また会えたことを嬉しく思います!
それでは、よろしくお願いします!
異世界での仲間
ーーー回想ーーー
こころ「…1対1対1の時は、回避行動をしなきゃダメ…。…それに、大きな隙の出来る攻撃だけは、絶対にダメ」
大妖精「…なるほど」
こころ「…じゃあ、問題。…どんな遠距離機体でも、必ず接近戦用武器の『ビームサーベル』を装備しているの?」
大妖精「それは…、混戦になったとき、誤射してしまう可能性があるから、ですか?」
こころ「…65点、だよ。答えは、相手がスピード特化かつ接近戦が得意な場合、銃だけじゃ対処できないから。…あとは、相手の数が少なければ少ないほど避けられやすいから、だよ」
大妖精「…勉強になります!」
このやり取りは、大妖精がガンプラバトルを始めた頃、当時最強だった『秦こころ』から貰ったアドバイスだった。しかし、そう言う彼女のガンプラは、遠距離特化機体であり接近戦用の武器は対戦艦用タガーのみだった。
大妖精「じゃあ、なんでこころさんはタガーしか装備してないんですか?」
こころ「…それはね、私の前に立ってくれるパートナーが現れるのを待ってるからだよ」
嘘だと、直ぐに分かった。そんなことの為にタガーしか装備しない訳がない。
大妖精「本当のことを、教えてください」
こころ「……実は、さっき教えた事を覆せる条件があるの。…わかる?」
返答につまる。口を開こうとして、やめた。
こころ「…絶対に当てれる腕と、…隙が生まれない高火力の武器、…近づかれても振り切れるスピード。この3つだけで、十分。一言で言うと、『落とされる前に落とす』が出来ればいいの」
なるほど、と、素直に納得出来た。流石、
ーーー現在ーーー
大妖精「ここは…?」
どうやら気を失っていたようだ。気がつくとそこはコックピットの中のようだった。内装からすると、ガンダムデルタカイのコックピットだろう。脱出を試みるが、開かない。
???『ガンプラに選ばし英雄の諸君。気分はどうだろうか』
直接脳に語りかけるような声が聞こえてきた。思わず頭を抑える。しかし、声は止まない。しかも、それとは別に違和感を感じた。
???『今から諸君らが行う
1.戦いの場所は異世界。
2.3人1組で出来るだけ行動。
3.チーム以外のプレイヤーと接触した場合は戦闘を行うこと(共通の敵である
4.異世界にいる人物の力を借りることは可能。
5.ガンプラが全壊状態になるとゲームオーバー。
6.異世界のボスを倒したらこのゲームは終わる。 とする』
以外に簡単なルールではある。が、この
???『異論はないな。では、ゲームをスタートする』
その声が合図だったのだろう。次の瞬間には宇宙空間に。そして、自機の『ガンダムデルタカイ』に『搭乗』していた。周りを確認してみると、味方機の反応が2つ。恐らくこの反応が味方なのだろう。呼び掛けてみようと試みるが、やり方がわからない。
プッ!
???『そこのデルタカイ!お前が仲間だな!』
呼び掛けられた。呼び掛けてきた機体は…ガンダム試作2号機サイサリス。のようにみえる。
???2『2人とも、よろしく、かな』
そう通信に入って来た機体…エールストライクガンダムのパイロット。この2人が仲間みたいだ。
???2『そう言えば、まだ名乗ってなかったかな。僕の名前は『ベルリ・ウォント』。君達の名前も教えて欲しい』
???『俺の名前は『ウルク・バインドルト』だ』
エールストライクガンダムのパイロットは『ベルリ・ウォント』。ガンダム試作2号機サイサリスのパイロットは『ウルク・バインドルト』という名前のようだ。ここでいきなり問題が発生した。名前だ。『大妖精』なんて言えるわけがない。
大妖精「私の名前は…『大妖精』だよ。よろしくね」
偽名を考えるほど器用な事が出来る訳もなく、本名を名乗る
ウルク『おいおい!いきなり偽名かよ!俺たちが信用出来ねえってか?』
ベルリ『落ち着け、ウルク。相手は女の子だ。名前ぐらい隠したって問題ないだろう?』
ウルク『チッ!…そういうもんかねぇ』
ベルリ『そういうもんだよ』
納得してくれたようだ。説明が省けたことは良かったが、いつかはちゃんと説明ができたら、いいな。
???『挨拶は、済んだかな?済んだようなら、まずは味方同士で戦ってくれ。チームを組むとはいえ、味方の戦闘能力を知らなくてはいけないだろう?安心したまえ。今回のみ機体耐久値が0になれば終わりだ。機体は破壊されない。では、スタートだ』
ウルク『だってよ』
そう言うば早いか、いきなりウルクは
ベルリ『ちょっ!』
大妖精「…………」
ベルリはシールドで耐えるつもりだったのだろうが、エールストライクのシールドでは耐えられない。つまり、耐久値が0になるということ。そして、アトミックバズーカは撃った直後は硬直する。ようは、隙だらけ。
大妖精「私の、勝ちだね」
ファンネルシールドを貼り核の爆風から身を守りつつ、変形。サイサリスの目の前まで行き、変形を解除。ビームサーベルを喉元に突きつけた。
ウルク『速いっ!?』
慌てて回避しようとしたのだろうが、サイサリスは速度が出ない。当然、回避できる訳がない。
大妖精「降参、してくれる?」
ウルク『チッ!シャーねぇ。負けだ負け』
ウルクも素直に認めてくれた。どうやら筋肉バカというやつではないようだ。同じチームとしてはそれが分かっただけで満足出来る結果だろう。
ビービービーッ!!
敵機反応のサインが鳴る。反応の数は約10000。ジムタイプのようだ。しかも、
ウルク『なんだありゃあ!?』
ベルリ『見たらわかるだろう!敵だ!』
大妖精「2人とも、逃げて」
ウルク『あ?!ふざけるなよ!俺だって!』
大妖精「ふざけてるのは貴方よ!アトミックバズーカの残弾だってない。それに!その機体は数に弱いのよ!」
2人の機体を見ての判断である。エールストライクは戦えるとはいえ、サイサリスを護衛なしで逃すのは難しすぎる。
ベルリ『大妖精さんは?!』
大妖精「私はまだ何もしてないし。それに、ジムじゃデルタの加速についてこれないから」
ベルリ『分かった。生きて、また会いましょう』
大妖精「了解」
2人に背を向ける。2人が撤退していくのを見届けると、大妖精は諦めたよう表情をみせる
大妖精「流石に数、多いよねぇ…。でも!負けるわけには!いかないの!」
限界まで加速し、ジムの群れに突っ込んでいく。
大妖精が去った後、秦こころは1人、呟いた。
こころ「…紫さん、貴女の都合に大妖精を巻き込むの〜?」
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それではまた次回、お会いできるのを心待ちにしております!