俺のテンプレ異世界転生〜必中×千里眼=チート無双!?   作:文隆 貴嶺

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第2話 火種

物心ついた時にはもう、俺は他の子供とは違った。

 

異世界の文明を知り、前世の記憶、遥か遠くを見通す視力、そして何より投げた物がどうなったとしても必ず命中させる神の加護を持っていた。

 

この世界に来てからは前世の知識がある分、楽はあったが苦も大きかった。

 

なにせ言語が違う。俺が生きていた世界と、この転生後のロメイルという世界では全く異なった言語だったのだ。そこらへんはちゃんとしてくれよホント…………

結局、俺は他の奴らの倍以上の時間を勉強に費やすこととなった。

 

「おーい!タオヤ!早く来いよ〜!今日は鬼ごっこやるんだろ!?早く早く〜!」

 

「おい!待ってくれよ〜!俺、投げるのは得意だけど走るのは中の上くらいなんだって!」

 

「それって結構早いじゃねーか!だったら追い付けよ!」

 

俺、遠山速太は生まれ変わった今、普通の農村の少年のタオヤとして過ごしてる。

 

「ほら!もうすぐ着くぞ!イチゴ村だ!」

 

「だから、イチゴじゃなくて

′イチーコ′村だって!」

 

彼がこの世界に生まれて初めて出来た親友にして、いわゆる幼馴染というものの1人、村の『戦士団』という集まりの長である『レムロ』の息子『ラムロ』(それにしてもこの親子、名前が似ている)と一緒に隣村のイチゴ村ことイチーコ村に向かって駆けていた。

 

そう、イチゴみたいな名前だからイチゴ。随分と子供っぽい安直なネーミングセンスだ。

 

「お!見えたぞ!タオヤ!」

 

「本当か!?よっしゃ!ラストスパートだ!」

 

「やっぱり元気余ってんのかよ!まあいいや!さっさと行こう!」

 

「おーう!行くぜぇ!」

 

全力で森を駆け抜ける。俺たちの住む村、『カチート村』とこのイチーコ村は数キロに渡る森で遮られてる。

俺とラムロは、この森をいつも走って渡って行ってるのだ。

 

「おーい!みんな〜!遊ぼうぜ〜!」

 

「お、来たな!よし、それじゃあ始めようぜ!」

 

予め約束をしていたイチーコ村の子供と合流する。

何故、同じ村の子供と遊ばないのかと言うと俺たちの住むカチート村は実は割と小さい農村なのだ。

実際のところ、村には人が20人ほどしかいない。村としてもかなり小さい部類でギリギリ村として成り立っていると言える程度だろう。

だから子供も少なくカチート村には俺とラムロ、それともう1人の幼馴染で『エルフ族』のルフーナの3人しかいない。

 

俺もラムロも2人とも年頃の男子だ。

要するに、「女子なんか面倒くさいし一緒に遊んでられるか」なんていう年相応の考えがあるのだろう。

 

ちなみにルフーナたちエルフ族は俺たちや、カチート村の子供たちの種族『ヒューマン』より明らかに身体能力において優れている。

それでも仲間外れにするのはやはり固定観念や、女に負けるのは悔しいというプライドがあるのだろう。

 

「よっしゃ!まずは隠れんぼだ!日が暮れるまで遊ぶぞぉ〜い!」

 

とにかく今は青春を取り戻した気分で毎日遊び続けている。

 

 

 

 

数時間後ーーーー、

 

「ずりぃぞタオヤ!お前、なんかしただろ!?」

 

「へっへ〜ん!知らねえよ〜♪」

 

結果で言うと、俺が鬼になってそこからずっと全勝だ。

遠い所にいる奴は千里眼で見つけられるし、隠れてる奴には小石を投げて、それが飛んでいった方向に行けば必ず見つかる。

まあ、千里眼のことを知ってるのはラムロだけだし必中の加護はラムロすら知らない。

 

「いやぁ〜!遊んだ遊んだ!それじゃあ日も暮れかけてるし帰るわ!そんじゃあな〜!」

 

「おう、じゃあな〜!」

 

手を振って、友達と別れる。

まだ遊び足りない気もするが、仕方がないだろう。

 

「今日も楽しかったな!しっかし、腹減ったなぁ〜!今日の晩飯なんだろ?」

 

「俺の家は、確か根菜のシチューだってさ。ラムロの家はなんだと思う?」

 

「うーん、俺の家は………あ、そういえばこの間親父が狩ってきた鹿肉の燻製があるんだ。それかも」

 

それを聞いたタオヤは目を光らせた。

 

「マジで!?ちょっと俺のウチにも分けてくれよ!ウチのシチューも分けるからさ!」

 

「いいな!いっそのこと、家族全員呼んでみんなで食おうぜ!あっ、でも確か………」

 

俺の家とラムロは家族ぐるみの関係で幼い頃から、親友の俺たちはいつだって一緒に過ごしてきた。

 

いつも家族同士で一緒に食事をしたりしていた。それがいつもの日常。俺たちが『当たり前』と感じていたものだった。しかし、その平穏はこの日を境に崩れ去った。

 

「ん、なんだ?………………焦げ臭くないか?」

 

ラムロが異変に気づく。いつもと違う。幼少期の頃から慣れ親しんだ森の香りじゃない。

 

「そういえばやけに暑いな………………」

 

千里眼で森の先を見てみよう。そう思っていつものように千里眼を発動させた。そして俺は目撃した。

 

「あ……………ああっ!そんな!そんなそんなそんなッ!!!」

 

そんなはずはない。そう思いたかった。しかし俺の千里眼は捉えてしまった。

 

「どうした!?一体何が見えた!?千里眼を使ったんだろ!?何があったんだ!?」

 

ラムロは俺が尋常じゃない程、驚愕しているので完全に勘違いではなかったことに理解する。

 

燃えてる(・・・・)…………!俺たちの村が…………!俺たちの家が………………!」

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