「あーシエルー。無事合流できてよか」
「ふんっ!!」
「ごふっ!?」
ミアレシティのとある一件の喫茶店。プラターヌ博士の知り合いがシエルを保護してくれたという連絡を受け、博士と共にやってきたわけだが、 シエルがこちらに気づくなり無言で近づいてきてハリセンで叩いてきた。やっぱりあの寒気はフラグってやつだったんだね。
「...まったく!アンタはホント変わらないわね!こういう場所だと絶対はぐれるから一人で動くなっていつも言ってるでしょ!」
「あい、すいませんでした。次から気をつけます。」
「とっても仲がいいのね二人とも。」
「「どうみたらこれがそう見えるんですか!」」
「うんうん、仲良きことは美しきかな。」
このハリセンで叩かれるのを見て仲がいいとかよく言えるな。普通引くもんじゃねぇかなぁ。
「って、貴方さっきのイベントの!?」
「ふふ、はるばるホウエンからようこそフェルト君。カロス地方で女優をしているカルネです。」
「あ、ホウエンからきました、フェルトです。こちらこそよろしくです!」
カルネさんと握手をする。やっべ、まさかこんな有名人さんとカロスに来て早々に握手できるなんて超歓喜!
「ふんっ!」
「ガッ!?」
「いつまで握手してるつもりよ。カルネさん困ってるわよ?」
「はっ!?すいません、こんな機会ホウエンじゃなかなか無くて思わず。」
「いえいえ、お気になさらず。あら?もうこんな時間。そろそろ移動しないと。お二人さん、カロスを楽しんでいってね?」
「もちろんです。そのために来たんですから!」
「カルネさん、時間が少ない中ホントにありがとうございました!」
「いいのいいの!貴方のお話も楽しかったわ!それじゃあね!博士もまた今度!」
店をでる際にこちらにウィンクしていった。あぁいう人がやると似合うよね。というか博士の存在忘れてたわ。
「カルネさんは行ってしまったけれど、せっかくだし一杯ぐらい飲んで行かないかい?シエル君...もいいかな?」
「構いませんよ。むしろウチのバカを拾ってくれたお礼をしたいぐらいですし。」
「ありがとう。それじゃあ飲み物を頼もうか。二人は何を頼むんだい?」
「...ん~マーベラス!ここのコーヒーはいつ飲んでもいいね。」
「これはなかなか。ホウエンには無かった味だな、気に入ったぜ。」
「...。」
「あーシエル?別の飲み物頼んでくるから無理は」
「問題ないわ。(アタシは飲めるアタシは飲める)」
まったくもう、大の甘党の癖に俺たちに合わせてコーヒー頼みやがって。この顔は間違いなく自分に暗示かけてる顔だわ。
「ズズっ...ぐ...。」
「シエル君大丈夫かい?」
「大丈夫です...こんなの、問題ないわ。」
いやぁ初対面の博士からも心配されてんだから、誰から見てもアウトにしか見えねぇって。しょうがねぇな。
「自分、ちょっとお手洗いに行ってきますね。」
そう言ってテーブルから抜け出す。あいつ変な所で見栄っ張りだから口で言うよりも、そういう状況にしちゃった方がいいのよな。
「ただま~っと。少しばかり食べ物持ってきましたよ。それとシエルにはこれな。」
「おぉ、ありがとうフェルト君。」
「あんたこれ...べ、別に頼んじゃないけど貰ってあげるわね。」
「はいはいっと。砂糖とシロップも少し貰ってきたから好みで使いなよ~。」
シエルにはカフェオレとショートケーキがあったので持ってきた。ちなみにカフェオレは砂糖を二個ほど入れてあるが、俺の予想だともう一個ぐらいいれるかもしれない。
「そういえば二人はカロスには旅行に来たんだよね?どういう経緯でカロスに来ることになったんだい?」
「...む。」
どういう経緯も何も、リーダー達が勝手に決めて送り出しただけだよなぁ。シエルは出発の時のことを思い出したようで不機嫌なようだ。
「あーまぁなんというか、自分らの上司の人から貰った旅行券がたまたまここだったんですよ。目的があってきたわけじゃないですね。」
「そうなのかい?じゃあカロスのこと、ほとんど何も知らないってことかな?」
「そうなります。船の上で少しばかり聞いたりはしたけど、まぁほとんどわかりませんね。」
「ふーむ...よし。」
俺が質問に答えると博士は手をあごに持っていき考える仕草をする。そして、何か閃いたのか指をパチリとならした。
「キミ達は今日泊まる場所は決めているのかい?」
「いえ、決めてませんけど?」
「ん!それなら今日はウチの研究所に来てはどうだろう?お客さん用の部屋もあるし、寝食スペースもあるしね。」
おおぅ、これはまた凄い提案だな。渡された資金はかなりの額あって別に金に困ったりはしてないけど、ありがたい申し出なのには違いない。シエルの方を見ると目が合う。
(どうする?悪くないと思うが。)
(いいんじゃないかしら?お金使わなくて済むにこしたことないし。)
アイコンタクト3秒で終了。
「そしたらお言葉に甘えてもいいですか?」
「オーケーオーケー!それじゃあ彼女にも連絡をしなきゃね。少し待っててね。」
そう言って電話をするために一度外へでていくプラターヌ博士。研究所の人達に電話をするのだろう。
「とりあえず今日の宿は大丈夫そうね?」
「ああ、研究所の施設なら下手な所より安心できるしな。」
「それに博士ならカロスのいろんな所の話も聞けそうね。前情報も無しに歩き回ったら絶対に迷子になりそうだし。」
「リーダー達も旅行券くれるなら、もう少しカロスのこと調べてほしかったんだけどね。」
ホントあの人達は俺らに何を期待してんだろうかねぇ。
あ、砂糖とシロップの入れ物が一つ空になってる。カフェオレを飲んでいるシエルは満面の笑みを浮かべていた。
「ここが僕の研究所さ!」
「「おぉー。」」
研究所は予想していたよりも広かった。この大都会ビル群の街で研究所って言われたら、せまい部屋に結構物が雑多に散らばっているのを想像するだろ?なんか普通にお屋敷レベルで広いんですけど。
「さ、着いてきて。部屋の案内ついでに研究所も見せてあげる。」
「いいんですか?やった!」
「温室には僕達が保護しているポケモン達もいるから、仲良くしてくれると嬉しいな。」
「俺たちのポケモンも出しても大丈夫ですか?」
「もちろん!皆歓迎してくれるさ。」
「ガァブ!」
博士の案内に着いていってると通路の角から見たことの無いポケモンが現れた。
「今帰ったよガブリアス!紹介しよう、ホウエンからカロスに旅行に来てくれたフェルト君とシエル君だ。」
「ガブッ。」
「この子はガブリアス。温室のポケモン達のリーダー的存在さ。」
「1日だけここに世話になる、よろしくね。」
「よろしくね、ガブリアス。」
「ガブッ!」
笑顔で答えてくれた、どうやら歓迎してくれるらしい。
「さ、こっちだよ。まずは荷物を置いてこないとね。」
某所???
「う~み~はひろい~なビッグだ~な~...。」
リーダーマツブサもいきなり次の日に出かけてこいとは突然にもほどがあるなぁ。しかも一人でゴーとは。一人で持つにはこの機材ヘビーすぎやしませんかねぇ。
「今頃はあの二人、カロスに着いてるんだろうなぁ、エンジョイしてるんだろうな~。リーダー達もあの動画見ながら酒でも飲んでるんだろうな~。」
私もその席にいられると思ってたら、すぐに次の指令が来た。動画を見られなかったのは残念だが、指令の内容を考えれば我慢できなくもないのでそんなには気にしてないけれど。
「私が見る役のはずなのに、すでに誰かに見られてるのは気のせいだろうか?」
「...。」
あそこに立ってるちょっと横に大きめな赤い服の人。彼と彼女の所に遊びにいった時に何回か見かけたことがある。たしかホムラとか呼ばれてた。
その日も二人を驚かそうと寄ったんだけど、家には誰もいなくて、どうしようかと思ってた所、港に向かうホムラって人を見かけて着いてきた。
いなくなった二人のことを知ってるかもしれないと思ってたけど正解だったみたい。カロス地方...どんな所かな?島みたいに綺麗なところだったらいいな。
このあとの展開ですが、シリアス展開はあまりいたしません。どちらかというと軽いノリでいきたいと思います。
どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。