ここ1年程は作品を投稿することなく、ロムっていましたが、つい、この後の話が書きたくなってしまい、駄文とは分かっていますが、書いてしまいました。
もし、読まれる方がおられましたら、暖かい気持ちで呼んでくだされば幸いです。
では、どうぞ!
バサラがティアマトに歌いだした中でも、他のサーバント達の攻撃は止まず、戦闘は続けられていた。
英雄王は乖離剣エアを、慢心を捨て去り本気で仕留めに掛かり、
初代ハサンはその死の概念を纏った剣と信仰心から来る鍛錬により超人的とも言える領域の武技を繰り出し、
マーリンは彼らだけでなくカルデアのマスターである藤丸立花とそのサーヴァントのマシュがケイオスタイドに触れることが無きように花を咲かせ、その侵食を防ぐ。
ただティアマトも一方的にやられている訳ではない。
その巨体を活かし暴れて回ったり、口から何やら黒い煙、いや液体と呼べるようなものを出し攻撃を仕掛けてくる。
「それに触れちゃ駄目だ!恐らくそれは地面に流れてるケイオスタイドと同じようなものだ!触れれば、そこから侵食されて、まずいことになるぞ!」
立花とマシュに警告するのは、カルデアの管制室からこの戦いを見ているロマ二である。
見ているといっても、彼らを少しでもサポートできるように分析や周囲の状況を探り、彼らのサポートをできるようにしている。
だがいかんせん、敵の巨体やケイオスタイドの侵食ぶり、そして攻撃の激しさから大したサポートが出来ずにいる。
それを分かりながらも彼らは状況把握や分析を辞めようとはしない。
助けにならないかどうかではなく、彼らを生還させたい、この想いで行なっているからだ。
「ちっ、奴め、まだこれだけの力があるか、しぶといものよな、流石は原初の神のことだけはあるか」
ギルガメッシュが面倒そうに呟く。
慢心を捨て去り本気を出したギルガメッシュを持ってしても今だに仕留めきれてはいない。
倒せるようになったとは言っても敵は人類悪の一柱であるビースト、いくらギルガメッシュとグランド級のサーヴァントが倒そうとしてもそう簡単にはいかない。
だが、簡単にはいかないというだけで、倒せないという訳ではない。
グランド級のサーヴァント2騎とグランドではないが、グランドクラスの力を持つギルガメッシュ、そして数々の特異点を修復し、駆け抜けてきたカルデアのマスターとそのサーヴァントこと立香とマシュも適切な判断と行動を行なっており、徐々にではあるが、ティアマトへ攻撃を加えている。
このままいけば倒すことはできるかもしれないが、まだ足りない。
ティアマトを倒すためには、まだ一手が足りない。
倒しきる為の駄目押しの一撃を入れる為の隙を作ることができればいいが、ティアマトがそれを許さない。
このままでは長引きそうだ、そう思っていたが、
「ティアマトの様子が、変わった?」
ティアマトはこれまではその巨体を活かして暴れ回り、ケイオスタイドを流すなどして、大技を撃たせないよう、立ち回るような動きをしていた。とは言っても、殆ど理性など無くなっている様子だったので、本能で暴れ回っていたとは思うが。
そのティアマトの様子に変化が見られた。
ただ暴れるのではなく、ある方向を見ながら暴れていた。
いや、正確には『聴きながら』暴れていた。
そう、ティアマトの視線の方向には、あの男が歌っていた。
「本当〜のそ〜らへ〜、本当のそ〜らへ〜」
彼の宝具である戦闘機に乗り、その形態を人とよく似た形に変えながら、彼は
「い〜のち輝〜くそ〜らへ〜」
先程から変わることなく歌い続けていた。
「あ、ああ、、、」
ティアマトは気づいたらバサラを見ていた。
その様子は、もう見惚れていたという方が近いかもしれない。
それ程までに衝撃だったのかもしれない。
彼女は、過去に神々により、虚数空間へと封じられ、それ以来神どころか人、いや彼女の産んだ子供と呼べるような者たちからも恐れられ、誰一人として、彼女と会おうともしなかった。
そこから来る心の虚しさなどからいつしかビーストと呼ばれる存在に変貌してしまった。
彼女は自身が産んだ人と滅ぼすか滅ぼされる関係になった。
なってしまった。
もう、殺し合う関係になった彼女に対して人は敵対的な目でしか見なくなった。
もう人とは分かり合えない、そう思っていた。
だが、なんだ、これは?
何故、この場で歌っているのか?
何故、他の人という者たちは自分を殺そうとしているのに、こいつは歌うのか?
何故、こいつの歌を聴くと、胸が締め付けられるのか?
何故?何故?何故?
ティアマトは、心の中で自問しながらいつしかその場で立ち尽くしていた。
「ティアマトが、止まった、、、?」
藤丸立香は、目の前にいるティアマトが立ち尽くしたことに疑問を感じた。
なんで?そう思いながらも警戒を解かない。
何か仕掛けてくる前触れか、そう思い、備えていたが、
「せ、先輩、あそこに、、」
自身のサーヴァントであり、後輩でもあるマシュがある方向を指で示す。
その指す方へ視線を向けると、
「バ、バサラさん、、、」
バサラがティアマトに、歌っている。
「もう、あの人は、変わらないなあ、、、」
そう、思えばいつもこうだった。
数々の特異点を駆け巡ってきたが、あの人はいつも変わらず、ただ歌っていただけだった。敵だろうが味方だろうが関係なく、歌っていた。
最初に会った頃から変わらない。
最初は命のやり取りをしているのに、ふざけてるのかと思った、だけど、安心する、何故か次第にそう思うようになってきた自分がいた。
あの人と触れ合い、関わっていく中で、あの人の歌への想いと情熱を理解していくうちに、もっと歌を聴きたい、そう思うようになっていった。
「先輩、、、」
そう呼び掛ける後輩のマシュの方へと顔を向ける。
その表情は、緊張は抜けていないが、戦いをしていた先程よりも幾分か解れている感じだ。
「バサラさんは本当に、変わりませんね、、、ですが、何故でしょう、それなのに、安心してしまう自分がいると言いますか、なんというか、、、」
マシュは困ったようにそう告げる。
立香は、そう思っていたのは自分だけではないと知り、そして戦場にいたというのにそんな気持ちになってしまった自分に苦笑する。
やがて立香は、バサラの方へ顔を向け、
「バサラさん、、、頼みます、、、思いっきりやっちゃって下さい、、、」
託すかのように呟くのだった。
その直後、さらに状況は変わり、この場にいる全員が驚愕した。
「これは、、、」
この場の状況を把握したマーリンは、信じられない思いで驚愕する。
ビーストと化したティアマトが、普通ではないとは言え、一人の人間の歌を聴いている?そして、歌い出した?あの人間に合わせるように?
「ふん、あの芸妓師め、やるではないか」
ふと声がした方向へ顔を向けると、すぐ近くにギルガメッシュが立っていた。
その表情はさも珍しいものでも見たかのようであり、何処か嬉しげですらある。
「奴め、ティアマトめに歌わせ、それだけでは飽き足らず、共に歌わせるか、、、
奴風に言うならば、デュエット、というやつか。
それをさせてしまうか、、、」
その言葉を聞き、マーリンは信じられない思いでギルガメッシュとティアマトを交互に見た。
確かにこれまでの彼のことは、アバロンにて観てきたが、まさかビースト相手に共に歌うなんてするとは思わなかった。
「ふん、何を驚く、魔術師。貴様も観てきたのだろう?これまでの奴の軌跡を。
奴が幾ら記録庫から望まれた存在とはいえ、な、」
その言葉を聞き、納得している自分がいることにマーリンはまたもや驚愕していた。
確かに熱気バサラという男は、あのアカシックレコードによって望まれた存在だというのには気づいていた。
その為に、本来なら来るはずのないこの世界に来たということも。
そこまで考えてなぜ彼がこの世界に来たのかが分かった気がした。
何とは言えないが、そんな気がした。
「やっぱり、人間って、おもしろいね。」
思わずマーリンはそう、呟いていた。
それが聞こえたかは分からないが、近くにいたギルガメッシュも口元に笑みを浮かべていた。
お読みいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
何分久し振りに書きましたので、色々変な所はあると思いますが、、、
今回の話で、マーリンやギルガメッシュの話し方やキャラが全然違う!そもそもここはこんな設定じゃない!という方もいらっしゃると思います。
その場合は、大変申し訳ないと思います。
今回、ハサンやロマニが出ておりませんでしたが、もし続きを書いたら、2人も出そうと思っております。
では、機会があれば、またお読みいただけるように書けたらと思います。
第七特異点の最後をアンケートしたいと思います。良ければ答えて頂ければと。
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A、ティアマト撃破ルート
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B、ティアマト和解ルート