とある所に、どこにでもいそうな―どんな世界にも居るであろう、心優しそうな少年がいた。
彼が住む場所は幻想郷。境界によって隔てられ、隠された―妖魔渦巻き、人や神、物の化が人とともに暮らす郷―
その一角、人里は村のはずれに少年は住んでいた。
「行ってきます、際どいが!ままよ、ょいしょっと」
「忙しないわねぇ...いってらっしゃい。」
よくある朝の一幕。いつものように、いつもより早く出ようとする。少年、こと太郎、面屋(おもや)太郎。苗字どころか妙次だ、等とからかわれたりもするが、この朝ばかりは気にしてもいられなかった。
―不味い、遅刻する。少年は寺子屋に通っているのだが、その先生、遅刻やふざけすぎる生徒がいとも簡単に黙るほどの―いしあたまだ。
いや、性格は良いのだ。優しすぎるほどだ。
しかし、寝坊助、寝ていると。拍子に、 瞬閃とでも言える頭突きが飛んでくる。
当然恐ろしいものだ、故に、
―急げ。
そう、自らを激励する外無いのだった
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
―ハア、ハァ。
洗い自分の息づかいまでは聞こえるが、教室の奥の声はまだだ。
(角を、曲がって―)
ガラリ、とドアを開けると、まだだ。ずらりと並ぶ級友(クラスメイト)、がらりとした机。待ち構えた青髪の友達。良かった、まだ先生は来ていない―
「おーい、たろー。」
「ん、なに?」
「おはよー!」
「ああ、おはよう。」
そう呼ぶのは、チルノ。僕の友達であり、妖精だ。どうやら氷の妖精なようで、さわってみると手がかじかむ。頭は良くは...というか、気はいいし、いい友人だ。妖精とは得てしてそういうものなので、仕方ないが。―と思いきや、英喜利牛何て言葉を漢字で答えたりするので、意外と侮れない。
などと、適当なことを考えていると、
「やあ、おはよう。早速だが点呼をとるぞ。リグルー。大妖精―」
さて、この先生がけいね先生だ。たしか慧眼の慧に音のね と書くのだったか。名前もさることながら、授業も難しいのだ。というのも―
「面屋、面屋ー?母や家でも考えていたか?」
「あっ、はい! えっと、偶のことを...」
「そうか。次、チルノー。」
「はい!」
まあ、見れば分かるだろう。というか、聞けばわかるのだ。いや、解らないのだが。
「~年、○○と○○が起こったとされているが、実際は~そして、○○なのだがわたしがみる限り~」
そう、ながい。わかりにくい。その実、慧ね先生だ。いや、何を言っているんだ、ぼくは、
慧音先生はその実白沢ー。歴史を見、喰らい、創る妖怪ーというかその実神獣の半妖なのだ。故に主観は混じり、むようなひかく...うぅ、眠くなってきた。もはや浜くらいの波にたゆたうような...。
気づけば、全滅である。僕は偶々ばれなかったかが、チルノ達はばれ、全員怒られ―まあ、六魔、じゃなかった、バカルテット(と呼ばれている)内、リグルだけは蟲に伝えてもらう、という方法で何とか減点を免れたが。
リグルは、蟲の妖怪だ。蟲を操り、声を聞くことができる。この能力でうちも助けてもらっているのだが―まあ、それはまた別の話だ。
こうして若干寝惚けながらもにしまやらなんやらと聞くことはでき、時は過ぎて五時間目。自然の授業だ。大妖精やリグルにとっては鬼に金棒、いや釈迦に説法で早く終わるかと思ったのだが―。チルノは蛙を凍らせ。ミスティアは能力で自分が鳥目に。ルーミア達を追いかけ、こちらも離ればなれ。まあ、互いのサポートにより、帰っていったのだ。その内、僕をよもや除くわけもないと感じつつ。
が、その実。
「迷った 遭難した」
である。ある意味まただよ、などと笑いたくなるが、笑えないしまったあばばばばなので。僕は、そこで。拾ってしまった。ソレを。思考能力もいまいちに。...まあ、気づいたら飼え!やらなんやらの声さえ聞こえ始め。怖さともどもに逃げ出し、帰れていたのだが。
「心配したよー」
「戻ってくるとは思ってたけど...。」
「馬鹿者!」
などと色々言われ。
泣いてしまった。
「う...うぅ...。」
「だいじょーぶか?たろー。」
「うん、ありがとう。えーと...。」
「...仕方ない。今日は一時帰宅だ。皆スペルカードを忘れず帰るといい。」
その声を皮切りに、いや、ある主堰を切ったように。あるいは蜘蛛の子を散らすように。鶴の一声、皆少しずつ帰りだした。僕も同じように、同時に一人で、歩き出した。
夕焼けを背に、僕は寂しげに帰るのだった。
まあ、彼の素性と仮面ライダーのクロス作品ということで、なに拾ったかは明確ですよね。なにかも。