ナ「寒いですわね………体ばかりか心まで凍りつきそうですわ」
ジ「風がまるで悲鳴のようね。嘆きの凍峡ってこういうことなのね」
ロ「他の2つの領域もみんなで乗り越えてきたんだ。気をしっかり持とうぜ」
メ「雪ー!真っ白ー!冷たーい!ふわふわー!」
ノ「あ~!ちょっと待ちなさいよっ!最初に足跡付けるのあたしだってば~!遅れをとってたまるかぁ~!」
ガ「…テルンのお陰だろうけど、あんまり気にしてないのもいるっちゃいるな」
エ「あはは、うん、そうだね」
『エミル、嬉しそうだね。………もしかして、雪遊びしたい?』
エ「えっ!?そ、そんなこと……!え、えっと……じ、実は、少しだけ……」
ゼ「………。」
ロ「どうしたんだ、ゼロス。顔色悪いぞ、大丈夫か?」
『大丈夫?』
ゼ「いや、なーんかね、この景色見てると気が滅入るってーか………って、なに、ロイドくん、心配してくれてんの?」
ロ「そ、そりゃ、仲間になったんだし……そんくらい別に当たり前のことだろ」
『本当に大丈夫?』
ゼ「大丈夫だよ、星菜ちゃん、もし、よかったら俺様を暖めてくれない?」
レ「あっ!ずるい!オッサンも!オッサンも!」
ルビ「イラプション!」
リ「寝言は寝てから言いなさい、ファイアーボール!」
ゼ・レ「ギャーーー!!」
シェ「はぁ、全く、油断も好きもないんだから………星菜、近づいちゃダメよ」
ヴ「………しかし砂漠や荒野と違ってこの雪に寒さだ。珠を探すにしても同じという訳にはいかないだろうな」
ルビ「ナハトたちが待ち伏せしているかもしれないのよね」
テル「………感じるです。この冷たさの中に一点、ハッキリとした温かさが……あっちです」
ア「ここに来て、テルンの力がどんどん高まっているみたいだけど、どういうことなんだろうな?」
フ「夢紬になったからということもあるだろうけど、テルン自身の成長も大きいんじゃないかな」
ア「新しい力やナハトとの対決………テルンにとっては楽なことじゃなかったはずだ。俺たちが支えてやれるといいんだが」
テル「あったです!」
ノ「うそっ、もう!?あ~ん、今度はあたしが見つけたかったのにぃ……」
「す、すみません。でも今回は、ハッキリと場所が感じられたですから……」
『今回は早く終わったね』
ヴ「……喜びの珠か。これで慈しみ、望み、喜びの3つが揃ったわけだが」
ジ「見つかったのはいいとして、それでどうしたらいいのかしら」
ジェ「もちろん起動させるんですよね?ああ失礼。やろうにもその方法が分からないんでしたねぇ。あの石盤には大したことは書かれていませんし」
ロ「!?ジェイド!ユーリとプレセアも………やっぱり来てたのか」
ユ「ああ、お前らが早いとこ珠を見つけてくれたお陰で、凍えずに済んだぜ」
ジェ「そういうことです。………それにしてもゼロス他の人はともかく、あなたまであっさり寝返るとは思いませんでしたよ。後悔で眠れなくなったりしないのですか」
ゼ「ぜぇーんぜん。勝ち馬に乗るのが俺様の流儀なんでね」
ナ「………呆れたものですわね」
ゼ「そう言ってくれるなって、ナタリアちゃん。ちゃんと戦うときは戦うからさ」
メ「メルディもゼロスも、みんなが仲間!」
ジェ「ふむ、まぁいいでしょう。ユーリ、プレセア、行けますか?」
ユ「いつでもいいぜ」
プ「………はい。」
ジュ「くっ………みんな、来るよ!でも……わからないよ。この人たちも、ナハトも………」
ナ「そう、ですわね………。ですが今は、守り抜くことだけを考えましょう。戦えますの、ジュード?」
ジュ「う、うん……」
ア「………結局戦うのか。みんな、気を付けろ!」
ユ「お前らが珠3つとも揃えてくれたんで、手間省けたぜ。あとはまとめて壊せば、それで終いだ」
フ「なぜだ、なぜルフレスであるナハトがラーフに対抗する手段を壊そうとする!」
ユ「この期に及んで答えるとでも思ってんのか?………腹ぁくくれよ!」
フ「くっ………ならば、僕はこの身に代えても君たちからテルンと星菜と珠を守る!」
ジェ「………。」
ジ「あら、これから戦おうというのに、上の空でどうしたのかしら?」
ジェ「おや、これは失礼。ちょっと段取りをつけていたものですから」
ルビ「段取り?」
ジェ「いざという時の奥の手の準備です。あなた方を倒すためのね。少々時間はかかりそうですが」
『奥の手……?』
ルー「へっ、ただの魔術だろ。あいつのいつもの手じゃねぇか」
ジェ「ただの魔術ねぇ、さぁどうでしょう。いざという時のためにナハトから与えられた力ですから。ヴールの領域に繋いだ門から引き出した力を私の術に練り込み、一気に解放します。………みなさん全員を消炭にするくらいの威力はあると思いますよ?」
ルー「……てめぇ!」
ジェ「………ふむ、あと少しですか。あなた方を消し去る術式が」
リ「……まずいわ、あいつの周りで、すごい術が組み上がりかけてる。あんなのが発動したら………!」
ア「いけない!みんな、ジェイドを止めるんだ!」
ナ「な、なんとか生きてますわ」
ゼ「お前らの仲間になったことを後悔するとこだったぜ」
メ「やっぱり、ジェイド強いな……」
ジェ「………少々、意外でしたり彼らがこれほど腕を上げていたとは。なるほどゼロスが裏切るわけですね」「
ユ「ドジっちまったな。で、どうするんだ、ジェイド?」
ジェ「プレセア、動けますか?」
プ「はい。まだ大丈夫です」
ア「まだやるのか!」
ジェ「いいえまさか。用意したヴールは全滅、どうやらナハトの加護も消えたらしい。となればやることは1つです。降参します。はい、こーさん」
ユ「へいへい、降参降参っと」
プ「降参、です……」
ロ「ええ~~~~~~~!?な、なんなんだよ、一体!?」
ゼ「散々、人のこと非難しておいて、節操なさすぎじゃねぇの、ジェイドさんよ」
ジェ「心外ですねぇ。極めて現実的な判断をしているだけですよ。あなたと同じようにね」
テル「あ、あのあの、ナハトのこと聞かせてほしいです!」
ロ「そうだ。降伏した以上、こっちが知りたいこと、全部教えてもらうぜ」
ジェ「それはできません」
ルビ「ちょっと、そんなの通ると思ってるの!?」
シェ「ジェイドさん、ちょっとこちらへ……」
ジェ「何ですか?」
シェリアはジェイドを氷壁の陰に連れていった。
………。
シェ「私たち、知りたいだけなの。私たち、優しいから、正直に話して」
ジェ「それはでき」
エス「そんなので通じるほど世の中は甘くないですよ?」
ジェ「ですから私は」
コハ「星菜を時にはさらったり、忘れてないよね?」
ジェ「あれは……ってこれ、拷問ですよね?優しくないですよね?」
ティ「ジェイド、往生際が悪いわ」
シェ・コハ・エス「さぁ!正直に話なさい!!」
ジェ「な、何をするんです!というか、どこさわって!ユーリ!プレセアも!見てないで助けなさい!」
ユ「あー、うん、ジェイド………お前はいいやつだったよ」
プ「……ご愁傷さま、です」
ジェ「う、ちょっ、何を!!」
30分後………
ジェイドはようやくエステルたち美少女守り隊から解放された
シェリアたちは不服そうに、だが、晴れやかな顔で戻ってきた。側にはジェイドの亡骸が落ちていた。
シェ「ジェイドったら、往生際が悪いわ。吐かないもの。」
コハ「私たちの拷も……質問にも答えてくれないし…」
『今、拷問って言いかけたよね?』
エス「………なら、ユーリ、来てくださいます?」
ユ「な、なんで俺……」
コハ「絶対、吐かせてあげる!」
シェ「大丈夫よ。痛いのは一瞬だけだから♪」
ユ「いや、一瞬でもダメだろ……」
ジェ「………はぁ、知らない方がよいこともありますよ?どうしてもというなら、本人から直接聞いてはどうですか?」
ロ「復活早っ!」
ジェ「……こほん、私たちをヴールの気から護るために近くにいたナハトの思念体も、今頃はメランコリウムでしょう」
ロ「え、思念体?」
『どういうこと?』
ジェ「はい、思念体です。この世界で適切な言い方か分かりませんが、実態のない分身みたいなものです。あなた方が見ていたナハトは途中からずっと実態ではない思念体だったんですよ。彼の本体はメランコリウムを離れていない。どうです?道案内くらいはしますよ」
ナ「……あんなこと言ってますけど、信じられるんですの?」
ヴ「降伏の仕方といい、怪しすぎる。罠かもしれない」
ガ「でも確かに遅かれ早かれ、メランコリウムには行かなきゃならないんだよな」
ノ「テルぽん、珠の方はなんか反応ないの?」
テル「やっぱりダメです。力は感じるですけど、念じても何も起きないです」
ノ「3つ揃えただけじゃ、ダメかぁ。じゃ、やっぱりもうメランコリウムに行くくらいしか、やることないんじゃない?」
テル「星菜さん、どうですか?」
『触れてみるね………っ!!』
コ「だいじょぶ?星菜」
『ぅ………ぅぁ………』
ー触れて………さぬ……
…刹………まほ…ば……見…よー
『………。』
ノ「大丈夫?星りん。顔色悪いよ」
『大丈夫、歌は完成したから………』
リ「3つの珠に込められていたのかもしれないわね。でもこれで、ラーフに対抗する歌が出来上がったわけだし、メランコリウムに行く?」
ゼ「でもよ、肝心の珠の使い方も分からないままナハトが待つメランコリウムに行くのは正直、自殺行為じゃねぇの?」
フ「確かに、なんの宛もないのに行くのは危険が大きいが………」
ク「かといって、これ以上打つ手もない………か」
テル「あ、あの、ボク、ナハトに会いに行きたいです」
ア「テルン?」
テル「危険なのはわかるです。けどやっぱり会って答えを聞きたいです。今度は自分から会いに行って」
『決意、したんだね、偉いよ、テルン!』
ロ「だったら俺も付き合うぜ。会おうぜ、ナハトに」
ルー「で、結局、この3人はどうすんだ?連れてくのか、置いてくのか」
ナ「……置いていけば確実にヴールの餌食ですわ」
ユ「勝ったのはお前らなんだ。好きにすりゃいいさ」
メ「あ、あのな、みんなメルディとゼロス、仲良くしてくれた。ジェイドたちも同じ、してほしいよ」
ソ「アスベル………ジェイドとユーリとプレセア、友達?」
テル「あ、あのあの、ゼロスさんたちと同じで、この人たちからも悪意は感じないです」
エス「……私も、この人たちを信じたいです。あの……みなさん、何とかなりませんか?」
テルンとエステルの意見に
アスベルは少し考え、そして……
ア「………分かった。敵だったとはいえ、同じ目覚めの人を置き去りにすべきじゃないな。どうだろう、みんな?」
ガ「とはいえ頭から信用するのも危険じゃないか?」
ア「じゃあこうしよう。悪いけど、お前たち3人の手は縛らせてもらう」
ユ「ま、ついさっきまで剣を交えてたんだ。妥当な判断だと思うぜ」
プ「異存はありません」
ロ「こんなことしたくはないけど………ごめんな」
ジ「じゃあ縛るわね。きつかったらごめんなさい」
ユ「お手柔らかに頼むぜ」
ジェ「私、そういう趣味はないんですがねぇ」
ルー「お前は黙ってろっつーの!」
ジェ「アーーーー♂」
『うへっ!?ジェ、ジェイド?どうしたの?』
ジェ「いえいえ、こういう縛りプレイはなかなか体験できないので、つい」
ガ「つい、じゃないだろ……」
ジェイドとユーリ、プレセアを縛り上げ、私たちはメランコリウムへと向かうことにした。