テイルズオブソムニウム   作:エステリーゼ

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16話 夢紬

私たちは石盤に記されていた珠を調べるべく、憎しみの砂漠へと向かっていた。

その途中、断絶の崖へと辿り着いた。

 

ルー「おわ、なんだこりゃ!地面が割れてて進めねぇじゃねぇか!」

 

ルビ「本当。すごい地割れ………底が見えないわ」

 

ナ「見渡す限り、どこまでも亀裂が広がってますわね………橋も見当たらないし、どうしましょう。」

 

ジ「これもナハトの仕業なのかしら?」

 

テル「………。」

 

ヴ「あの地割れの先に見えるのが問題の3つの領域なのか?」

 

ガ「そうらしいな。遠目にも、今まで見てきた土地よりヴールの影響が強いのがわかるな。」

 

ソ「行き止まりなの?」

 

ア「わからない。ここまで来て」

 

テル「あ、あのあの、みなさん!ボ、ボク、みなさんと一緒に旅ができて楽しかったです。でもボク、いつも守ってもらってばかりで何もできなくて」

 

『テルン、それは違うよ。私だって、みんなに守られてるもの。テルンだけじゃないよ?……私も……弱いもの。』

 

ロ「な、何を言い出すんだ、急に?」

 

テル「僕たちルフレス族が巻き込んだのに、危険なことに巻き込んだのに、見てるだけしか出来なくて……だ、だから」

 

ア「………テルン。」

 

『テルン、言わなくてもわかるよ……テルン、犠牲にならなくていい………犠牲なら………私1人で……』

 

テル「………!!で、でもでも、ぎ、犠牲になれば、レーヴァリアが助かるなら、それで、み、みなさん、もとの世界にか、帰れるなら…」

 

ア「テルン!星菜!」

 

『………!!』

 

テル「………は!」

 

ア「それ以上言うんじゃない。俺たちは1度だってテルンを負担になんて思ったことはないんだ。星菜も」

 

ロ「そうだ。馬鹿なこと考えるなよ。友達だろ、俺たち!」

 

ガ「実際、テルンや星菜がいなければ俺たちはここまで来ることだって出来なかったわけだしな」

 

ロ「それにヴールが人の心の暗さの現れなら、それを倒すのに悲しさがいるなんておかしいだろ。寂しいこと言うなよ!」

 

コハ「そうだよ。私たちは仲間だよね?そんなこと、させないよ!」

 

テル「………でも、でも……」

 

ア「テルン、星菜、覚えてるか?俺たちと出会ったときのこと」

 

ナ「確か、テルンは他のルフレスが怖がって街を出ようとしなかったのに、1人探しに来てくれたのでしたわね」

 

フ「うん、勇気ある行動だったよ。君には強い意志があるんだ、テルン」

 

ル「ぼ、僕も………星菜が、癒しの歌を歌ってくれなかったら…今ごろ……」

 

リ「あたしもよ。あんたが歌ってくれなかったら………あたしも、今ごろ」

 

ロ「変人呼ばわり~って叫んでたかもな!」

 

リ「~!吹っ飛べ!ファイアボール!」バシュ!ボッ!

 

ロ「ギャーーー!!」プシュー……

 

ヴ「俺も、テルンや星菜がいなければ、死ぬまで悪夢の中で苦しんでたのかもしれない。」

 

ノ「あたしらだってそうだよね、ガーさん、ソフィたん」

 

ソ「うん、テルンと星菜、助けてくれた。」

 

ガ「だな、命の恩人ってやつだ。少しくらい面倒見てもらったってバチあたらないさ」

 

リオ「おまえ達がいなければ今ごろ……」

 

ガ「?リオン、何か言ったか?」

 

リオ「おまえ達がいなければ……僕たちはまだ穴の中だ。それに、ヴールに惑わされずにすんだ。」

 

ルー「だー、もう面倒くせぇ。どうしても気になるんだったら、俺たちが勝手にやってるって思えっての」

 

ジ「あら、いいこと言うわね」

 

ソ「でも、ここまで一緒に来た。テルンと星菜……最後まで行きたい」

 

テル「み、みなさん……う、うわーーーん!!わぁーーーーーん!!」

 

『う、……ひっく……みんな……やさし……すぎるよ…う、うう……』

 

コ「よしよし、だいじょぶだよ。みんな、友達だもん。安心して?だいじょぶだよ」

 

 

コレットは優しく抱き締めてくれた。

私は、コレットに抱きつく形で今まで抑えてた感情を吐き出した。

 

 

ロ「そうだぜ、友達は助け合う!これ、当たり前だろ!」

 

ルビ「もう、テルンったら、泣かない泣かない」

 

テル「す、すみません、ひっく……。」

 

 

テルンも泣きじゃくり、近くにいたルビアが慰めていた。

ノーマがそういえばと声を出した。

 

 

ノ「ねぇ、ちょっと思ったんだけどさぁ、テルぽんってさ、あのハトスケに一目置かれてるわけじゃん?」

 

ソ「ハトスケ……ナハトのこと?」

 

ノ「そそ。んで。ハトスケはもともと思いを形にする力があったわけでしょ?なら、テルぽんにもあるんじゃないの?」

 

ルビ「そうだよ!意志が強いルフレスなんだし、テルンにも出来るかもしれないよね」

 

ミ「確かにお前の発言や態度は弱々しい。しかし、お前の意志の力は強いものだと私は信じている」

 

テル「ミ、ミラさん……。」

 

ミ「己の意志の力に自信を持て、テルン」

 

ノ「そうそう、ね、テルぽん、ひとつ念じてさぁ、どーんと橋を作っちゃおうよ!」

 

テル「ボ、ボクが!?ナハトみたいに!?そ、それは……」

 

ルビ「ほら、自信持ちなさいよ!私たち、みんな信じてるから」

 

『テルン、自信持てるおまじない、教えてあげる』

 

テル「………??」

 

『こう、手のひらに、人って文字書いてみて』

 

テル「え、えと………こう、ですか?」

 

『そう!それを、飲む真似、してみて!』

 

テル「は、はい!………」

 

『どう?』

 

テル「何となくですが…力が出るです!…みなさん……。わ、わかりました。や、やってみます!………。………………?(何かが………強い力が………傍にいるような、中にあるような………これは!)」

 

 

テルンはみんなと過ごした時間を振り返っていた。

ロイドがバリケードを作っていたり…

ノーマが宝箱を見つけ、独り占めしてたり…

ジュディス達と夜空を眺めたり…

色々なことがあった。

 

テルンが光だしたと思ったら翡翠のケープに星の飾りをあしらった服装、しっぽをはやし、テルンの面影のある若草色の髪に、先端に星がついているステッキを持った少年の姿になった。

 

 

ルビ「………え?」

 

ロ「……な」

 

テル「………」

 

ヴ「テルン………なのか?」

 

テル「え?みなさん、一体………って………えええ!?ボ、ボク、体が長くなって?手も足もみんな長い、ええええ??どうなってるですか!?」

 

ノ「それを言うなら大きくなった、じゃないの?」

 

ア「ああ、まるでナハトの時みたいだ。テルン、何をしたんだ?」

 

テル「わ、わからないです。ただ自分の中に何か力を感じたと思ったら………でも、何だか今までにない力が溢れてくるような気がするです……!」

 

ロ「なぁ、ひょっとして前に言ってた夢紬ってやつじゃないのか」

 

テル「夢紬………これが……?ボクが………でも……」

 

ジ「とりあえず、今は目の前の問題を先に片付けた方がいいんじゃないかしら?」

 

ノ「うん、それもそうだね。よーし、テルぽん、その勢いでいっちょ橋の方も行ってみようかぁ」

 

テル「は、はい、今ならなんだか出来るような気がするです!………。………、………っ!」

 

 

テルンは念じてみた。

すると、橋が出来上がった。

 

 

ロ「………橋だ。本当に橋が現れた!すごいぞ、やったな、テルン!」

 

テル「はぁ………はぁ………わ、ボ、ボク………本当に?本当にやったですか?」

 

ハ「まさか虚空から物質を生み出すなんてねぇ♪あんたのこと、ますます調べたくなったわ!」

 

プ「………すごいですね」

 

 

私たちが喜んでいると、どこからか声がし、

振り向くと、プレセアが立っていた。

 

 

ロ「プレセア!」

 

プ「こうなることをナハトさんは危惧していました。だから……止めに来ました」

 

 

プレセアがそう言うと複数のクリスタルが現れ、

テルンが作った橋が消えてしまった。

 

 

ルー「橋が!消えちまった!なんだよ、あの結晶みたいなのは!?」

 

テル「う……あ、頭が……!」

 

プ「このクリスタルはルフレス族の心を乱します。………もう橋は作れません」

 

ロ「プレセア………何でだ、何でそうまでして、こんなことするんだ!」

 

プ「………。」

 

ア「くそっ、みんな、あのクリスタルを壊そう!テルン、少しだけ辛抱してくれ!」

 

テル「ま、待ってくださいです。………ボ、ボクも……ボクも一緒に戦うです!今なら……この姿の今なら、やれそうな気がするです!」

 

ア「テルン………だけど………」

 

テル「お願いするです!守られるだけじゃなく、ボクもみなさんと一緒に…!」

 

ア「……わかった。だけど、無理はするなよ!危ないと思ったらすぐに退くんだ!」

 

テル「……!はいです!」

 

リ「星菜、あんたは」

 

コハ「星菜、私から離れないでね!」

 

エス「そうです、私がお守りします!」

 

シェ「私も守るわ!」

 

ジ「うふふ、出鼻、挫かれたわね」

 

リ「………あー、もう!みんなで守るわよ!」

 

『うん、ありがとう、コハク、エステル、シェリア、リタ』

 

ク「魔神剣!」

 

ジ「月牙!」

 

テ「ノクターナルライト!」

 

 

みんながクリスタルに攻撃すると………

クリスタルを1つ、破壊できた

 

 

フ「壊れた!普通に攻撃すればクリスタルは破壊できる!」

 

ヴ「………テルン、ここだけでも橋を作れないか?」

 

テル「ち、近くで念じればもしかしたら……やってみるです!………出来たです!」

 

ア「いいぞ!よし俺たちがクリスタルを壊す。テルンは橋を作ってくれ!」

 

『わ!ヴールが現れた!』

 

シェ「大丈夫よ!星菜は私たち、美少女守り隊が守りきるわ!」

 

エス「ええ!守りますから!安心してください!」

 

コハ「うん!やれるよ!私達なら!」

 

『………え、えと?』

 

リ「……何よ、美少女守り隊って………」

 

シェ「ちなみに私が隊長よ!リタも副隊長で入ってるから」

 

リ「………は、はぁ!?な、何であ、あたしが!しかも副隊長………って」

 

『あ、あの………いつ結成したの?』

 

コハ「この前、私とクレスを助けてくれたでしょ?その時に結成したの」

 

エス「はい!とても素敵です!」

 

リ「………はぁ…」

 

『………は、はは』

 

 

クリスタルを壊すと、ヴールが現れるらしい。

現れたヴールはシェリア率いる美少女守り隊が倒してくれた。

 

 

ルー「な、なんか、すげぇな………あいつら」

 

フ「僕たちも負けてられないね!」

 

ア「シェリア、エステル、コハク!危な」

 

シェ「アスベルは黙ってて!私たち、美少女守り隊が星菜を守るんだから!」

 

コハ「うん!任せて!火旋輪!」

 

エス「フォトン!私たちは無敵です!………それとも、私達だけでは不安です?」

 

フ「い、いえ!そんなこと、ありません!」

 

ルー「おい、何言い負かされてんだよ!おい、お前らだけじゃ危ねーだろ!」

 

シェ・コハ・エス「ああん?なんか言った?」

 

ルー「………ナンデモナイデス」

 

ノ「うわっ………ルーくんが負けてる………」

 

 

その後もクリスタル破壊と同時に現れたヴールは

シェリア達の手によって消滅したのだった

 

 

「………ぅ!!」

 

ジ「私はまだ続けてもいいのだけど………どうするのかしら?」

 

ロ「プレセア、降参しろよ。もう勝負はついただろ?」

 

ルー「後ろは崖だ。逃げ場はないぜ?」

 

プ「………そうでもありません」

 

ルー「けっ、負け惜しみかよ。素直じゃねぇっつーの」

 

ナハ「………騒々しいな」

 

ルー「ナハト!!てめぇ!」

 

ナハ「プレセア、しくじったようだね」

 

プ「………すみません」

 

テル「ナハト!」

 

ナハ「………その姿、なるほど夢守にすらならないうちに、夢紬になりおおせた訳か。やるじゃないか、テルン………それで僕と対等にでもなったつもりかい」

 

テル「そ、それは……。」

 

ナハ「力を得た気でいるんだろうが、とても危ない綱渡りをしているんだ。いい気にならないことだね」

 

ルー「回りくどい言い方しやがって、どういう意味だ!?」

 

ナハ「どうなるか楽しみだよ、テルン。引き上げようか、プレセア」

 

プ「……はい。」

 

テル「ナハト!待つです、ナハト!」

 

ノ「うそっ、飛んだ!?ああ~どんどん小さく………見えなくなっちゃった」

 

ロ「……くっ」

 

ガ「しまった………そういえばナハトにはそんな芸当もあったんだったな」

 

ジ「情けないわね、忘れていたわ」

 

テル「ナハト………」

 

『………テルン…。』

 

コハ「と、とにかく、まずはクリスタルを壊そう!レイ!」

 

エス「そうですね、今はあれを破壊しなければ!スターストローク!」

 

シェ「先に進めないものね!」

 

テル「………最後の橋が出来たです!」

 

ロ「すごいな。段違いに大きな橋じゃないか」

 

ジ「もう自信の方は心配無さそうね」

 

テル「は、はい。なんだかコツがわかった気がするです………あ」

 

ロ「どうしたんだ、またもとの姿に戻ったぞ!?」

 

テル「き、気を抜いたら、戻っちゃったです。やっぱりあの姿してると、結構疲れるです………でも大丈夫です。少し休めばまたあの姿になれると思うです。」

 

ナ「それにしても、驚きましたわ。姿を変えたり、橋を作り出したり、本当、色んなことが出来ますのね」

 

テル「自分でもびっくりです。ボ、ボクがこんなことできるなんて」

 

『すごいよ、テルン!』

 

ジュ「うん、テルン、君はすごいよ!もちろん元からすごい仔だったんだろうけど………きっと君は、変われたんだね」

 

ルー「にしてもよ、さっきのナハトの言葉、あれどういう意味なんだ?」

 

ガ「夢紬であること自体が何か危険を伴うような言い方だったな」

 

ア「夢守よりなるのが難しいというのと、何か関係があるのか?」

 

ガ「そこはなんともわからないな。もしそうなら、ナハトだってそこは同じはずだが…」

 

ア「わからないことだらけだな」

 

ロ「わからないことは後で考えればいいさ。さぁ行こうぜ、いよいよ禁断の領域に挑戦だ!」

 

 

 

 

 

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