ギター好きは死んでもまたギターが弾きたい。(仮題) 作:Ruminq
精一杯頑張って書いたので見ていただけると嬉しいです。
辛口な評価を期待しています。
プロローグ
誰が作ったかは知らないが、物語の始まりは唐突にという言葉がある。
だから僕もそれに則って唐突に言わせてもらおう。
僕はギターが好きだ。人生の転機にもなった大切な宝物だ。
ギターと出会ったのは僕が10歳くらいの時だった。
それまでの僕はまるで魂が抜けた抜け殻になったような気分で生きてきた。
だけど別段なにか不幸なことがあったわけでもない。強いて言うなら僕が生まれてからすぐに父さんが蒸発して母さんが一人で僕を育ててるということくらいだろうか?
別にその生活が嫌だったわけではない。ただ、母さんがいつも働きに出ていて家は毎日僕だけだった。寂しくなかったと言ったらウソになるけど、母さんが僕の為に働いてるって思ったらそこまで寂しくはなかった。
まぁ、僕の家庭の話はどうでもいいんだ。
当時、僕は鍵盤ハーモニカやリコーダーくらいしか楽器は触ったことはなくてそこまで楽器に興味はなかったんだけど、僕の人生の転機とも呼べる事が起きたのは何の変哲もない伽藍堂とした商店街だった。僕は学校の帰り道がその商店街が近道だったからしょっちゅうそんな寂しげな道をいつも一人で歩いて。誰もいなくて
「ただいま」
って言ってもなにも返事が返ってこない家に帰ってただ一人で時間をつぶす。そんな道の途中だったんだ。だからその時もその寂しげな商店街を通って帰ろうとしたんだけどその日は違った。
いつもは寂しげな道だったのに、一カ所だけ人だかりができていたんだ。
確か20~30人くらいだったと思う。
いつもこの寂しい商店街を歩いていた身としてはなんでこんなに人が集まるのか不思議でならなかった。だからただその人だかりをスル―できなくて気になって覗いてみたんだ。そうしたら――
――♪―――♪
綺麗な音色だった。人生を10年生きてきた中で聞いてきたハーモニカやリコーダーやカスタネット、小学校で聞く楽器では到底出せないような美しい音色だった。
――その時はすごく驚いたの今でも思い出すことがある。なんでこんなに良い音がでる楽器を学校で使わないんだろう?って。
…まぁ、ギターはコードを押さえるだけ手が大きくないと弾けないから小学生の手では当然引けないだろう。
当時の僕はそんなこともわからなかったから随分と不思議に思ったものだ。
それでその人だかりの中心にいた男の人は小学生4年生だった僕でもカッコイイと思えるほど整った顔で笑顔でギターを弾きながら歌を歌ってた。――弾き語りだった。
その時、自分の世界が広がった気がした。
いつも歩いて帰っていたこの寂しかった商店街がギターと歌声一つでこんなにも賑やかになるのかと!
その人の弾き語りを聞き終わってからは10歳の出せるだけのスピードで家に走りかえったのは今でもはっきり鮮明に覚えてる。玄関の鍵も締めずにその時たまたまパートの仕事が休みで家でテレビを見ていたお母さんに――
「お母さん! 僕ギター習いたい!」
後になって聞いたけどその時の僕は今まで見たこともないくらい満面の笑顔だったらしい。当時の母親の中では忘れられないほどの事件だったらしい。そのこともあってか母さんは二つ返事で了承してくれた。
それからギターの教室に通って基礎のコードとか弾き方だとかを叩き込んだ。
レッスンが終わってからはその先生の教室の隅を借りて指が筋肉痛になるくらいギターを弾いていた。
ピックから外れて自分の爪で弾いちゃって爪が剥がれたこともあったが、そんな痛い思いをしてもギターを嫌わずに続けた。
――――――――――――――――――――――
ギターを弾き始めて7年くらいになってもう自分も高校2年生の頃。
そろそろ人前に出しても恥ずかしくはないくらいにはギターが上達したと自身で感じるくらいには上手くなった。中学3年くらいの時から歌も練習をしてある程度は歌えるようにはなった。
僕はそろそろストリートライブをしようと思って、場所をどこにしようかと考えたときふとあの時ギターとの邂逅を果たしたあの時の商店街の一角が過ぎった。
そこで弾こうと決めたらすぐに準備して商店街へと駆けていくのであった。
走って商店街に着いて7年前に男の人が歌っていた全く同じ場所にギターや必死にバイトして買ったマイクと小型スピーカーを用意する。
設置が終了していつでもギターを鳴らして歌うことができる。
――あれから7年。あの男の人が弾いていたのを見て、憧れた僕が同じ場所に…
深呼吸してギターに指を掛ける。
ギターに出会ってから7年が経とうとも僕のギターへの情熱は衰えてなどいない。
だから7年前から培ってきたこの情熱を今この一時に、一瞬に――込める!
――♪――♪♪――♪
「――♪――♪」
ギターを弾きながら歌う。いいや、詠うのだ。
今の気持ちを、あの時に感じた気持ちを7年間感じてきた気持ちや感情すべてをたった5分弱に込める。
その詠が終わった時には周りには人だかりができていた。
拍手喝采――。
それが正にぴったりであろう拍手の嵐。
「ねぇ! その曲なんて言うの!?」
そんな声が聞こえる。でもこれはオリジナルだ。名前なんてない。
「えっと…これは僕が作った曲なので曲名はなくて…」
自分の一声で広がる驚きの声。
そこからは大騒ぎだった。握手や写真撮影をお願いされたりした。
それがたまらなく嬉しくて早く家に帰るために全速力で走った。
「お母さんに報告してあげなきゃ…!」
車がたくさん行き交う一般道の隣の歩道を走り抜けながら頭の中はお母さんをどうやって驚かそうか考えていた。浮かれていたと言ってもいいだろう。
だからだろうか――。
前から来ている自転車に気付かなかったのは。
「…わっ!?」
自転車に轢かれないように勢いよく体を捻って交わすが、その反動でギターケースが飛んで道路の真ん中へ飛んでしまう。
「あっ…! …っ!!」
それを一切の迷いなくギターを取りに走る。
今までで一番のスピードが出た。こける様にしてギターを拾い抱きしめる。
「…はぁ、どこも壊れてない…良かった」
安堵の息が漏れた。これは10歳の頃母さんが僕の為にフラフラになりながら働いて買ってくれたギターなんだ!
ずっと使ってきた。ずっと一緒に居た。学校でも。家でも。どこへでも。
ふと目の前を見ると大音量のクラクションを鳴らしながら走ってくる乗用車が。
躱すことは不可能だ。もうそれができないほど近くに迫っている。
もしギターを離してこの乗用車を躱せば、命は助かるだろう。でもきっと、いや確実にギターは壊れてしまうだろう。
――こんなのって…っ!
ここに来て、酷過ぎる。せっかくここまで来たのにこんな終わりって。
つい、心の声が口に出てしまう。
「あぁ…生きたいなぁ…」
僕自身の人生も。ギタリストとしての人生も。
大きな衝撃音と痛みと共に、泡のように消えてしまった。
もう、何も見えない。何も感じない…あ、感じないっていうのは嘘かな。すごく、寂しさが冷たさが孤独感を感じる。あぁ…これが、死ぬってことなんだなぁ…
あ、今良い歌詞を思いついたのに、メモも無いし、ペンも無いや…
あぁ―――願わくば、またギターが弾けますように。
はい、プロローグ終了です。
タグの通り原作開始前から始めていくので投稿も遅く、理論ガバガバになると思いますが、何卒この小説をご贔屓に。
ま、完結するかは原作次第なのですが。
あとここがおかしいと思ったら報告してくれると助かります。
あとで気づいて修正できないとこまで来てたら手遅れになっちゃうので・・・。
あとちなみにこの小説はセラ生存予定です。
タグには書かないよ!だって皆期待しちゃうでしょ?(震え声)
いつ出るかは秘密です。