ロ「………?なんか首のところ、ぞわぞわしないか?」
ヴ「風邪か?」
ノ「え~?夢の世界で?ロイどん、虫でも入ったんじゃないの~?」
フ「でも、何だろう。ルフレスのみんなもなんだか落ち着きない、というか……。」
ルビ「そういえばテルンもさっき、ずいぶん慌てた様子でどこかに飛んでっちゃったよね。どうしたのかしら?」
ルー「……お、あれ、戻ってきたんじゃねぇか?」
テル「み、み、みなさん、大変です!ヴールの気が、負の想いが、ぐるぐる渦巻いてるです!」
ソ「ぐるぐる渦巻く………?」
ア「竜巻のことを言ってるのか?」
ナ「負の竜巻……。レーヴァリアならではの自然災害……いわば天災ですわね。」
ルー「天才?」
ナ「……天災ですわ。」
ガ「竜巻なら、自然に収まるんじゃないか?」
テル「それが、どんどん膨れ上がってるです。このまま放っておくと、大変なことになるかも……。」
ジ「ヴールの領域の、もっとすごいもの、みたいなものかしら。」
『放っておけないね、行ける?テルン』
テル「はい……少し、怖いですけど……行きます。」
私たちはテルンの感じた、負の竜巻が蠢く洞窟へとやって来た。
ルビ「きゃっ!?す、すごい風……。って、う、うわぁ……何よ、これ……。」
ア「ここなのか?竜巻というからてっきり、外だと思っていたのに、まさか洞窟の中とは……。」
ヴ「あの渦巻いているのがそうか」
ジ「想像以上ね。ヴールもあれに引き寄せられてるのか、集まりだしたわね。」
ノ「うわっぷ!うう~。もう何か、かんっぜんにヤバそ~……。」
ガ「竜巻というより、負のか塊って感じだな。………さて、どうする?」
ルー「要するにあの塊をぶっ潰せばいいんだろ?」
フ「原因もわからないのに飛び込むのは危険だ」
ルー「じゃあ、放っておけっつーのかよ!」
フ「そうは言っていない!」
ソ「………けんか、だめ。」
『そ、そうだよ、今争ってる場合じゃ………それとも、永遠に眠らせてあげようか?』
ルー・フ「ひっ!!?」
ルビ「こうやって話してる間にも大きくなってない?」
ジ「………そのようね。せめて巨大化の原因がわかるといいのだけれど」
ロ「おい、あれ!渦巻いてる塊のとこ!人がいるぞ!………女の人か?!」
ノ「あ~、ホントだ~。つ~かあんな近くじゃ、またヴールにやられちゃってるよね……」
フ「早く助け………ん?あの負の塊の中心、少し光っているようにも見えないか?」
『………行ってみよう!』
?「クレスッ!お願い、手を伸ばして!!このままじゃ、キミが渦に取り込まれちゃうッ!」
ク「………コハク、逃げてくれ……」
コハ「いやだよ………!はやく………ッ!!」
ガ「こりゃ、ただ事じゃないな」
ナ「白い服の女性がコハクと呼ばれていましたわね。塊の中に、クレスという名の方がいますの?」
ルビ「ねぇ、危ないわ、コハク!あなたもこっちに!」
コハ「……!誰…?………だめ、………それ以上、来ちゃダメッ!」
ルビ「きゃあ!!」
ルー「ルビア!………な、何だコイツ!?」
ナ「すごい力ですわ。この負の渦の影響なんですの!?」
ロ「おい、コハク………だったか?何でだよ!助けるなら人は多い方がいいだろ!?」
コハ「ダメッ!この人は私が助ける!わたしは………もう、逃げないから!………ぜったい、私が助ける!」
ヴ「単独で助け出すことに固執しているように見えるな……」
ジ「ヴールの影響、かしらね」
ア「………彼女、ヴールの影響を受けているな。ということはクレスという人も既に……」
コハ「わたしは助けられてばかりだった!いっぱい戦って、傷ついて……。覚えてないけど、誰かが私のために……。その人をわたしは傷つけちゃったの!だから、今度こそキミは私が助ける!」
ク「うわあああああああああああああっ!!」
ノ「ねぇテルぽん、なんとかならないの?」
テル「あれは、悪夢?」
ガ「悪夢?」
テル「レーヴァリアは夢でできてるです。幸せな夢も、楽しい夢も、苦しい夢も、怖い夢も、全部ここにあるです。……この塊は、苦しいとか、悲しいとか、怖いとか、痛いとか……。そういうものだけでできてるみたいです。」
ロ「何でそんなもんだけが集まっちまったんだよ!?」
ノ「ひっ、光った!」
ルー「何してんだよ、お前!まさかこんな時に宝探しじゃ……」
ノ「違うよ!負の塊………悪夢の塊だっけ?その真ん中で光ったんだって!よく見て!」
『本当だ………あの剣から光ってない?』
ジ「剣が光ると、あの塊も同時に大きくなっていくみたいね。」
テル「い、一瞬あの人の周りの空間が歪んだ感じがしたです。ひょっとして、あ、あの人の剣が………?」
フ「レーヴァリアに干渉し、悪夢を集めているのか…?」
ク「………突然、家族を連れ去られた。………望まずして、友と戦う運命となってしまった。……大切な友人が、人らしさを次第に失っていく………ただひととき離れていた間に、村ひとつ……すべての人が……死ぬ…もうたくさんだ!やめろっ!!やめろおおおおっ!!」
コハ「きゃあああーー!!」
『コハク!…ひっ、引き寄せられる!』
ア「………戦おう。彼を抑えられれば、この悪夢の渦も止まるかもしれない。」
ガ「悪夢を呼び寄せた剣か。ゾッとしないな。みんな、用心しろよ」
ロ「よし、行くぞ!」
ルビ「コハク!大丈夫!?」
コハ「………誰も、信じてくれない。彼女は本当にいるのに……!誰も…誰も、信じてくれない!」
『コハク、落ち着いて!』
エス「とにかく、あの人を落ち着かせましょう!……フォトン!」
シェ「サンダーボルト!」
ロ「こがはざん!」
ク「……くっ!」
シ「今だわ!歌って!」
『うん!』
色は匂へど いつか散りぬるを~♪
さ迷うことさえ 許せなかった…
咲き誇る花はいつか~♪
教えてくれた 生きるだけでは罪と
離れられない 離せはしないと
抱く思いは 心を躍らせるばかり~♪
色は匂へど いつか散りぬるを~♪
さ迷う暇はない けれど後ずさり
甘えるか弱さと 甘えられぬ弱さで
悪夢が優しく 私を弄ぶ~♪
ク「………ぅぅ」
コハ「………ぅ……ん…」
ナ「やりましたわ!」
フ「剣の輝きも、収まったようだね……」
ルー「……聞いてねぇぞ……!こいつら……強すぎんだろ………っ!」
ノ「正直、もうダメかと思った~。あたしは、へっとへと~…」
ジ「ふふ、楽しかったわ。………確かに少し、疲れたけれど、ね」
ナ「浄化が済んだら、すぐ治療しましょう。ルビア、コハクをお願いしますわね。」
ルビ「う、うん。テルン、2人の浄化をお願い。」
テル「は、はいです……。」
ク「………う、ん」
『良かった。気がついた………クレス、気分はどう?どこか痛いとこ、ない?』
ク「君は………なぜ、僕の、名前を……」
コハ「………ぅぅ……?」
ルビ「コハクも気がついたみたいよ」
コハ「あれ、ここは……?私、何をしてたの?」
『……何も、覚えてないみたいだね』
ルー「おい!こいつら弱ってんだろ?話なんか後にして、とっととルフレスの街に帰ろうぜ」
ノ「おおっ、ルーくんがマトモなこと言った~!」
ルー「う、うっせーな」
ガ「ノーマ、茶化すなって。………お前の言う通りだよ、ルーク」
ルビ「……でも、くたくた」
ソ「………で、動けない人は、誰が運ぶの?」
ルー「あー、そういうの、パス。」
ノ「あ~、そう言うと思った。」
ルー「んだよ、お前がおぶればいいだろ」
ノ「ルーくんの鬼!乙女に肉体労働させる気!」
ルー「あ?どこにオトメがいんだよ」
ノ「ひどっ!星りんの時は運んでたじゃんか~!横抱きで」
『……!!』
ルー「んな!?そ、そんなこと、い、今は関係ねぇだろ!」
ノ「お~、ルーくんが照れてる~!」
ソ「みんなで行こ?」
ルー・ノ「へーい。」
「小さい子に言われるとは、ルークもノーマも、形無しだな」
私たちは、2人を連れてルフレスの街へと戻ってきた。
クレスとコハクにここでのことを説明した。
ク「レーヴァリア、ルフレス、ヴール、夢見る目覚めの人……」
コハ「……私たち、みんなに迷惑をかけちゃったんだね」
ア「君たちだけがそうじゃない。ここにいるみんなも何人か経験している。」
ジ「そう、今回がちょっと、特別だっただけ」
『何か、覚えてること………ある?』
ク「……いや、もう忘れてしまったよ」
コ「私も、助けてもらうまでのことは、あんまり覚えてないなぁ」
ノ「ああああああーーっ!!」
ガ「!!!どっ、どうしたんだ、ノーマ?」
ノ「スッゴい大事なこと忘れてた!クレすん!剣貸して、剣!」
『………ノーマ、悪いけど…すごく、どうでもいいよ』
ロ「クレすんって……クレスのことか」
ノ「そ~!クレすんの剣!ソフィたん、星りん、覚えてるでしょ?剣が光ったこと」
ソ「うん、覚えてる。光ってた。」
『………確かに光ってたね』
ノ「でさでさ、そんときテルぽん言ったよね。空間が歪んだって」
テル「は、はい……。」
ノ「もしかしたらそれって、すっごいお宝なんじゃないのかな~!だってさ、空間が歪むんだよ!?」
ア「悪夢を呼び寄せた原因かもしれないんだ。危ないんじゃないか?」
ク「この剣が?」
コハ「クレス……。何かわかる?」
ク「いや………」
ノ「とにかく、貸してよ~!んでもって、あたしにちょ~だい」
ロ「危ないだろ!ここ、ルフレスの街なんだぞ!同じことが起きたらどうするんだ!」
ノ「えぇ~!けち~!ラーフ対抗の武器になるかもしれないんだよ~?くらえ必殺!むしろあんたらが悪夢を見てしまえ~!とか」
フ「強力なような、まったくそうでもないような……」
ノ「じゃあこうは考えられないかな~。こ~だ鉄槌・応用編!みんないい夢見ろよ☆………どう?この剣調べて、悪夢じゃなくていい夢だけ集めんの」
ナ「レーヴァリアがめちゃくちゃになりそうですわ…」
テル「は、はい……。万が一、またさっきのようなことになったら、怖いです……。」
ノ「むむ~………。ていっ!!」
ク「あっ!僕の剣を!?」
ノ「でもって、とう!!」
ルー「わーーっ!?」
コハ「………何も、起きないね」
ルー「てめぇ、脅かすなよな!」
ノ「う~ん、やっぱり気のせいだったのかな~。テルぽん」
テル「あ、あの……。」
ルー「無視かよ!」
ノ「わ~ん!クレすんのばか~!!詐欺師~!乙女の純情返せ~!」
ク「ご、ごめん!」
ノ「謝られた!!ちょ、あんた真面目すぎ!てかあんたが笑ったの1回も見てないし!はい、笑う!」
『なら、私に任せて!笑顔になるおまじない!』
ナ「笑顔になるおまじない?なんですの、それは?」
『ふふふ、この水の入ったジョウロをこうして…で、光を当てると………』
コハ「わ、虹が出来たよ!すごい!」
ア「なるほど、光の反射で虹を作ったのか……不思議と笑顔になるな」
ク「ふふ、そうだね。」
ルビ「2人とも、ゆっくり休んでね。ここなら安全だから。」
ドシ!……ドシ!
『コハク、すごいよ!』
コハ「はぁ!やっ!とぉ!」
テル「星菜さん、な、何してるです、か?う、うわああああ!?」
『て、テルン?!』
テル「あ、あうあう……」
ロ「テルン!!どうした……って………あれ?星菜と……おまえ………」
コハ「ん?あ、みんな!」
ノ「で、コハはなにをしてたの?何かテルぽんが完全に腰抜けて地面に落ちちゃってるけど」
コハ「あ、もしかして、これのことかな?サンドバッグだよ!街にあるもので作ってみたんだ」
ルビ「ちょ、それ!そこに描いてある絵!ルフレスじゃない!」
コハ「私も戦わなくちゃって思ったんだけど、何と戦えばいいのかわからなくて………とりあえず近くにいた子の絵を描いてみたんだ♪どう、似てるかな?」
ロ「いや、まぁ、似てるっちゃ似てるけど……。ルフレスは敵じゃないし、そんなことしたら他のルフレスが怖がるだろ?」
コハ「うーん。相手がちゃんとイメージできた方がいいかなって思ったんだけど、それで、ボコメキョにしてたよ♪」
『………ヴールはいろんな形があるからって言ったらコハク、ルフレスの絵を描いちゃったの』
コハ「うん!大丈夫だよ!覚えてないけど、自信あるから!行くよ!ほら!」
ルビ「ああ、そのサンドバッグ、テルンの前で蹴らないでーっ!」
テル「きゅう………」
ノ「あ~ぁ」
コハ「??」
『こ、コハク、これからよろしくね!………せっかく作ったそのサンドバッグは…捨ててきてね』
コハ「うん!ガンドコ行こう!」
ア「ロイド、クレスも一緒に来るってさ」
ロ「そうか!仲間が増えたな!」
クレスとコハクが仲間になった。