俺のテンプレ異世界転生〜必中×千里眼=チート無双!?   作:文隆 貴嶺

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第3話 何が出来る?

幼い頃からずっと住んでいた、生活をしていたあの村が。俺たちの故郷、カチート村が紅い炎を上げて燃えていた。

 

「なん…………だって………!?」

 

全力で森の中を駆け抜けていく。道は舗装などされておらず、獣道のようではあるがそんなことを気にしている余裕などない。

 

「もう、少し!」

 

「はあ……!はあ……!くそっ!なんでこんな…………!」

 

息を切らし、喘ぎながら駆けていく。

 

そうしてようやく村に着いた。しかし、そこには和やかな農村だったころの面影などは無く、ただ轟々と音を立てながら燃え続けるただの廃屋が連なっているだけだった。

 

「だっ…………誰か!誰かいないのか!?」

 

「タオヤ!ダメだ!火の手がかなり早い!たぶん色んな方位から火が回ってやがる!」

 

待て…………こいつは今、なんと言った?

色んな方位から(・・・・・・・)火が回っている」と言ったか?

 

俺はその言葉の答えに容易く辿り着く。当然だ。だって普通じゃない。普通じゃそうはならない。普通に考えて、村の中の家が数軒同時に火事を起こすなんてありえない。それがいみする事はーーーー、

 

「それって………誰かが火をつけたって事じゃ」

 

そう言いかけた瞬間だった。

 

「ンン〜〜?ギギッ!イタ!ミツケタッ!ヒューマンダ!ギギギッ!殺セ殺セ!!!」

 

緑色の肌に、腰に動物の皮でできた腰蓑のようなものをつけて棍棒のような太い木の幹を手に持っている人型の『ナニカ』が現れた。

 

「なん………だ?あいつ…………」

 

「あんな生き物見た事ねえぞ…………!?」

 

明らかに俺たちのようなヒューマンとは違う。しかし、エルフでも無い。

ラムロには見たこともない生物だったらしい。

しかし、俺にはわかる。前世に見て、やってきたゲームなんかによく出てきた魔物だ。その名前は、

 

「ゴブリン…………?」

 

「知ってるのか!?」

 

「い、いや、詳しくは知らねえよ………でも1つだけわかるのは」

 

明らかな敵意を持った雰囲気と言葉。これが敵ではなくなんだと言うのだ?

 

「ギギキィッ!」

 

「うぉ!?」

 

「俺たちの敵って事だ!」

 

ゴブリンはラムロに向かって飛びかかってくるが、それを空中で思いきり蹴り飛ばす。

 

「た、助かった!」

 

「早く逃げよう!今の俺たちじゃ多分あんなのには勝てない!」

 

今度はゴブリンから遠ざかるために逃げ回る。しかし、村中にゴブリンがいるらしくどうすることも出来ない。

 

「くそっ!村の中がゴブリンだらけだ!どうすればいい!?」

 

「コッチダッ!痛ブレ!殺セ!」

 

「うるせぇぞ!緑野郎!」

 

悪態を吐くが、そんなものでこの状況がどうにかなるわけでもない。

 

「おい!ラムロ!親父たちは!?レムロさんたちはどこにいる!?」

 

そうだ、レムロさんや俺の親父も所属している戦士団なら………あの人たちこいつらにだって引けは取らない筈だ。

 

「お、親父は昨日から戦士団を連れて村の外に出ちまっていないんだ!お前の親父さんもそうだろ!?そろそろ帰って来てもおかしくない筈なんだが……!」

 

そうだった!昨日から戦士団員は全員出払ってるんだった!

 

「くそ!じゃあ村には戦える奴はいないって事かよ!?」

 

不味い…………!レムロさんどころか戦士団全員が出払ってたんだ………!なんて無防備さだ……!それじゃあどうしようもない……

 

「いや、ルフーナの母ちゃん………セフィーさんは!?あの人魔法とか使えたじゃねえか!」

 

ラムロがふと気づいたように言う。

ルフーナの母親、そうか。そういえばヒューマンではなくエルフのあの人なら戦える!

 

エルフ族は他の種族と比較して、高い弓矢と魔法の適性があると聞いたことがある。そのエルフのあの人だったら!

 

「だけどセフィーさん今どこにいるんだ!?村の中結構走ってたけど見てねえぞ!?」

 

「てか、村の奴なんて誰も見てないだろ!」

 

そう、俺たちはゴブリンから逃げながら村中を走り回っているが村人なんて1人も見ていないのだ。

 

「どうする!?本格的に逃げ回るのもキツくなってきただろ!そろそろ囲まれてもおかしくない!」

 

確かにラムロの言う通りで、このままだと多分ジリ貧だ。数も向こうが上なのだから。

 

「とりあえず馬小屋に行こう!あそこなら農具入れとかがあっただろ!とりあえずそれで戦うぞ!」

 

「了解!全力疾走だ!」

 

 

 

 

 

「ど、どうだ?撒けたか?」

 

「うん、なんとかなったみたいだ」

 

ゴブリンに追いつかれることなく馬小屋に到着することの出来た俺たちは、納屋の中に山積みになった(わら)の後ろに隠れることで難を逃れた。

 

「うーん、どうする?たぶんここが燃やされるのもそんなに遅くないぞ?」

 

ラムロは不安げな顔をしてそう言ってくる。

 

「だよなぁ、とりあえずは武器の確保が優先だけど……………(かま)とか、(くわ)とか?」

 

「…………………それとかいいんじゃねえの?」

 

そう言いながらラムロが指を指したのは、藁山のてっぺんに突き刺さった踏み鋤(ふみすき)だった。

 

踏み鋤は普通なら土を掘り起こしたりするのに使うものだが、先端が尖っていくつかの爪に別れている。使い方によっては十分に武器になり得るだろう。

 

「でもよ、お前が親父さんに教わってたの剣術だけじゃね?棒術なんて教えてもらってないだろ?」

 

「お前が使えばいいだろ。俺は……………こんなのとか使えそうじゃないか?」

 

ラムロが取り出したのは剣鉈(けんなた)と呼ばれる刃物だ。

まあ、その名の通りに剣のような刀身をした鉈だ。

 

「ちょっと短いけど、まあ扱えるだろ」

 

「ふむふむ、なんでそんな物がここにあるかはこの際気にしないでおこう」

 

鉈なんて普通個人的なものだろ。なんで共同使用の納屋にそんなの置いてあるんだよ。

 

「ギギィ?イタ!殺ス殺ス!キャハハッ!」

 

「やっべ!見つかったぞ!仲間を呼ばれる前になんとか倒そう!」

 

「うっしゃ!武器がありゃあゴブリンの一匹くらいなんとか出来るだろ!かかってこいや!」

 

鋤を藁山から引き抜いて構える。でもこんな使い方初めてだからなぁ………

 

「ギギッ!オマエラ生意気ダ!殺ス!」

 

棍棒を振り上げて俺たちの方に走りこんでくるゴブリン。

だが、その動きは別段早い訳でもなく対応は容易い。

 

「遅えよマヌケ!」

 

思い切り鳩尾の辺りを突くと、紫色の血を流しながらゴブリンは悲鳴を上げる。

 

「ギャアアア!?」

 

「ふっ!」

 

ラムロが息を吐き出しながら、手に持った鉈でゴブリンの首を思い切り斬りつけた。

 

どうやら喉の骨、頚椎(けいつい)にあたる部分に当たったらしく、鉈の刃は「ガッ!」と音を立てて首の筋を斬り裂くのを止める。

 

喉からは腹を突いたとき以上に血が噴き出て、ゴブリンは絶命した。

 

「ふぅー……………」

 

ラムロは鉈を首から引き抜くと、残った息を全て吐き出しながら目を瞑る。精神統一の一種だろうか?

 

「俺、剣術はよくわからないけど良い太刀筋だな」

 

「わからねえのに良いって言われても説得力のカケラも無いな」

 

「確かにそうだわ。それで?これからどうする?」

 

ラムロは顎に手をやって考える。こういう戦いの判断は俺よりも正しいものがこいつには出来るだろう。

 

「戦ってみた限り、個体がそんなに強いっていうことじゃなさそうだからな。戦って状況がマズくなったら後退って感じだな」

 

「後退するってどこにだよ?」

 

「畑………かな?下手に障害物があるとそこから飛び出して来られたりしたらひとたまりもないから、畑がちょうどいいと思う」

 

なるほど、やはり戦術はこいつにまかせてよかったようだ。

 

「わかった。それじゃあ、それでいこう。んで?どうやって仕掛ける?当然だが、奇襲が一番効果的なんだろ?」

 

「まあ、そうだな。奇襲か………相手があの量じゃ難しそうな気もするが…………」

 

んー、まあいつかわかることだし生き抜くためには仕方ないか。よし、ここはひとつ神のご加護ってモンを見せてやろうじゃないか。

 

「もし策がないなら、俺に任せてくれないか?とっておきの秘密兵器がある」

 

「秘密兵器?」

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