異世界転生したオリ主でもここまで足掻けば悔いはない   作:未奈兎

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ブロリー映画で再熱した熱のままに書き上げた現代で足掻く地球人の話


足掻き続けるもうひとりの地球人の話

「二度目」の物心がついたのはいつだったか。

 

そしてこの世界が自分の憧れたドラゴンボールの世界だと「知っていた」。

 

だから必死になって鍛えて、天下一武道会で悟空たちとも競い合った。

 

 

 

 

ここまではいい。

 

 

 

ピッコロ大魔王との戦いも、その息子であり生まれ変わりのピッコロとの天下一武道会で神様に体を貸して返り討ちにされたのも、仕方ないことではある。

 

 

サイヤ人襲来のときにラディッツ相手に足止めが精一杯、そもそもサイバイマンに殺されたというヤムチャさんのお株を奪う(?)ことをやらかし死んでしまったのも代わりにヤムチャさんが死ななかったため良し。

 

 

フリーザ編においては界王様の実況で悟空とフリーザの死闘を聞きながらも勝利したのに安堵し、メカフリーザ襲来に備えて鍛えていたのもこれはまあ当然だろう。

 

 

 

 

それを踏まえて現実に向き合うとしても・・・。

 

 

 

 

目の前で起きている現実は一体何なんだろうと声を高らかに叫びたい。

 

「超サイヤ人は孫悟空さん一人ではない、ここにも二人いたということだ。」

 

「この星に手を出したのがお前の最期の誤算だ!くたばれ!」

 

「舐めるなよ若造共が!儂の威光の前にひれ伏すがいい!」

 

(なんでメカフリーザが来てないのに加えて変身したコルド大王と未来トランクスと未来の悟飯が戦ってんの、誰か説明を俺にくれ!?)

 

 

 

転生した異世界人、こちらの世界では【ヤナギ】と呼ばれる青年が「未来」で己が起こした・・・いや自分もある程度起こしてしまった歴史改変を知らぬまま、新たな物語が始まろうとしていた・・・。

 

 

【地球人】ヤナギは他とは違った人間である、それは才能がどうとか生まれがどうとか育ちがどうとかの話ではない。

 

文字通り違う【地球】の住人だ、その地球には空をホバーで飛べるバイクも無ければカチッとスイッチひとつであらゆる物が出し入れできるカプセルもない。

 

しかし、決定的に違うというのならば、【この世界】が物語として紙や映像、ゲームとして存在していることだ。

 

落ちこぼれとして生まれたサイヤ人、孫悟空を主役とした有名な物語である。

 

最もこの世界でも遙か先の未来で英雄や戦士たちがカードゲームとなり市民に親しまれていたり、とある戦士たちの間でフィギュアバトルゲームになって大流行しているなど知る由もないのだが。

 

人々、とりわけ子どものときは【この世界】に憧れる子どもも多くかめはめ波の真似をしたりする子どもも多数、世界を賑わす一大ブーム、よほど興味のない人だろうと名前くらいはちらりとどこかで目にするなり耳に届くほどの有名な作品だ。

 

その作品が近年再ブームを果たし、新たな映画が始まり世界的ヒット作品となった。

 

「で、色々あってその世界に転生した俺なわけだが・・・。」

 

現実逃避もここまでだ、ヤナギは改めて目の前の光景をしっかりと見る。

 

地球で死んだ仲間(自分含め、ちなみに自分が死んだせいかヤムチャさんが死亡しなかった)を生き返らせるためにナメック星に行くもそこで宇宙の帝王と呼ばれる極悪人フリーザと悟空たちが激突。

 

結果だけを言えば戦いは悟空の勝利で終わった、だがそこには悟空のかけがえのない親友、クリリンの犠牲があっての勝利。

 

伝説とまで言われた戦士、超サイヤ人孫悟空、彼は地球で多くの人や恵まれた師たちにより育まれた穏やかな心を持ちながら親友を殺され激しい怒りによって目覚めたのだ。

 

その後、ナメック星の人々の何でも願いを3つ叶えるドラゴンボール、それによってサイヤ人やフリーザとの戦いで犠牲になった者たちを生き返らせることに成功した。

 

その後生きていたフリーザがメカ手術を施され、地球に復讐に来る、ヤナギだけがその流れは【知っていた】。

 

しかしその知識から大幅に逸脱し、目の前の光景が存在している。

 

時を僅かに遡れば、本来通りに地球へとやってきたフリーザと思える邪悪な気が地球に迫っていることを感じ取った、しかし、本来ならば二人ほど感じるはずの巨大な気が一つしかなかったこと。

 

そして荒野で集合した時、ベジータから語られたフリーザには父が居たこと、その父はフリーザに後を譲り隠居したはずだということ。

 

これはフリーザを倒したサイヤ人、そして地球人への報復だろうと当たりをつける、その顔には明らかな諦めの表情を浮かべながら・・・。

 

だが、突如現れた巨大な2つの気、しかも悟飯曰くその片方の気はナメック星で感じた悟飯の父、孫悟空にそっくりだという、それがなぜ2つもあるのか、疑問は尽きなかったが戦士たちは戦いの場へと猛スピードで向かった。

 

そして駆けつけてみれば目の前の光景である。

 

目の前のコルドは映画で見たクウラの最終形態を更にゴツくしたような姿で憤怒を全面に出して猛攻を繰り出す。

 

しかしそれでも悟飯とトランクスの前に焦りはない、なぜなら互いに伝説の戦士、超サイヤ人として既に覚醒しており、コルドの猛攻をこともなげにあしらっている。

 

少なくとも今の地球であの姿のコルドに勝てるものはベジータ含め誰一人としていない、それこそいま地球に向かっている悟空が帰ってこない限りは。

 

「だりゃぁぁぁ!」

 

「うおぉぉおおお!」

 

そんなコルドを油断もなく、全力で仕留めにかかる二人の超戦士、コルドの攻撃も徐々に鈍りが出てきている、だがコルドとてただで終わるほど弱い存在ではない。

 

「おのれぇ!おのれおのれおのれぇ!」

 

憎悪すら感じ取れるほどの怒りをそのままに上空へ猛スピードで移動したコルドは巨大な気弾を一瞬で作り上げる。

 

「絶対に許さんぞ!超サイヤ人はどんな手を使ってでも必ず殺してやる!この星ごと、消えてなくなるがいい!」

 

これにはあまりの世界の違いに驚き足すら動かなかった戦士たちも顔面を蒼白とさせる、どんなにフルパワーで応戦しても跳ね返す気概すらわかないほどの絶望の塊に恐れすら感じるほどだ。

 

「フリーザと同じ手か、お前たちはどれだけ星を壊せば気が済むんだ!」

 

「地球を壊させはしない、お前はここで俺たちが倒す!」

 

コルドの攻撃を迎え撃つ構えの二人の戦士、互いに気を高め気弾を作り上げると狙いを定める。

 

「我ら一族の力を思い知れぇぇぇぇ!」

 

「激烈魔閃!!!」

 

「バーニングアタック!」

 

それぞれが同時に技を繰り出し一時は拮抗する、しかしあっという間に勝利の天秤は悟飯たちの方に傾きコルドは徐々に押されていく。

 

「こ、こんなことが、フリーザのみならずこの私までが・・・!」

 

やがて抑えきれなくなった気弾はコルドごと呑み込み宇宙の果てへと消えた、絶望を感じるほどの巨大だったコルドの気の消失とともに・・・。

 

 

 

 

その後の話はヤナギにとっても衝撃的なものだった。

 

 

まず悟空が帰還してきたこと、ここまでは同じであった、超サイヤ人を解除した二人の戦士から悟空に会いに行く事を伝えられともに向かったこと。

 

ここでヤナギにとって不思議だったのはなぜか時々悟飯やトランクスの目がヤナギに向いたこと、とはいえ一瞬でそらされてしまったが。

 

そしてやってきた悟空の帰還、告げられる二人の正体、最も告げられた未来で起きた過去の戦いの話は悟空だけでなくヤナギも聞くことになったがそのヤナギをして驚愕する内容だった。

 

(俺が悟飯とトランクスを守ってタイムマシンが複数人乗れるようになった、か、おいおい、何をしてんだ未来の俺は・・・。)

 

もちろんこれは呆れなどでは断じてない、寧ろ未来の自分の行動に驚き自分でありながら嫉妬してしまったこと、決して勝てる存在ではない人造人間と渡り合い、そして命を燃やした一人の戦士の話を聞き、本当に同じ自分かと驚いたのだ。

 

(確かに俺ならそうした、けど実際にできるとは思わなかったけど。)

 

タイムマシンへと乗り未来へと帰った【悟飯】と【トランクス】が消えた空を見てヤナギが思ったことは唯一つ。

 

(こりゃぁ、悟空に追いつけないだとか弱音を吐く暇なんぞ欠片もないじゃないか!)

 

そこにあったのは未知の興奮、寧ろ未来の自分からの挑戦状にも見えた。

 

(界王拳を極めるか、未来の自分ができたこと、俺もやってみせる、未来の自分が意地を見せたんだ、俺もやってやるさ!)

 

握りこぶしに力がこもる、少なくとも人造人間との戦いの時、そこに弱いヤナギは居ないだろう、彼はまた足掻くのだ、追いつけない世界へと、いつか共に肩を並べるために・・・。

 




一応あと考えているのは未来のオリ主が死んだ直後の話とかですが・・・。

むむぅ・・・。
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