俺のテンプレ異世界転生〜必中×千里眼=チート無双!?   作:文隆 貴嶺

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初めまして!ハーメルン様で小説投稿させていただきます、文隆貴嶺と申します!
もともとは『小説家になろう』様にて投稿をさせていただいていたのですが、この度ハーメルン様でも投稿させていただこうと思いました。
処女作で、わからないことばかりですがよろしくお願いします!


第1話 遠山速太

俺は遠山速太(とおやま はやた)

27歳の独身で、彼女は絶賛募集中だ。

 

職業はサラリーマン。地方の小会社に勤務する極普通の超イケメン(自称)の平社員。

職場はブラックではないが、安月給で生活はギリギリ………っと、まあ職場の感じはどうでもいいか。

 

趣味は漫画やライトノベル、ゲーム等。あとは何というか西洋の文化とかが割と好きだ。

楽しみは夏コミと冬コミ。

所謂、ヲタクと呼ばれる人種だな。

まあそれを別に恥には感じないが、確かに堂々と言える気もしない。

 

学生時代は東京に出てガッポリ儲けて、豪勢な人生を送ることを夢見ていたが親から上京の許可は下りず、何よりそんな金が無いから諦めた。

 

交友関係は、何人かのオタク友達がいてそれ以外の奴らとは一見仲良く見えるように表面上の付き合いをしてた。

今までの人生で出来た彼女は高校2年で出来た一個上の先輩だけだ。

明るく美人で面倒見が良く、おっちょこちょいなところが可愛く感じる理想の彼女だ。

その先輩とも、一昨年別れてしまった。

ちょっとしたすれ違いのせいで別れることになった。

 

そんなドン底ではないが、絶頂とは決して言い難い生活を送ってる俺に、

ある日転機が訪れたんだ。

 

 

 

 

 

ある日の昼下がり、速太は昼食を兼ねた会社の外回りが終わって帰社しようと道端を歩いていると奇妙な光景を目撃した。

 

「なんだ……?あれ……?女の子?」

 

反対側の歩道にボンヤリと白いワンピースを着た美しい金髪の少女が立っていた。

 

今はもう秋頃だ。確かに今日は暖かいが、ワンピースを着るほどの気温かと言われれば否だ。

 

そんな事を考えていると、次の瞬間にはその少女の姿は影も形もなくなり、少女の立っていた場所には一匹の狐がいた。

 

「な…………!?なんだったんだ………?幻覚……なのか?」

 

そう呟いた直後だった。

歩道にいた狐が、車道に向かって飛び出したのだ。

 

「うお!?何やってんだ!?」

 

見ると、大型トラックがすぐそこまで迫って来ていた。どうやら運転手は居眠り中らしく全く避ける気配がない。

 

「くそッ………!間に合え!」

 

速太は咄嗟に車道へと飛び出し、全力で走る。

手前側の車道には車は無かったため危険は無かったが、トラックがぶつかるまでに間に合うかはギリギリだった。

 

「危ねえッ!」

 

そう叫び、追いついた狐を拾い上げて逃げようとはしたものの既にトラックは避けられない距離にあり、どう考えても速太も狐も助からない。

 

しかし、速太は諦めなかった。

「せめて狐だけでも」

そう思い、歩道の脇にある草むらへと狐を投げ込む。

 

瞬間、凄まじい衝撃と激痛が全身を駆け巡り速太の意識は刈り取られた。

 

 

 

 

 

「ぐぅ………!痛ってて………!」

 

激しい痛みと頭を揺さぶられ続けるような気分の悪さに目を覚ますと、狭くなった視界の隅にあの狐がいて速太を見ていた。

 

「あ〜…………助かってたか………いや、良かった良かった………」

 

狐は、速太に駆け寄ってくると頬を舐め始めた。

 

「……ぐッ!………よしよし………」

 

そして狐を撫でたところで速太の意識は再び暗転した。

 

 

 

 

「ん………ここ……は?」

 

目を覚ますと速太は真っ黒な空間にいた。

暗い訳ではない。むしろ、こんなに黒いのに希望の光にさえ感じられるほどに明るい。

しかし、やはりどこを見ても何もなく真っ黒なのだ。

 

「体が……痛く…………ない?」

 

全身を動かしてみても初めからあの事故など無かったかのように体は綺麗で、どこにも痛みはない。

 

「どうなってるんだ…………」

 

「私が治したのです。遠山速太さん」

 

声が聞こえた。驚き、振り返るとそこにはあのとき見た白いワンピースを着た金髪の美少女が、目の前に立っていた。

 

「まあ、私が他の神様に頼み込んでなんとか治して頂けたってだけですけどね」

 

「君は!あのときの!」

 

「ええ、先程は助けて頂いてありがとうございました。私はアヌカと申します。どうぞお見知りおきを」

 

その言葉に速太は違和感を覚えた。何故なら自分が助けたのはあくまでも狐だ。それなのに目の前の少女は、あたかも自分が助けられたような事を言っているのだ。

 

「待て待て。俺が助けたのは狐だろ。君じゃない。第一なんだよ神様って?もしかして俺、夢でも見てるのか?ならまだ助かる可能性あるってことか!やった!」

 

「いえ、貴方は既にその生を終えられています。ですので助かるも何も、そもそも助かるものが無いのですから。ここにいるというのはそういうことなのです」

 

「なんだよ………それ…………」

 

「普段はここに人は来ません。何故なら人は亡くなられると、必ず閻魔様の所に行くように決められてるからです。ここに来るのは、何か不手際が起きて亡くなられた方だけです」

 

「ん?じゃあ俺って不手際で死んだの?」

 

「そう、その件で貴方はここに呼ばれたのです。まずは……」

 

そこまで言うとアヌカは急に両膝をつき、頭を下げ額を地面にピッタリとつけた。

所謂、土下座の姿勢だ。

 

「大変申し訳ございませんでしたぁ!」

 

「えええ!?なに!?どうしたの!?」

 

その様子に速太は驚愕し、狼狽える。

 

「実はあの狐は私でして!人間にこの姿を見られたからどうすればいいかわからなくなってとりあえずしゃべらないように言おうと思って飛び出したらあのような状況になってしまって!人には迷惑かけるし主神様には怒られるし副神様にはいびられるし閻魔様はお仕事が増えたといってイライラしてるしもう私どうすればいいんですか!?うわあぁぁん!!」

 

「ちょ、ちょ、ちょっと!落ち着いて!落ち着けって!大丈夫だって!なんとかなるさ!な?だからほら!泣かないで!」

 

急な展開で困った速太は取り敢えずアヌカが泣き止むまで励まし続けた。

 

 

「すみません………私ったら、お見苦しいところをお見せしてしまいました」

 

「い、いや大丈夫だよ」

 

数時間後、やっと泣き止んだアヌカに疲労感を覚えた速太だった。

 

「それで、不手際で死んだらここに呼ばれるだろ?普通に死んだと処理されない訳なんだろ?何があるんだ?」

 

「はい、そのですね……実はですね……私は貴方の生きていた世界の神ではないんです」

 

「へ、へぇ〜そうなんだ〜(この子、神様だったんだ………)」

 

「それでですね、主神様より貴方を私たちの世界へ転生させるように仰せつかっています。ですので貴方には私たちの世界『ロメイル』に来ていただきます」

 

「て、ててててて、転生!?そんなのできるの!?」

 

息を荒くし目を見開き、アヌカの肩を思い切り掴む。はたから見れば、ただの変態にしかみえない。

 

「ひゃあああぁぁぁ!!」

 

「うわっ!ごめん!」

 

「い、いえ!こちらこそ!私なんかがすみません!(ど、どうしよう!?私、神様なのに!)」

 

「それで!?転生させてくれるのってどんな世界!?」

 

「え、えーと……なんというか………ファンタジーな感じ………?」

 

その言葉を聞いた瞬間に、速太は両腕を上げて叫んだ。

 

「よっしゃあああああ!!」

 

「うえぇ!?どうされたんですか!?」

 

「い、いやなんでもないよ。続けて?」

 

「は、はあ………それでですね。貴方が亡くなったのは私の責任でもあるわけですね。なので転生させる時に貴方になにかお詫びの印としてなにか特殊な力を差し上げたいと思いまして」

 

「マジで!?ヒャッホウ!」

 

「あ、その能力なんですけど」

 

「ん?なに?」

 

「私、飛び道具を司る神なのでそれに関する能力しかお渡しできません。しかも、私たちの世界だと飛び道具なんてここ数百年で普及した物なのでそんなに凄い力は出せないんです。申し訳ありません」

 

その期待を裏切るような言葉に速太は膝から崩れ落ちる。

 

「そ…………んな………お、俺の………異世界転生無双物語が…………終わった…………!」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「い、いや、君のせいじゃない………悪いのは便利な飛び道具を使わなかった人間だ………大丈夫………大丈夫………」

 

「で、でも飛び道具があまり無いってことは対抗策も少ないって事ですから………!」

 

「そ、そうだね………ちょっと考えさせて?」

 

「わかりました。では待っていますね」

 

 

 

 

 

「よし!決めた!」

 

「決まりましたね?ではなにを付与するかを言ってください」

 

「俺は………」

 

一拍置いて、息を吸いこんでから速太は自らの命運を委ねる能力を口にする。

 

「投げた物が必ず当たる『必中の加護』と、千里先すら見透す『千里眼』が欲しい!」

 

「2つですか?流石に欲張りなような………」

 

「これくらいならできるだろう?神様なんだから」

 

少し挑発気味に言う速太に対し、アヌカも少しムッとした表情をして答えた。

 

「確かにできますけど……『必中の加護』って言うのができるかどうか………」

 

「なんでだよ?」

 

「だって、投げるって言うのは人間の動作ですから私が操作できるかわからないんですよ」

 

「俺をどうこうするんじゃなくて投げた物体なら飛び道具だろ?ならできるじゃないか」

 

「なるほど、それなら大丈夫ですね。千里眼ならちゃんとつけられますので安心してくださいね」

 

少し不思議に感じた速太は疑問をアヌカにぶつける。

 

「ん?なんで必中の加護は危ないのに、千里眼はいいんだ?あんま飛び道具関係ないだろ」

 

「私たちの世界の千里眼と呼ばれるものは、狩人が身につける一種の感に近い力です。最近の狩人と言えば、飛び道具が主流なので、千里眼も私の管轄になったんですよ。それを強くして渡すくらいならできますよ」

 

「それってちゃんと遠くまで見えるのか?なんとなく地形がわかるとかじゃ困るんだけど……?」

 

「多分大丈夫だと思いますよ」

 

「そうか、なら良かった。それじゃ頼むよ」

 

「はい、では良き人生をお送りくださいね」

 

そのアヌカの言葉を聞くと目の前が真っ白になり、フッと落下していく感覚と共に不思議なことに意識も消えていった。

 




あと3話くらい投稿したら、主人公の転生した世界『ロメイル』の設定を公開しますのでどうぞそちらの方もお願いします。
また、コメントの感想やご意見、質問などもお受けして教訓にしたいと思いますのでよろしくお願いします!
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