このSSは主のきまぐれ更新の元、作成されております。
これを了承してくださる方、続きをどうぞ。
「はいこれ、どーぞ。」
昨日シンのお姉さん、アスカさんから貰った御守りをシンに渡す。
「ほぇ、はぁ、どーも...!?フェルトさんこれをどこで!?」
「昨日の夜に、君のお姉さんとまた会ってな。その時にこれを預かったんだ。渡せばわかるとか言ってたけど。」
「そうでしたか...お姉ちゃん。」
「それは何の御守りなの?」
「お姉ちゃんが言うには、父さんと母さん作ってくれたものなんだって。」
「そっか。なら落とさないようにちゃんと持っておけよ?」
「はいっ!」
「んじゃま、出発だぁ!」
こうして俺たちはアサメタウンへと歩きだした。
アサメタウンは自然に囲まれた静かな街だった。雰囲気的にはミシロタウンに似てるかもしれない。カイナシティは市場があって生活には困らないが、こういう所でのんびりするのも悪くないかもしれない。俺の全財産を使えば不可能ではないかもな。
「その時は私も資金出すわよ?」
シエルも結構気に入ってるようだ、ちょっと本気で別荘的なの考えてもいいかもしれない。
シンは代表さんに拾われてからはずっとミアレで都会暮らしだったようで、人の手が加わっていない景色に感動していた。
街をぐるっと散策していると一軒の家の庭にサイホーンがいた。おはよーと挨拶したら俺の方にやって来て少し匂いを嗅いだかと思ったら頭をすりすりしてきた。こうやって好かれるのはいいんだが、結構ゴツゴツしてんのな。ちょっち痛い。シエルもすりすりされてる。シンはおっかなびっくりって感じか。ホントに箱入りだったんだな。
「どうしたのサイホーン?あら珍しい。」
「あ、どうもすいません。」
三人でサイホーンと戯れていると家主さんが出てきた。
ここまでサイホーンが人になつくのは珍しいらしい。よければ上がっていきませんか、ということでお言葉に甘えることにした。
「セレナの知り合いだったのね!道理でサイホーンが構うわけか。」
家主さん、もといサキさんはプラターヌ研究所で出会った子供たちの一人、セレナちゃんのお母さんでした。なるほど、服についたセレナちゃんの匂いに反応したんだろう、好かれるわけだ。
話を聞くとサキさんはサイホーンレーサーという競技の選手でもあったらしい。
「サイホーンに乗ってみる?」
なんて提案されてしまったのでやってみることにした。
さすがに街の中を走り回るわけにはいかないので、ゆっくり歩き回るだけにしてもらった。最初は何度か落ちたけど、慣れてからは楽しく街を回ることができた。
「ありがとな、サイホーン。」
「サイィ!」
またすりすりしてきた。でもやっぱりゴツゴツしてた。
あとシエル、俺が落ちた時笑った罰で今日の晩飯は激辛料理にしてやる。
フェルトの奴、確かに笑ったのは悪かったって思うけど、さすがに晩御飯を辛いので揃えなくたっていいじゃない!まぁアタシよりシンの方が辛いのダメだったみたいだけど。それでも落ちる度に
「フギャ!?」
とか
「ハボっ!?」
とか
「ひでぶっ!?」
とかを変顔付きで来たら笑っちゃうと思わない?サキさんもちょっと笑ってたわよ?でも初めてにしては筋はよかったらしい。また乗りたかったらいつでもどうぞ~なんて言われてたし。
今は来た道戻りでミアレに向かってるわけだけど、
「いいんじゃない!いいんじゃないのー!」
ハクダンの森に来ると毎回なにかしら遭遇するのはなんなのかしら?2回目だけれどね。あとフェルト、肩を掴む力が強いわよ?
タンクトップにカーゴパンツの彼女、名前をビオラさんと言って、ハクダンジムのジムリーダーだった。副業でカメラマンをやっていて、今日は森で虫ポケモンの撮影をしていたと。
「虫は嫌だ虫は嫌だ虫は嫌だ虫は嫌だ虫は嫌だ虫は嫌だ虫は嫌だ」
「どうどう。」
「えっと、後ろの人は大丈夫?」
「大丈夫よ、虫ポケモンに対してはいつものことだから。」
「そ、そう。」
背の高い男子が背の低い女子の後ろで怯える姿は誰だって引くと思う。
「ヤッコー!」
「あら、また来たのね。」
森を歩いていると一匹の鳥ポケモンがアタシたちの前に現れた。どうにもビオラさんに用事みたい。
「あれはヤヤコマですね、この森ではよく見かける鳥ポケモンです。」
初めて見るなーと思っていたら、シンが説明してくれた。知識だけなら持ち合わせているらしい。シンに付いてきてもらって正解だったかも。
この鳥ポケモン、ヤヤコマは以前ビオラさんのポケモンにちょっかいを出してコテンパンにされたようで、それ以来打倒ビオラさんを目指し、姿を見つけるとこうしてやってくるようになった、ということらしい。
「出番よ!アメタマ!」
「アメ!」
ビオラさんがだしたのはアメタマ。むしみずタイプのポケモンで、ひこうタイプを苦手とするポケモンだ。もちろんタイプ相性だけの話ならね。
結果はヤヤコマの惨敗だった。しかし冷凍ビームで凍らせた地面を滑って移動するアメタマか、さすがジムリーダーと言ったところかしらね。あれ、私達でもできないかしら?
「すごい...これがジムリーダーのバトルっ!」
「なるほど、冷凍ビームにあんな使い方が。勉強になる。」
横ではシンとフェルトがそれぞれの反応を見せていた。
シンはバトルには興味あるみたいね。自己防衛な意味でもバトルを少し教えるべきか。後でフェルトと相談ね。
「そういえばヤヤコマって進化するの?」
ホウエンの鳥ポケモンというとスバメやキャモメが挙げられ、二匹とも一回ずつ進化する。だからヤヤコマもそうなのかと思って聞いてみた。
「えぇ、ヤヤコマはヒノヤコマ、ファイアローと二回進化するんです。」
「へぇ二回進化するタイプなのね。」
「あとヒノヤコマに進化すると、ほのお、ひこうタイプになるんですよ。」
「...。」キュピーン!
あ、振り向かなくてもわかる。今の言葉でフェルトが目を光らせたのがわかるわ。効果音が聞こえたから間違いない。
「なぁヤヤコマ?もっと強くなりたくないか?」
「ヤコー...?」
あ、いつの間にか動いてた。ほのおタイプには目がないからなぁ。
「今のお前に足りないのは、経験だ。いろんな場所に行って、いろんな奴と会っていろんなやつとバトルするんだ。そしたらもっと強くなれる。」
「ヤコッ!ヤコッ!」
「気合い十分だな!そこで一つ提案だ。俺たちは今カロス地方をぐるっと一周しようと思う。その途中でいろんな事、モノに出会うだろう。そこでだ、一緒に来てみないか?」
「ヤコッ!?ヤッコー!」
「来てくれるのか!ははっ、よろしく頼むぜ!」
「ヤッコー!」
ヤヤコマを肩に乗せて喜ぶフェルト。そして肩の上でヤヤコマ。ふふ、なかなかいい絵ね。
「こんなゲットの仕方もあるんだぁ、自分感激です!」
「うんうん、いいんじゃない!いいんじゃないの!」パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ
ビオラさんがカメラでフェルトとヤヤコマを撮っていた。というか多すぎないかしら?