私たちはテルンが目覚めの人を感じたという大樹へと辿り着いた。
ロ「はぁ、はぁ……よし、樹の麓まで来たぞ!……で、どこにいるんだ、テルン?誰もいないぞ?」
テル「あの……ええと……上から気配がするです」
「上……?まさか、樹の上ですの?」
ロ「よーし、そういうことなら、みんな、登ろうぜ!俺、先行くからな!」
ア「いいな、こういうの。なんか懐かしい感じがするような」
ガ「そうだな。……おっと、大丈夫か?フレン。鎧着たままじゃ木登りは辛いだろ」
フ「だからって脱ぐわけにも行かないからね、善処するよ」
ガ「君たちは平気かい?結構高いところまで登ることになりそうだけど」
ルビ「はい!大丈夫です!……頑張ろうね、ナタリア、星菜!」
ナ「あら。置いて行きますわよ、ルビア」
ルビ「も、もう登ってるの!?ちょ、ちょっと待って~!」
ロ「よ……っと!……おおっ!高いな~!ここがてっぺんか?」
ア「ふぅ、風が気持ちいいな」
『はぁ……はぁ……』
ア「大丈夫か?星菜」
『……な、なんとか…はぁ……』
フ「見てくれ、2人、人がいる」
フレンが指す方向を見てみると金髪の女の子と黒髪の男の子がいた。
ロ「うおっ!あいつらの回り、ヴールだらけだな」
ア「これでは2人とも既にヴールの影響を受けているかもしれない」
ガ「なぁ。様子がおかしくないか?」
ルビ「……うん、会話……してるみたい」
フ「……様子を見てみよう」
私たちは2人の様子を見ることにした。
?「……それでね、私、たくさんの人が望んでるからがんばらなきゃ、って思ったの」
?「……うん。」
?「みんながうれしいのが、うれしいの。だからね、失敗したらいけないの。何かは思い出せないけど、きっと、すごく大切なことなんだ」
?「……そっか。君は……すごいね」
ア「あの人たち、無事なんじゃないか?」
テル「あれだけのヴールに囲まれて、影響を受けてないなんて……」
ロ「……。」
ガ「どうかしたのか、ロイド」
ロ「……あ、いや、何でもないんだ。声、かけてみようぜ」
フ「!不用意だ、ロイド!」
ロ「2人とも!そこは危険だ!こっちに……」
?「……!?あ……いや……いやだよ……!……来ないで!!」
ロ「なっ!!」
フ「駄目だ、下がるんだ、ロイド!」
テル「あ、あ……やっぱり……やっぱりこの人たちも、ヴールに……」
ナ「普通に会話をしていたようですけれど、やはり、最初からヴールの影響を受けていたのですわね……」
ガ「妙だな。全く負の感情が出ているようには見えなかった」
ア「今までに見てきたヴールの影響をを受けた人とは違う、ということか」
?「……コレット、急にどうしたの?」
コ「だめなの!私、ここで死んじゃったら、だめなの!殺されたら、だめなの!……最後まで、がんばらないといけないの!」
?「え……?あの人が、君を殺しに来た……ってこと?」
コ「……」
?「そんな……………て」
コ「え?」
?「逃げて!!」
コ「………どして?危ないよ。ジュードも、逃げないと」
ジュ「………うん。そうかもしれない。でも、ここは僕に任せて」
コ「でも!」
ジュ「………ごめんね。放っておけないんだ。ここで君を逃がさないと、後悔するような気がする。君にはなすべき事がある。でも……僕には君みたいに、そういうものがないみたいなんだ。だから君は逃げて。君がしなきゃいけないことのために」
コ「だめだよ!みんなが、みんながうれしくならないと……わたし……私も戦うよジュード」
ジュ「コレット」
コ「だいじょぶ、私も戦えるから。………ジュード、ありがと」
ジュ「わかった。無理しないで。苦しかったら、逃げて。」
コ「……うん」
ジュ「……出てこいっ!コレットを、君たちには殺させない!」
ア「……彼女から見て、俺達は暗殺者扱いか」
ナ「あのコレットという女性、命を狙われ続けたのでしょうか……痛ましいですわ……」
フ「そうだね。彼女もそうだけど、ヴールの影響を受けてもなお、他人を優先するジュードという人も、僕はすごいと思うよ」
テル「ヴールはあの人たちと同調しているのかもしれないです……!」
ロ「……くそっ!」
ガ「最初から彼らはヴールの影響を受けていたんだ、ロイド。せめて早く元に戻してあげよう」
コ「来ないで!ここで私が死んじゃったら……みんなが……みんなが……!」
ロ「何でおまえは1人で無理するんだよ!どうしておまえは誰かに頼ろうとしないんだ!……あれ?おかしいな。会ったこと、ないハズなのに……」
『きっと目覚めの世界での知り合いだからだよ、ロイド。』
ロ「そっか……そうかも。星菜、頼めるか?」
『わかった。』
色は匂へど いつか散りぬるを~♪
短き記憶に 零れる想い
枯れゆく命よ 儚く強くあれ~♪
無慈悲で優しい 時のように~♪
コ「……う」
ジュ「……ぅぅ」
『テルン、お願い。』
テル「は、はいです!」
コ「………ん……あれ?」
ロ「……大丈夫か?痛いところはないか?」
コ「えっと、だいじょぶみたい。ジュードは?」
ジュ「僕も平気。あの、僕たち、ここで何をしてたんですか?」
フ「覚えてないのかい?」
コ「うんと、いつの間にかここにいたの。でね、気がついたら隣にジュードがいて、ここどこだろうってお話ししてて、しばらくしたらまわりに魔物がたくさん出てきて……」
ジュ「うん、そこからの記憶が……ってあれ?……もっと前のこと、思い出せないみたい」
コ「あれ?ホントだ~」
ジ「あなたたちのんびり屋さんなのね。もっと驚くかと思ったのだけれど」
コ「そ、そかな?私、ヘンかな?」
ジ「いいえ?とても可愛らしくて、素敵よ」
ロ「じゃ、ルフレスの街に戻ろうぜ!ジュード、コレット!お前らも麓まで競争だからな!」
2人を連れてルフレスの街まで戻った。
コ「星菜ってお歌上手だね。声もきれいだし」
『そ、そんなことないよ!歌うのは好きなだけだし、でも、歌うとヴールが浄化できるみたい』
コ「それでも、すごいと思うな。私もお歌、歌うね」
『うん、コレットは空を飛ぶこと出来るし、私よりすごいよ!』
コ「そかな?ありがとう」
『どういたしまして』
コ「きゃっ!」
『コレット!大丈夫?』
コレットと話していると、すごい音をたててコレットが転んでしまった。
音にビックリしてロイドたちが駆けつけてきた。
ナ「ルフレスのみなさんは避難してください!テルン、誘導を!」
テル「は、はい!」
ロ「ヴールはどこだ!」
コ「あれ?ロイドだー!」
ロ「……へ?星菜とコレット?お前ら、何してるんだよ!2人だけでヴールと戦ってたのか!?危ないだろ!」
コ「え?ヴール?いないよ?」
ガ「え?すごい音がしたじゃないか。まさか君が?」
コ「あ、うん。えへへ、やっちゃった……ね?」
『あぁ……それね……うん』
ナ「や、やっちゃった……って倒したというのですか!?」
コ「うん、倒しちゃった。」
テル「わわ、ヴールの姿がないです。ボク以外のルフレスで浄化ができる仔がいたなんて……」
コ「?じょうか?」
ガ「強いんだな、君」
『あはは……』
コ「そかな?強いのかな?」
ロ「あぁ、すごいよ、おまえ。強いんだなー。ヴール倒しちまうなんて」
『え、違うよ?倒したのはこの壁だよ、ね?』
コ「うん。そだよ」
ガ「へ?」
ロ「壁?」
コ「うん、壁。………あのね、あっちもなの。あと、向こうも」
ナ「………荒れ果ててますわね。家の壁だけがただひたすらに」
コ「あのね、星菜とルフレスのみんなとお話ししながら歩いてたんだけど、話してる途中で転んじゃって」
ガ「転んで壁を壊したのか!?あ、ある意味すごいな……」
ナ「……壊した、というよりは、型抜きのようですわね」
ロ「カタヌキ?どういうことだ?」
ナ「壁をよくご覧になって。穴が開いてますでしょう?この穴の形が……」
ロ「………コレットだな」
コ「お話ししてたルフレスのみんな、どこかに行っちゃった。」
ロ「コレット。おまえ、これ以上壁に穴開けるな。俺たちと一緒に来い」
コ「うん!よろしくね!」
ガ「あ、そうそう…ジュードも行くことになった。仲間が倍だな」
『そうだね、どんどん増えてるね!』
コレットとジュードが仲間になった。