テイルズオブソムニウム   作:エステリーゼ

15 / 26
15話 蠢く負の竜巻

 

ロ「………?なんか首のところ、ぞわぞわしないか?」

 

ヴ「風邪か?」

 

ノ「え~?夢の世界で?ロイどん、虫でも入ったんじゃないの~?」

 

フ「でも、何だろう。ルフレスのみんなもなんだか落ち着きない、というか……。」

 

ルビ「そういえばテルンもさっき、ずいぶん慌てた様子でどこかに飛んでっちゃったよね。どうしたのかしら?」

 

ルー「……お、あれ、戻ってきたんじゃねぇか?」

 

テル「み、み、みなさん、大変です!ヴールの気が、負の想いが、ぐるぐる渦巻いてるです!」

 

ソ「ぐるぐる渦巻く………?」

 

ア「竜巻のことを言ってるのか?」

 

ナ「負の竜巻……。レーヴァリアならではの自然災害……いわば天災ですわね。」

 

ルー「天才?」

 

ナ「……天災ですわ。」

 

ガ「竜巻なら、自然に収まるんじゃないか?」

 

テル「それが、どんどん膨れ上がってるです。このまま放っておくと、大変なことになるかも……。」

 

ジ「ヴールの領域の、もっとすごいもの、みたいなものかしら。」

 

『放っておけないね、行ける?テルン』

 

テル「はい……少し、怖いですけど……行きます。」

 

 

私たちはテルンの感じた、負の竜巻が蠢く洞窟へとやって来た。

 

 

ルビ「きゃっ!?す、すごい風……。って、う、うわぁ……何よ、これ……。」

 

ア「ここなのか?竜巻というからてっきり、外だと思っていたのに、まさか洞窟の中とは……。」

 

ヴ「あの渦巻いているのがそうか」

 

ジ「想像以上ね。ヴールもあれに引き寄せられてるのか、集まりだしたわね。」

 

ノ「うわっぷ!うう~。もう何か、かんっぜんにヤバそ~……。」

 

ガ「竜巻というより、負のか塊って感じだな。………さて、どうする?」

 

ルー「要するにあの塊をぶっ潰せばいいんだろ?」

 

フ「原因もわからないのに飛び込むのは危険だ」

 

ルー「じゃあ、放っておけっつーのかよ!」

 

フ「そうは言っていない!」

 

ソ「………けんか、だめ。」

 

『そ、そうだよ、今争ってる場合じゃ………それとも、永遠に眠らせてあげようか?』

 

ルー・フ「ひっ!!?」

 

ルビ「こうやって話してる間にも大きくなってない?」

 

ジ「………そのようね。せめて巨大化の原因がわかるといいのだけれど」

 

ロ「おい、あれ!渦巻いてる塊のとこ!人がいるぞ!………女の人か?!」

 

ノ「あ~、ホントだ~。つ~かあんな近くじゃ、またヴールにやられちゃってるよね……」

 

フ「早く助け………ん?あの負の塊の中心、少し光っているようにも見えないか?」

 

『………行ってみよう!』

 

?「クレスッ!お願い、手を伸ばして!!このままじゃ、キミが渦に取り込まれちゃうッ!」

 

ク「………コハク、逃げてくれ……」

 

コハ「いやだよ………!はやく………ッ!!」

 

ガ「こりゃ、ただ事じゃないな」

 

ナ「白い服の女性がコハクと呼ばれていましたわね。塊の中に、クレスという名の方がいますの?」

 

ルビ「ねぇ、危ないわ、コハク!あなたもこっちに!」

 

コハ「……!誰…?………だめ、………それ以上、来ちゃダメッ!」

 

ルビ「きゃあ!!」

 

ルー「ルビア!………な、何だコイツ!?」

 

ナ「すごい力ですわ。この負の渦の影響なんですの!?」

 

ロ「おい、コハク………だったか?何でだよ!助けるなら人は多い方がいいだろ!?」

 

コハ「ダメッ!この人は私が助ける!わたしは………もう、逃げないから!………ぜったい、私が助ける!」

 

ヴ「単独で助け出すことに固執しているように見えるな……」

 

ジ「ヴールの影響、かしらね」

 

ア「………彼女、ヴールの影響を受けているな。ということはクレスという人も既に……」

 

コハ「わたしは助けられてばかりだった!いっぱい戦って、傷ついて……。覚えてないけど、誰かが私のために……。その人をわたしは傷つけちゃったの!だから、今度こそキミは私が助ける!」

 

ク「うわあああああああああああああっ!!」

 

ノ「ねぇテルぽん、なんとかならないの?」

 

テル「あれは、悪夢?」

 

ガ「悪夢?」

 

テル「レーヴァリアは夢でできてるです。幸せな夢も、楽しい夢も、苦しい夢も、怖い夢も、全部ここにあるです。……この塊は、苦しいとか、悲しいとか、怖いとか、痛いとか……。そういうものだけでできてるみたいです。」

 

ロ「何でそんなもんだけが集まっちまったんだよ!?」

 

ノ「ひっ、光った!」

 

ルー「何してんだよ、お前!まさかこんな時に宝探しじゃ……」

 

ノ「違うよ!負の塊………悪夢の塊だっけ?その真ん中で光ったんだって!よく見て!」

 

『本当だ………あの剣から光ってない?』

 

ジ「剣が光ると、あの塊も同時に大きくなっていくみたいね。」

 

テル「い、一瞬あの人の周りの空間が歪んだ感じがしたです。ひょっとして、あ、あの人の剣が………?」

 

フ「レーヴァリアに干渉し、悪夢を集めているのか…?」

 

ク「………突然、家族を連れ去られた。………望まずして、友と戦う運命となってしまった。……大切な友人が、人らしさを次第に失っていく………ただひととき離れていた間に、村ひとつ……すべての人が……死ぬ…もうたくさんだ!やめろっ!!やめろおおおおっ!!」

 

コハ「きゃあああーー!!」

 

『コハク!…ひっ、引き寄せられる!』

 

ア「………戦おう。彼を抑えられれば、この悪夢の渦も止まるかもしれない。」

 

ガ「悪夢を呼び寄せた剣か。ゾッとしないな。みんな、用心しろよ」

 

ロ「よし、行くぞ!」

 

ルビ「コハク!大丈夫!?」

 

コハ「………誰も、信じてくれない。彼女は本当にいるのに……!誰も…誰も、信じてくれない!」

 

『コハク、落ち着いて!』

 

エス「とにかく、あの人を落ち着かせましょう!……フォトン!」

 

シェ「サンダーボルト!」

 

ロ「こがはざん!」

 

ク「……くっ!」

 

シ「今だわ!歌って!」

 

『うん!』

 

色は匂へど いつか散りぬるを~♪

さ迷うことさえ 許せなかった…

 

咲き誇る花はいつか~♪

教えてくれた 生きるだけでは罪と

離れられない 離せはしないと

抱く思いは 心を躍らせるばかり~♪

 

色は匂へど いつか散りぬるを~♪

さ迷う暇はない けれど後ずさり

甘えるか弱さと 甘えられぬ弱さで

悪夢が優しく 私を弄ぶ~♪

 

ク「………ぅぅ」

 

コハ「………ぅ……ん…」

 

ナ「やりましたわ!」

 

フ「剣の輝きも、収まったようだね……」

 

ルー「……聞いてねぇぞ……!こいつら……強すぎんだろ………っ!」

 

ノ「正直、もうダメかと思った~。あたしは、へっとへと~…」

 

ジ「ふふ、楽しかったわ。………確かに少し、疲れたけれど、ね」

 

ナ「浄化が済んだら、すぐ治療しましょう。ルビア、コハクをお願いしますわね。」

 

ルビ「う、うん。テルン、2人の浄化をお願い。」

 

テル「は、はいです……。」

 

ク「………う、ん」

 

『良かった。気がついた………クレス、気分はどう?どこか痛いとこ、ない?』

 

ク「君は………なぜ、僕の、名前を……」

 

コハ「………ぅぅ……?」

 

ルビ「コハクも気がついたみたいよ」

 

コハ「あれ、ここは……?私、何をしてたの?」

 

『……何も、覚えてないみたいだね』

 

ルー「おい!こいつら弱ってんだろ?話なんか後にして、とっととルフレスの街に帰ろうぜ」

 

ノ「おおっ、ルーくんがマトモなこと言った~!」

 

ルー「う、うっせーな」

 

ガ「ノーマ、茶化すなって。………お前の言う通りだよ、ルーク」

 

ルビ「……でも、くたくた」

 

ソ「………で、動けない人は、誰が運ぶの?」

 

ルー「あー、そういうの、パス。」

 

ノ「あ~、そう言うと思った。」

 

ルー「んだよ、お前がおぶればいいだろ」

 

ノ「ルーくんの鬼!乙女に肉体労働させる気!」

 

ルー「あ?どこにオトメがいんだよ」

 

ノ「ひどっ!星りんの時は運んでたじゃんか~!横抱きで」

 

『……!!』

 

ルー「んな!?そ、そんなこと、い、今は関係ねぇだろ!」

 

ノ「お~、ルーくんが照れてる~!」

 

ソ「みんなで行こ?」

 

ルー・ノ「へーい。」

 

「小さい子に言われるとは、ルークもノーマも、形無しだな」

 

 

私たちは、2人を連れてルフレスの街へと戻ってきた。

クレスとコハクにここでのことを説明した。

 

 

ク「レーヴァリア、ルフレス、ヴール、夢見る目覚めの人……」

 

コハ「……私たち、みんなに迷惑をかけちゃったんだね」

 

ア「君たちだけがそうじゃない。ここにいるみんなも何人か経験している。」

 

ジ「そう、今回がちょっと、特別だっただけ」

 

『何か、覚えてること………ある?』

 

ク「……いや、もう忘れてしまったよ」

 

コ「私も、助けてもらうまでのことは、あんまり覚えてないなぁ」

 

ノ「ああああああーーっ!!」

 

ガ「!!!どっ、どうしたんだ、ノーマ?」

 

ノ「スッゴい大事なこと忘れてた!クレすん!剣貸して、剣!」

 

『………ノーマ、悪いけど…すごく、どうでもいいよ』

 

ロ「クレすんって……クレスのことか」

 

ノ「そ~!クレすんの剣!ソフィたん、星りん、覚えてるでしょ?剣が光ったこと」

 

ソ「うん、覚えてる。光ってた。」

 

『………確かに光ってたね』

 

ノ「でさでさ、そんときテルぽん言ったよね。空間が歪んだって」

 

テル「は、はい……。」

 

ノ「もしかしたらそれって、すっごいお宝なんじゃないのかな~!だってさ、空間が歪むんだよ!?」

 

ア「悪夢を呼び寄せた原因かもしれないんだ。危ないんじゃないか?」

 

ク「この剣が?」

 

コハ「クレス……。何かわかる?」

 

ク「いや………」

 

ノ「とにかく、貸してよ~!んでもって、あたしにちょ~だい」

 

ロ「危ないだろ!ここ、ルフレスの街なんだぞ!同じことが起きたらどうするんだ!」

 

ノ「えぇ~!けち~!ラーフ対抗の武器になるかもしれないんだよ~?くらえ必殺!むしろあんたらが悪夢を見てしまえ~!とか」

 

フ「強力なような、まったくそうでもないような……」

 

ノ「じゃあこうは考えられないかな~。こ~だ鉄槌・応用編!みんないい夢見ろよ☆………どう?この剣調べて、悪夢じゃなくていい夢だけ集めんの」

 

ナ「レーヴァリアがめちゃくちゃになりそうですわ…」

 

テル「は、はい……。万が一、またさっきのようなことになったら、怖いです……。」

 

ノ「むむ~………。ていっ!!」

 

ク「あっ!僕の剣を!?」

 

ノ「でもって、とう!!」

 

ルー「わーーっ!?」

 

コハ「………何も、起きないね」

 

ルー「てめぇ、脅かすなよな!」

 

ノ「う~ん、やっぱり気のせいだったのかな~。テルぽん」

 

テル「あ、あの……。」

 

ルー「無視かよ!」

 

ノ「わ~ん!クレすんのばか~!!詐欺師~!乙女の純情返せ~!」

 

ク「ご、ごめん!」

 

ノ「謝られた!!ちょ、あんた真面目すぎ!てかあんたが笑ったの1回も見てないし!はい、笑う!」

 

『なら、私に任せて!笑顔になるおまじない!』

 

ナ「笑顔になるおまじない?なんですの、それは?」

 

『ふふふ、この水の入ったジョウロをこうして…で、光を当てると………』

 

コハ「わ、虹が出来たよ!すごい!」

 

ア「なるほど、光の反射で虹を作ったのか……不思議と笑顔になるな」

 

ク「ふふ、そうだね。」

 

ルビ「2人とも、ゆっくり休んでね。ここなら安全だから。」

 

 

 

 

ドシ!……ドシ!

 

 

『コハク、すごいよ!』

 

コハ「はぁ!やっ!とぉ!」

 

テル「星菜さん、な、何してるです、か?う、うわああああ!?」

 

『て、テルン?!』

 

テル「あ、あうあう……」

 

ロ「テルン!!どうした……って………あれ?星菜と……おまえ………」

 

コハ「ん?あ、みんな!」

 

ノ「で、コハはなにをしてたの?何かテルぽんが完全に腰抜けて地面に落ちちゃってるけど」

 

コハ「あ、もしかして、これのことかな?サンドバッグだよ!街にあるもので作ってみたんだ」

 

ルビ「ちょ、それ!そこに描いてある絵!ルフレスじゃない!」

 

コハ「私も戦わなくちゃって思ったんだけど、何と戦えばいいのかわからなくて………とりあえず近くにいた子の絵を描いてみたんだ♪どう、似てるかな?」

 

ロ「いや、まぁ、似てるっちゃ似てるけど……。ルフレスは敵じゃないし、そんなことしたら他のルフレスが怖がるだろ?」

 

コハ「うーん。相手がちゃんとイメージできた方がいいかなって思ったんだけど、それで、ボコメキョにしてたよ♪」

 

『………ヴールはいろんな形があるからって言ったらコハク、ルフレスの絵を描いちゃったの』

 

コハ「うん!大丈夫だよ!覚えてないけど、自信あるから!行くよ!ほら!」

 

ルビ「ああ、そのサンドバッグ、テルンの前で蹴らないでーっ!」

 

テル「きゅう………」

 

ノ「あ~ぁ」

 

コハ「??」

 

『こ、コハク、これからよろしくね!………せっかく作ったそのサンドバッグは…捨ててきてね』

 

コハ「うん!ガンドコ行こう!」

 

ア「ロイド、クレスも一緒に来るってさ」

 

ロ「そうか!仲間が増えたな!」

 

 

クレスとコハクが仲間になった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。