異世界転生したオリ主でもここまで足掻けば悔いはない 作:未奈兎
ドラゴンボールの世界、子供の頃、あの作品を読んで嵌った人は誰だってかめはめ波の真似をしただろう。
友達とはしゃいで学校帰りだったり休みの日に一人だろうと友達とだろうとドラゴンボールのゲームに情熱を注いだりもした。
実際にかめはめ波だったり瞬間移動だったり、あんな感じに躍動溢れる動きがしてみたいって夢見たこともあった。
そんな平凡でも充実した人生も死因は何だったか思い出せないがあっさりと幕を閉じた。
そしたら神様がドラゴンボールの世界によくある異世界転生させてくれるっていうじゃないか。
一も二もなく飛びついた、夢にまで見たドラゴンボールの世界に行ける。
まあ現実そんなに甘くなかった・・・。
特典として産まれは地球人だけど潜在能力が高い体質(強制)にこそなったけど、
正直言ってどれがどうしたってぐらいのハードモードだ、そもそもトレーニングは自力でやらなきゃいけないし、
教えてくれる師匠なんていないから子供の頃からウェイト付けて生活するようなことしかできなかった。
因みに元は亀仙流の修行を参考にさせてもらった、朝に牛乳配達、昼に家の家業を手伝い、夜は勉強しつつ(原作にあった出来事を鍵付きノートにまとめても置いたが)残りをトレーニングに使って疲れたら寝ると言った具合だ。
当然だがこっちの両親にすごく心配された、傍から見たら●学生低学年で何してんだこいつと言った感じである。
更にどうでもいい話だが、いやどうでもよくない、こっちの両親その父親なんだが・・・。
まさかのラディッツに殺された戦闘力5のおっさんの人だった、え、あなた独身じゃなかったのと。
で、心配されたわけだ、子どもなのにそんなに体鍛えてどうするのと。
言えるわけない、俺の産まれたエイジ737、あの悟空と同い年なわけだが、24年後に親父が死ぬとか言えるわけがない、理由というか言い訳に一緒に見たテレビで格闘家の人がかっこよかったといったら納得はされたが、そのかわり良心がグッサグサである、すまない本来生まれるはずだった俺の元の子、君の代わりに絶対ラディッツから父親を守るから・・・。
数年後、家業を手伝いつつ武道としてはほとんど我流で街に降りたときにストリートファイトをしていた大人たちと実戦経験を積んだわけだが、俺つえー・・・なんて言えなかった。
はっきり言って重りつけたままだから目が見えても体が動かなかった、重りさえ取ればお前なんかなどという言い訳は無し。
そもそもクリリンだって重量の甲羅背負って鮫や恐竜と命がけの追いかけっこしてるのである、まあ子どもの状態だろうと大人げないことしないで大人相手に胸を借りつつ貯まったフラストレーションは天下一武道会で発散しようと心に決める。
そんな決意をしつつ、数年経過しやってきました第21回天下一武道会、漫画やアニメで見るのと直で見るのとは大違いである。
流石に重りは家においてきたわけだが、重りを外せば体はびっくりするほどに体が軽かった、ジャンプしてみれば悟空たちよろしくとんでもない高さまで飛び上がって思わず感動した。
これなら流石に予選は突破できるかなーって慢心をしてしまったが直ぐに自分の頬を殴る勢いで気合一発。
全力で挑まなければ相手に失礼だと思い・・・相手ギランじゃん!うおー本物だよ本物!
結果だけ言えばガムの技に注意をしつつ腹に一発で勝ったわけだが、そこで思い出した。
ギランの相手ってさ・・・悟空じゃん!?
はい負けました、主人公強いっす、流石っす、しかし何よりも嬉しかったのは、あの悟空相手にそこそこ打ち合えたってことだ、あくまでそこそこであるが皆のヒーローとも言える悟空と手合わせできたってだけでこの世界に産まれた価値があった。
負けた後握手を求めたらニカッと笑って「おめぇ強かったぞ、またやろうな!」なんて言ってくれたのは涙モノである。
控室でもジャッキー・チュン、もとい武天老師様にも慰めの言葉を頂いた、「勝負は時の運、これにめげず精進を続けるのじゃ、お前さんは十分強かったぞい」自分の努力が無駄じゃなかったことに感動通り越して泣き崩れた、あくまで心の中でね。
あくまで余談だが大会終了後にご飯を一緒に食べれたのは奇跡だって思うんだ、いや、大会終わった後に武天老師様にお前さんもどうじゃ?なんて誘われたら断れませんとも、悟空の食いっぷりに圧倒されたけどね。
それからも鍛錬を欠かさず22回も天下一武道会に出場し、予選を突破できるだけの実力はあったんだが、漫画の修行法見よう見まねじゃ流石に限界はあった、俺の枠はパンプットの枠だったが組み合わせがチャオズに弄られ天津飯が様子見しようとしたのか初戦いきなりヤムチャさんである。
誰だこの人噛ませ犬なんて言ってるの、死ぬほど強くて防戦一方だったわ、新・狼牙風風拳でボッコボコにされて場外負けである、正直悔しかった。
ヤムチャさんに負けたことがじゃない、同じ一回戦負けだったのに前と比べても何かわからないが無性に悔しさが湧いて前は出なかった涙が出た。
今度はもっと強くなりたい、その一心で再戦を誓ってヤムチャさんと握手を交わした、「お前の分も必ず勝ってみせる、見ていてくれ!」なんて言ってくれたのが無性に嬉しかった、天津飯にも善戦して原作みたいに脚が折られなかったけど勝てなかったと謝るヤムチャさんだったが謝る必要はないとだけ言っておいた。
でもそんな状態でも、忘れてはいなかった、22回天下一武道会終了後には「あいつ」が出てくるってことを。
別にどこぞの原作改変をしてみたい連中のように歴史を変えたいなんて願望はなかったはずだが、
どうにも自分も漫画のキャラだからなんて理屈抜きに此処の住人が気に入ってしまったようだ。
魔族のタンバリンに殺されそうになってるクリリンに助太刀し二人で応戦、自分は疲れがなかったためかそこそこ善戦、結果を言えば悟空たちが来る前に撤退に追い込んだが隙を突かれドラゴンボールは奪われてしまった。
クリリンと悟空一行に感謝されるも我ながら詰めが甘いと思う、ヤムチャさんに変わって万年一回戦負けの汚名が自分にあるのはそういうとこなのかとも思った。
その後流石に見て無ぬふりはできないとピッコロ大魔王との戦いに参戦した、しかしバッチリ休んだ悟空であったが形見を盗まれてじっとできなかったのか一人突撃、タンバリンを追う途中ヤジロベーにも遭遇し、ピッコロに半殺しにされるという、クリリンが死んだ以外は大まか本来の流れ通りに進んだ。
つまりクリリンは助けられたがそれ以外は助けられなかったということである天津飯と一緒に武天老師様に気絶させられた。
亀仙人やチャオズ、タンバリンら魔族に殺された武道家たち、自分ができることの少なさにため息だ出るようだったが、流れ通りにピッコロ大魔王は倒され一安心と言ったところである。
23回天下一武道会、一気に背が伸びた悟空に驚愕したが、それよりも驚いたのが目の前に神様が出てきて体を貸してくれと言われた、自分の力で勝ちたいという思いはあったが、自分が断ってもこの先名も無きおじさんに憑依することを考えると、ここで頷いておいたほうがおじさんにも悪いし了承したら意識が暗転した。
気がついたら準決勝で目の前にピッコロが居ました、マジかよ悟空の結婚見逃したわ、なんかピッコロがざまあみろとでも言いたげな笑顔をしていたので殴りかかって数分競い合った後返り討ちにされた。
死んだわけではないが無念は決勝で悟空が晴らしてくれて一安心と言ったところだが、ここで嬉しい誤算があった。
大会が終わった後、神様に見どころがあると神殿に招待されたのだ、悟空が受けたような修行に辛さはあったがそれを上回る充実感が身体を占めてそれどころじゃなかった、修行が結果に現れる感覚はどうにも中毒性がある。
そしてある意味運命のエイジ761・・・
神様からたまには家に帰って両親を安心させてあげなさいと言われ家に帰るよう促された、確かあいつはもう少し後だったのでちょうどいい頃合いかと家に帰ると成長した姿に両親に喜ばれた。
悟空も行っていた重量のある服を着ながら家業を手伝っていたら、とうとうやってきた。
ある意味自分にとっての運命の時、ラディッツ襲来である。
と言っても当然の話だが、勝てるなんて微塵も思っていない、そもそも悟空とピッコロが共闘して悟空が犠牲となって倒せた強敵である、重かったシャツなどを脱いで万全に備え、測られたスカウター数値が392・・・引き攣る思いだよ、あれだけ修行しても重り外した状態で400超えないのかと。
数度遊ばれたがカカロットではなかったためかさほど興味がわかなかったようで、高い戦闘力を確認するとすぐさま飛び立っていった。
目下最大の目標だった父親を守ることには成功したが、やられっぱなしは性に合わない、父親の制止を振り切り、神様のもとで会得した舞空術で気を探知しながらあいつを追えば、ちょうどカメハウスでピッコロと悟空が悟飯を取り戻しにラディッツにリベンジしに行くところだった、助太刀したは良いけど、やっぱりラディッツ強い。
インフレの犠牲者とよく言われるが、当時の地球ではまさに敵なしの強さである。
結局原作通りに悟空を犠牲に勝利するという自分の来た意味を考えたくなったが、目下サイヤ人打倒のために神様のもとで修行。
しかし、人生ってのは何があるかわからないもので、神様の修業を終えて、家の家業で街に来たらまさかのサイヤ人襲来、丁寧な挨拶なんぞさせるかよとかめはめ波で迎撃するもケロッとしてた、それはないだろと思いつつ、こっち流で歓迎してやるとベジータたちをピッコロのところまで誘導、意外にも素直についてきてくれたのに驚きつつ、サイヤ人との戦いが始まったわけだが・・・。
死にました、うじゃうじゃ出てきたサイバイマンに最初に挑んだらサイバイマン自爆ポジがまさかの自分である、
あれ、自分まさかヤムチャ属性かと界王様に招待されたらしく蛇の道をトボトボ歩く自分、後から天さんチャオズ、ピッコロさん達もやられてしまったらしく蛇の道で合流、一緒に界王様のところに行く事に。
ここまでくれば何のために転生したのかと虚しさを覚える自分だが、ヤムチャさんが死ななかったため、ピッコロと天津飯にギャグの基本を教えて苦戦させた時間を削減させたのは我ながらファインプレーだったと思う。
そしてナメック星を界王様の実況で眺めていたわけだが、ここは概ね原作通りに進んだ、クリリンも死んでしまったが、原作と違ってここが初死亡である、それでも悟空の怒りを限界突破させるのには十分すぎたようで超サイヤ人に覚醒しフリーザを倒した。
ヤムチャさんの界王様への伝達を自分が変わってブルマさんに伝えるも、やはり原作通りに進み、悟空はヤードラットに留まったまま数年がすぎる・・・。
思ってみればどこか楽観していたのかもしれない、メカフリーザが来襲した時、其処に未来から来たトランクスは来なかった。
それから数年、自分の無くなった左腕に目を向ける、人造人間の襲来、ある種ここで自分は覚悟を決めていた、
皆が死んで、ここまで役立たずの自分であるが、悟飯とトランクスが成長するまで二人を、特に悟飯を五体満足で守れたのは我ながら誇って良いことだと思う。
それでも人造人間は絶えず攻撃を繰り返す、沸点の切れそうになる悟飯を留めて、否、気絶させて人造人間のもとに向かう、そう、彼が死ぬ必要なんて無い、片腕もない、使えるのは界王様より習った界王拳のみ、それでも構わない、この命を燃やして、二人が過去に行けるならこの命燃えつきたって構うものか、家にある書き置き、読んでくれると良いな・・・。
そんな感じで生きてきたこの世界の自分、良いところなんてそれほどなかった、それでもこのドラゴンボールの世界に生まれ、悟空と拳を交え、この先辛い試練があるであろうトランクスのために、悟飯だけでも守ろうと命を燃やし尽くしたこの人生に悔いなんて全く無かった、それが功を成して、ブルマに予め頼んでおいた、二人乗りのタイムマシン、界王様の伝で無事に過去に渡った【二人】に安堵のため息を吐く。
これから先、何があってもあの二人が未来を守ってくれるだろう、悟飯達が第一形態のセルを倒したときに元と違って悟飯も生き残っていたのが何よりも嬉しかった。
安心して界王様の元で修行に励む、目指すはあの世一武道会優勝!
「なんて夢みてたのにさぁ・・・。」
目の前に広がるのは人造人間の時よりも荒らされた都、目の前には悟空そっくりの黒い道着を着た男。
復興もいい具合に進んで、たまには顔を見せたいなと一日だけ生き返る事ができる権利で地球に降りてみれば、
始まったんですよ、ゴクウブラック襲来、なんでこの未来はこう不幸なことばかり起きるのかと項垂れる。
万が一を考え、バビディの企みを阻止したときに、これ以上の災厄が来たときに備えてタイムマシンを充電しておけと、伝えていたのが不幸中の幸いと言ったところか。
「どうした人間、無謀にも私の前に立ったことを悔やんでいるのか?」
「どうだかね・・・。」
死人の状態のためかなくなった腕は再びもとに戻っており、構えを取って対峙する自分。
「懺悔は聞かんぞ、愚かな罪人を逃した貴様を殺し、すぐに罪人共も後を追わせてやろう。」
「へっ、見た目が悟空そっくりだが、中身は別人だな、いや、別人だったかねぇ【ザマス】!」
「何・・・?」
「お、驚いた顔が見れた、驚いたか、残念なことに、俺に分からないことなんてなにもないのさ。」
ふと後ろに目をそらせばタイムマシンに乗って悔しそうにこっちを見る悟飯達、おいおい、そんな顔するなって、これで本当にお別れだけど、悔いなんて無いさ、どうせこの後、【あれ】が起きてこの宇宙は何もなかったことになる、なら一つでも、救いはあってもいいじゃないか、悟飯、トランクス、ブルマ、生きろよ、お前たちが死んでいい理由なんてどこにもない、悟空たちと一緒に、目の前のスカしたやつをぶん殴ってくれればそれでいいさ。
「愚かな人間め!また罪を重ねるか!」
「させるかよ!」
界王拳を限界まで重ねて漸く足止めできる程度、この世に留まれる時間が一気になくなったけど、それでもいいさ、これでお前の企みは失敗したも同然だ。
「貴様ぁ!また私の邪魔をするかぁ!」
「うるせぇんだよ!人の体奪って我が物顔で力を振るってこれが神の力だなんて吹かしてんじゃねぇ!」
体から力が抜けていく、多分この世に留まるエネルギーを使い果たしたのだろう。
「楽しみだぜ、あの世でお前の計画が失敗するさまをじっくり見てやるさ、ゴワス様に詫びる言葉を少しでも多く考えてな!」
これで俺の地球での物語はおしまい、どこぞの異世界転生してる主人公達よりも不器用だけど、自分なりに生き足掻いた、それで十分、悟飯とトランクスが変えた時代でも、俺がどういうふうに生きているのかなんて気にもなったが、多分俺みたいに生き足掻いてるだろうと思い笑う。
ああ、精一杯生きたこの二度目の人生、満足さ・・・。
徹夜した勢いで書いたので続きません