船移動とかカットして、ミアレシティからスタートです。
それとあとがきで一つカミングアウトします。
それでは本編をどうぞ。
「着いたぁカロス地方!ようこそ俺!」
「気持ちはわからなくはないけど、降りる人の邪魔になるからさっさと歩きなさい。」
「もうちょい、この感動に浸らせて!」
「ダメに決まってんでしょ!」ガツン!
「いったい!」
ひでぇなもう。船で何日も監禁されてたんだから、これぐらいしてもいいじゃないか。と言いたかったけど、これ以上叩かれるのも嫌なのでやめておく。
「んで、街の名前なんだっけ?」
「ミアレシティよ。船の上でも何度も言ったじゃないの。」
「あぁそうだった。ん?」
「どうしたのよ?ん?」
なんだか向こう側が騒がしい。というより人がそっちの方向に流れていってるな。俺が声を上げた事でシエルも気づいたようだ。
「なんだろうな、あれ?」
「なんだろうね、あれ。」
「...行きますか。」
「賛成。」
意見が一致したので俺たちも人の流れに乗ることにした。
パシャパシャパシャパシャ!!!!
「これはまたすごいな。」
街の広場でイベント用に作られた舞台の上で白い綺麗な衣装の女性がものすごいカメラのフラッシュにたかれていた。テレビ見てても思ったけど、ああいう人達って眩しくないのかねぇ?
周りの女子がキャーキャー騒ぎ立てる声がものすごく耳にくるが、とりあえずこれは新作映画の上映に対するイベントのようだ。舞台の上に立ってる白い人はヒロイン役の女優さんで、名前はカルネさんというらしい。カロスだと知らない人はいない超有名人と。
ホウエンで有名な女優になると誰だろうか?そりゃあホウエンにもテレビはあるが、ここまで支持される人となるとなぁ。
あぁ、ルッチーさんかな、名前確かそんな感じだったと思う。ルッチーさんはコンテストにでるコーディネーターだけど、ホウエンなら誰もが知る人だ。俺が名前覚えてるぐらいなんだから間違いない。いちいちポージングするのが印象に残ってる。みんなは可愛いというが俺の場合は可愛いとかっこいいが半分ずつある。これをシエルに言ったら
「頭おかしいんじゃないの?」
とか言われた。解せぬ。
思考に耽っていたらカルネさんのコメントも終わって握手会に移行しようとしていた。せっかくだから握手ぐらいしたいなーとか思ったけど、事前に抽選会をやって人を決めていたようだ、残念。
「握手もできなきゃ仕方ねぇな、とりあえず宿探そうかシエル...シエル?」
隣にいたはずのシエルがいない。ふむ、
「またやっちゃった、ぽい?」
これはまた怒られるだろうなぁ、と思いつつ会場を後にした。こんな人混みで見つかるわけないしね。
「あの馬鹿、またやりやがったわね!」
アタシは今怒ってる。なんでかって?フェルトの奴が消えたからよ!昔っからイベント会場とかに来るとフラッといなくなるのよね。だから今回も気をつけていたんだけど、長旅の疲れでちょっと気が緩んでたみたい。あぁもうフェルトの馬鹿!アタシの馬鹿!
カルネさんはホントに綺麗だった。アタシもあんな風になれたらなぁ、とは思うけどそれは無理ね。あんな綺麗な喋り方なんてアタシには絶対に似合わないし。フェルトの奴に言ったらきっと顔を真っ青にして、
「すぐに病院いくぞ!?答えは聞いてない!」
とか言い出すに決まってる。...なんか悲しくなってきた。とりあえず馬鹿を拾うことから始めよう。おそらく会場には残ってないわね。握手会は抽選でできる人が決められてるみたいだし。いても意味がない所には留まらないから、場所は移ってるはず。だからこういう時は、
「近場の喫茶店を探すか。」
そして、見つけたら一発ぶん殴ろう。
「おおぅ、なんか寒気がするぜ。」
これはあれだ。シエルが俺を叩こうとしている感じだな。あいつのハリセン結構ガチでくるから困るんだよねぇ。
「どうしたんですフェルトさん?」
「なんだか顔色悪い感じですよ?」
「気にするな、恒例行事が確定して悲しみにうちひしがれてるだけだ。」
「そ、そう。それじゃ私たちはこれで失礼しますね。」
「おう、少年少女達もお元気で。またどっかで会うかもしれんがな。」
部屋から出ていく小さな新人ポケモントレーナーを見送る俺。
「新人君達の門出、いつ見てもいいものだね。」
その様子を見て横から感想を言ってきた、少しうねった髪型に無精髭を生やしているのにイケメン枠な白衣の人は、プラターヌ博士。ここは博士の研究所であり、ちょうど新人トレーナー恒例の博士の有難い言葉を頂戴して旅立つ、というイベントに俺は立ち会っていた。
いやね、イベント会場を後にしたのはいいんだけど道に迷ってさ、路地とか歩いてたら、さっきの子の一人が変なやつに絡まれてたから少しオ.ハ.ナ.シ.して追い返したんだ。そしたら何かお礼をって言ってきたから迷子で困ってると伝えると博士のところに連れてってあげると言われ、ここまで来たということだ。
「さて、それじゃあ君の友達を探すとしようか?」
「え、いいんですか?他にも何かやることあるんでは?」
「構わないさ。目の前の困ってる人をほっとくわけにはいかないしね。」
おぉ、この人顔だけの人じゃないみたいだ。ということは優しい分損する人の側かもしれない。
prrrrr!!
「おや?こんな時に誰からだろう?はい、こちらプラターヌ...これはどーも!えぇ...えぇ、わかりました。すぐに向かいましょう!」
なんか雲行き怪しいかな?やっぱり自力で探すことになるかなぁ。
「フェルト君、どうやら君のお連れさんが見つかったようだよ。」
「ほんとです!?」
どうやら博士の知り合いが保護してくれたようだ。よかった。
それじゃすぐに出発しよう。ボクの車ならすぐに着くからね。
ところ変わってホウエン地方
「んじゃまぁ、とった動画の鑑賞会といこうじゃねぇか!カンパーイ!」
「アオギリ、こういう簡単な挨拶ぐらいもう少し丁寧にやることはできないのか。」
「こういうのはノリと勢いに決まってるだろぅ。シラケさせる気かよオメェはよ。」
「いいではないですか。今回はアオギリさんの音頭なんですから。」
「ふむ、確かに今さらではあるか。」
マグマ団元アジトにていい年した大人達の小さな飲み会が始まっていた。
「はっはっはっ!見ろよ、この時のシエルの顔!超ウケる!」
「なかなかにいいリアクションであるな。うちのフェルトの場合驚きはするが、感情に振り回されることはなかったな。」
撮った映像をテレビに映して、反応こそ三者三様であれど、楽しんでいる三人。ちなみに今のはカイナシティでシエルがマジギレした時のもの。
「ふむふむ、二人は幼なじみなんじゃろう?わしらが無理やり同じ家に入れたとはいえ、青春しておるのぅ。」
今度はマグマ団の活動演説中にアクア団が乱入した時の映像で、ちょうどフェルトとシエルがポケモンバトルをしている所が映っていた。
「ほぉ、こんな映像も撮っていたのか。さすがは幹部候補なだけあった二人だ。バトルも他の連中とは全然ちげぇな。」
「うむ、バトルの実力だけならば、フェルトは幹部にあげてもよかったぐらいだからな。」
「なんでしなかったのじゃ?」
「本人の意思を買っただけのこと。あやつは幹部とかは苦手だと言っていたし。実際しなくてよかったと思っている。」
「なるほどなぁ。確かにあの兄ちゃんは命令とかリーダーやる器にはみえねぇな。だからこそシエルと仲良くやれてたのかもしれん。あいつはなんだかんだで周りを引っ張るタイプだしよぉ。」
「慕われる者と引っ張って纏める者の違いか。相性がいいのか悪いのか。」
「ま、その辺は心配するこたぁねぇだろ。同じ家に2年も入れりゃあ問題なんかねぇよ。」
そう言ってグラスの中身を一気に煽るアオギリ。酒には結構強いらしい。
「それはそうとアオギリよ、例の奴は持たせたのだろうな?」
「あたぼうよ。シエルにもしもの事があったら使えと渡しておいた。使えるかどうかは、あいつら次第。いや、あいつらとポケモン達次第だな。」
「何を渡したのかね?」
「二人の新しい切り札だ。今までの礼も兼ねてプレゼントよ。」
「それに、カロスに行くならば必要となることは間違いない。」
二人が肝心な所を言わないので納得がいかないクスノキ艦長。ふっ、と息を吐く。
「ふむぅ、まぁいいでしょう。ところで他の幹部の皆さんはどうしたのですか?」
今ここにいるのは三人だけであり、マグマ団のカガリとホムラ、アクア団のイズミとウシオは今この場にはいない。
「今日は三人で飲むって話だったから置いてきたわ。イズミはともかくウシオは酒が入ると泣き上戸な所もあってなぁ。身内の会でない限り、極力酒は避けてんのよ。」
「ほぅ?彼が泣き上戸とはな。こちらもカガリが酒を飲むとやたらと他人に喧嘩腰に絡むわ暴れるわでな。絶対にアルコールは避けている。ホムラはなんの問題はないがな。」
「ではホムラ殿は今どちらに?」
「彼にはちょっとおつかいを頼んでいるのでな。しばらくは留守だ。」
「へぇ、何を頼んだ...おぉ、こいつぁあの時の奴か!最終的に大爆発しちまったんだよなぁ!ハッハッハッ!」
三人の飲み会はまだまだ続き、陽がまた上るまで語っていた。
実は自分、サファイアやってました!