太陽の種と白猫の誓い   作:赤いUFO

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今回で戦闘終了。


97話:真の英雄は――

「これは──っ!?」

 

 部屋の中を見てリアスは言葉を失った。

 そこに居たのは京都の妖怪たち。

 驚くのはそこではなく、彼らは全員拘束され、呪符や管のような物が巻き付けられており、呻き声を発していた。

 

 黒歌が近くに居た妖怪の体に触れる。

 

「どうやら、この呪符や管が妖気を吸い取ってどこかに送ってるみたいね。完全にエネルギータンクとして扱ってる。いい趣味してるわ」

 

「なんてことを……!?」

 

 黒歌の言葉にリアスが表情が歪む。

 従わないなら生命としての権利すら認めない、と言うことなのだろう。

 本来、同胞であるはずの彼らへの扱いにリアスは嫌悪を隠せずにいた。

 他の面々もそれは同様らしく、眉間に皺を寄せている。

 

「黒歌! 彼らを解放する方法を調べてちょうだい! 一刻も早く!」

 

「はいはい。えーと、これがこうなってるわけだからー。ん?」

 

 何かに気付いたように、黒歌は足を奧へ奧へと進ませる。

 

「どうしたの? 黒歌」

 

「こっちから、一段と強い結界の気配がね」

 

 進んでいくと、そこには大きな木製の扉とそれが見えなくなるほどに貼り付けられた呪符だった。

 その扉を嗅ぐ仕草をすると確信する。

 

「この妖気と匂い、間違いないわ。この奥に居るのは、狐の妖怪よ。これだけ大事に守ってるってことは──」

 

「八坂の姫っ!?」

 

 続くリアスの回答に黒歌はでしょうね、と頷いた。

 呪符を剥がしていく黒歌が段々面倒になったのか指先から火を出し、燃やして床に落ちた符を足で火を消すを繰り返す。

 リアスと祐斗も手伝い、粗方呪符を処理して扉を開いた。

 

 中にはそこそこ広い座敷。

 その奥にその女性はいた。

 彼女は驚いたようにリアスたちを見る。

 以前、顔合せたときよりやつれて見える八坂の姫。

 何を言ったらいいのか分からずに狼狽している八坂の姫にリアスが前に出た。

 

「お久しぶりです。リアス・グレモリーです。此度は貴方の娘、九重殿の要請を受け、救援に参りました」

 

 落ち着かせるように話すリアスに八坂はその腕を掴んだ。

 

「頼む! 探してくれ! このままでは、あの子が!? 九重が!!」

 

 懇願する姫にどういうことなのか訊き、事情を説明されるとリアスたちは顔を青褪めさせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブラフマーストラの攻撃から槍が一樹の手に戻る。同時に一誠が肩に手を置いた。

 

「やったな、日ノ宮! これならいくらアイツでも!?」

 

 一樹のブラフマーストラは事威力に関しては一誠のドラゴンブラスターを凌駕している。その上倍加の譲渡まで行ったのだ。これで生きている筈はない。

 そう思い、一樹の背中をバシバシと叩く一誠だが、一樹の表情は険しく、思っても見ないことを言った。

 

「悪い、兵藤。今回は俺のミスだわ。流石に予想できなかった」

 

「は? なに言ってんだよ?」

 

 一樹の言葉の意味が分からずに疑問に思っているとドライグが声を発した。

 

『日ノ宮。お前も気付いたか?』

 

「自分の事だしな。今まで試さなかったことがここで裏目に出るなんて……これじゃあ、たぶん────」

 

「おい! 2人ともなんだよ! 何か問題あったのか!!」

 

 一樹とドライグの会話の意味が分からずに声を上げる一誠にドライグが簡潔に答えた。

 

『いいか、相棒。倍加の譲渡は失敗した』

 

 ドライグに言われて一瞬間の抜けた表情をした後に動揺からたじろいだ。

 

「え? で、でも俺たちはちゃんと────」

 

「あぁ。兵藤はちゃんと倍加の譲渡をしてくれた。問題は、俺の鎧がその効果を全部弾いちまったんだよ」

 

「弾いたぁ!?」

 

 一樹がガリガリと頭を掻いて表情を歪める。

 

「どうやらこの鎧は、外部からの強化能力は受け付けないらしい。(じぶん)以外のパワーアップは認めないってか? 意外と独占欲が強いなコレ」

 

「冗談言ってる場合か!! それじゃあ────」

 

「あぁ、来るぞ!!」

 

 爆発の炎から人型が落ちてくる。

 もちろんそれはさっきまで敵対していた鬼だった。

 

 地面に落下すると、のそりと立ち上がる。

 その体には、多くの火傷跡が残っていた。

 

「くくく……流石に今のは死ぬかと思ったぞ。あぁ、認めてやろう! お前たちは大した餓鬼だ!」

 

 全身の火傷が急速に癒されていく。

 霊脈の恩恵により、全身火傷ですらそう治るのに時間はかからないらしい。

 

「どうすんだよ!? もうあれしかないと思ったから力送ったのに!! もうそう長く戦える体力なんて残ってねぇぞ! 大体、お前がもっと早く倍加の譲渡を試させてくれりゃ、こんなミスしなかったのに!!」

 

「仕方ねぇだろ!! 俺だって自分への強化が無効化されるなんて思わなかったっての!!」

 

「開き直んじゃねぇよ! ホントにどうすんだよ! もう打つ手なんて!」

 

 グチグチと文句を言う一誠に一樹がキレる。

 

「少しは自分でも考えろよ!! それにな! お前がドラゴンブラスターでアイツを倒せれば問題なかったんだろうが!! 新聞紙だって42回折れば月まで届くって言われてんのに仕留められないってどういうことだよ!! この、ぼくのかんがえたさいきょうのきょうかそうび! みたいな神器持ってるくせにっ! ちょっとはその新聞紙の厚み以下の魔力量を改善してから文句言えっ!!」

 

 一誠の左の籠手を指でトントン叩きながら叫ぶ一樹に頬の筋ピクピクと動かした。

 

「お前いい加減に1つの文句に10で返すのやめろよ!!」

 

『言い争ってる場合か、お前たちっ!!』

 

 喧嘩を始める一誠と一樹にドライグが叱咤する。

 その様子を眺めながら桜鬼が告げる。

 

「どうした続けるなら構わんぞ。これが最後の仲間との会話になるのだ。お前たちの力を評して、それくらいは待ってやろう」

 

「ざっけんな!! 最後の話し相手が日ノ宮とかどんな罰ゲームだよ!! 俺はデカいおっぱいに埋もれて死ぬって決めてんだよ!!」

 

「同感だ! 最後の会話相手がこいつとかありえねぇ」

 

 再び構えを取る2人。

 

「で? ホントにどうすんだ? このままじゃマジで全滅だぞ!」

 

「だから考えろよな。まぁアイツだって生き物なら、あんまやりたくないが、首でも落とせば死ぬんじゃないか?」

 

 流石に首が落ちても再生するなんてデタラメ生物ではないと思いたい。

 一樹と一誠の会話に鼻を鳴らす。

 

「首を落とすか。確かにそれなら俺も死ぬだろうなぁ。出来れば、の話だが」

 

 お前たちには不可能だと言いたげなその態度に、2人は気合を入れ直す。

 

「まだやれるか? 日ノ宮」

 

「さっきも言っただろ。勝たなきゃなんねぇんだ。やるしかねぇだろ」

 

 疲れたような声音だが、そこにはここは引かないという断固たる意志があった。

 

「やんぞ!! あのバカ鬼を倒して、九重たちを助けんだ!」

 

「あぁ!」

 

 2人が揃って桜鬼に向かう。

 最初に桜鬼に辿り着いたのは一誠だった。

 一誠と桜鬼の両の手の平が合わさり、力比べになる。

 しかし、一誠の腕は少しづつ押され、的の握力に籠手に罅が入る。

 そんな力比べに一樹が一誠の背中を登って跳び、炎を纏った矛先を桜鬼の肩に突き刺した。

 痛みに顔を歪めるが、一樹の腹に頭突きを喰らわせ、一誠を蹴りで押し出す。

 2人とも別々に吹き飛びながら次の反撃に移る。

 

「飛べ、(アグニ)よ!」

 

「ドラゴン。ショットォ!!」

 

 斬撃と砲撃。

 二種の攻撃が桜鬼へと向かう。

 しかし────。

 

「効かぬわっ!?」

 

 腕で防御し、2人の攻撃を防ぐ。

 既に一樹が付けた肩の傷は塞がっていた。

 

「今度はこちらからだなぁ!!」

 

 その巨体に似合わぬ突進。

 空中から着地していた一樹を蹴る。

 ノーガードのまま脇腹に喰らうが、吹き飛ぶことを許さず、頭を掴んで地面に叩きつけた。

 

「グガッ!?」

 

「先ずは頭の回りそうな貴様からだ!!」

 

 そのまま妖気を集めた拳で一樹の頭を粉々にしようとする。

 

「やら、せっかぁ!!」

 

 形振り構わず肘の撃鉄を起こし、戦車のパワーを叩きつけるが、桜鬼は鼻で笑い飛ばす。

 

「先程より力が落ちているぞ! ここで限界かぁ!!」

 

 一樹に向ける筈だった拳を一誠の頭部に喰らわせる。

 兜は破壊され、口と鼻から血が出た。

 

「こんの、やろっ!!」

 

 一誠が闇雲にタックルしてどうにか一樹から腕を外させると同時に炎を生み出し爆発させて距離を取った。

 

「はぁ……ハッ……はぁ……」

 

 呼吸は乱れを意識の外に置き、攻撃を繰り返す。

 皮膚を切ることは出来てもすぐに再生し、一誠の打撃も僅かな痣が出来る程度。

 突き出された拳を跳んで躱し、腕から頭を蹴って高く跳躍する。

 

「離れてろ、兵藤っ!?」

 

 槍全体に炎を纏わせ、投擲の体勢を取った。

 

「先程の技か!! 効かぬとまだ分からぬか!!」

 

「なんてな」

 

 一樹は槍を落とし、懐から1枚の符を取り出した。

 それは、白音が使っている転移符だった。

 

「来い、白音!!」

 

 すると、一樹の前に手裏剣型の螺旋丸を作った白音が転移して現れた。

 あまりの意外な展開に桜鬼の動きが止まる。

 

「いっけぇ、白音ぇ!!」

 

 白音の背を蹴り、一気加速させてに桜鬼のところまで落下させる。

 完全に外しようがないタイミングで白音は自身の”必殺”を叩き込んだ。

 

「風遁・螺旋手裏剣っ!!」

 

 桜鬼の肉体に螺旋手裏剣が直撃する直前に景色が一変する。

 広い荒野だったその場所は、木製の一室へと変わり、螺旋手裏剣が起こした爆風が桜鬼を中心に天井と床まで破壊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間を少し遡り、八坂から九重が捕まり、霊脈の力を桜鬼に送るパイプ役として扱われていることを知ったリアスたちは急いで九重の捜索に入った。

 朱乃と祐斗。そして、眠っているギャスパーと黒歌の影分身体を置いて、だ。

 

「見つけた。娘さんは、白の真ん中の階。隠し扉の中に囚われてるみたい」

 

 数十体の影分身の1体からもたらされた情報を黒歌は口にする。

 

「その分身、便利ね」

 

「まぁねー。消えると情報や経験が本体に蓄積されるからこういう仕事にはうってつけなのよ。もっとも今は数を優先させて戦闘能力は限界まで削ってるけどね!」

 

 敵に見つかった場合は、その場で抱きついて爆発するように指示を出してある。

 そこで、八坂の膝が崩れる。

 

「────っ!?」

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫じゃ。九重が行われている仕打ちに比べればこのくらいの疲労っ!!」

 

 八坂は囚われていた部屋に力を削がれる結界が敷いてあったため、まだ力が戻っておらず、ここ数日の監禁生活で精神的にも疲弊していた。

 しかし鬼に利用されている娘を助けるために泣き言を口にすることは許されない。その思いで気力だけで動いていた。

 

 もたらされた情報通りの部屋に行き、リアスが滅びの魔力で封を扉ごと破壊した。

 中には桜鬼側に就いたと思しき妖怪数名。

 そして、空中に磔にされ、全身に発光する紋様を浮かび上がらせながら白目を剥き、口や鼻から液体を垂れ流していた。

 その状態を見ただけで、危険な状態と判断するのは充分だった。

 

「な、なんだお前たちは────っ!?」

 

 ここは絶対に見つからないと思ったのか動揺する妖怪たち。

 しかし、すぐに動きが封じられる。

 見れば、黒歌と敵妖怪たちの影が繋がっていた。

 

「影縛りの術成功、と! さて、ここまで精密な術式を使って霊脈を操る道具にしている以上、力づくで解放させるとどうなるか分からないでしょ? 後遺症が残るか。最悪、死か。あの子を解放する手順は?」

 

 黒歌の言葉にリアスはハッとなる。

 九重を解放する手順を聞き出すために近づくと顔に唾を吐いた。

 

「我々は桜鬼さまに付き従う者。命に代えても情報を流すことなど無い!」

 

「あ、そ」

 

 つまらなそうに黒歌は目を細め。結んでいた印を僅かに変える。すると黒歌に唾を吐いた妖怪の首に影がまとわりつく。

 

「影首縛りの術」

 

 言うや、首にまとわりついた影が手の平の形になり、妖怪の首を絞め殺した。

 

「さて……残り4人。時間もないし、手早く誰かが教えてくれることを祈るわ」

 

 黒歌の金の眼が鋭く妖怪たちを見据えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局残り4人の内の2人を絞め殺し、それに耐えきれなくなった3人目が情報を吐いた。

 言われた通り、八坂は九重を縛り付けている術式に妖気を流しながら、印を結ぶ。

 すると、戒めなど始めから無かったかのように消え去り、九重は母の腕に落ちてきた。

 

「はは、うえ……」

 

「もう、大丈夫じゃ……なにも、心配はない。遅れてすまなかった」

 

 母の温かさと声に、九重は安心したのか。睡魔に抗うことをせずにそのまま瞼を落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 螺旋手裏剣の爆風が治まった時、飛ばされた白音の体を一樹がキャッチしていた。

 同時に鎧も解除される。

 

「前も思ったが、技が決まるたびに吹き飛ぶの何とかなんねぇのか?」

 

「まだ、未完成なんだから仕方ないでしょ?」

 

 見れば周りも割と近いところに居た。

 

「アーシアッ!! ゼノヴィアや、2人は?」

 

「はい……大丈夫です。ゼノヴィアさんは、まだ目を覚ましませんけど……ちゃんとくっ付けました……」

 

 疲弊がひどい様子だが、横たわるゼノヴィアの上下はくっ付いており、胸を揺らして息をしていた。

 

「倒したんですか?」

 

「え、と……たぶん……」

 

「白音が決める前に僅差ですけど景色がこっちに変わり始めてました。もしかしたら、姉さんたちが捕まっている九重や妖怪たちを解放したのかもしれません」

 

 白音も、この部屋────曳いては、桜鬼に流れていた膨大な気が直撃の直前に断たれたのを感じていた。

 

「なら、これで事件解決ってこと?」

 

 イリナが問うが、その明確な答えを出すのは早すぎる。

 

「とりあえず、死体を確認してくる。生きて逃げられたら洒落になんねぇ」

 

 立ち上がって一樹が爆風のあった場所から下に二階分を飛び降りる。

 緊張しながら近づいて行くと、突如、畳が舞い上がり、巨椀が一樹の首を掴むと、壁を破壊して城の外へと押し出された。

 

「てめっ!? まだ生きてっ!?」

 

 桜鬼の姿は霊脈の影響を受けていた物より前に戻っていた。

 しかし、それでも一樹の膂力を大きく上回って下へと落下していく。

 

「まさか、貴様らの様な餓鬼にここまで追い込まれるとはなぁ!! 礼に、先ずは貴様からこのまま潰してやろう!!」

 

「お前がくたばれっ!!」

 

 一樹は吹いた息に炎に変え、桜鬼を焼こうとするが、この程度の火力では効果が薄すぎる。

 

(やべぇ! さすがにこの高さから落ちたら────)

 

 落下の感覚から死の気配が近づく。

 背中から冷たい汗を流しながら腕を外させようと力を込める。

 しかし、一樹の力では桜鬼の腕を外させることはできない。

 もう落ちて潰れるしかない状況。

 それも、一樹自身、もう鎧を出すだけの体力が残されていなかった。

 

 しかし、その確定した未来を覆す一矢が向かってきていた。

 たった一矢。

 しかし()()()()()()が、桜鬼の腕を射抜いた。

 その矢には一樹には見覚えがあった。

 

「アム────」

 

 矢を放ったと思われる人物の名を呼ぼうとしたが、それよりも背中から炎の翼を噴出させ、桜鬼と上下を入れ替える。そして上からその顔面を殴りつけた。

 

「日ノ宮ぁあああああああっ!?」

 

 禁手の翼を広げた一誠が後ろからキャッチした。

 

「支えてろ、兵藤!! アイツも死に体だ! 次で決めるっ!」

 

 一誠が僧侶の形態に変わり、両肩の大砲を桜鬼へと向けた。

 一樹も、最後の力を振り絞って桜鬼を睨む。精神世界での模擬戦で何度も喰らったその技を、ここで準備する。

 

「これが最後の一発ぅ!!」

 

「武具など無粋────!」

 

 桜鬼が何かを求めるように2人に手を伸ばしているが、そんなものを気にしている余裕などない。

 ただ、敵を仕留める最後の一撃を放つのみ。

 

「ドラゴン、ブラスターァアアアアアアアアアッ!!」

 

「真の英雄は眼で殺すっ!」

 

 一誠の両肩の砲。一樹の右目から放たれた三条の光が桜鬼へと向かって行く。

 その光は桜鬼の肉体を破壊し、地面へと押し出すように落下していった。

 

 運が良いのか悪いのか。丁度九重を見つけ出し、救出していたリアスたちが城を出たところであり。少し離れた位置から桜鬼が降ってきた。

 

「な、なにっ!?」

 

 驚いたリアスたちが見ると、そこには全身が焼け焦げた、1匹の巨漢の鬼が倒れていた。

 

「桜鬼……」

 

 信じられないとばかりに八坂の姫がその者の名を呟いた。

 リアスが顔を上げると、少し高い位置の壁が破壊されており、そこから聞き慣れた後輩たちの声が聞こえた。

 

 

 

 

「いってぇ!? 顔思いっきり擦りむいた。このヘタクソ。もっと上手く入れなかったのかよ……!」

 

「仕方ねぇだろっ! 急に方向転換して制御する余裕なんてなかったんだから!! それに俺、そういう細かな制御苦手だし……つーか俺も腰打った」

 

 桜鬼に止めを刺した瞬間に急激な方向転換をしてどうにか落下を阻止した。

 その際に一樹は顔面スライディングのような体勢になり、一誠は壁ブチ破ったと同時に禁手が解けて体を打ち付けた訳だが。

 

「てか何だよ眼からビームって!! あんなの出来んならもっと早く使えよ!! 大体お前はいつからスーパーロボットになったんだ!!」

 

「ぶっつけ本番だったんだよ! それにどっかで聞いたようなこと言うじゃねぇ……!」

 

 そんな口喧嘩は外にまで駄々洩れであり、それを聞いていたリアスはあの子たちは、と顔を覆っていた。

 

 流石に長時間言い合うような体力は残っておらず、その場に座り込んだ。

 

 すると────。

 

「日ノ宮」

 

 一誠がニッと笑って左拳を突き出して来る。

 それを見て一樹は一瞬目を丸くするが、すぐに苦笑して右拳を上げた。

 

 

 

 そして、トンッと互いの拳を軽く打ち付け合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




明日に間に合えエピローグ!!
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