Fate/Grand Fire!!   作:ま未来への咆哮

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初めましての方は、初めまして!
お久しぶりの方は、お久しぶりです!

長らく放置して申し訳ございませんでした!

久しぶりにマイページを見たら、
もう、投稿しないのか、、という感想を頂き、これは、投稿するしか無い!と思い、久しぶりに執筆致しました、、、かれこれもう二年、、、放置してしまった、、、

今回は、幕間の続きではなく、アンケートを取っていた第七特異点です。
さあ、どちらの話でしょうか?当ててみてください。

今回は、ネタバレになるような、ものを後書きに書かせていただきますが、今回は、もしかしたら、あるキャラのキャラ改変、下げが発生してるかもしれません。(それでも薄いかも)
また、こうはならんやろというような内容や表現が多々あるかも知れません。


その為、ご容赦いただけます方だけ、お読みいただければと思います。

どうぞ!




第七特異点3

 

 バサラがティアマトと共に歌い、王と魔術師がそれを見守っているのと同時刻。

一人の男もまた、バサラとティアマトが歌うのを見つめていた。

 

「よもや、あの獣と共に歌う、とはな、、、」

 

そう呟く男の容貌は異形と呼ぶに相応しかった。

その男は全身黒ずくめのマントに覆われ、その顔には髑髏を象った覆面を着けていた。

 

この男こそアサシンの語源となったハサンの初代である。

 

「己があの霊穴に籠り、信仰に背いたハサンを裁くハサンとなり、気づけば冠位を得ていたが、、、」

 

初代ハサンは感慨深そうに見つめている。

 

その顔は覆面により見ることは敵わないが、その声色はどこか羨ましそうにも、感心しているようにも聴こえる。

 

「あの男は、我らが神を信仰せず、ましてや神などどうでもよい、そのような態度を取る。だが、そんな異教徒とも言えるような者が、神と歌ってみせる、か、、、」

 

初代ハサンにとっては、バサラのような男は冠位に着いてからも、世を長い時をかけて見守り続けてきたが見たことも聞いたことも無かった。

正確に言えば、考えたことも無かった、世に名高い救世主達でも、最後には謂れのない罪で裁かれ串刺しにされる者がいるくらいだ。

彼らの考えが世界に広がり、信仰されてきたのは、彼らの死後数百年も経ってからだ。しかも、政治や私利私欲の為に彼らの教えを歪める者達がほとんどだった。

それを知ってか知らずかは定かではないが、彼は信仰のために、自ら霊穴に籠り、ハサンを裁くハサンとなり、今日まで霊穴に籠っていた。

そんな彼だからこそ、今のバサラの姿は、異教徒と言えど、とても眩しく見えた。

 

「異教徒と言えど、己の歌を通じて他者と分かり合う、それが滅びをもたらす神であろうと、その姿勢は変わらぬ、か、、、」

 

そのように呟く初代は、覆面に覆われて表情は窺えないが、微笑んでいるような雰囲気を感じる。

 

そして、

 

「・・・世界には、あのような男がおるのだな、、、」

 

初代は、そう呟いた。

 

 

ーもしも他のハサンがそれを見ていたら、こう言うだろう。

 

ー気に入られましたかー、と。

 

そう、言葉に出すくらいには初代はバサラのことを好ましく思っているように見えたー

 

 

三人の男達がバサラとティアマトを見守る中、一人の女神は気が気で無かった。

 

「あのティアマトと歌うなんて、、、」

 

金星の女神、イシュタルである。

 

彼女もまた、バサラとティアマトが共に歌う事に驚愕した者の一人である。

確かにあのティアマトと歌う、その事自体は驚愕に値するし、偉業ですらある。

人理を脅かすビーストの一柱であり、もはや地母神ではなく、邪神とも言える存在と共に歌うなど、長い人類史でもいないであろうし、これから先も出ることは無いだろう。

 

だが、

 

「・・・あなたの成し遂げたことは、この女神イシュタルの名において、とてつもないことである事を認めましょう。だけど、、、」

 

「・・・あいつは、この世界に存在しちゃいけない神なのよ。

だから、悪いけど、あいつだけは仕留めなくちゃ、いけないのよ、、、」

 

そう、自らに言い聞かせるように右腕をティアマトに向けて手で銃を構えるようにし、

 

『ー山脈震撼す明星の薪ー」

 

ーティアマトに向け、全力の宝具を撃ち放ったー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、バサラとティアマトが共にバサラの歌、『TRY AGAIN』を共に熱唱している。

 

そんな彼らは、心を通わせ、聴くものの魂を震わせるような歌を響かせていたが、そんな中でも、曲は終わりに近づく。

 

バサラは、最後のサビが終わり、メロディの曲調が変え、曲の終わりが近づくことを告げるようにメロディを奏でる。

 

そんな中で、それは起った。

 

ーイシュタルの宝具が、ティアマトを襲ったのだー

 

ティアマトは、宝具が巻き起こす爆風と光に包まれ、その後は煙に覆われ、姿を窺うことはできない。

 

そんな光景を目の当たりにした立香とマシュは絶句する。

 

もう少しで、もう少しでティアマトと分かり合えたかもしれない、それなのに、、、!

 

という気持ちは、あった。

だが、同時に、ティアマトの気が変わり、再び争うことになるかもしれない、そんな考えが少しでもよぎってしまったが為に、イシュタルに何も言えなくなった。

 

他の三人もイシュタルの気持ちが分からなくも無いのか、何も言わずにいる。

 

ただ、心中でどこか失望するような、残念な気持ちにはなってはいるが、、、

 

だが、バサラは、イシュタルに向かって、

 

「馬鹿野郎!なんで、撃ちやがった!

もう少しで、分かり合えたのに!」

 

怒りを露わにしていた。

 

そんなバサラにイシュタルはどこ吹く風という様に、バサラに告げる。

 

「・・・私だって、あなたと、あの女神が共に歌い、心を通わせていたのを見て、こんなことはしたくなかったわよ、、、

でも、仕方なかったのよ!あいつは、この世界を滅ぼす女神なのよ!?あいつを倒さなきゃ、この世界は?!」

 

そこまで言ったイシュタルは、ある一点を見つめて、驚愕したように、動きを止めた。

 

それに釣られて、全ての者がその方向を見つめていた。

 

そこには、煙が晴れて、姿を表したティアマトが佇んでいた。

 

だが、驚愕すべきは、その姿だ。

イシュタルは、間違いなく、全力で自らの宝具をティアマトに向けて撃ち放った。

その宝具の一撃を受けて、さほど聞いていないように見えた。

 

その姿に、バサラ以外の全ての者が驚愕し、臨戦態勢を整えていた。

 

だが、肝心のティアマトというと、

 

 

「あ、、、ああ、、、」

 

 

言葉にならない声をあげ、バサラを見つめていた。まるで、歌を中断され、不完全燃焼だと言わんばかりに、、、

 

 

「・・・あんなことがあったってのに、まだ、歌い足りねえみてえだな」

 

 

 

「・・・上等じゃねえか!でけえの!俺の歌を聴けえええええええ!!」

 

 

『Angel Voice』

 

バサラはアコースティックギターに持ち替えて、弦を弾く。

 

ジャン、ジャン、ジャンと独特なリズムを奏でる、メロディが響く。

 

しばらく前奏が響いていたが、バサラが歌い出す。

 

 

 

 

 

ーその時のバサラの歌を聴いていた、カルデアのマスターである、藤丸立香は後にこの時の歌について、こう述べている。

 

 

まるで、その曲の名前の通り、天使の歌声みたいだったー

 

そんな、天使の歌声の如き歌声が響き渡る。

それは、ウルクだけではなく、世界に、銀河中に響くかのように。

 

そんな歌を聴いてティアマトが大人しくしている訳がない。

 

 

ーまた、バサラと共に歌っているー

 

 

まるで、この時ばかりは争いを忘れ、この男と共に歌いたい、そんな風に立香には見えた。

 

 

そんな中で、変化は起こる。

 

「な!?」

 

『どうしたんだ?!立香君!何が起きて、、、んな?!ティアマトの魔力が、跳ね上がっている?!ばかな、どうして?!』

 

 

立香の声に反応したロマンが計器に目をやると、ティアマトの魔力値が跳ね上がっていた。何が起きている?そう疑問が浮かぶが、当の立香には、そんなことですら、どうでもよかった。

 

いや、バサラ以外のその場にいた全ての者が驚愕していた。

 

「ティアマトの、姿が、変わった、、、?

いや、戻ってる?」

 

 

 

 

ティアマトの姿が、以前のウルクに顕現した時の姿に戻っていたのだ。

 

その姿で歌うティアマトは、以前あった憎しみを無くし、バサラと共に歌うことを純粋に楽しんでいるようにすら見えた。

 

そんなティアマトを見たバサラは、ファイアーバルキリーから飛び降り、ティアマトの前で共に熱唱している。

 

彼の足下には、ケイオスタイドと呼ばれる物質があったはずだが、バサラの出しているオーラのようなものに触れると、浄化してしまったように見えた。

 

その光景を見た英雄王、ギルガメッシュは

 

 

「・・・芸妓師よ、、、他ならぬこの英雄王が認めてやろう、、、貴様のその歌と、情熱とやらは、本物であるとな、、、」

 

そう呟き、声高らかに笑い出した。

 

 

 

 

気づけば、バサラとティアマトの歌は終わり、辺りが暫くぶりに静かになる。

 

「中々だったぜ、あんたの歌」

 

 

バサラは、ティアマトの歌を称賛していた。

 

 

そんなバサラにティアマトは、

 

『人の子よ、、、あなたのような者が、まだ、居たのですね、、、あなたのおかげで、私は、永い間、感じた事の無い温もりを感じることご出来ました、、、感謝します』

 

バサラに感謝の気持ちを告げていた。

 

ティアマトが理性を持って、バサラに話すことに、バサラとギルガメッシュ以外の全ての者が何度目かの驚愕を露わにしていた。

 

『ティアマトが、ビーストが、人に、感謝してる?!』

 

そんな中でもギルガメッシュは、愉快そうに成り行きを見届けるつもりのようではあるが、、、

 

「そうかい。俺の歌で感動してくれたってことか」

 

そして、バサラはいつもの調子で呟き、嬉しそうに表情を変えていた。

 

『ええ、あなたの言葉で表すならそのような言葉が相応しいでしょう、、、

 

全ての神や人の子に忌み嫌われた私が、また、温もりを感じられるとは、思いませんでした、、、

 

人の子よ、私は、また、眠りにつき、人の子らを見守ることに致します。

 

あなたのような者が一人でも居てくれることが分かったのですから、この世界を滅ぼすことはもう、致しません』

 

「ああ、そうしな。世界を滅ぼすなんてくだらねえからな。また、世界を滅ぼすなんてことを言うんなら、俺の歌を聴いてきな。ハートがビンビンするからな!」

 

バサラはいつもの調子でそう言葉を告げ、ギターの弦を弾く。

 

そんなバサラを見て、ティアマトは、

 

『ふふ、人の子よ、あなたは本当に面白いですね。

人の子よ、最後に我が名を告げましょう。

我が名はティアマト。

数々の神々を産み落としたウルクの地母神にして、人を滅ぼす災厄の獣に身を窶した愚かな神です。

、、、あなたのお陰で、温もりを思い出すことができました。

改めて人の子よ、ありがとう』

 

ティアマトは、バサラに笑顔を向け、その後は、世界から姿を消し、元居た場所に帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バサラさーん!』

 

ティアマトが去った後、その場に佇んでいたバサラの元に立香とマシュが駆け寄る。

 

そんな彼らの声にもバサラは反応しなかった。

 

ただ、どこかにある星を探すかのように、空を見ていた。

 

そして、

 

「・・・また、一緒に歌おうぜ、、、」

 

そう、呟くのだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー to be continued ー

 





お読みいただき、ありがとうございます!

アンケートの結果、ティアマト和解ルートを書かせていただきました。

アンケートの結果としては、撃破ルート2票に対し、和解ルートが150票を超えておりました。(2021年10月20日時点)

筆者としては、撃破ルートか、同じくらいになるかなあと思ってましたので、驚きました。


ここから、話は、作中のものになりまして、
イシュタルになんというか、汚れ役というか、そんな感じで描いてしまったのは、後悔というか、なんというか、、、

正直あの役は、ギルガメッシュとマーリンにやらせるのはなんか違うなあと、、、マーリンは火力の問題で出来なかったと思いますが、、、

あとは、初代様ですが、彼ならやるだろうけど、バサラの歌やその姿勢に驚きや感心をするだろうなという風に考え、こうしてしまいました、、、
イシュタルファンの方々、誠に申し訳ございません!

あとは、出来るだけ淡々と書いてみようかと思い、他の登場人物の心理描写やセリフ等はなるべく削り、描いて見ました。

それでも4千字、、、これ、もっと書いてたら、どうなってたかな、、、

あとは、ティアマトが元に戻って帰るのは、中々無いかなあと思いながら、他の小説で書かれてなかったのは、あ、こら難しいわと書いてて思いました。
正直、もっと上手く書けなかったかなあ、、、と思いました、、、

他にも、この小説内で書いてなかったことは多々あります。
例えば、イシュタルの攻撃にびくともしなかったティアマトやら、ギルガメッシュのバサラに対しての言葉の真意等々、、、機会があれば、書いたほうがいいのかな?

今度、この小説の話を書くとしたら、今回みたいに特異点のボスと言えるような存在とではなく、特異点ごとの一場面の短編になるかも、、、


では、ありがとうございました!












第七特異点の最後をアンケートしたいと思います。良ければ答えて頂ければと。

  • A、ティアマト撃破ルート
  • B、ティアマト和解ルート

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