俺達、元悪役団員です。   作:カエル帽子

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ハクダンの森、いじめはやめましょう。

ハクダンの森。ハクダンシティの南にある森だ。森だけあって虫タイプのポケモンが多くいるはず、なので。

 

「虫ポケがでたら頼むぜ!」ブルブル

 

「はいはいわかってるから。とりあえず手を離して、それか力抜いて、結構痛いんだけど。」

 

フェルトがこうなるのもいつも通りなのよね。

 

 

 

 

プラターヌ博士からカロス地方の地図を貰って簡単に説明を受けたアタシ達は、アサメタウンを目指してミアレを南下しているわ。とりあえず地図に乗ってる街を巡ってみようってフェルトと決めたんだけど、

 

「森があるなんて聞いてない!」

 

「アンタがちゃんと地図を見ないのが悪い。」

 

「地図を読めない奴に言われたくないぜ。」

 

「よし今すぐ手を離しなさい、置いてきてあげるから。ついでにハチミツも塗ってあげるから。」

 

「ごめんなさいごめんなさいガチでやめてください!」

 

なんだってこんなにビビるのか理解に苦しむわね。アゲハントとか可愛いのに。そういえば小さい時に学校のクラスメートもトランセルに触ったらシエルちゃん凄いとか言ってたわね。

 

「あっ!トレーナー発見!ポケモンバトルだっ!」

 

後ろでアタシの脅しに震えてるフェルトを宥めていると、短パン小僧が勝負を挑んできた。その言葉を聞いた瞬間、腕を回しながらアタシの前にでるフェルト。

 

「よーし、お兄さんが相手になっちゃうぞぐぇ!?」

 

「ちょっと待っててね少年君。」

 

「え、あ、どうぞ。」

 

ポカンとしている少年君を尻目にアタシは気合いたっぷりのフェルトの首根っこを掴んで後ろに向かせて、ひそひそ話を敢行。

 

「アンタ、マグカルゴ出そうとしたわよね?」

 

「何か問題でも?」

 

「あの子の心折る気!?」

 

「いや、だって俺らのポケモンじゃ誰だしてもそうなるだろ。」

 

「言われればそうね...とりあえずマグカルゴでいいけど一撃で終わらせてあげて。」

 

「むー、わかった。」

 

ひそひそ話を終わらせて少年君に向き直る私たち。

 

「またせたな!いざ、勝負!」

 

 

 

 

 

「次はちゃんとした勝負をしてやるからなぁっ!」

 

そう言って短パン小僧はどこかへ走り去っていった。うん、一撃とは言ったけど相手が悪すぎた。ビードルにキャタピーと虫タイプだしたらフェルトは手加減なんかするわけがない。

 

「全力のかえんほうしゃだぁひゃっはー!!!」

 

というテンションで2体をなぎ倒してしまった。

 

「悪(虫)は消え去った...!」

 

「はいはいお疲れ様。にしても博士がくれた図鑑は便利ねぇ。」

 

バカの発言はスルーするとして、このポケモン図鑑。博士が私達のために急遽用意してくれたものだ。カロスのポケモンは初めて見るだろうから、きっと役に立つはずって渡してくれたんだ。

さっきのバトルでちょっと試してみたんだけど、ポケモンの説明はしてくれるし、ポケモンが覚えてる技も教えてくれるし。まぁトレーナー同士のバトルで使うわけにはいかないわね。

 

「あーうん、少し落ち着いた。お疲れさんマグカルゴ。」

 

「マグッ。フゥ。」

 

ようやく落ち着いたフェルトがマグカルゴをボールに戻した。なんか戻る直前ため息めいたものが聞こえた気がする。アンタも苦労してるわね。

 

「とりあえずバトルして思ったことは、このまま行くと罪悪感がかなりやばい。」

 

「同感ね。今の手持ちで、この辺りのトレーナーと戦ったら皆の心をへし折っていきそう。さっきの子はまだよかった方だけど。で、対策は?」

 

「新しくポケモンを捕まえて育てる。一般のトレーナーの人達とは、こっちで捕まえたポケモンだけで勝負するんだ。もちろん強い相手には全力で答えるけどな。」

 

妥当なところね。アタシとしても、せっかくカロスに来たんだから新しいポケモンも捕まえてみたいとは思ってたし。

 

「そういうわけで、どっかに炎タイプのポケモンいないかなぁ。」

 

「ここで炎タイプのポケモンなんて見つかるかしら?」

 

こんなところに炎タイプのポケモンいたら、この森とっくに火事で消えてるんじゃないかしら?

 

「炎ポケモンやーい、でておいでー...虫ポケは呼んでないぃぃーー!!!」

 

あ、フェルトが全力で逃げ出した。新しいポケモン探す時ってワクワクするのわかるけど、虫ポケの存在完全に忘れてたわねあれ。

 

「ふむぎゅ!?」

 

あ、コケた。草むらで足元が見えないから何かにつまづいたみたいね。普段はその辺しっかりしてるのに虫が絡むとホント駄目ね。

 

「シエルシエルー。」

 

「なによ?何か見つけたの?」

 

フェルトがさっきまでと違って、冷静に私を呼ぶ。技マシンでも落ちてたかしら?そう思いながら近づいてみる。

 

「ねぇ、このポケモンどう思う?」

 

「すごく、大きいです...じゃなくてこれ人じゃない!?」

 

見つけたのはポケモンじゃなくて行き倒れた人でした。

 

「肉って書く?」

 

「やめなさい。」

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず草むらから出してあげたものの、どうしようか?」

 

倒れていたのは男の人だった。私達よりかは年上なんだろうけど、結構若い印象があるわね。くすんだ赤色の髪は癖っ毛なのかボサボサだけど、何より目立つのは。

 

「上下オレンジのスーツとかどうなのよ。」

 

アクア団だった経験が言っている。コイツは間違いなく黒だと。コイツ自身が黒でなくとも、所属先は真っ黒だと言っている。それを伝えようとすると、

 

「..,かっこいい!」

 

「...ふんっ!」

 

「ごぼっふ!?」

 

予想通りだったのでハリセンで一発叩く。

 

「言いたいことはわかるわよね?」

 

「まぁわかるけどさぁ、ほったらかしても後から火の粉かかるでしょこれ。」

 

そうなのよね。こういうのがあちこちに活動してるってことは、マグマ団みたいに裏でコソコソ何かをやってるに決まってる。そして最後には、この地方の生き物全部を巻き込む事件を起こすんだ。

 

「旅行どころじゃ無くなりそうね。」

 

「そのようで。でも。」

 

「でも?」

 

「今度は正義の味方がやれそうで嬉しい。」

 

「ふんっ。不謹慎よ。」

 

「あう。そうだな。」

 

「ん..,。」

 

今のハリセンの音で気がついたのか、男の人が目を覚ます。

 

「ん、んん。あれ、ここは?僕は何を?」

 

「とりあえず起きられます?」

 

「あぁ、うん。」

 

仰向けの状態から起き上がる男性。

 

「えっと、貴方達は一体?」

 

「ごめんなさいね、私達は」

 

「みーつけたっ。」

 

自己紹介しようとした矢先に今度はオレンジスーツの女が現れる。変なゴーグルつけてるせいで余計に浮いてるわね。

 

「余計な手間をかけさせないでシン。さぁ、お姉ちゃんと帰りましょう?」

 

「いやだ!僕は戻らない!代表は僕らに何かを隠してる!代表を信用しちゃだめだよ!」

 

「私達を拾ってくれたのは代表よ!?あの人に向かってそんなこと言うなんて、少しお仕置きしないといけないかしら、ねっ!」

 

「キシャアア!!!」

 

そう言いながら赤髪のスーツ女はボールを投げる。でてきたのはタイヤのように体が丸まっているポケモン、ホイーガだ。

 

「お姉ちゃん...。」

 

「...ホイーガ!ころが」

 

「はいはーい、ちょっと待ったぁぁ。俺らを蚊帳のアウトにしないでくれたまえ~。」

 

「今ここにいるのは四人だってこと、忘れないでほしいわ。あとフェルトそのしゃべり方はやめて。まったく似てない。」

 

女の指示に割り込んで、アタシとフェルトは男の子の前に立った。

 

「これは私達の問題なんだけど?」

 

だから邪魔するな、と言いたそうだけど、

 

「いやいや、この子倒れてたの助けたのは俺たちなの。助けたのに目の前でこの子傷つけるとか言われたらそりゃあ黙ってられないでしょ。」

 

「保護したのはアタシ達。それを無理やり連れてくってんならそれは拉致と同じ事。話し合いが無いなら全力で抵抗させてもらうわ。」

 

こっちだっていきなり目の前でこんなもん見せられたら黙って見過ごせないし。とはいえ、アタシの出番はなさそうね。だって、

 

「悪(虫)は死すべし慈悲はないっ!」

 

「グォォォォォ!!!」

 

相手が虫ポケモンな上にフェルトがエースのヘルガーをだした以上、勝負なんて決まっちゃってるんだから。

 

 

 




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