「そ・・・それは」

「ウチ達だけで行ってくるわ~」

「あまり大人数で行くのは良くないからボクは大人しくしているとするよ」

「あら、つれないのね?」

「・・・まぁ、あと三人はついて行くだろうからね」

 

なるほど、そこでワクワクしてる楓さんと凛さんですね。・・・三人?

 

「ありす。君も行くだろう?」

「う・・・」

「・・・好きにするといいよ」

 

正直に言いましょうか。すごく気になります!!あの文香さんからお誘いがあるなんて絶対何かあるに決まってます!でも文香さんとプロデューサーさんの二人の邪魔をしてはいけないという私の良心が・・・

 

「・・・もしかしたら名前で呼び合ってる仲になって帰ってくるかもしれないわよ?」

「・・・行きます・・・」

「よろしい♪ありすちゃんは素直だね~」

「橘です!!」

 

あぁ・・・文香さん、プロデューサーさん・・・弱い私を許してください。皆さんを止められなかった私を許してください・・・

 

「ありす、懺悔してる間に偵察隊は先に行ってしまったようだが?」

「ああ!待ってくださいよ!!」

「さて・・・最後までばれずに行けるか。それとも一瞬でばれてしまうのか・・・一人だが賭けをするというのも悪くない」

 

・・・・・

 

「それで、鷺沢さん?お話とは?」

「あ、あの・・・この前の・・・お礼がしたくて・・・」

「お礼・・・ですか?」

「この前・・・プロデューサーさんから逃げてしまった時のことです・・・」

「あぁ。あの時ですか」

「その時、プロデューサーさんもトレーナーさんに怒られてしまったので・・・」

「そういえばそうでしたね・・・それのお礼ですか?」

「はい。一緒に怒られてしまったので・・・お礼、というよりお詫びですかね・・・」

 

そういうことですか。あの時のことを鷺沢さんはずっと考えていたのですね・・・

 

「別に構わないですよ?大体、あれは私の方にも責任があったのですから・・・」

「いいえ!私が落ち着かないんです!!」

「そ、そうですか・・・」

 

鷺沢さん、このように大きな声も出せたのですね・・・

 

「・・・分かりました。そのお詫びはありがたく受け取らせて頂きますね」

「はい・・・!それで今からあるお店に行くんですが・・・」

「お店ですか・・・」

 

あまり高価なモノは遠慮させて頂きたいのですが・・・

 

「ここです」

「ん・・・古本屋さんですか・・?」

「はい。実はここでですね、栞を作ることができるんです・・・」

「そういえば鷺沢さんは栞作りがご趣味でしたね」

「はい。しかし簡単なのしか作れませんが・・・ここだと本格的な栞も作れるので・・・」

「なるほど。分かりました」

 

栞ですか・・・本は軽く嗜む程度にしか読みませんが、せっかくなので作って頂きましょうか。

 

「では、お願いしても構いませんか?」

「・・・!はい!プロデューサーさんに喜んでもらえるように頑張りますね・・・!」

 

鷺沢さん、あんなに嬉しそうに・・・よほど気にしていらしたんですね。さて、私は待っている間に本でも探してみましょうか・・・

 

~偵察隊サイド~

 

「・・・古本屋ですね・・・」

「・・・感が外れたかしら?」

「そんなことないと思うけどな~」

「文香ちゃん嬉しそうでしたね」

(周りから変な視線で見られてる・・・)

 

ま、まぁそうですよね。文香さんですからね。本屋関係だということは見抜いていましたよ?もしくはプロデューサーさんにオススメの本を紹介するとかですね・・・しかし笑顔の文香さん可愛い・・・

 

「笑顔の文香さん可愛い・・・」

「心の声が漏れてるわよ?」

「はっ!今のは違いますよ!?」

「分かるけどね。文香、滅多に笑わないからギャップにやられるのよね・・・元々顔立ちは整っているんだけど、前髪で隠れちゃってるから。勿体無いわよね」

 

おっとここにも「文香さんスキー」がいましたか、奏さんとはこれから仲良く出来そうです。

 

「確かに文香ちゃん、顔綺麗だもんね~特に目とかすごく綺麗だと思うよ」

 

周子さんはたとえ「文香さんスキー」でも仲良くなれそうにないです。日常の振る舞いが・・・

 

「あれ・・・なんかありすちゃんにすごく失礼なことを考えられてる気がする~」

「・・・気のせいですよ。あと橘です」

 

目が綺麗といえば楓さんも綺麗ですよね。あのオッドアイ・・・なんか引き込まれるというかなんというか・・・

 

「そういえば楓さんも綺麗ですよね。目が」

「あら~凛ちゃん、私のこと見直してくれたの~?」

「それはないです」

「はっきり言うのね~」

 

きっと凛さんも心の中では、酒癖さえなければ・・・と思っているのでしょうね。

 

「うわ~ん周子ちゃん、凛ちゃんがいじめてきます~」

「お~楓さんよしよし~」

「いじめてませんよ!?」

 

・・・18歳に慰められる25歳とは・・・

 

~プロデューサー&文香サイド~

 

「・・・そろそろですかね?」

 

あれから1時間経ちました。やはり本というのは面白いですね。読めば読むほど引き込まれていきます・・・

 

「プロデューサーさん・・・!」

「鷺沢さん。終わったのですか?」

「はい・・・これ・・・どうぞ・・・」

 

渡されたのは四葉のクローバーが入れられた可愛らしいものでした。

 

「あ、あの・・・本当は最初は凝ったものを作ろうとしたのですが・・・考えれば考えるほど分からなくなってしまいまして・・・」

 

なるほど。確かに他の人にプレゼントを手作りで渡すときは何を作ろうか考えて、考えて、だんだん本筋からずれていくんですよね・・・

 

「そうしたら、店員の方から・・・「簡単の物でもそこに愛情があればそれでいいと思いますよ」・・・と。アドバイスを頂きまして・・・」

「愛情・・・ですか・・・」

「あっ・・・。そ、そういう意味ではなくてですね・・・!!」

「分かっていますよ」

「あぅ・・・」

 

鷺沢さん、顔を栞で隠してますが顔が赤いのは見なくても分かりますよ・・・

 

(分かっている・・と言われましたが・・・それはそれで、少し・・・寂しいです・・・)

 

「ありがとうございます、鷺沢さん。大事に使わせて頂きますね」

「・・・はい!」

 

これでなんとかお詫びは・・・できましたか・・・?・・・まだ足りない気もしますが・・・これ以上やると、プロデューサーさんが、遠慮して・・・しまいますので・・・それに・・・誰かの為を思って作るのは初めてでした・・・

 

「せっかくですので鷺沢さん、温泉街一緒に歩きませんか?」

「い、いいのですか・・・?」

「はい」

「で・・・では、お言葉に甘えて・・・」

 

・・・やりました・・・!流れですがプロデューサーさんと二人で散歩することに・・・!なら・・・ならあのお願いも・・・

 

「あの・・・」

「どうかしましたか?」

「今・・・だけ、でもいいので・・・な・・名前で・・・呼んでもらっても・・・」

「そ・・・それは・・・」

「今なら・・・皆さんもいないので・・・練習しやすいかと・・・」

「なるほど、確かにそうですね・・・」

 

確かに今なら皆さんもいませんし、恥ずかしくなってしまった顔を見られることもないのですが・・・いやしかし・・・

 

「ダメ・・・でしょうか?」

「・・・分かりました・・・」

 

するとプロデューサーさんは真剣な顔で私の前に立ちました・・・そして

 

「い・・・いきますよ・・・」

「は・・・はい!」

「ふ・・・ふみ・・・」

 

「プロデューサーさん!!」

 

~偵察隊サイド~

 

「ふぁ~・・・ウチもう疲れた~ん」

「まだ30分しか経ってないわよ?」

「本は嫌いじゃないけど、ずっと読んでると疲れる~」

「まったく・・・」

 

古本屋の中で私達はプロデューサーからは見えないように本を読んでいました。

 

「ほうほう・・・こんなお酒の種類が・・・」

「何見てるんですか・・・?」

「見て見て凛ちゃん、このお酒とか美味しそうじゃないですか?」

「だから未成年にお酒を勧めないでくださいってば・・・」

 

私はというと・・・

 

「ありすちゃん・・・気になるのは分かるけど、少し落ち着いたら・・・?」

「橘です。落ち着いてますよ」

「じゃあさっきから何で椅子に座らず同じところを往復してるの?」

「これはそういう遊びなんです」

「そ・・・そうなの」

 

何でしょう、気になって気になって仕方がありません・・・!!多分まだ文香さんは栞を作っている所でしょうけど・・・

 

「そんなに気になるなら突撃すれば~?」

「周子さん!それは流石にダメですよ!あの文香さんがプロデューサーさんと二人になりたいのにはきちんと理由というものが・・・」

「でも気になるんでしょ~?」

「それは・・・」

 

この間から何故かプロデューサーさんのことを意識していますのは何故なんでしょう・・・

 

「あっ、文香ちゃん戻ってきてるよ?」

「!!」

「反応早いわね・・・」

 

・・・何話しているんでしょうか・・・

 

 

「あれ?なんかプロデューサー真剣な顔になってない?」

「えっ・・・」

「お~?これまじでやっちゃうやつ?」

「・・・やるって何やるんですか・・・」

「さぁ~?」

 

少し近づいてみましょう・・・

 

「温泉街一緒に~・・・」

「・・・はい!!」

 

・・・何かすごく楽しそうな会話してますね。仲がいい事は良きかなですね。

 

 

「あの・・・名前で・・・」

 

!?名前で・・・!?

 

「あら・・・?名前でってことは・・・」

「おぉ~?文香ちゃんやるね~」

 

っっっ!!

 

「ふ・・・ふみ・・・」

 

「お!まじでか!!」

「最初は文香になるわね」

「あれ?ありすちゃんは?」

「え?そこに・・・ってあれ?」

 

「プロデューサーさん!!」

 

・・・・・

 

「びっくりした・・・橘さん、奇遇ですね。こんな所で会うなんて、橘さんも栞を作りに来たんですか?」

「・・・そ、そうですよ!!作りに来たんです!!!」

「あれ・・・?橘さん。もしかして怒ってますか?」

「いいえ!!!全然!!まったく!!怒って!!ないです!!!」

「ありすちゃん・・・」

 

あれ・・・おかしいですね。文香さんの方が長くプロデューサーさんといるのに・・・最初に名前で呼んでもらうのは文香さんが普通なのに・・・なのに、何故かプロデューサーさんに名前で呼んでもらう瞬間を見てしまうと足が勝手に動いてました・・・

 

「えっと・・・その・・・よければなんですけど・・・」

「・・・なんですか?」

「これからふみ・・・鷺沢さんと一緒に温泉街に行こうって話をしてたんですけど、ご一緒にどうですか?」

「えっ・・・」

「・・・私は・・・構いませんよ・・・」

「でも・・・文香さん・・・」

「いいんですよ。ありすちゃんとなら楽しくなりそうですから・・・」

 

はぁ~文香さん相変わらず天使ですか天使。

 

「・・・えいっ」

「痛!・・・鷺沢さん?なんで足を蹴って・・・」

「・・・知りません・・・!」

 

あ、文香さん不貞腐れてる。可愛い。

 

「ふふっ・・・いいですよ」

「そうですか、良かった・・・」

「・・・良かったですね・・・プロデューサーさん・・・」

「え、ええ・・・そうですね・・・」

 

あれ~?橘さんの機嫌が直ったと思ったら今度は鷺沢さんの機嫌が・・・あれ・・?でもこの三人でどこかに行くのは久しぶりですね。楽しみましょうか。

 

~偵察隊サイド~

 

(不貞腐れてる文香可愛い)

(文香ちゃん可愛い~♪)

(お酒飲みたい・・・)

「楓さん絶対お酒のことを考えてるでしょ・・・」

 

~二宮飛鳥サイド~

 

(ふむ・・・本当にこの宿は景色がいいな。どこから見ても飽きないね・・・キミもこの宿を取るために頑張ったんだね。今が一番頑張りどころかは知らないが・・・帰って来たとき楽しみだね。しかし、暇だね・・・ボクもついて行けば良かったかな・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おまけが・・・一番長くなってしまった・・・
しかもあまりに長いので二部に分けます。
一体何故こんなことに・・・
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