太陽の種と白猫の誓い   作:赤いUFO

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本筋の点は考えていても繋ぐ線はほとんど考えてないんで幕間を投稿しながら話を考えようと思います。

原作11巻から12巻に替わる話とかも。


幕間5:迷探偵兵藤一誠の事件簿?

 兵藤家の地下にある訓練施設。

 レーティングゲームなどの技術が取り入れられ、広範囲のフィールドの構築を可能にしている。

 現在、荒野を模された地で2人の少年が戦っていた。

 

 ひとりは兵藤一誠。禁手の赤い鎧を身に纏い、対戦者に拳を繰り出す。

 

 もうひとりは日ノ宮一樹。新調した長槍を振るいながら一誠の動きを制限していた。

 

「このヤロ!さっきからクネクネとイヤラシイ戦い方しやがってっ!」

 

「それだけテメェの動きが読まれてる証拠だろうが!少しは考えて動け!素のスペックならそっちが上なんだからな!」

 

 戦いの攻防の激しさも然ることながら舌戦も忘れない。というより自然とこうなってしまうのがこの2人だ。

 これはもうオカルト研究部では日常と化している。

 

 一樹は鎧を纏わずに一誠の動きを封じていた。

 拳を引き、前へと繰り出す前にリーチの長さを利用して抑え込む。蹴りも受け流されるか同様に力を入れる前に封じられてしまうのだ。

 無理矢理押し込もうとすると体をずらし、会心の一撃を喰らう羽目になる。それを何度も繰り返されて一誠はじわじわとダメージを蓄積されていく。

 かと言って一樹も楽々という訳ではない。

 肉体にダメージが無くとも当たれば文字通り体に穴が開きかねない一撃を1つ1つ捌くのにどれだけ神経をすり減らしているか。

 

 そんな2人の攻防を外野は見守りながら意見を言い合っていた。

 

「上手いね。イッセーくんをパワーを丁重に潰してる。射程の長さを活かした戦術だ。コレ、他のチームには見せられないな。イッセーくんの攻略を曝すようなものだし。僕も勉強になるけど」

 

「とはいえ、簡単に実行できることでもないわ。今のイッセーは並大抵の相手なら即座に倒せるし、あの速度の拳打を捌くタイミングと膂力があってこそだから。あ、形態を変えたわ。距離を取って僧侶ね」

 

 リアスが言うように、両肩に砲のある僧侶の形態へと移行する。

 

「それが話に聞いてた奴か」

 

「おうよ!これが、部長の乳首を突いて手に入れた俺の新しい力!トリアイナだぜ!!」

 

「どういう状況でそうなった!?部長修学旅行の時居なかったろ!」

 

「うるせぇ行くぜ!!ドラゴンブラスターッ!!」

 

 肩にある両の砲門から凄まじい魔力の波が発射される。

 自身を飲み込もうとするそれを一樹はギリギリのところで回避した。

 

「馬鹿が!威力と攻撃範囲ばっか上げやがって!味方に当たったらシャレになんねぇぞ!対人戦に使う技じゃねぇ!!」

 

「お前のブラフマーストラだって似たようなもんだろうが!!」

 

「だから細々とした技を中心に訓練してんだろうが!!お前このまま進んだら町ごと敵をぶっ倒すのがデフォになるんじゃねぇのか!!対人戦を磨け!対人戦を!」

 

「なら、今見せてやるよ!」

 

 僧侶からスピード重視の騎士へと鎧が変化する。

 装甲を極限まで削ったフォルム。が背中のブースターを吹かす。

 

「曹操に一泡吹かせたスピードを見せてやるぜ!!」

 

「速っ!でもなぁ!!」

 

 なんとか一誠の突進を躱すと向こうは大きく離れた位置まで停止する。

 

「あっぶね!それより少しは制御しろって言ってんだろ!暴走車じゃねぇか!」

 

「うっせ!まだ慣れてないんだから仕方ねぇだろ!!お前こそホントに取っ捕まってたのか!?動きが前より段違いとかおかしいだろっ!?」

 

「才能の差じゃねぇの?」

 

「そこだけ素で返すんじゃねぇよ!?」

 

 上空から一樹を踏み潰すように着地すると地面がひび割れクレーターが出来る。

 着地と同時に戦車の形態へと変化し、拳を繰り出すが槍によって防がれる。

 

「甘ぇっ!!」

 

 しかし現状最高のパワーを持つ戦車の形態はさすがに抑え込めずに力づくで弾き飛ばされた。

 空中で姿勢を整えながら炎を矛先に集めた槍を振るい、炎の斬撃を飛ばす。

 

 しかし防御面も大幅に底上げされた戦車の装甲は突破できない。

 一樹が着地する僅かな間に接近し、拳を構えた。

 

「一撃、もらいっ!!」

 

 正拳は確実に一樹を捉えた。

 だがギリギリのところで間に生まれた壁に防がれた。

 

「チッ!まだ使う気はなかったんだがな……」

 

 肩にある浮遊する車輪の盾。

 一樹も自らの鎧を解放し、一誠の一撃を防いだのだ。

 

「それが話に聞いてた姿か。出し惜しみしやがって!」

 

「なんせこちとら最強のドラゴン(オーフィス)に狙われてる身なんでな。お前程度に一々全力なんて出してられねぇんだよ!」

 

「言ってろ!」

 

 追撃をかけようとする一誠とそれを受け流そうとする一樹。

 しかしその模擬戦は終了する。

 チャイム音が響き渡り、リアスから放送が届けられた。

 

『おつかれさま、2人とも。上がってちょうだい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんていうか、もうアクション映画とか見ても何にも感じ無さそうなくらい非現実的な光景だったわ」

 

 見学に来ていた藍華がしみじみと発言する。

 そこでスポーツドリンクを飲んでいる一樹を見る。

 

「それにしても一樹ってホントに強かったのね」

 

「どういう意味だよ」

 

「だって私が見たのは小さな女の子に一方的にやられてる姿だけだもん」

 

「言っとくけどな!あれは規格外なんだからな!」

 

 さすがに全ての神話で最強の一角であるオーフィスが相手だと手も足もでない。いつまでもそうではないように願いたいが。

 

「それにしても、もう少し仲良くできませんの?戦ってる間、ずっと罵倒の嵐でしたわよ」

 

「無理だろ?」

 

「なんか自然とあぁなっちまうんだよなぁ」

 

 レイヴェルの指摘に2人はそう結論付けている。

 それから少し話をしているとゼノヴィアが割って入ってきた。

 

「一樹、そろそろいいか?」

 

「ん?あぁ。シャワー借りますね。そしたら帰るんで。白音、俺今日ちょっと遅くなっから。ゼノヴィア、ちょい待ってろな」

 

「あぁ、分かった」

 

「2人でどこか行くのかい?」

 

「ちょっとな」

 

 答える気がないのか細かな説明をせずにひらひらと手を振ってシャワー室に入っていった。

 

 この時珍しい組み合わせだなくらいにしか皆思わなかったが、この日から一樹とゼノヴィアが行動を共にする姿が頻繁に確認される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「怪しい」

 

「何がだい、イッセーくん」

 

「日ノ宮とゼノヴィアに決まってんだろ!もう1週間だぞ1週間!!」

 

 あれから一樹とゼノヴィアは放課後になると部室に少しだけ顔を出して帰ってしまう。

 ゼノヴィアも悪魔の仕事をすぐに終わるモノだけをこなしてさっさと帰ってしまうのだ。

 

「確かに気にはなるけど、一樹には元々そこまでの拘束力はないし、ゼノヴィアもしばらくすぐ終わる仕事だけ回してほしいって頼まれてるし。それにあの2人ならそう心配は要らないでしょ」

 

「心配要りますよ!?これってどう考えても浮気じゃないですか!!」

 

 浮気、という単語に皆がポカンとなる。

 

「白音ちゃんと付き合うことになってすぐにゼノヴィアとずっと一緒に行動してるなんておかしいでしょう!白音ちゃんも黙ってないで何か言ってやるべきだよ!!」

 

 先程から黙々と宿題を片付けている白音は呆れたように目を細めるとぼそりと呟く。

 

「……兵藤先輩でもあるまいに」

 

「ちょ!?それどういう意味!?」

 

 白音の言葉に心外だと言うようにオーバーなポーズを取る一誠。そこで祐斗が話に入る。

 

「もし浮気とかだったりしたらもっと隠れてするんじゃないかな?今のところ何処へ行くのかは教えてくれないけど、一緒に行動してること自体は隠してないよ?」

 

「甘い!甘いぜ木場!!そうやって堂々としてて自分たちは疚しいことがありませんって態度を主張してること自体がカモフラージュなんだよ!」

 

「そ、そうなんですか!?」

 

「アーシア、真に受けないの。つまり、イッセーは今後恋人ができたらそうするつもりなのね……」

 

「違いますよ!?俺の印象どうなってるんですか!?」

 

 リアスに指摘されてなぜか自分が攻撃されることに反論する。

 そして少し考える素振りをしながら答える。

 

「そうね。女の子が精一杯告白したのにイエスともノーとも言えない返答をして怒らせた挙句に逃げられて、追いかけもせずに他の女の子に鼻の下を伸ばしながら慰めてもらってるような印象?恋人ができる以前の問題だったわ」

 

「なんですかそのヤケに細かな印象!?つか思った以上に最低な印象だったよ!?」

 

 もはや憧れの人から突き付けられる言葉の暴力に泣きそうになっている。

 

 一誠は浮気だなんだのと騒いでいるが周りからすれば想像できないの一言に尽きる

 一樹は放課後を除けばゼノヴィアとの関係は変わらずに保っている。そしてゼノヴィアももしそうなら態度で分かりやすく出る様が想像できるからだ。

 

 そんな中で一誠は一樹の浮気説を孤軍奮闘して主張していた。

 

「ゼノヴィアもおっぱいが結構大きいしスタイルだって良い!ちょっと世間知らずなところがあるからそこを突いて言葉巧みにゼノヴィアに言い寄ったに違いないんだ!俺はその証拠を確実に掴んでくるぜっ!!」

 

 そこまで言って先程退出したばかりの2人を追うつもりなのか大急ぎで部室から出て行く一誠。

 

「ま、待ってください!イッセーさん!」

 

 暴走する一誠を反射的に追いかけるアーシア。そして今まで黙っていたイリナも立ち上がった。

 

「貴女も行くの?」

 

「えぇ。浮気云々は流石にないでしょうけど、ゼノヴィアたちが何をしているのかは気になるので。それに、万が一そういうことだったらとっちめてやらないとです」

 

 失礼します、と軽く頭を下げて一誠を追いかけるイリナ。

 部室内に僅かな沈黙が流れる中、リアスが口元を歪めて白音に訊く。

 

「で?貴女は行かなくていいのかしら?」

 

「……気にはなりますが、木場先輩の言うようにコソコソしてる訳で無し、です。その内話してくれると信じてますから」

 

「惚気てくれるわねぇ」

 

 リアスたちが一樹を疑ってないのはこういう白音の信頼もあるが彼自身、普段の態度は以前と変わらずとも何気ないところで白音に対し以前より態度が柔らかくなったのを感じているからだ。

 そんな2人の関係を羨ましいと感じながらリアスは笑みを深めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「追い付いたぜ……」

 

 やや離れた位置から一誠たち3人は一樹とゼノヴィアを尾行していた。

 会話こそ聞こえないが、仲良さげに歩いている2人が見える。

 

「ほ、本当に一樹さんはその……ゼノヴィアさんと浮気をしてらっしゃるのでしょうか?」

 

「あぁ、間違いないぜ!見てみろよ。まるで恋人同士みたいに歩いてるじゃないか!」

 

「そう?どっちかって言うと仲の良い兄妹っぽく見えるわ」

 

 なにやらガッツポーズをして意気込んでいるゼノヴィアに一樹は苦笑しながら肩を竦めている。

 手を握っているなどということもなく、物理的に距離を保っている。

 恋人同士、というと普段の2人を知っているイリナからすれば首を傾げる。だからこそ2人が何をしているのか謎が深まるのだが。

 

「ほら!肩に手を置いてるじゃん!コレ確定だろ!」

 

 携帯のカメラを向けている一誠にアーシアはどうでしょう、と呟く。

 確かに肩に手を置いたがゼノヴィアの反応といえば顔を赤らめたりとかそういう反応はなく、むしろ何か励まされたような反応に見える。

 これは、浮気云々より気になってきたのも事実だった。

 

「お!人通りの少ない道に入ったな!きっとこれから何かあるに違いないぜ!」

 

 浮気現場だと決めつけてコッソリと後をつける一誠とそれに付いて行くアーシアとイリナ。

 しかし曲がり角まで追いかけたところで2人の姿を見失った。

 

「あ、アレ?どこ行った!?」

 

「お2人が消えてしまいました……」

 

「う~ん。もしかして尾行がバレてた?」

 

 イリナの言葉に一誠が悔しそうに地団駄を踏む。

 

「クソ!逃げられたのか!!これはもうあいつらが疚しいことがある証拠だろ!まだ近くにいる筈だ!絶対に見つけ出してやる!!」

 

 辺りを捜し出す一誠。

 しかし、数時間捜し続けても一樹とゼノヴィアを発見することは叶わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 失意のまま兵藤邸への帰路に着いていた3人はあと5分ほどで家に着く場所で目的の人物を発見した。

 

「お?お前らも今帰りか?」

 

「日ノ宮テメェッ!!」

 

 掴みかかろうとダッシュする一誠に一樹が鼻っ面をパンチする。

 

「なんだいきなり。あぶねぇ薬でもキメてんのかお前は?」

 

「やかましい!こんな時間までゼノヴィアを連れ回しやがって!いったいナニしてやがった!!」

 

 殴られた鼻を押さえて喚く一誠に一樹ははぁ?と眉を動かす。

 続いてアーシアとイリナが問うた。

 

「あ、あの!本当に一樹さんはゼノヴィアさんと浮気を……!?」

 

「ゼノヴィア。一応訊いて置くけど、可愛い後輩の恋人に手を出してたわけじゃないわよね?」

 

「なにを言ってるんだ3人とも?」

 

「浮気とか不穏な単語があったが。なんでだよ?」

 

 一樹とゼノヴィアは何を言っているのか分からない2人はただ困惑していた。

 そんな中で一誠が指さす。

 

「疚しいことがないなら何をしてたかちゃんと答えられるだろ!いったいどんな卑猥なことをしてやがった!!」

 

 キシャーと嘘は許さないと騒ぐ一誠にゼノヴィアが首を傾げて答えた。

 

「料理を習いに行くのは卑猥なことなのか?」

 

「あったりまえだろ!料理なんて―――――――料理?」

 

 

 ゼノヴィアの答えに3人は唖然となる。

 そんな3人に一樹は息を吐いて説明を続ける。

 

「なにを勘違いしてるのか知らねぇが、俺たちは――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「料理教室ぅううっ!?」

 

 一樹の言葉に一誠が疑わし気に顔を歪めた。

 そんな中でゼノヴィアがうん、と頷いた。

 

「一樹が捕まっている間に女子で集まって白音の家で夕飯を食べたことがあっただろう?あの時、料理が出来ないのが私だけだったのが少なからずショックでね。訊けば、その時いなかった部長や朱乃さんもそうだがレイヴェルもお菓子作りが趣味と聞いた。それで花嫁修業というほど大したものではないが、料理に挑戦したくなってね。始めはおばさまにでも教えてもらおうと思ったんだが桐生に一樹が料理教室に通い始めたと聞いて、便乗させてもらったんだ。どうせなら、上手くなってから皆に食べてもらいたくて」

 

 ゼノヴィアの説明に一誠が何度も首を振る。

 

「いやいや!なんで日ノ宮が料理教室に通うんだよ!?」

 

 指をさされて全否定されて眉をひそめたが呆れた感じに答える。

 

11月23日(来月の終わり頃)に白音の誕生日なんだよ。それでサプライズ的に手料理作ってごちそうできればなって思って通い始めたんだ……」

 

「そ、そうだったんですか!?それは素敵ですね!!」

 

「ありがと。本当は10月1日(姉さんの誕生日)にしたかったんだけどな。でも2学期始まってから行事やらトラブルやらで時間取れなくてな。修学旅行後はアレだったし。ようやく時間が取れたから近所のおばさんの紹介で通ってたんだよ。藍華にはその行き道で遭遇してバレたけどな」

 

 これは白音との恋人云々というより2人に感謝を込めて、という意味合いで思いついたことだ。言うように黒歌の誕生日までには習っている余裕はなかったので結果的に白音の誕生日に合わせる形になったが。

 

「一樹くん、マメね」

 

「クッ!だったら俺たちに隠さなくてもいいだろうに……!」

 

「は?なんでお前に話すんだよ?お前は俺の友達かっての」

 

「なんか素で衝撃的なこと言われた!?」

 

 一樹も多少の料理は出来るがどれも男料理。誕生日、それも女のそれを祝うのに適した料理は作れず、習い事を始めたのだ。

 

「じゃ、じゃあ本当に浮気とかだったわけじゃ……」

 

「当たり前だ!付き合い始めたばかりだぞ!それにそれなら堂々となんてしてるか!!」

 

 さすがに心外だったのでイリナの頭に軽くチョップを叩き込む。

 

 真相を知った一誠は悔しそうに月へと吠えた。

 

 

「紛らわしいんだよチックショォオオオオッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

 

「そういえば、一樹さんの誕生日っていつなんですか?」

 

「俺か?夏休みに冥界の山でドラゴンに追いかけられている間に過ぎちまったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




幕間は投稿話数が百になるまで続けようと思います。

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