(これは・・・想像以上につらい)
現在の場所はIS学園1年1組。その教室の中で周りの生徒の注意を集めている生徒がいる。
その生徒の名前は織斑一夏。藍越学園とIS学園の試験会場を間違えてしまい、しかもそこでISを起動させてしまったがために政府の命令でIS学園に通うことになってしまった、ISを動かせる男性の中で唯一名前の知れた少年である。
当然周りの生徒は見知らぬ女性とばかり。唯一の知り合いといえば幼馴染の篠ノ之箒であるが、その彼女は一夏と視線を合わせたくないのかそっぽをむいてしまっている。
(それが6年ぶりに再会した幼馴染にとる態度かよ・・・)
などという愚痴を思っていると1人の女性が入ってきた。
「みなさ~ん。IS学園入学おめでとう。このクラスの副担任の山田真耶です、よろしく」
一夏はもちろん周りの生徒の反応はなかった。おそらくみんな同じことを思っているだろう。
(この人、本当に教師か・・・?)
その反応を取るのも無理はないだろう。見た目が自分たちと同じくらいの人が『自分が教師です!』なんていっても説得力がないからである。
「え、え~とそれではみんなに自己紹介をしてほしいと思います・・・。名前の順で『あ』の人からお願いしますね・・・」
みんなからの反応がないのがそんなにショックだったのか涙目になりながら山田先生が言った。
しかし一夏はまったく別のことを考えていた。自分の両隣の席が空いているのだ。『新学期早々遅刻か』などと考えてるうちに自分の番が回ってきた。
「え、え~と・・・お、織斑一夏です。ISに関しては初心者同然ですがよろしく」
という無難な挨拶を済ませた。
全員の自己紹介が終わったところで見知った顔の女性が入ってきた。
「ち、千冬姉!?」
「織斑先生だ馬鹿者」
1月ぶりにあった実の姉の理不尽な出席簿アタックをくらって一夏が悶絶している間に教室に入ってきた女性、織斑千冬が自己紹介を始めた。
第1回モンド・グロッソ優勝者が担任ということで一部の生徒を除き歓声を上げた。
それを一喝して静めると唐突に
「このクラスに転校生が来ることになった」
と言い出した。
このことにクラスの全員は疑問に思った。一年生の初日に転校生などという話が聞いたことがなかったからである。
「諸事情により急遽この学園に転校することになった生徒で学園に関する書類を書いてもらっていたのでクラスに顔を出すのが遅れてしまった。人数は2人だ。最初に言っておくが騒ぐなよ?」
全員が?マークを浮かべていると千冬が転校生を招きいれた。
「それでは入ってきてくれ」
千冬がそういうとドアを開けて転校生が入ってきた。そしてクラスメイト全員が唖然としていた。なぜなら
「お・・・男?」
クラスの誰かがそう漏らした。そう、男なのだ。転入生は中性的な顔立ちの男子とはかなげな雰囲気を纏わせていて、右目に眼帯をしている女子だったのだ。
わずかな静寂の後
「「「「「「きゃ~~~~~~~~~~!!!!!!」」」」」
その静寂がうそのように爆発した。
「う、嘘!?男子!?」
「かわい~!!」
と騒いでいると
「いい加減黙らんか貴様ら!!!」
再び千冬の一喝で静まった。
「この2人はほんの3週間前に適正があることが判明したため、急遽この学園に転校することとなった。各自自己紹介を」
「え~と、沢田綱吉です。ISの適正があることがわかって急遽この学園に転校することになりました。一応みんなよりは1つ年が上ですが気軽に話しかけてくれるとうれしいです。よろしくお願いします」
前ならばここまで物怖じせずに話すことはできなかったが、ドS家庭教師の地獄の特訓により普通にしゃべれるようになった。
「・・・クローム髑髏。よろしく」
「各々自己紹介がすんだのなら席に着け!」
ツナたちは言われたとおり席に着いた。学園側の配慮で男子の席は近くなっていた。
「え~と、織斑一夏君だよね。よろしく」
「一夏でいいっすよ。え~と沢田先輩って呼べばいいですか?」
「俺のこともツナでいいよ。同じ学年なんだし。他の3人のことも普通に先輩はつけなくていいから」
「・・・私のこともクロームでいい」
「じゃあ、ツナにクローム、これからよろしく」
「そろそろ授業を始めるぞ。静かにしろ!」
こうしてIS学園での1日が始まった。